1.六日目の夜
高度育成高等学校が課した無人島サバイバル試験は、残すところあと一日、六日目の夜を迎えていた。
だが、その夜の訪れを祝うような静寂はどこにもない。午後から急速に発達した熱帯低気圧は、容赦のない暴風雨となって無人島のジャングルを叩きつけていた。
ゴウゴウと地鳴りのように響く風の音、木の葉を激しく引き裂くような猛烈な雨の音が、ジャングル全体を完全に支配している。
Dクラスのベースキャンプから離れた、激しい雨風をかろうじて遮るだけの「小さな岩陰の洞窟」。その薄暗く狭い内部で、乾いた岩肌に背を預けるようにして、堀北鈴音は膝を抱えて座り込んでいた。
昼過ぎに伊吹澪にリーダーカードを盗まれ、泥まみれになりながら追跡した末に力尽き、継国漣にこの場所へ運び込まれた彼女の身体は、限界をとうに超えていた。
連日の猛暑、慣れないサバイバル生活、カードを奪われた絶望、そして何より「リーダー」としてクラスを背負わなければならないという精神的重圧。それらが積み重なった結果、彼女の身体は四十度近い高熱に侵されていた。泥と雨水に汚れた学校指定のジャージに身を包んだまま、呼吸は浅く激しく、吐き出す息は火のように熱い。蒼白な額には脂汗が滲み、端正な顔立ちは苦痛と悔恨に歪んでいた。
「はぁ……はぁ……っ……、くっ……」
熱に浮かされ、まともな思考力など残っていない。視界はぐにゃぐにゃと歪み、自分が今どうあるべきなのかすら怪しくなりつつある。
そんな彼女の前に、一人の男が音もなく歩み寄ってきた。
継国漣。
クラス中が困窮し、精神を摩耗させるこの極限環境において、ただ一人、世界の王であるかのように平然と君臨し続ける絶対的な資本家にして怪物。
彼はいつものようにヘラヘラとした、しかし底の知れない琥珀色の瞳を細めた薄笑いを浮かべ、這いつくばる堀北を冷徹に見下ろした。
「あはは、堀北ちゃん。随分と辛そうだねぇ。自業自得とは言え、自慢のカードも盗まれてこれじゃ形無しだ。見ていて涙が出てきちゃうよ」
「つぐ、くに……くん……。あなた、は……」
堀北は朦朧とする意識の中で、泥に汚れた顔を上げ、必死に彼を睨みつけようとした。しかし、その瞳にはいつもの鋭さはなく、涙の膜が張った無力な少女のそれだった。
漣はゆっくりと腰を落とし、堀北の顎をその器用な指先で強引に掬い上げた。冷たい指の感触が、熱に茹だる彼女の肌に強烈な刺激を与える。
「いいかい、堀北ちゃん。お前がそのちっぽけなプライドをどれだけ守ろうとしたところで、現実はお前の肉体を容赦なく破壊している。お前じゃこのクラスを導けない。兄である堀北学に追いつくどころか、ここで無様にのたれ死ぬのがオチさ。だからさぁ……」
漣は顔を近づけ、その耳元で、悪魔の囁きのような圧倒的なプレッシャーを孕んだ声を響かせた。
「――俺の女になれよ、鈴音。そうすれば、お前のその無価値な苦痛を、俺が全部融かして、最高に気持ちいい天国へ連れて行ってあげるからさぁ」
その言葉は、絶望の淵に立たされていた堀北の心臓を大きく跳ね上がらせた。普段の彼女であれば、激しく拒絶し、侮蔑の言葉を叩きつけていただろう。だが、今の彼女は違った。カードを奪われ、兄の期待を裏切ったという絶望と、高熱によって脳の防壁は完全に決壊しており、正常な判断能力など塵一つ残っていなかった。
「……もう……疲れたわ……」
堀北の口から、掠れた、傷ついたプライドの最果ての呟きが漏れた。
「兄さんに、追いつくために……私は、一人で、やらなきゃ、いけなかったのに……。カードを、奪われて……もう、どうにでもして……。好きに、したら、いいわ……」
自暴自棄。完璧を追い求め、孤高を貫いてきた少女の心が、完全に崩壊した瞬間だった。
その言葉を聞いた瞬間、漣の琥珀色の瞳に、純粋な捕食者としての極上の愉悦と欲望の炎が灯った。
「あはは! 最高の答えだよ、鈴音。なら、その契約、確かに執行させてもらうぜ」
2.暴風雨の中の調伏
ここはDクラスの拠点から完全に離れた隠れ家であり、他人の目を気にする必要は微塵もない。外の暴風雨の音が凄まじい轟音となって小さな洞窟内に響き渡り、二人の密事を完全に掻き消してくれる最高の舞台だった。
漣は、自身の脱ぎ捨てた乾いた上着や衣服を、岩肌の冷たさを遮るための即席の敷物として丁寧に広げ、その上に堀北をゆっくりと横たわらせた。衣服の上からでも伝わる岩の冷気を、漣の温もりが残る布地が優しく和らげる。その上で、堀北は抵抗する素振りを一切見せず、ただ荒い息を繰り返しながら、熱に潤んだ瞳で漣を見つめることしかできない。四十度近い高熱は、彼女の強靭な意志の防壁を完全に溶かし尽くしていた。
「さあ、まずはその泥と汗で汚れた邪魔な布切れを全部脱ぎ捨てようか。ドクター漣の特製治療は、衣服の上からじゃ効果が半減しちゃうからねぇ」
漣の手は電光石火でありながら、極めて洗練されていた。プロの暗殺術すら応用した無駄のない指先が、堀北の首元へと伸びる。泥と雨水に汚れた学校指定のジャージの上着のファスナーが、ジジジ……と重苦しい音を立てて引き下げられていく。フロントが左右に割れると、汗でその華奢な肌にぴったりと張り付いていた白いTシャツが露わになった。
