1.悪魔への手付金
無人島サバイバル特別試験が正式に終了し、あの猛烈な暴風雨が嘘のように去った。灼熱の太陽が再び照りつける白い砂浜から、生徒たちは次々と超豪華客船へと帰還していった。
試験の最終結果は、Dクラスの圧倒的な「1位」。誰もが予想し得なかった大逆転劇、そしてCクラスのポイント完全デフォルトという悲惨な結末は、学園全体に計り知れない衝撃を与えていた。
客船の最上階に近い、一般生徒の立ち入りが厳しく制限された管理区画。その一角にある、教員用の特別応接室の重厚なドアを、継国漣はノックもせずに開け放った。
室内には、冷房の効いた空間で一人、デスクに肘を突いて複雑な表情を浮かべているDクラス担任、茶柱佐枝の姿があった。彼女は入ってきた漣を一瞥すると、深くため息をつき、手元の書類を置いた。
「ノックくらいしたらどうだ、継国。……いや、お前という怪物を前にして、今更そんな常識を説くこと自体が、無意味な徒労に過ぎないか」
「あはは、手厳しいねぇ、茶柱先生。傷ついちゃうなぁ。でもさぁ、約束はきっちりと守ってもらわないと困るんだよね。俺が裏から糸を引いて、我がDクラスを確実に『1位』へ導いたんだ。先生の横暴な『命令(脅迫)』に対して、俺は完璧以上の成果で応えてみせた。……そうだろ?」
漣はいつもの底の知れないヘラヘラとした薄笑いを浮かべ、琥珀色の瞳を怪しく光らせながら、茶柱の正面にある革張りのソファへと堂々と腰掛けた。その不敵な態度には、一介の高校生が教師に対する敬意など微塵も存在せず、むしろ絶対的な強者が敗者を品定めするような傲慢さだけが満ちていた。
茶柱は唇を噛み締め、漣を鋭く睨みつけた。彼女が1学期の終わりに漣に突きつけた「過去の公表」という脅迫カード。それによってこの男を操り、Dクラスを上昇させるための道具にしようとした。だが、結果として、無人島で繰り広げられたチェス盤の上で、学校側も他クラスも、そして担任である自分さえも、すべてはこの男の構築した巨大なシナリオの枠から一歩も出ることができなかったのだ。
「認めよう。お前の仕掛けたトリック、そして学校側のルールの盲点を突いた情報操作……。それらが絡み合った結果、Dクラスは前代未聞の巨万のクラスポイントを手に入れた。私の悲願である『Aクラスへの昇格』に、これ以上ない大きな一歩を踏み出せたのは紛れもない事実だ」
茶柱は一度言葉を切り、デスクの引き出しから一枚のスマートキーを取り出した。
「だが、お前がその見返りとして、試験終了直後に要求してきた『報酬』の内容……あれは一体どういうつもりだ? 『本土の港に帰るまでの間、一般生徒や他の教員が決して近づかない、完全に隔離されたプライベートな部屋を用意しろ』。それがお前の要求だったな」
「そうそう。やっぱり話が早くて助かるよ。さすがは俺の優秀な『交渉相手(先生)』だねぇ」
「……お前に確認しておきたい。そんな隔離された密室を、わざわざこの船内で用意させて、一体どうするつもりだ? 教員権限でしか立ち入れない管理区画の部屋を指定する意図は何だ?」
茶柱の目に、強い警戒と猜疑の光が宿る。中学時代に数十人の女子生徒を同時に手玉に取り、人間関係を完璧に崩壊させた挙句、集団リストカット事件まで引き起こしたという男だ。そんな異常な過去を持つ怪物が、わざわざ「誰も立ち寄らない絶対の密室」を要求してきたのだ。教師として、不吉な予感を抱くなという方が無理であった。
しかし、漣はそんな茶柱の焦燥を楽しむように、ククッと喉を鳴らして笑い声を漏らし、ソファの背もたれに深く体重を預けて彼女の視線を正面から受け止めた。
