人間をテイムする方法 作:阿鼻巣
俺とアヤは二人だけで60階層に来ていた。
60~69階層は荒野のエリアで、現れる魔獣はオークと呼ばれる亜人種だ。
「けど大丈夫でしょうか? 私たち二人だけでこんな高階層に来るなんて……」
「大丈夫だよ。俺が付いてる。それに言ったでしょ。アヤちゃんには強化術式を受ける才能がある。ここら辺の魔獣相手なら楽勝だよ」
俺の強化術式はいくつもの術式を独自にブレンドした完全なオリジナルだ。
だから、相手や状況によっていくらでも調整できる。
エリーゼは新入生代表でそこそこ強かった。
だから身体能力に倍率を付加する強化で事足りた。
だが、マシロやアヤのような基礎能力がカスみたいなヤツらだとそれじゃ意味がない。
身体能力をプラスする強化術式と、倍率を与える強化術式を上手い塩梅で使う必要がある。
けど、俺にはそれができる。
元が雑魚だったアヤは多分体感で元の十倍以上の戦闘能力を感じれるだろう。
特に防御力に関しては折り紙付きで、60階層程度の魔獣が相手ならダメージを受けることはほぼない。
もしもがあっても俺が回復させられる。
そんな彼女にとって魔獣を倒すというのは、最早作業だ。
浅い緑の肌。筋肉質な体と猪の牙を持つ『オーク』が殴りかかってくる。
アヤはそれを顔面で受け止めた。オークは渾身の一撃が決まったことで笑みを浮かべたが、アヤは特に反応もせず盾でオークを殴り返す。
それだけでオーク首から上が吹っ飛んだ。
俺の強化術式があれば、強化対象の技術とかそんなものは関係がない。
俺には誰を対象にしても最強にできる自信がある。学生レベルなら尚のこと。
「嘘……こんな簡単に……」
「ね、言ったでしょ? 多分だけど今のアヤちゃんはエリーゼさまより強いと思うよ」
「エリーゼさんより? 本当ですか?」
「まぁ、何度か戦えばわかると思うよ? ここには相手も沢山いるし、自分の力ってものを試してみれば?」
オークの死体ができては消えていく。
ダンジョンは魔力を自己補完していて、倒されて防衛機能を失った魔獣は魔力に変換され、それをもとにさらなる魔獣が生み出される。
倒れた場所には、魔獣の核となった魔石だけが残される。
それだけだと魔石分が外に流出して完全な補完はできないが、侵入者からも魔力を得ているから全体としてはダンジョン内の魔力は増加傾向にある。
ちなみに魔石は学園で買い取ってもらえるから、これを生活費の足しにしてる生徒は結構いる。
「すごい……自分じゃないみたい……」
「今までアヤちゃんに使ってた術式は防御力に特化した強化だったから実感なかったかもしれないけど、今は全能力を上げてるからね」
「あの、もしよかったら……またこうして二人で探索してもらうことってできませんか?」
「どうして?」
「今、すごく満たされてる感じがして、エリーゼさんのことをちょっと忘れられたっていうか。いや、ごめんなさい。私のストレス発散するためにユウヒさんを巻き込んだらエリーゼさんと同じですよね……」
そう言ってアヤは俯く。
「暴力振るってるわけでもなんでもないんだし全然違うでしょ。いいよ、また付き合う」
「本当ですか!? ありがとうございます!」
アヤは満面の笑みを浮かべ、俺に頭を下げた。
それから俺はエリーゼが決めた週に二日の休みをアヤと二人の探索に充てることにした。
◆
それから更に二週間ほど経ち、エリーゼの到達階層は80階層を突破した。
「あぁもう最悪です。今日もあの子、自分が一番偉いみたいな態度して……調子乗って……本当は最低な人間のクセに、私たちに優しくして悦に浸ってるのも気持ち悪いし……」
今日は一段と荒れてるなぁ。
いや、前々から二人での探索日が来るたびにこうやってストレス発散しながら魔獣を狩っていたけど、アヤの怒りは留まるところを知らないどころかどんどん増長していっている。
だけど、それは当然のことだ。
「私より弱いクセに」
そんな自覚と自信があるのだから。
「ねー、ユウヒくんもそう思いますよね?」
「んー、どうかな」
「なんでですか? エリーゼより私の方が弱いっていうんですか?」
アヤは俺のこと「くん」付けで呼ぶようになった。
そして、俺と二人の時はエリーゼに「さん」を付けなくなった。
「本気出せば私だって学年主席くらいなれますよ」
あぁ、ウケる。