漣は躊躇なくそのTシャツの裾を掴み、堀北の両腕を優しく、しかし強引にバンザイの形に持ち上げながら、一気に頭上へと剥ぎ取った。
「あ……、はぁ……、っ……」
冷たい洞窟内の空気が、露出した上半身に触れた瞬間、堀北の身体が小さく震える。しかし、彼女の吐き出す息は熱風のように熱い。
続いて、漣の指先はジャージのパンツのウエストへと掛けられた。紐を鮮やかに解き、泥に塗れた布地を太もも、ふくらはぎへと滑らせていく。その一連の動作の途中で、堀北が身に着けていた白を基調とした素朴な下着までもが、漣の器用な指先によって容赦なく、しかし芸術的な手際で一緒に引き抜かれていった。
またたく間に、堀北鈴音の完全な全裸が、薄暗い空間に晒される。
高熱によってほんのりと美しい桜色に火照った白い肌。術策や自己研鑽のために日頃から鍛え上げられた、少女らしい瑞々しさと引き締まった美しさを残す肉体。無駄な脂肪の一切ないウエスト、そして衣服の下に隠されていた、豊かで形の良い確かな主張を持つ胸が、呼吸に合わせて激しく上下している。ツンと上を向いた突起は、寒さと熱の混ざり合った刺激によって、すでに小さく固く収縮していた。
「あはは、本当に素晴らしい素材だ。これほど高いプライドを誇る黒百合が、泥に塗れて僕の前に横たわっている。お前のその高慢な肉体を、これから僕の色に徹底的に染め上げられると思うと、脳の髄からゾクゾクしちゃうねぇ」
漣もまた、自身の残りの衣服を一切の躊躇なく脱ぎ捨てた。
暗がりのなかで露わになったのは、前世から受け継いだ超高スペックな遺伝子と、極限の修練によって作り上げられた、一切の無駄を削ぎ落とした強靭な肉体だ。鋼のような胸板、割れた腹筋、そしてその股間には、すでに凶暴なまでの質量を持った一物が、獲物を狙う肉食獣のようにドクドクと脈打ち、天を突いて猛り狂っていた。
お互いが完全な全裸となったその瞬間、狭い空間の空気そのものが一気に沸騰した。
漣は漣自身の衣服の上に横たわる堀北の身体を覆い尽くし、彼女の顎を再び指先で固定すると、その薄い唇を強引に奪った。
「ん……ぅ、んんっ……!?」
堀北の目が大きく見開かれる。それは彼女の人生において、全く未知の領域から放たれた衝撃だった。漣の厚く熱い唇が重なり、間髪入れずにその強靭な舌が、固く閉じられていた彼女の歯列をこじ開けて口内へと侵入する。
熱く乾いた彼女の粘膜を、漣の舌が容赦なく、そして深く貪るように蹂躙していく。上顎の敏感な部分を愛撫され、舌を複雑に絡め取られるたびに、堀北の脳内を直接かき回されるような猛烈な快感が突き抜けた。鼻腔を埋め尽くす漣の濃厚な雄の匂いと、鼓膜の奥で響く暴風雨の音。高熱でドロドロに溶けかかっていた彼女の思考力は、この強烈なファーストキスによって完全に消失し、ただ快楽の泥濘へと沈んでいくしかなかった。
「は、あ……っ、ふ……うう……っ、ん、む……」
ようやく唇が離れた時、二人の唇の間に一本の細い銀の糸が美しく引いた。
堀北の琥珀色の瞳は、すでに焦点を結んでいない。ただ熱に浮かされ、快楽の余韻に唇を微かに震わせ、浅い呼吸を繰り返している。
「あはは、どうしたの鈴音。これだけでそんなに可愛い顔になっちゃって。僕の特製治療は、まだ始まったばかりだよ?」
漣は下卑た、しかし抗えない絶対的な魅力を持った笑みを浮かべ、その唇を彼女の細い首筋へと滑らせた。
脈打つ頸動脈のあたりを優しく吸い上げ、歯を立てて軽く噛みつく。
「ひゃんっ……!? や、やめ……あ、そこ……っ」
堀北の口から、およそ彼女らしくない可愛い悲鳴が漏れ出る。漣の唇はさらに下へと進み、鎖骨のラインをなぞりながら、彼女の豊かな胸の膨らみへと辿り着いた。
漣はその先端の突起を、唇の中に丸ごと吸い込み、舌先で転がすように激しく刺激し始めた。
「ひぎぃっ……! あ、あん……っ! 胸が、胸が変になっちゃう……っ!」
愛撫されるたびに、堀北の華奢な身体がビクビクと大きく跳ねる。もう片方の豊かな胸も、漣の大きな手のひらによって力強く揉みほぐされ、その確かな重みと弾力を確かめるように、指先で先端をピンポイントで弄ばれていた。
「だめでしょ、鈴音。全部僕に預ける、どうにでもしてって言ったのはお前の方じゃないか。ほら、口ではそんなことを言いながら、身体はこんなに熱くなって、僕の刺激を求めてるじゃないか。……さあ、ここをよく触って、現実を見なよ」
漣は堀北の震える右手を取り、自身の股間にそびえ立つ、血管を怒張させた硬大な一物へと導いた。
熱く、ドクドクと脈打つ凶暴な質量が、堀北の小さな手のひらに強制的に握らされる。
「ひっ……!? な、なに、これ……」
その規格外の大きさと硬さに、堀北は本能的な恐怖を覚えた。手のひらでは到底収まりきらない太さと、熱を帯びた鉄棒のような質量。
「大き、すぎて……こんなの……入るわけ、ない……。引き裂かれちゃう……っ」