「あはは! 先生、そんなに怖い顔をしなさんなって。何をするか、なんて野暮なことを聞くもんじゃないよ。そこはさぁ……『察しろ』ってことさ」
「察しろ、だと……?」
「経済の基本ルールだよ、先生。等価交換の報酬を受け取る側が、その使い道をいちいち発注元に説明する義務はない。それに、俺が何をしようが、先生の目的である『Dクラスのポイント獲得』はすでに達成されているんだ。これ以上、俺のプライベートに首を突っ込むのは、契約違反じゃないかい?」
漣は自身の細長い指先で、トントンとソファの肘掛けを叩いた。その仕草一つにすら、プロの暗殺術や極限の戦闘環境を生き抜いてきた者だけが持つ、絶対的なプレッシャーが宿っている。
茶柱はその威圧感に微かに身震いした。この男にとって、自分の過去の醜聞など痛くも痒くもない。ただ「Dクラスを勝たせる」というゲームに乗ってやったに過ぎないのだ。ここで下手に拒絶すれば、この怪物は一瞬にして自分を、そしてDクラスを奈落の底へ突き落とすだろう。
「……分かった。部屋は用意してある。この管理区画の最奥にある、旧来の特別賓客用スイートルームだ。現在は使われておらず、電子ロックの権限も私が一時的に書き換えてある。船が東京湾に到着するまでの間、そのエリアに他の教員や警備のスタッフが近づかないよう、手配も済ませた」
茶柱は手の中のスマートキーをデスクの上に滑らせた。
「ただし、継国……。問題だけは起こすなよ。万が一、船内でのルール違反や、致命的なトラブルが表沙汰になれば、いくらお前の頭脳と資本があろうとも、学校側として隠蔽しきれなくなる。それだけは肝に銘じておけ」
「あはは、心配性だねぇ、先生。俺がそんな無駄なヘマをするわけないだろ? すべては計算通り、スマートに処理してあげるからさぁ」
漣は立ち上がり、デスクの上のスマートキーを滑らかな動作で回収した。そして、振り返ることもなく特別応接室を後にした。残された茶柱は、冷房が効いているはずの室内で、自身の背中にびっしょりと冷や汗が伝っていることに気づき、ただ深く、深くため息をつくしかなかった。
2.野良猫の葛藤、あるいは悪魔の招集
超豪華客船の五階にある、女子生徒用の一般客室。
エアコンが心地よい冷気を吐き出し、無人島での泥と汗に塗れた過酷な生活が嘘のように快適な空間。しかし、そのベッドの上に膝を抱えて座り込んでいる伊吹澪の心は、決してその冷気によって静まることはなかった。
彼女の視線は、手元にある学校指定の携帯端末の画面に釘付けになっていた。
無人島特別試験が終わり、Cクラスは龍園翔の作戦による「全員リタイア」とポイントのデフォルトという、客観的に見れば壊滅的な大敗を喫した。しかし、それらはすべて龍園の計算によるものであり、他クラスのリーダーを看破して逆転するための布石だったはずだった。だが、蓋を開けてみれば、Dクラスという最底辺のはずの集団が圧倒的なポイントを獲得しての「1位」。
そして、伊吹自身もまた、あの無人島の六日目の夜――猛烈な暴風雨がジャングルを叩きつけ、雷鳴が轟く暗闇の中で、Dクラスの継国漣という「底の知れない怪物」に完全に捕らえられ、心も身体も蹂躙された。
あの夜、狭い洞窟の中で、自分を「使い捨ての捨て駒」と切り捨てた龍園の冷たい檻から救い出すように、そして同時に、これ以上ないほど甘美で圧倒的な暴力によって、彼女は漣に抱かれたのだ。
その男から、先ほど一通のメールが届いていた。
『管理区画の最奥、旧特別賓客用スイートルーム。電子ロックの解除キーを添付しておくよ。約束の無人島の続きをしようか、俺の可愛い野良猫ちゃん』
「なんなのよ、あいつ……っ!」
