人間をテイムする方法 作:阿鼻巣
「あっ、んっ、ねぇ、なんで今日は私一人だけなの?」
エリーゼは仰向けに倒れた俺の腰の上に跨りながら俺のモノを下の口で咥え込み、いつもよりは軽く腰を上下に振っている。
部屋にいるのは俺とエリーゼの二人だけ。
「近況を聞こうと思ってな、アヤはダンジョンに詳しくないから」
「あぁ、なるほどね」
「最近はアヤと二人で探索してるんだろ?」
「えぇ、私とアヤの能力はわりと相性がいいから。マシロさんも本当は誘ってみたいけど、さすがに実力が離れすぎてるからね」
「今何階まで進んだんだ?」
「最新はまだ更新できてないわ。あれはユウヒの……ご主人様の強化術式のお陰で達成した数値だから。でも【
俺の【
ダンジョンは基本的に高階層の方が魔力量の多い魔獣が現れるから、効率的なレベルアップを目指すならどんどん上の階層に進んで行くべきだ。
「私たちは最近70階層でレベリングしてるわ」
70階層ってことは、学園内の上位10%には入ってるな。
このまま順調にいけば100階オーバー、学園に三十人といない『
「まぁ、そっちは好きにやっていいけど死ぬなよ。お前らの身体は俺のモンなんだから」
「わかってるわよ。ユウヒの方はどうなの? 新しく女を堕とそうとしてるみたいじゃない」
「普通に順調だよ」
「でもよくわからないけど、適当に襲って強化術式込みのおちんぽ突っ込んであげれば、大体の女はもう他の男じゃ満足できなくなりそうだし、言うこと聞くようになると思うけど……」
「そんなので堕としても面白くねぇだろ。俺は自分の意志で俺に全部を捧げてる女が好きなんだ」
「私が言えたことじゃないけど、ユウヒも相当歪んでるのね」
知ってるよ。
「それで、本当に現状が聞きたかっただけなの? 私だけを呼び出した理由って……」
媚びるような笑みを浮かべながら、エリーゼは俺の胸板に舌を這わせ、上目遣いでこっちを見てくる。
「はぁ……最近、仕方なく探索に付き合ってる女がエリーゼみたいに生意気なヤツでさ。後、金髪なんだよ」
「……ねぇ、私をその女の代わりのオナホにしようとしてるの? それはさすがになんていうかさ……」
――
「おおん! 肉便器が生意気言ってごめんなさい! おっ! ご主人様のおちんぽのイライラ好きなだけぶつけてください! あぁん! 乳首引っ張るのダメぇ! 乳首伸びて戻らなくなる! え? デカ乳首にしてピアスを開けたい? え、好き。全身でご主人様に仕えられるの好き。想像でイク!」
――
「ごめんなさい。そのよくわかんない女と違って貧乳の便女でごめんなさい。おちんぽ手加減お願いしましゅ! 乳首で好きなだけ遊んでいただいて大丈夫ですから、どうか許してくだしゃい!」
――
「お射精いっぱいできるつよつよおちんぽしゅき。ザーメンでお腹タプタプになるのしゅき。女に生まれてよかった。オナホまんこ付いててよかった。ご主人様に使ってもらうの幸せ!」
――
「ヤッバ、ヤッベ……イック、イギじぬ! ご主人様、裸で土下座しますからお許しください。足舐めますし、頭踏みつけていいですし、ご主人様が望まれるならアヤみたいに下品な腰ヘコ無様ダンス披露しますからぁ! ちゃんと媚び媚びの笑顔で自分で乳首拡張オナしながらフリフリしましゅかりゃ! だから助けてぇ! にゃん!」
大体十回くらい射精した頃、エリーゼは白目を剥いて「にゃんにゃん」言うだけになっていた。
あぁ、スッキリ。
「じゃあ俺学校行くから。片付けとけよ」
「にゃぁーん イグッ……」
――
――
エリーゼに『避妊』と『消毒』の術式を掛けて、俺はそのまま登校した。
◆
昼休み、最近の俺のイラつきの元凶である女が気さくに、しかしどこかこっちを見下した笑みで話しかけてきた。
「ねぇ、今日も付き合ってくれるよね? 陰キャくん」
「その呼び方、まさか定着させるつもりか?」
「だって本当じゃん」
その先の言葉だけ、ライラは俺の耳元に口を近づけて誰にも聞かれないように囁く。
「ね、あたしの手ですぐイッちゃうざこちんぽの陰キャくん?」
こいつ絶対許さん……
「悪いけど、今日は無理。さすがに文化祭中の怪我人の量じゃ保健室がパンクする」
「えぇ、そんなのあの先生にやらせればいいじゃん」
「とにかく無理だ。頼むから週三くらいにしてくれ」
「仕方ないな。それじゃあアレより先のご褒美は当分お預けだから」
◆
――昼休み・校舎裏――
「あのクソ女、マジで泣かす。絶対犯す。ブチ犯す!」
「イグッ! ご主人様いぎましゅ! ていうか昨夜も今朝もヤったじゃないですか。なんでお昼も私なんですか!?」
「エリーゼがあのクソギャルに似てるからっつってんだろ」
「そんなぁぁ! イッグ!」
◆
それから数週間、俺は学校が休みの日曜と平日の火曜と木曜の三日だけダンジョンに行き、残りの放課後は保健委員としての仕事に尽力する生活を送った。
必然的にエリーゼを使うことが多くなったせいで、エリーゼのダンジョン探索の効率が落ちたのは多少悪いと思っている。
――文化祭まで残り二週間・放課後の保健室――
「大丈夫なの?」
治療が一段落して少しだけ暇な時間があると、フィアが不意にそう声をかけてくることが多くなった。
俺はいつも通りに、決まりきった返事をする。
「大丈夫ですよ」
人間は、自分で発見した情報を正しいと思い込む。
だから俺が自分から、しかもこの程度の質問でダンジョンに行く理由を話すわけにはいかない。