恐怖と、それ以上に自身の女としての本能が引き出されることへの戸惑いに揺れる堀北の顔を、漣は琥珀色の瞳を怪しく光らせて見つめ返した。
「あはは! 入るさ、僕の指先と知識を舐めないでほしいな。これがお前を本物の女にする、悪魔の証明だよ。お前の中に眠るその頑固で硬い氷を、根元から徹底的に叩き壊してあげるからさぁ」
漣は堀北を仰向けにさせたまま、広げた自身の衣服の上で、その白くしなやかな両脚を優しく、しかし有無を言わせぬ確実さで押し開いた。無防備に晒された彼女の最も神聖な秘丘は、高熱の影響とここまでの濃厚な口付けや胸への愛撫によって、すでにほんのりと蜜を滲ませ、淡いピンク色の肉壁がかすかに震えている。
「いいかい、鈴音。最初だけは、ドクターとしての僕の最高の医術知識を以て、君を優しく開拓してあげるからねぇ。力を抜いて、僕の体温だけに集中するんだ」
漣の声は、恐ろしいほどのプレッシャーを含みながらも、同時に脳の芯を痺れさせるような甘い響きを帯びていた。彼は独自の解剖学的知識に基づき、堀北の骨盤の傾きを完璧に調整し、彼女の肉体が最も受け入れやすい絶妙な角度を導き出す。獰猛なまでに硬化した先端を入り口にピタリと添え、堀北の「はぁ、はぁ、はぁ……」という激しい呼吸の合間に合わせて、ゆっくりと、しかし確実に自らの質量を押し進めていった。
「――っ、あ……う、嘘……っ、何かが、入って、くる……っ!」
堀北の身体が極限の緊張で弓なりに強張る。未だかつて誰も立ち入ったことのない彼女の純潔の聖域へと、漣の圧倒的な一物が容赦なく割り込んでいく。処女特有の狭隘な肉壁が激しく抵抗し、漣の硬大をギチギチと締め付けるが、漣は指先で彼女の腰を優しく愛撫し、緊張を解きほぐしながら、一センチずつ、確実に根元へと向かって進めていく。
「痛い……熱い、よ……っ! 裂けちゃう、壊されちゃう……あ、ああああっ!!」
堀北は漣の逞しい肩に細い両腕を回し、その背中に爪を立てて涙を流した。初めて経験する異物の感覚、肉体を内側から完全に占有されるという圧倒的な「所有」の感覚に、彼女の心は激しく震えていた。
だが、漣の超スペック脳が計算した角度と速度は、彼女の肉体に過度な負担をかけることなく、純潔の証である薄い障壁を鮮やかに、そして優しく突き破っていった。
ズブ、ズブブ……と、完全に根元まで結合が完了したその瞬間、堀北は「はぁぁぁ……っ!!」と大きな息を吐き出し、漣の胸に顔を埋めた。
内側から完全に満たされた感覚。彼女の高いプライドが、肉体の中心から強固に侵食されていく。
「あはは、おめでとう鈴音。これで君は、僕という絶対的な資本にひれ伏す最初のステップを上ったわけだ。どうだい? 僕のモノが、君の最奥を完璧に占有している気分は?」
「くっ……、私は……あなたなんかに……っ、屈し、ない……。こんな、身体だけの、暴力……っ。私は、絶対に、認め……んあぁぁっ!?」
堀北は涙を浮かべながらも、凛とした琥珀色の瞳で漣を睨みつけようと掠れた声を絞り出す。だが、彼女がその高慢なセリフを言い切る前に、漣が腰を僅かに動かし、肉壁のさらに奥にある最も敏感な弱点(子宮口)を、ピンポイントでゴツンと優しく、しかし確実に突いた。その瞬間、彼女の気丈な反論はあっけなく、脳を揺らすような快楽の悲鳴にかき消された。
「あはは! 口ではそんなことを言いながら、身体はこんなに正直じゃないか。ほら、君の最奥の肉壁が、僕のモノを逃がさないようにギュウギュウと締め付けて、もっと奥へと誘い込んでいるよ?」
漣は結合部を密着させたまま、腰を前後にゆっくりと揺らし始めた。正常位の体勢は、お互いの視線が嫌でも交わる。堀北は快楽に翻弄されながらも、漣の底の知れない琥珀色の瞳から目を離すことができない。漣が突くたびに、彼女の豊かな胸が美しく波打ち、先端の赤みがかった突起が漣の胸板に擦れ合う。
「あ、あん……っ! ひゃぅっ! 駄目、動かないで……頭がおかしく、なっちゃう……っ!」
「ノンノン、ここからが本当の治療(本番)だよ、鈴音」
漣はストロークを徐々に大きくし、確実なピストン運動へと移行していく。独自の医術知識で彼女の最も感じるポイントを正確に抉るように突くため、堀北は痛みを忘れて、脳を痺れさせる極上の快楽へと瞬時に引きずり込まれていった。
「さあ、次はもっと深く、獣のようにお互いの本能を剥き出しにしようじゃないか」
正常位での執拗な突きによって、堀北の秘丘が十分に愛液と純潔の交じり合った蜜で潤ったのを確認すると、漣は彼女の華奢な腰を掴み、四つん這いの体勢へと強制的に転向させた。
敷き詰められた漣の衣服に膝を突き、お尻を高く突き出させられた堀北は、その恥辱に満ちた姿勢に顔を真っ赤に染める。しかし、四十度の熱と先ほどの絶頂の余韻で、四肢に力が入らず、ただ言われるがままに肉体を晒すことしかできない。彼女の自慢の美しい黒髪が、汗と涙で肌に張り付き、乱雑に背中へと流れている。
漣は彼女の背後から迫り、その豊かなお尻の肉を両手で力強く掴んで押し開くと、先ほどよりもさらに凶暴さを増した一物を、彼女の背後から一気に突き刺した。
ドスゥッ!!!