伊吹は携帯端末をベッドの上に投げ捨て、自身の頭を両手で抱え込んだ。
行かなければいい。ただ無視して、自分の客室に引きこもっていれば、学校の敷地内であるこの豪華客船の中で、無理やり襲われるようなことはないはずだ。だが、彼女の身体は、あの豪雨の夜に刻み込まれた、漣の圧倒的な肉体の質量と、体内に注ぎ込まれた熱い灼熱の快感を明確に記憶していた。
「私はCクラスのスパイで、龍園さんの命令で動いていただけ……。あいつに屈する理由なんて、どこにもない……」
口から出る言葉とは裏腹に、伊吹の呼吸は浅く、そして胸の奥がキュッと締め付けられるように熱くなっていた。
龍園による恐怖と暴力の支配。それは彼女にとって「絶対」の檻だった。しかし、継国漣という男は、その龍園の檻すらも資本と頭脳、そして圧倒的な格闘技術によって木端微塵に砕き、彼女を「俺だけの猟犬」と定義した。
冷たい檻の中で一人で震えていた自分を見つけ出し、その脆い心を暴いて、骨の髄まで支配してくれた男。
「行かなきゃ……どうなるか分からないし。そう、ただの状況確認よ……」
自分にそう言い訳をしながらも、伊吹の心臓は早鐘を打っていた。
彼女はベッドから立ち上がると、無人島での汚れを綺麗に洗い流したばかりの、まだ微かにシャンプーの香りが残る身体に、シンプルなTシャツとショートパンツを引っ掛けた。
部屋のドアを開け、一般生徒の行き交う賑やかな通路を通り抜け、教員権限でしか立ち入れないはずの「管理区画」へと、吸い寄せられるように足を運んでいった。
管理区画の通路は、先ほどまでの賑わいが嘘のように静まり返っていた。
冷房の駆動音だけが低く響く薄暗い回廊を進むにつれ、伊吹の足取りは重くなり、同時に胸の高鳴りは激しさを増していく。本当にこの先に進んでいいのか。一度あの男の檻に自ら足を踏み入れれば、二度と野良猫としての自由には戻れない。
しかし、彼女の足は止まらなかった。添付された電子ロックのキーをかざすと、重厚な木目調のドアが静かに、そして滑らかに解錠された。
室内に入ると、そこは一般の客室とは一線を画す、圧倒的に広く贅沢な空間だった。
大きな窓からは、夕暮れ時に差し掛かった赤く染まる海が一望でき、中央には最高級の革張りソファと、その奥に広大なキングサイズのベッドが鎮座している。
そして、そのソファに深く腰掛け、夕日に照らされながらグラスに入った琥珀色の液体を揺らしている男――継国漣が、いつもの底の知れないヘラヘラとした薄笑いを浮かべて彼女を迎えた。
「あはは! 偉いねぇ、伊吹ちゃん。ちゃんと俺の呼び出しに、自分の足で歩いてきてくれたんだ。やっぱり君は、龍園くんの冷たい檻の中にいるより、俺の側にいる方がお似合いだよ」
「……調子に乗らないで。私は、あんたが何を企んでいるのか、それを確かめに来ただけよ」
伊吹は精一杯の虚勢を張り、漣を鋭い目で睨みつけた。しかし、その声は微かに震えており、漣のサングラスの奥にある琥珀色の瞳に見つめられるだけで、全身の肌が粟立つような感覚に襲われていた。
「確かめに、ねぇ? 相変わらず可愛い嘘をつく野良猫ちゃんだ。だけどさぁ、その可愛い身体は、すでに俺の『資本』と『力』にひれ伏したがっているのが、お見通しなんだよねぇ」
漣はグラスをテーブルに置くと、ソファから音もなく立ち上がった。プロの暗殺術すら凌駕する、無駄の全くない滑らかな挙動。その圧倒的なプレッシャーを放ちながら、彼はゆっくりと伊吹との距離を詰めていく。
「っ……、来るな……!」
伊吹は本能的な恐怖と、それ以上の期待に胸を支配されながら、後ずさりしようとした。しかし、背後のドアに背中が当たり、退路はすでに断たれていた。