自分で努力もしたことねぇクセに。
エリーゼはあれでも斧術に関しての技術は凄まじかった。
あれは俺の補助術式と同じ、努力なしでは辿り着けない武技だ。
だがこの女は違う。
生まれ持った術式適性にかまけて突っ立ってるだけの戦闘スタイル。
それで戦いが成立してるのは100%俺が与えてやった力のお陰だ。
なのに、こいつはもうそれを自分の力だと思ってる。
「なんでって、俺はエリーゼに惚れてるから」
「なにがいいんですか、あんな貧乳の」
「そんなの別に触れるわけでもないし関係ない。顔だよ顔」
そう言うと、アヤは俺の方を振り向いて「武装解除」と呟く。
全身鎧と大盾が一瞬で消え、いつもの制服姿に戻る。
そのまま俺に近付いてきて、俺の手を取った。
「じゃあ、触れられる私と触れられないあの子だったら、どっちが好きですか?」
俺の手を自分の胸に誘導しながら、アヤは耳元で囁く。
「なんでもしてあげますし、なんでもしてもいいですよ。ユウヒくん」
アヤの唇が俺の唇と重なった。
「あの、この近くに洞窟があるの知ってますか? 静かなところ、行きましょ」
◆
ダンジョンの洞窟の中、四つん這いになったアヤの腰を掴み、俺は彼女の秘部に自分の腰を打ち付ける。
「あんっ、好き、ユウヒくん好き。ねぇ気持ちいい?」
「あぁ、うん」
正直まぁまぁだな。
処女だったから上手くもないし、マシロのように俺の癖を満たしてくれるわけでもない。
けどまぁ、必死さは伝わってくるからちょっと面白いってくらいか。
「あっ、好きな時に呼び出して、はっ、気が向いた時に好きなだけおまんこ使っていいよ。フェラもするし、んん、ユウヒくんが望むならお尻の穴も用意しておくし……それに私のGカップおっぱい好きにしていいんだよ?」
なまめかしく、男を誘う声を出し、アヤは必死に俺を誘惑する。
必死に腰を振る姿は捨てられたくないペットみたいで、多少の可愛げはあるけど……
「だからこれからは、私とだけ探索しよ? エリーゼなんてもういいじゃん。私のデカパイだったらあの子ができないようなこともいっぱいできるよ? ユウヒくんの本当の価値を知ってるのは私なんだよ」
こいつを抱いたのは、俺がエリーゼのモノじゃなくなるための伏線みたいなものだ。
なのに、ちょっと調子に乗っててムカつくんだよなぁ……
後、マシロの方が乳もデカいし。
「なんでも、していいのか?」
「うん! したいことしていいよ。好きなだけ使っていいよ。だから私をユウヒくんの彼女に――」
――
「え? なんで今、術式なんか……」
そう、驚きの声を上げたのも束の間だった。
「お゛っ、な、なにこれ! さっきまでちょっと痛かったのに……私初めてなのに、なんでこんなに気持ちいい? あっ、おっ、やばいこれ、気持ち良すぎるよぉ……! 無理、なにこれ! あっ、おほ、へっ、はっ、んっ! イクッ! イクッ! イッてる、ねぇ私イッてる!」
「なんでもするんでしょ? じゃあさっさと腰振ってよ」
「無理! こんなに気持ちいいの無理! 動けない! イク、イクイクイクイクイク! あへっ……」
ッチ、もう伸びたのかよ。
探索者学園に通ってんだからちょっとくらい体力付けとけよ。
――
「おっ、なんで、私なにして……? あっ、イク! やだ、またイクッ! 放して! 一回止めて!」
こっちは一回抱いてやっただけで彼女面する馬鹿の相手してやってんだ。
エリーゼのために仕方ないとしても、あぁダメだ、イラ付きが止まんねぇ。
「お゛っ、イク、イっでる! あぁん、無理、あっ! ねぇ一回……そ、そうだフェラするから! それともパイズリがいい? ねぇ、聞いて、聞いてよ! おまんこいじめるの一回やめてって! やばい、またクる。おっきいのクる……あっ――」
――
「なにこれ、どうなってるの? 私さっき気絶して……やだ、怖いよぉ!」
「そっちが提案したんでしょ。好きなだけ使っていいんでしょ? さっさと気持ちよくして……はぁ、さっさと気持ちよくしろよ肉便器」
「な、なにそれ違うよ。あっ、私は肉便器なんかじゃ……んっ、ねぇ私を彼女に……」
あぁ、ウゼェ……
もういいや。終わった後の俺、頑張れ。
「なにが彼女だ。なにがエリーゼより強いだ。思い上がんなカス。俺がいねぇとなんにもできねぇクセに」
「な、なんでそんなこと言うの? あんっ、ユウヒくんはもっと優しくて……あ、イク……」