「ひぎぃぃぃぃぃっっっ――!!???」
後背位による容赦のない深度の突きが、堀北の最奥を完全に踏み抜いた。あまりの衝撃に、彼女は背中を反らせ、黒髪を激しく振り乱しながら絶叫した。この体勢は、正常位の比ではないほど深く、鋭く一物が侵入する。
「あはは! 最高の締め付けだねぇ、鈴音! 後ろから突かれるのは初めてかい? 君のその引き締まったウエストが、僕が突くたびに激しくしなる様子は、本当に見物だよ!」
漣は捕食者の如き本能を剥き出しにし、強靭な腰のバネを使って、猛烈な速度で腰を打ち付け始めた。
ドスッ! ドスッ! ドスッ! ドスッ!
肉体と肉体が激しく衝突する、生々しく淫らな破壊音が、洞窟の中に鳴り響く。外の暴風雨の轟音すら掻き消さんばかりの勢いで、漣は堀北の肉壁を容査なく抉り、蹂躙していく。
「あ、あぁぁぁっ! すごい、何これ、深すぎる……っ! 届いてる、奥の、そこは、駄目ぇぇぇっ!」
堀北は髪を激しく左右に振り乱し、快楽の泥濘の中で狂ったように喘いだ。漣の大きな手が彼女の豊かな胸を後ろから包み込み、激しいピストン運動に合わせて容赦なく揉みしだく。指先でピンポイントに突起を弾かれるたびに、彼女の脳内は快楽のシグナルで飽和状態となった。
「嫌……嫌なのに、身体が勝手に……っ! 漣くん、すごい、すごすぎて私、壊れちゃう……っ!」
かつて孤高を誇り、誰も寄せ付けなかった氷の美少女は、いまや髪を振り乱し、自分からお尻を後ろへと突き出して漣の猛烈な突きを強欲に求める「牝獣」へと完全に調伏されていた。彼女の脳内からは、Dクラスのリーダーとしての重圧も、兄に認められたいという執着もすべて消し飛び、ただ背後から自分を狂わせる悪魔の資本(しるし)だけが世界のすべてになっていた。
「あはは、最高だよ鈴音! もっと声を張り上げて、僕の支配をその身体に刻み込みなよ!」
漣の速度はさらに加速する。プロの暗殺術で鍛え上げられた無駄のない筋肉が、正確無比なリズムで堀北の最奥を突く。堀北は白目を剥きかけ、口元からよだれが垂れるのも構わずに、何度も、何度も連続して絶頂の波に呑まれていった。彼女の美しい黒髪が、激しいピストンの衝撃で何度も宙を舞い、洞窟の壁に二人の狂おしい影を大きく映し出していた。
激しい後背位での蹂躙の後、堀北は完全に意識が朦朧となり、崩れ落ちそうになっていた。だが、漣はそれを許さない。彼は結合を解くことなく、堀北の華奢な身体を正面から抱き上げ、自身が壁に背を預けて座る形で、対面座位へと体勢を移行させた。
一物が彼女の最奥に深く突き刺さったまま、二人の肉体が完全に密着する。堀北の両脚は漣の腰を挟み込むように回され、彼女の豊かな胸が漣の頑強な胸板にぴったりと押し付けられた。
「はぁ、はぁ、はぁ……、漣、くん……私、は……もう、動けない、よ……」
堀北の瞳は完全に潤み、焦点が定まっていない。しかし、その顔は快楽と熱によって、これ以上ないほど妖艶に紅潮していた。
「動かなくていいさ、鈴音。ここからは、僕たちの絶対的な『契約』の時間だ。君のその高いプライドも、僕のこの一物の前には完全に折れ伏した。これからは、僕の所有物として、僕の敷いた楽園の数理の上で踊ってもらうよ」
漣は彼女の耳元で甘く、そして冷酷に囁き、彼女の腰を両手でしっかりと掴むと、今度は垂直に彼女の身体を上下させ始めた。
ズクン、ズクンと、重力も加わって、正常位や後背位とはまた違う、内側を完全に押し潰されるような強烈な圧迫感が堀北を襲う。
「ひ、あぁぁぁ……っ!! あ、あああぁっ! 詰まってる、お腹の、一番奥が、全部漣くんで、いっぱい……っ!」
堀北は漣の首に必死にしがみつき、彼の肩に顔を埋めて声を殺そうとした。だが、漣が下から突き上げる衝撃は彼女の防壁を容易に粉砕し、可愛らしい悲鳴を洞窟内に響かせる。
お互いの汗と愛液が混ざり合い、密着した皮膚の間でグチョグチョと淫らな音を立てる。対面座位の体勢は、お互いの体温、心臓の鼓動、そして呼吸のすべてが完全に同調する。堀北は、自分の心臓が漣の圧倒的な存在感に支配されていくのを感じていた。
「どうだい、鈴音。僕なしでは、もう生きていけない身体になっちゃっただろう? 君のその可愛い子宮の入り口が、僕のモノを欲しがって、絶え間なくピクピクと痙攣しているよ」
「……つぐ、くに……くん……漣、くん……っ。私の、負け、よ……。もう、あなたの言う通りに、するから……だから、もっと、私の中を、めちゃくちゃにしてぇ……っ!」
ついに、孤高の一輪の黒百合が、完全に折れた瞬間だった。彼女は自身のプライドをすべてドブに捨て、目の前の悪魔に心も身体も、骨の髄まで服従することを自ら誓ったのだ。その言葉を聞いた漣の琥琥珀色の瞳が、勝利の歓喜で怪しくギラリと輝いた。
「あはは、最高のご褒美だねぇ、鈴音! 契約成立だ! お前のその可愛い子宮の中に、僕の絶対的な資本(しるし)を、生涯消えない消印として溢れるほど注ぎ込んでやるよ!」
「あ、あああああぁぁぁっっ!!! 漣くん、頂戴……! 私のなかに、あなたの、全部を、流してぇぇええええっっっ!!!」
二人の絶頂が完全に重なり合った。
外の暴風雨が最高潮に達し、巨大な落雷が島全体を激しく震わせたその瞬間、漣は対面座位のまま、堀北の最も深い場所、その子宮の奥底へと自らの一物を限界まで踏みぬいた。
ズクンッ!!!