「逃げようとしたって無駄だよ。この部屋は、茶柱先生にお願いして用意してもらった、誰も立ち入ることのできない、俺たちだけの『絶対の密室』だからね。さあ、無人島で汚れた身体を綺麗にした君を、もう一度俺の檻で、骨の髄まで調伏してあげようか」
漣の手が、伊吹の顎を優しく、しかし有無を言わせぬ力で持ち上げた。
夕日に照らされた彼の美しい、しかし冷酷な笑みを見た瞬間、伊吹の細い身体から完全に力が抜け、彼女はただ、目の前の捕食者の瞳に吸い込まれるように、じっと見つめ返すことしかできなかった。
3.調伏の序曲
「ん……っ、ふあ……っ!?」
漣の唇が、伊吹の拒絶の言葉を飲み込むように、強引に重ね合わされた。
無人島の夜に無理やり奪われた時とは違い、衣服を抜ける潮風の匂いではなく、高級なソープと彼自身の甘い香りが伊吹の鼻腔を突く。漣の舌が滑り込んできて、彼女の口内のあらゆる隙間を我が物顔で貪り、蹂躙していく。
「んむ……、んぅ……、あ……っ」
伊吹は必死に彼の手首を掴み、押し返そうと力を込めた。しかし、世界経済をも揺るがす資本力を背景に、極限の戦闘環境で鍛え上げられた漣の肉体は、まるで大樹のように微動だにしない。逆に、漣の大きな手が伊吹の腰をグッと引き寄せ、二人の身体は隙間なく密着した。
Tシャツ越しに伝わってくる、漣の強靭な胸板の硬さと熱量。その圧倒的なオスとしての生命力に触れた瞬間、伊吹の頭の中の理性は、パチパチと音を立てて崩壊し始めた。
「あはは、唇の合わせ方一つとっても、まだまだウブだねぇ、伊吹ちゃん。龍園くんは、こんなに極上の獲物をただの捨て駒にしてたなんて、本当に見る目がないよ」
「はぁ……、はぁ……っ、うる、さい……! 私は、あんたの……おもちゃじゃ……」
息を荒くしながら睨みつける伊吹だったが、その瞳はすでに潤んでおり、頬は桃色に染まっている。
漣はヘラヘラと笑いながら、伊吹のTシャツの裾に手を滑り込ませた。冷房の効いた室内で、彼の温かい手のひらが彼女の脇腹を這い上がっていく。その指先が、伊吹の引き締まった、しかし女の子らしい柔らかさを持つ脇腹を優しく愛撫するたびに、彼女の身体はビクリと大きく跳ね上がった。
「ひゃんっ!? どこ、触って……っ」
「どこって、決まっているだろう? 君のすべてを、俺の所有物として新しく定義するための準備さ」
漣はそのまま、伊吹のTシャツを滑らかな動作で頭から脱ぎ捨てた。
露わになったのは、スポーツブラに包まれた、控えめながらも形の良い、美しい乳房だった。無人島での激しいサバイバルを生き抜いたため、無駄な脂肪が一切ない引き締まった身体。しかし、その胸の膨らみは、確かに彼女が守られるべき「女」であることを主張していた。
「あ……、見ないで……っ」
伊吹は両腕で胸を隠そうとしたが、漣はその細い手首を難なく掴み取り、頭上の壁へと固定した。完全な拘束状態。夕暮れ時の赤い光が、彼女の白い肌と、激しく上下する胸元を妖しく照らし出す。
「見ないわけがないだろう? こんなに美しい野良猫ちゃんの裸を独占できるのは、この船内で、いやこの世界で俺だけなんだからさぁ」
漣は空いた手で、伊吹のスポーツブラのホックを器用に外した。
パチン、という軽い音とともに、彼女の控えめな乳房が完全に解放される。ツンと上を向いた、可愛らしいピンク色の尖りが、室内の冷気に触れて微かに硬くなった。
漣はその美しい膨らみを、大きな手のひらで包み込むようにして、優しく、しかし確実に揉みほぐし始めた。
「あ……、んっ、ふぁ……っ! 漣、さん……そこ、は……っ」