フィアがもっと強く俺に説明を求めるか、ライラに探りを入れるような形で『自力で情報を得た』感覚を持ってもらう必要がある。
「お願いだから話してみてくれない? もしかしたら私も力になれるかもしれないわ……」
「……なんのことですか?」
「君がダンジョンに行ってることよ。休みの日も行ってるらしいじゃない。あの、ライラって生徒に連れられて」
おぉ、結構調べてくれてる。
俺が思っていたより、フィアは俺に興味を向けてくれているらしい。
俺は女を堕とすにあたり、いくつか制約を設けている。
そのうちの一つが、『客観的事実に嘘を吐かない』というものだ。
俺がどんな思いでそれを行ったかにはいくらでも嘘を吐くが、現実に起こっていることに関して嘘を吐かない。
つまり、ダンジョンに行ったのに行ってないと言うとか、俺の術式の性能に関して間違いを教えるとかだ。
もちろん、隠したり誤魔化したりはするが、『嘘』は吐かないようにしている。
これをする理由は単純で、堕とした後の俺の格を維持するためだ。
自分が主と認めた相手が、本当は嘘を吐いてるだけのビックマウスだと知られたら、その後の信頼関係にしこりを残すことになる。
そんな状態を俺は支配しているとは思わない。女には心の底から心身を俺に捧げてもらう。
アヤに言った『術式の相性がいい』というのも完全な嘘ではない。
俺の強化術式は相手の身体構造を熟知している方が正確になる。体を沢山重ねた相手の方が強化術式の性能が向上するのは事実だ。
「どうして? ダンジョンに行くのなんて嫌だって言ってたわよね? なのにどうして、あの子の言うことは聞くの?」
これに対する答えは用意している。
そのために、俺は我慢してあいつと探索してたんだ。
「言えないです……」
焦らす。その言葉を、お前が無理矢理言わせたんだってことをちゃんと自覚してくれるように。
「どうして? ねぇ、先生は君の味方だよ。君にどんな弱みがあったとしても、それをバカにしたりなんて絶対しないし、誰にも言わない。約束するわ」
「いや、けど……」
「教えて欲しいの。私は君の力になりたいの」
あれ、思ったよりもフィアの俺への執着心が強い。
いや、俺がフィアの心の問題を軽視していたのか?
探索者学校を卒業して、ヒーラーとしての成績もよかったであろうフィアが、ダンジョン内では仲間に溜息を吐かれるような存在に成り下がった。
そんな状況は、俺の想像以上にフィアの心を蝕んでいたのだろう。
だから、そんな心を代弁してくれる俺の存在はフィアの中でストレスの発散になっていた。
けど、そんな俺がダンジョンに行ける人間になることを……嫉妬の対象になることを……俺が一緒に落ちぶれてくれなくなることを……
――フィアは、味方がいなくなることをこの上なく怖れている。
「本当に笑いませんか?」
だったら、今がベストだ。
「もちろん、絶対笑わないわ。私は君の味方よ」
本当はただ味方を失いたくないだけ。
なんて、心が透けて見えて、内心ほくそえみながら俺はフィアを堕とすために用意した切り札を切る。
「ライラは、ヤらせてくれるんです」
「……え?」
「いや、手だけなんですけど、それが気持ちよくて、忘れられなくて……その、誘われると断れなくて……」
嘘じゃない。俺の心理以外は全部本当の話だ。
そのために、ずっとライラに都合のいいように探索に付き合ってやってたんだ。
「そ、それって……そういうことってこと……?」
こくり、と俺は頷き、伺うようにフィアに視線を向ける。
「キモイ、ですよね。すいません」
「い、いや……思春期の男の子だし、そういうことに興味を持つのは仕方のないことだと思うわ……でも、お付き合いをしているわけではないのよね?」
「はい……」
「ユウヒくんは、ライラさんが好きなの?」
「いや、わかんないです。されてる時は気持ちいいけど、それ以外の時は別になんとも」
「それじゃあやっぱり先生はよくないことだと思うわ……」
さて、次はこいつの『教師』って立場を崩す段階だ。
「けど、どうしても誘われると断れなくて……」
「相手は誰でもいいけど、性欲を我慢できないってこと?」
「はい、多分……」
「あんなに嫌がってたダンジョンに行ってでも?」
「はい」
「そう、そっか……」
「す、すいません! こんなこと急に言われても困りますよね、俺もう帰ります! 保健委員の仕事も明日からは辞めます」
ダメ押し気味にそう叫び、俺は椅子から立ち上がり荷物を手に取り、出入り口の方を向く。
「えっ、ちょっと待って」
だが、俺の手がフィアの手に掴まれる。
少しだけ動揺の色が見える瞳で、フィアは俺に言い聞かせてくる。
「大丈夫よ。君はなんにも間違ってないし、おかしなことなんてしてない。しょうがないことよ」
「けど、先生じゃどうにもならないことってわかってくれたでしょ? 俺、やっぱり失礼します」
「……その、ユウヒくんさえよかったらなのだけど」
そうだよな。あんたは自分の味方を手放せない。
例え、自分の旦那を裏切ることになったとしても。
だってその旦那すら、あんたにとっては敵なんだから。
「私が代わりになるのじゃダメかしら?」
「それって、どういう……」
「放課後、負傷者の治療が終わった後なら毎日一回だけライラさんの代わりに私がシてあげるわ」
あぁ、その言葉を待ってたんだ。
「いいんですか?」
「君にはいつも助けてもらってるから。でも、他の人には内緒だよ?」