血管を怒張させた硬大の一物から、漣の熱い種汁が、堀北の純潔なる胎内へと容赦なく、ドクドクと大量に、文字通りの濁流となって放出されていく。
「ひ、ひぎぃぃいいいいっっっ――!!!???」
内側から注ぎ込まれる圧倒的な熱量と、細胞レベルで刻まれる支配の感覚に、堀北の身体は強烈な痙攣を起こした。彼女は白目を剥き、言葉にならない絶頂の悲鳴を上げながら、漣の胸の中で完全に限界を迎えた。
体内の最奥が、悪魔の資本によって完全に満たされていく。その絶対的な所有の感覚に包まれながら、堀北鈴音は心地よい絶望と圧倒的な快楽の余韻のなかで、静かに意識を失い、漣の逞しい身体に身を預けたまま、泥のように眠りへと落ちていった。
外の暴風雨はさらに激しさを増し、巨大な落雷の轟音が島全体を激しく震わせる。だが、そのすべてが、二人の絶対的な結合と、黒百合の完全なる折伏を祝福する賛美歌へと変わっていた。
3.深夜の本部
どれほどの時間が経過しただろうか。
あれほど激しかった暴風雨は、嘘のように止んでいた。雲の切れ間から、冷たい月光が無人島のジャングルを静かに照らし出している。
深夜の静寂の中、漣は自身の衣服を身にまとい、いつものヘラヘラとした薄笑いを浮かべていた。
彼の足元には、完全に意識を失い、高熱にうなされながらも、どこか満足げな表情を浮かべて眠る堀北鈴音の姿がある。
漣は屈み込むと、堀北の衣服を丁寧に、そして一分の乱れもないように完璧に整えた。Tシャツを着せ、学校指定のジャージを元通りに着用させてファスナーを上げ、ズボンの紐を結ぶ。下着も元通りに着用させ、他人が見れば「激しい肉体関係があった」などとは絶対に気付かない状態にまで仕立て上げた。これほど完璧なアフターケアができるのも、彼の持つ超高スペックな身体操作技術と、医術の知識によるものだった。
さらに、彼女の腕にある腕時計型端末のセンサーが正常に作動し、異常な高熱を検知していることを確認する。
「さて、リーダーとしての責任感に潰され、体調不良で自暴作棄になってリタイア……。物語の結末としては、これ以上ない美しさだろ?」
漣は足音を完全に消し、深夜の静まり返ったジャングルを突き進む。その腕には、堀北を軽々とお姫様抱っこで抱え上げていた。強靭な肉体を持つ彼にとって、少女一人の体重など綿毛のようなものだった。
目指すは、試験の運営スタッフおよび担任教師たちが駐留している、砂浜の特設テント(本部)だった。
「誰だ!」
深夜の警戒区域に近づく漣の気配を察し、テントの陰から一人の女性が姿を現した。Dクラスの担任・茶柱佐枝だった。彼女は鋭い視線を向けたが、それが漣であり、その腕にジャージ姿の堀北が抱えられているのを見て、息を呑んだ。
「お前……継国! 何があった!」
「見ての通りさ、茶柱先生。連日の無理が祟って、高熱で完全にぶっ倒れちまった。リーダーとしての責任感に潰され、自暴自棄になってたところを、俺が親切にここまで運んであげたんだよ。変な邪推はナシで頼むよ?」
漣は自身の琥珀色の瞳を細め、茶柱に不敵なウインクをしてみせた。
茶柱はすぐに堀北の額に手を当て、その異常な熱さに顔をしかめた。そして、彼女の腕にある腕時計型端末を確認する。
「これほどの高熱……。すぐに医療チームを呼ぶ。だが、継国……堀北がリタイアするとなれば、リーダーの不在はどうするつもりだ? お前、まさかこのままクラスを崩壊させる気か?」
茶柱の目に、焦燥と、漣に対する強い警戒の光が宿る。
「あはは、先生は心配性だねぇ。俺がそんな無駄な真似をするわけないだろ? すべては俺の計算通り、チェス盤の上の出来事さ。堀北ちゃんにはここで大人しく船のベッドでバカンスを楽しんでもらう。後のことは、俺が完璧に『処理』してあるからさぁ」
漣はそう言い残すと、茶柱の手へ堀北の身体を預け、闇の中へと音もなく消え去っていった。その背中を見送りながら、茶柱は言葉にならない圧倒的なプレッシャーに、ただ身震いするしかなかった。
4.七日目の朝
無人島サバイバル試験、最終日――七日目の正午。
試験終了を告げるサイレンが、島全体、そして停泊する超豪華客船の内部へと鳴り響いた。
その頃、豪華客船の最上階に近い、白を基調とした清潔な医務室のベッドの上で、堀北鈴音はゆっくりと瞼を開けた。
「……ん……っ……」
視界に入ってきたのは、無人島の鬱蒼としたジャングルでも、あの狭い岩陰の洞窟でもなかった。ホテルのような高級感のある天井、そして腕に付けられた点滴のチューブ。
彼女の身体を支配していたあの地獄のような高熱は、最高品質の医療処置によってすっかり引き下がっており、身体は驚くほど軽くなっていた。
「私は……船に、戻ってきたの……?」