伊吹の口から、驚くほど甘く、高い悲鳴のような喘ぎ声が漏れ出た。
漣の指先が、控えめな乳房の柔らかな肉を押し潰し、親指と人差し指でその先端の尖りをコリコリと優しく弄ぶ。これまでに経験したことのない、胸の奥をキリキリと締め付けるような甘美な痺れが、伊吹の脊髄を駆け抜けていった。
「あはは、声を我慢しなくていいんだよ? ここには誰も来ない。君がどれだけ淫らな声を上げようが、すべてはこの密室の檻の中に消えていくんだからさ」
漣は上半身のシャツのボタンを、一つずつ外していった。
シャツが肩から滑り落ちると、そこには彫刻のように完璧に鍛え上げられた、野性味溢れる漣の筋肉が露わになった。
太い鎖骨から繋がる厚い大胸筋、そして見事に割れた腹筋。それらは単にジムで見せかけるために作られたものではなく、幾度もの死線を潜り抜け、あらゆる武術と暗殺術を極めた者だけが持つ、実戦のための「凶器」としての美しさを放っていた。
伊吹はその漣の圧倒的な肉体を目の当たりにし、息を呑んだ。
彼女自身、格闘技には絶対の自信を持っていた。だからこそ、目の前にある肉体が、どれほど常軌を逸したスペックを持っているかが、本能的に理解できてしまう。その野性味のある強靭な筋肉、自分を容易くねじ伏せる圧倒的なオスの象徴に、伊吹の胸の奥は、恐怖を遥かに超えた強烈な「憧憬」と「敗北感」、そして彼に組み敷かれたいという狂おしいほどの欲情で満たされていった。
「すごい……、なんなのよ、その身体……っ」
「あはは、気に入ってくれたかい? この筋肉も、この力も、すべては君を完全に調伏するためにあるようなものさ。さあ、野良猫ちゃん、お遊びはここまでだ。ここからは、本当の『教育』の時間だよ」
漣は伊吹を軽々と横抱きにすると、部屋の奥にある広大なベッドへと放り出した。
柔らかなマットレスに身体が沈み込む。すかさず漣がその上に覆い被さり、彼の熱い肉体の質量が、伊吹の全身へと圧し掛かった。
4.楽園の洗礼、正常位の甘雨
ベッドの上で、伊吹のショートパンツと下着は、漣の手によってあっけなく取り払われた。
完全に一物も纏わない、生まれたままの姿となった伊吹。夕闇が迫る部屋の中で、彼女の細く白い太ももが、羞恥と期待で小刻みに震えている。
漣は彼女の両足の間に割り込み、自身のズボンを脱ぎ捨てた。そこから姿を現した、彼のオスの象徴――規格外の大きさと硬さを持った猛悪な一物を見て、伊吹は恐怖に目を見開いた。
「嘘……、そんなの、入るわけ……っ、私、初めて、なのよ……っ!」
格闘技で鍛えた気の強い彼女も、この時ばかりは本気でおびえ、ベッドのシーツを両手でギュッと掴みしめた。
しかし、漣の超高スペックな脳と医術の知識は、彼女のその恐怖すらも完璧にコントロール下に置いていた。
「あはは、知っているよ。君が誰の手にも汚されていない、純潔な野良猫ちゃんだってことくらいね。だからさぁ、安心しなよ。ドクター漣が、世界で一番優しく、君を『女』にしてあげるからさ」
漣はヘラヘラとした笑みを一瞬だけ消し、驚くほど真剣で、そして底なしに優しい瞳で伊吹を見つめた。
彼は伊吹の片脚を優しく持ち上げ、彼女の秘所の入り口へと、自身の一物の先端をそっと宛がった。そこから溢れ出る微かな蜜を、自身の指で丁寧に広げ、彼女の身体が受け入れる準備を整えるように、優しく愛撫を繰り返す。
「ふあ……、あ……っ、あったかい……っ」
「力を抜いて、俺の身体に全部預けるんだ。そうすれば、痛みなんてすぐに最高の快感に変わるから」
漣は伊吹の唇に、優しく、そして深いキスを落とした。彼女の意識がその甘い接吻に集中したその刹那、漣は自身の腰を、ゆっくりと、しかし確実な力で前へと突き出した。