「お前が俺に差し出せるモンなんて穴くらいしかねぇんだから、もっと必死にお願いしろよ」
「ねぇやめてよ。好き、好きだから! エッチなことなんでもするからぁ! だからもう許し……イック……うっ……」
――
「なんで、なんでよぉ! もう気持ちいいの嫌! 気持ち良すぎて頭おかしくなっちゃうの! 許して、許してください! ごめんなさい、怒らせちゃったなら謝るから! だからいつものかっこよくて優しいユウヒくんに戻っ……もう無理、イク……」
――
「あっ、肉便器なる。なるから許して。なんでもするし、好きに使っていいし、命令してくれたらなんでも言うこと聞くから。おおっ」
――
「おっ、あ、殴っていいよ。私耐久力に自信あるから、顔でもお腹でも殴っていいよ。蹴ってもいいし、ぐちゃぐちゃにしていいよ! ねぇ、イライラした時のストレス発散用のサンドバッグにしていいから! 痛いのなら慣れてるから、だからもう気持ちいいのは……あぁ、イクイグイグイグ!」
――
「ごめんなさい! もう許してください! もう彼女とか言いませんから! 肉便器でいいし、奴隷でいいし、モノ扱いでもいいから! おまんこ限界なんです! おっ……死ぬ……」
――
「好き。好き好き好き好き。あなたのことが好きです。男性として好きです。おっぱいででご奉仕したいです。お口でもご奉仕したいです。好きなんです。本当に心のそこから好きなんです。一生好きです。大好き、愛してる、だから優しく、んんんっ……」
――
「おっ、あぁ、イク、イク……あぁ、もういい、いじめて……好きなだけいじめてくだしゃい。いじめられたいです。いじめられるの好きです。いじめられるために生まれてきました。デカパイも雑魚まんこもケツ穴も、全部ボロ雑巾にしてください。人権いらいないです。いじめてぇ、いじめられるのすきぃ……」
――
「あっ、イク。おっおっおっ、気持ち良すぎて死ぬ。イク! いじめられることだけが生き甲斐のカスが調子乗って彼女面してごめんなさい。頑張って腰へこへこして、必死に穴しめましゅ。全部ご主人様専用の穴でーしゅ。アッハ、イク――」
何度目かもわからないが、アヤが白目を剥いて絶頂するのと同時にその膣に俺の精液が吐き出された。
「あー、あへぇ……ごめんなしゃい……ゆるしれ……」
「あ、ヤベ、ぶっ壊しちゃった」
けど、最後の方は自覚あっていい感じだったな。
結構満足できた。
――
――
二つの術式をアヤに発動させると、彼女は目を覚ます。
「え、っと……あ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! 許してください許してください許してくださ……」
「あぁ、こっちこそごめんねアヤちゃん」
「え?」
「いや、俺セックスすると性格変わっちゃうみたいでさ。しかも回復術式も使えるから結構無茶させちゃうみたいで。本当にごめん。反省してる」
「じゃ、じゃあ今はいつもの……ユウヒくんなんですか?」
「うん、見ての通り」
そう言って頭を撫でると、アヤは心底ほっとしたような表情で俺に抱き付いてくる。
「よ、よかったぁー。本当に怖かったです!」
こっちのセリフだ。計画が全部トンザするかと思ったっての。
「ごめん。でも、やっぱり嫌だよな。俺みたいなヤツと付き合うとか……」
「それは……ちょっとびっくりしましたけど、その……嫌というほどじゃないっていうか……」
まぁ、この程度のことじゃこいつは俺から離れることはできない。
そういう目算がなかったわけじゃない。
アヤにとって俺は生命線だ。
俺がいなくなるということは、アヤはまたストレスを溜め込むだけの人生に戻るということ。
逆に俺さえいれば、俺が彼氏になれば、エリーゼより優位に立つことができる。
「それにその、回復術式もすごくて完全に回復するから疲労とか残らないし……うん、またさっきの衝動のはけ口にしてもらっても大丈夫なので……」
「え、それって……」
「彼氏に、なってくれるんですよね?」
「いいのか?」
「はい。好きですよ、ユウヒくん」
「あぁ、俺も好きだよ。アヤ」
エリーゼが自分を差し出してくるその日まで、お前には自己顕示欲ってヤツを持っておいてもらう必要がある。
だから、まだもう少し、お前をおだてておいてやるよ。