上半身をゆっくりと起こしながら、堀北は自身の記憶を必死に手繰り寄せようとした。
六日目の夜。暴風雨。カードを奪われ限界を迎えた自分の身体。
そして――継国漣。
「あ……」
その名前を思い出した瞬間、堀北の顔が瞬時に真っ赤に染まった。
ジャージを剥ぎ取られ、狭い岩陰で全裸になって彼と絡み合った記憶。耳元で囁かれた下卑た、しかし甘美な言葉。自分の最奥を、獣のように激しく貫かれ、何度も絶頂を迎えて「彼の女になる」と泣き叫んだ、あまりにも淫らで恥知らずな自分の姿。
彼女は慌てて自分の布団をめくり、服の中を確認した。着せられているのは清潔な患者用のパジャマだったが、身体の奥底には、未だに彼に穿たれた強烈な「所有感」と、かすかな疼きがリアルに残っていた。
幻覚や夢ではない。自分は本当に、あの男に身も心も調伏され、汚されてしまったのだ。
「あんな……あんな男に、私は……っ」
堀北は悔しさと、それ以上に、あの快感を思い出して身体が震えてしまう自分自身の不甲斐なさに、枕に顔を押し付けて小さく絶叫した。
だが、同時に彼女の脳裏には、一つの冷酷な現実が突きつけられていた。
自分がリタイアしたということは、Dクラスのリーダー情報が他クラスに漏れ、莫大なペナルティを受けている可能性がある。クラスポイントは、一体どうなってしまったのか。
窓の外に広がる青い海を見つめながら、堀北は底知れない不安と、継国漣という怪物への恐怖に、ただ一人、ベッドの上で立ち尽くすことしかできなかった。
5.醜悪な擦り付け
無人島サバイバル試験の最終日の朝、Dクラスのベースキャンプである「洞窟」は、文字通りお通夜のような重苦しい静寂、あるいは醜悪な怒号に包まれていた。
「おい、どうすんだよこれ! 堀北が倒れてリタイアしたって、茶柱先生から朝一番に聞かされたぞ!」
池寛治が頭を抱えて叫ぶ。
「最悪じゃねえか! リーダーがリタイアしたら、それだけでマイナス30ポイントのペナルティだろ!? しかも、高円寺の野郎も勝手に初日にリタイアしてやがるし、俺たちのポイント、マイナスでゼロになっちまうんじゃねえのか!?」
山内春樹も顔を真っ青にして不満をぶちまける。
クラスの連中が慌てふためく中、不満の矛先は当然のように、不在の「リーダー」へと向かっていった。
「っていうかさ、堀北さん、体調が悪いならなんで最初に言わなかったのよ? 自分がリーダーなんだから、もっと責任持って自己管理すべきでしょ」
女子の一部から、辛辣な言葉が漏れ出す。
「そうよ。結局、一人でカッコつけてリーダー引き受けて、最後に勝手に潰れてクラスに大迷惑かけるなんて、本当に自分勝手だわ」
「おい、てめえら! 堀北だって必死にやってただろ!」
須藤健が顔を真っ赤にして怒鳴り声をあげるが、周囲の焦燥感を止めることはできない。平田洋介が「みんな、落ち着こう。堀北さんが一番辛はずなんだ。今は互いを責める時じゃない」と必死に宥めるが、その平田の顔にも隠しきれない疲労と絶望が滲んでいた。
そんなクラスメイトたちの「責任のなすりつけ合い」という滑稽な泥仕合を、拠点の特等席である岩壁にもたれかかりながら、冷徹に見つめている男がいた。
継国漣である。
(あはは、バカどもが朝から見事な見世物を見せてくれるねぇ。目先の数字の変動だけに怯えて、リーダーの価値も、この試験の本質も何も見えていない。お前たちのその醜い顔、極上のエンターテインメントだよ)
漣は手元でナイフを弄びながら、いつものように下卑た、しかし悪魔的な愉悦に満ちた悪い笑みを浮かべていた。彼にとって、クラスメイトの絶望など、自らの勝利を引き立てるためのただの調味料に過ぎなかった。
6.捕食者の凱旋
正午。試験終了のサイレンとともに、全クラスの生徒たちが砂浜の本部へと集められた。
客船へと続くタラップの前に、全生徒と担任教師たちが整列する。
Aクラスの葛城康平は、腕を組みながら、確固たる自信をその表情に湛えていた。戸塚弥彦をはじめとするAクラスの生徒たちも、勝利を確信したかのように傲然と佇んでいる。彼らは徹底的な防衛策を敷き、ポイントを堅実に守り抜いた自負があった。
その時、ジャングルの奥から、歩み出てくる影があった。
「ククク……おいおい、随分としけたツラしてやがるじゃねえか、お前ら」
現れたのは、すでに全員がリタイアして船内に引きこもっていたはずの、Cクラスのリーダー・龍園翔だった。
「り、龍園……!? お前、島に残ってたのか!?」
池が驚愕の声をあげる。
龍園はニヤニヤと下品な笑みを浮かべ、手にした端末をひけらかしながら、Aクラスの葛城、そしてDクラスの漣のほうを睨みつけた。