「――っ、ひゃあああぁぁっ……!?」
伊吹の口から、鋭い悲鳴が上がった。
処女膜が破られる、引き裂かれるような鈍い痛みが彼女の身体を貫く。伊吹は痛みのあまり、漣の強靭な背中に両腕を回し、その野性味のある筋肉に爪を立てるようにして激しくしがみついた。
「痛い……っ、痛いよ、漣さん……っ! 抜いて、お願い……っ!」
「動いちゃダメだ、伊吹ちゃん。今ここで抜いたら、もっと痛くなる。俺を信じて、力を抜くんだ……」
漣は動きを完全に止め、伊吹の額に滲んだ汗を優しく唇で拭いながら、彼女の頭を優しく撫で続けた。
彼の一物は、彼女の狭く熱い体内の半分ほどで止まっている。処女の生々しい締め付けが、漣の理性を狂わせそうになるが、彼は持ち前の圧倒的な精神力でそれを抑え込み、伊吹の身体が馴染むのをじっと待った。
やがて、伊吹の荒い呼吸が少しずつ落ち着きを取り戻し、痛みがじわじわと、身体の奥底から湧き上がるような熱い、痺れるような感覚へと変化していった。
「はぁ……、はぁ……、なんか……熱い……、痛いのが……なくなって……っ」
「あはは、お利口さんだ。君の身体が、俺のモノを受け入れ始めた証拠だよ。じゃあ、少しずつ動かすからね」
漣はゆっくりと腰を引き、そして再び、伊吹の体内の最も深い場所を目指して、優しく腰を突き入れた。
ズブ……、ズチュ……。
室内に、二人の肉体が結合する、濡れた淫らな音が響き始める。
「あ……、んっ、ふぁ……っ! なに、これ……、動くたびに……奥が、きゅん、って……っ!」
正常位で向かい合った状態。伊吹は、自身のすぐ目の前で自分を見つめる漣の琥珀色の瞳から、目を逸らすことができなかった。彼が腰を動かすたびに、彼女の控えめな乳房が激しく揺れ、その先端が漣の厚い胸板に擦れて、二重の快感が彼女を襲う。
「あはは! 最高に気持ちいいよ、伊吹ちゃん。君のそこ、俺の一物を壊れそうなくらいきつく締め付けてくる。やっぱり君は、俺に抱かれるために生まれてきたんだよ」
「あ、あんっ……! 違う……、私は……っ。でも、すごい……、漣の、中が、いっぱいで……ひゃあぁっ!」
漣が少しずつ、腰の動きのピッチを上げていく。
優しく、しかし確実な角度で、彼女の体内の最も敏感なスポットを的確に抉るようなピストル運動。伊吹の rational な思考は完全に消し飛び、彼女はただ、自分を貫くオスの圧倒的な質量に翻弄され、甘い声を上げ続けるしかなかった。
5.調伏の深化、後背位の蹂躙
「さあ、次はもっと君の可愛い後ろ姿を俺に見せてよ、野良猫ちゃん」
正常位での激しいピストン運動により、伊吹の体内が十分に漣の蜜と彼女自身の愛液で満たされた頃、漣は突然腰を抜き去った。
「あ……、んぅ……っ」
一瞬失われた熱量に、伊吹の口から無意識に寂しそうな吐息が漏れる。
漣はその彼女の身体を、ベッドの上で四つん這いになるように促した。伊吹はまだ頭がぼうっとした状態のまま、言われるがままに両手と両膝をベッドにつき、お尻を高く突き上げる姿勢を取らされた。
後ろから見つめる伊吹の姿は、実に淫らで美しかった。
格闘技で鍛えられた、キュッと引き締まったお尻。その中央にある、先ほどの結合で赤く充血し、愛液でドロドロに濡れ光っている彼女の秘所。
漣はそのお尻の両肉を、両手で乱暴に掴んで左右に押し広げた。
「ひゃっ!? な、何するのよ……恥ずかしい……っ!」
伊吹は振り返って抗議しようとしたが、漣は彼女の細い腰をガッチリと両手で固定し、自身の猛悪な一物を、彼女の背後から一気に根元まで突き立てた。
ズブゥッ……!!
「ひゃあああぁぁっ……!? お、奥、そこは、ダメぇっ……! 深すぎる、あ、あんっ!」
後背位による結合は、先ほどの正常位とは比較にならないほどの深さで、漣の一物を伊吹の最奥へと到達させた。
容赦なく子宮の入り口をゴツンと叩かれ、伊吹の身体が弓なりに反り返る。彼女はベッドのシーツを爪が食い込むほど強く握りしめ、顔を枕に埋めて激しく喘いだ。
「あはは! 後ろからだと、本当に根元まで丸ごと入っちゃうねぇ。伊吹ちゃん、君のお尻、最高にエロいよ。龍園くんが見たら、嫉妬で狂っちゃうんじゃないかい?」
「う、うるさい……っ! 龍園なんて、もう……関係、ない……っ。あ、あんっ! 漣……すご、い、これ、やばいっ……!」
漣は固定した腰を、激しく前後させ始めた。
ズチュ、ズチュ、ズプ、ズクゥン……っ!!
密室の室内に、肉と肉が激しくぶつかり合う、卑猥極まりない音が響き渡る。
漣が腰を打ち付けるたびに、伊吹の引き締まったお尻が波打ち、彼女の背中で激しく飛び跳ねる髪が、夕闇の中で妖しく踊る。
「あ、あ、あ、あんっ……! 頭が、おかしく、なる……っ! 漣の、おっきいのが……私の中を、めちゃくちゃに……ひゃううぅっ!」
後背位の圧倒的な突進力と、漣の野性味溢れる筋肉から放たれる推進力に、伊吹は完全に圧倒されていた。
彼女の気の強さはどこへやら、今や彼女の脳内は、この圧倒的な強者に蹂躙され、支配されているという極上の快感だけで満たされていた。
漣は激しく腰を動かしながら、四つん這いになった伊吹の背中に自身の胸をぴったりと重ね合わせ、彼女の首筋に歯を立てて、甘く噛みついた。
「んぅ……っ!? 痛っ……、でも……はぁっ」
「君に、俺の所有物としての『刻印』を刻んであげるのさ。お前は俺だけの猟犬、俺だけの忠実な野良猫だ。分かったかい?」
「はい……っ、私は、漣の……、漣だけの、野良猫……っ! だから、もっと、もっと奥まで、頂戴……っ!」
ついに伊吹は、自身の心の底にある絶対的な屈服を口にした。
その言葉を聞いた漣は、ククッと低く笑い、さらに腰の動きを猛烈に加速させていった。
6.密室の檻、駅弁の重力
「あはは! 本当に可愛いねぇ、伊吹ちゃん。じゃあ、仕上げは、君が絶対に俺から離れられなくなる、特別な体位でイってみようか」
漣は再び伊吹の体内から一物を引き抜くと、彼女の身体を仰向けに戻し、そのままベッドの上に立ち上がった。
「え……? あ、漣……?」
伊吹が息を切らしながら見上げる中、漣は彼女の両脇の下に手を差し込み、その軽々とした身体を、立ったままの状態で上へと持ち上げた。
いわゆる「駅弁(立ち対面座位)」の体位。
伊吹は宙に浮いた状態になり、自身の全体重が、漣の強靭な両腕だけに支えられていることに気づき、本能的な恐怖で彼の首筋に必死にしがみついた。
「な、何これ……!? 落ちる、落ちちゃう……っ!」
「ただ、俺の身体に縋り付いていればいいんだよ」
漣は自身の腰をグッと突き出し、宙に浮いた状態の伊吹の秘所へと、再びその猛悪な一物を根元まで一気に挿入した。
ズブゥゥッ……!!