「バカどもが。俺がわざわざ何の成果もなしに、クラスメイト全員をリタイアさせるわけねえだろ。すべてはこの俺が、お前らのリーダーを完璧に暴き、この試験の頂点に立つための仕掛けよ」
葛城がフンと鼻を鳴らす。
「龍園、お前が何を企もうが、我がAクラスの牙城は崩せない。お前が記入したリーダーなど、どうせ不的中さ」
「そいつはどうかな、葛城。お前らの『リーダー』の正体も、そしてDクラスのあの高慢な女(堀北)の正体も、俺のこの手の中にあるんだよ。本部への記入はすでに終了している」
龍園の勝ち誇った言葉に、Dクラスの生徒たちは完全に凍りついた。やはり、堀北がリーダーであることが龍園にバレていた。絶望が砂浜全体を支配しようとしたその時。
「――それでは、これより夏季特別試験の最終結果を発表する」
拡声器を持った茶柱佐枝が、一歩前に出た。彼女の目は、なぜか砂浜の最後列でヘラヘラと笑っている継国漣を、強い警戒と複雑な色を孕んで見つめていた。
「第4位、Cクラス。――0ポイント」
「な、に……ッ!?」
砂浜に、地鳴りのような驚愕の声が広がった。特に、勝ち誇っていたはずの龍園の顔が、一瞬にして怒りと困惑で歪んだ。
「おい、ふざけるな! なんでうちが0なんだよ! 俺は確かに本部に、Dクラスのリーダーは『堀北鈴音』だと記入して提出したはずだぞ!」
茶柱は龍園の抗議を冷徹に無視し、淡々と発表を続ける。
「第3位、Aクラス。――120ポイント」
葛城の眉が跳ね上がる。「……何だと? 我がクラスの計算よりも低い。まさか、こちらのリーダーが看破されたというのか!?」
「第2位、Bクラス。――180ポイント」
一之瀬帆波たちが、ホッとしたように、しかし驚きの表情で互いを見合わせる。
「正式に第1位、Dクラス。――305ポイント」
「「「えええええええええええええええーーーッ!?!?!?]]」
Dクラスの生徒全員が、自分の耳を疑って叫んだ。お通夜状態だった池や山内、そして平田までもが、開いた口が塞がらないといった様子で硬直している。
「な、なんでDクラスが1位なんだよ! リーダーの堀北はリタイアしたんだぞ!?」
龍園が激昂し、地響きを立てて茶柱に詰め寄る。
「それは不的中だ、龍園くん」
人々の波を割って、ヘラヘラとした薄笑いを浮かべた継国漣が、悠然と前へ歩み出た。
「お前が提出したその瞬間には、すでにDクラスのリーダーは『継国漣』に切り替わっていたんだからさぁ」
「てめえ……! どういうことだ!」
龍園が激しく漣を睨みつける。
葛城もまた、信じられないものを見る目で漣を凝視した。「リーダーの再設定だと……? そんなルールが……!」
漣はククク、と喉を鳴らして笑い、わざわざ教えてやる義理はないと言わんばかりに、彼らを鼻で笑った。
「あはは! 凡人どもが、必死に脳みそを絞ってチェスを指していたつもりかい? だけど残念だったねぇ。お前たちが必死に守り、奪おうとしていたその盤面そのものが、最初から俺の掌の上で転がされていただけなんだよ」
7.悪魔の金融工学
タラップを上がり、超豪華客船のプライベートルームへと戻った漣は、グラスを傾けながら、自身の超高スペック脳で今回の「完全勝利」の全貌を、悦に浸りながら反芻していた。
(ククク……簡単な話さ。この試験のルールを隅々まで、文字の裏の裏まで読み込めば、学校側が用意した『抜け穴』なんていくらでも見つかる)
今回のDクラスのポイント計算式は、完璧に漣の計算通りだった。
* 初期ポイント:300 pt
* 初期インフラ消費:-50 pt(男女別仮設トイレ・簡易シャワー・1日分食料等)
* 高円寺・堀北リタイアペナルティ:-60 pt(一人につき-30 pt × 2)
* スポット占有ボーナス:+15 pt
* 他クラスリーダー看破ボーナス:+100 pt(Aクラス:戸塚弥彦、Cクラス:龍園翔をそれぞれ的中、50 pt × 2)
* 合計:305 pt
ルールの盲点。それは、「リーダーが怪我や病気など、やむを得ない事由でリタイアする際、新たなリーダーを再設定できる」という項目だった。
(堀北ちゃんには最高の舞台装置(デコイ)としてギリギリまでリーダーカードを持たせ、龍園がお前自身の名前をリーダーとして島に潜伏させながら、他クラスを監視していることも、初日に伊吹澪というスパイを送り込んできた時点で完全に割れていた。だから、伊吹を俺の『捕食者の檻』に取り込み、あえて堀北のリーダー情報を龍園に流させるように仕向けた)
龍園は、堀北がリタイアした瞬間に「堀北鈴音」と書いて提出した。しかし、堀北が本部に運ばれ、茶柱先生によって公式に「リタイア手続き」が取られたその瞬間、Dクラスはルールに則り、即座にリーダーを「継国漣」へと書き換えて再設定したのだ。