「ひゃあああぁぁっ……!? な、何これ……、重力が……全部、そこに、かかって……っ!」
重力の影響もあり、漣の一物はこれまでにないほどの規格外の深さで伊吹の体内へと侵入した。伊吹はあまりの衝撃と快感に、漣の首筋に顔を埋め、激しく喘いだ。
漣は両手で伊吹の豊かなお尻をガッチリと支えながら、立った状態のまま、下から上へと突き上げるように激しく腰を動かし始めた。
ズプ、ズチュ、ズクゥン……っ!!
室内に、これまでで最も大きく、そして淫らな肉のぶつかり合う音が響き渡る。
「あ、あ、あんっ……! 漣……っ、すごい、これ、やばい……っ! 私、完全に、あんたの、ものに……あ、あんっ!」
伊吹は宙に浮いた状態で、漣の肉体に完全に依存するししか動けなかった。手を離せば落ちてしまうという恐怖が、さらに彼女の興奮を限界突破させる。彼女の脳内は、漣に対する絶対的な屈服と、彼に抱かれているという強烈な自己承認の幸福感で満たされていた。
「あはは! そうだよ、お前は俺だけの所有物、俺だけの忠実な『猟犬』だ。龍園くんの冷たい檻なんか忘れて、この甘美な俺の檻の中で、ずっと吠えていればいいんだよ!」
漣の腰の動きは、プロの格闘技術に裏打ちされた、寸分の狂いもない正確さと、圧倒的なパワーを帯びていた。
下から突き上げられるたびに、伊吹の最奥が激しく叩かれ、彼女の口からは言葉にならない、獣のような甘い鳴き声が漏れ続ける。
「あ、あ、あぐっ……! いく、いくぅ……っ! 漣、中に、出して……、あんたの、いっぱいきちょうだいぃっ……!」
「いいよ、俺の資本のすべてを、お前の奥深くに注ぎ込んであげるからさぁ……! あはは!」
漣は最後の猛烈な突き込みを数回繰り返し、伊吹の最奥の壁に自身の一物を強く押し当てた。
「――っ、はあぁぁぁっ!!」
「んんんぅぅっ……!!」
次の瞬間、漣の規格外の一物から、熱い、ドロリとした大量の精液が、伊吹の体内の最も深い場所へと、間欠泉のようにドクドクと射出された。
伊吹はあまりの快感の強さに、身体を大きく硬直させ、漣の首筋に噛み付きながら、激しく絶頂の波に呑まれていった。
7.悪魔の檻、捕食者の囁き
激しいピストンの音が止まり、室内には二人の荒い呼吸の音だけが、静かに響いていた。
漣は伊吹を抱き抱えたまま、ゆっくりとベッドの上へと横たわった。
結合が解かれた瞬間、伊吹の太ももの間から、漣の大量の白い精液が、彼女の初めての証である鮮血と混ざり合いながら、ベッドのシーツへとトトロと流れ落ちていった。
伊吹は完全に体力を使い果たし、漣の胸に顔を埋めたまま、ピクリとも動くことができなかった。しかし、彼女の表情には、不思議なほどの充実感と、平穏が宿っていた。
龍園の暴力に怯え、スパイとして常に張り詰めていた彼女の心が、この継国漣という圧倒的な「悪魔」にすべてを奪われ、調伏されたことで、初めて本当の「居場所」を見つけたのだ。
漣はヘラヘラとした薄笑いを浮かべに戻り、自身の胸元で小さくなっている伊吹の濡れた髪を、優しく指で弄んだ。
「あはは、お疲れ様、伊吹ちゃん。これで君は、名実ともに俺だけの『猟犬』だ。これからの学校生活、俺のためにどう動いてくれるか、楽しみにしているよ」
「……バカ。もう、あんたから逃げられるわけないじゃない……」
伊吹は小さく呟き、漣の野性味のある胸板を、小さな拳でポカポカと弱々しく叩いた。
窓の外の海は完全に陽が落ち、漆黒の闇が世界を包み込もうとしていた。しかし、この隔離された密室の檻の中だけは、悪魔と野良猫の、甘く危険な契約の熱が、いつまでも冷めることなく残り続けていた。