結果として、龍園の提出した「堀北鈴音」は不的中となり、Cクラスのポイントは0となった。
(葛城くんのほうも哀れなもんだ。初日にポイントを全消費してAクラスと『密約』を交わした龍園の資本偽装を見抜けず、堅実に守っているつもりで、リーダーである戸塚弥彦の情報を俺に完璧に見切られていた。俺自身はプレイヤーとして表立ってスポットを荒らさず、陰からすべての情報を回収する『運営スタッフ(観客)』として動いていたからねぇ)
Bクラスの一之瀬に関しては、事前に果物の場所を教えて恩を売り、信頼関係の維持のためにあえて記入せず不戦条約とした。すべては今後の学園生活で、彼女を都合のいい奴隷として動かすための投資に過ぎない。
(305ポイントの獲得。これで一学期に構築した俺の『1600万プライベートポイント』の帝国に、さらに巨万のクラスポイントの利息が上乗せされるわけだ。経済の基本だよ、利息は多く回収してなんぼ、ねぇ)
8.氷の溶解
特別試験の全行程が終了し、豪華客船は東京湾への帰路に就いていた。
客船の夕暮れ時のデッキ。赤く染まる海を見つめながら、堀北鈴音は一人、手すりに掴まっていた。
試験結果は、Dクラスの圧倒的1位。自分がリタイアしてクラスを破滅に導いたと思い込んでいた彼女にとって、その結果は救いであると同時に、あまりにも巨大な「敗北感」を突きつけるものだった。
すべては、継国漣の掌の上だったのだ。
自分の立てた作戦も、自分の体調不良すらも、あの男にとってはゲームを完璧に終わらせるための「舞台装置」に過ぎなかった。
「おや、堀北ちゃん。こんなところで黄昏れてるなんて、お熱はもうすっかり下がったみたいだねぇ」
背後から、鼓膜を甘く痺れさせるような、あの聞き慣れた軽薄な声が響いた。
「っ……!」
堀北はビクリと身体を震わせ、大急ぎで振り返った。そこには、いつものようにヘラヘラとした薄笑いを浮かべた継国漣が立っていた。
彼の姿を見た瞬間、六日目の夜、暴風雨の中でジャージを剥ぎ取られ、狭い洞窟の中で獣のように激しく貪られた記憶が、濁流のように脳内にフラッシュバックした。身体の奥底が、きゅっと熱く締め付けられるような感覚に襲われる。
「継国、くん……」
彼女はいつものように「不届き者」と罵ろうとした。だが、言葉が喉に詰まって出てこない。
漣はゆっくりと距離を詰め、堀北をデッキの手すりへと追い詰めていく。かつて学園のロビーでされたように、彼女の身体を自らの強靭な肉体と圧倒的なプレッシャーで包み込んだ。
「な、何よ……。また私を、嘲笑いに来たの?」
気丈に言い放とうとするが、その声は微かに震えており、瞳は潤んでいた。
「あはは、まさか。俺の可愛い牝犬ちゃんを、労いに来てあげただけさ」
漣は手を伸ばし、堀北の頬を優しく撫でた。その指先が触れた瞬間、堀北は拒絶するどころか、うっとりと目を細めそうになる自分に気づき、激しい自己嫌悪に陥る。
身体が、完全に彼の快感を覚えてしまっている。あの夜、ジャージを脱がされ、彼の凶暴な質量に貫かれ、身も心もドロドロに溶かされたことで、彼女の孤高の防壁は完全に消失していた。
「私は、あなたを認めないわ……。あなたは、ルールを歪める悪魔よ……」
「いいよ、口ではいくらでも強がりなよ。だけどさぁ、お前のその可愛い身体は、もう俺なしじゃ満足できないくらい、俺に調伏されちゃってるんだよねぇ」
漣は堀北の耳元に顔を寄せ、あの夜と同じように甘く囁いた。
「これからは、兄さんのためじゃなく、俺のためにその身体も脳みそも使いなよ、鈴音。お前が俺の所有物として完璧に踊ってくれるなら、Aクラスへの道なんて、いくらでも俺が買い取ってあげるからさぁ」
「あ……っ……」
堀北の瞳から、一筋の涙がこぼれ落ちた。悔しくて、恐ろしくて、だけど――この圧倒的な力と、自分を支配する彼の存在に、言いようのない安堵と快感を覚えてしまっている。
兄に追いつくという孤独な戦いの中で、初めて自分を完全に「破壊」し、圧倒的な力で「所有」してくれた怪物。
堀北は震える手で、そっと漣の胸板に手を置いた。それは拒絶の力ではなく、彼にすがりつこうとする、完全に絆されてしまった少女の無力な意思表示だった。
「……勝手に、しなさい……。私はもう、あなたのチェス盤から……逃げられないのでしょうから……」
「ひゃはは! 合格だよ、鈴音。じゃあ、学校に戻ったら、また最高の『ご褒美』をたっぷり注ぎ込んであげるからさぁ」
漣は堀北の腰を引き寄せ、夕日の中で、彼女の唇を再び深く、貪るように奪い去った。氷の美少女は今、完全に悪魔の甘露によって融解し、彼の檻の中へと囚われたのだった。