未亡人と勝ち気女子高生の爆乳母娘が金持ちイケメン大学生に揃って美味しくいただかれる話 作:れみ
遠野章一朗の人生は順風満帆だった。恵まれた家庭環境に容姿。それを活かす努力を怠らず中学の頃から女に困ったことはない。もちろん遊んでばかりいると周囲の評価が下がるので、勉学にも手は抜かない。地元の有名大へと進学した。
それでもなおたまに女遊びが激しいと言われることはあるが、女を堕とすには経験豊富であることが重要だろう。まぁ、そんな食指が動くような相手にお目にかかったことがないし恋愛に本気になったこともない。このまま就職していい感じの相手で妥協して結婚なんてことを考えていたのだが…
転機が訪れたのは大学二年の4月。両親が揃って死んだ。雨の日に階段から足を滑らせて落ちるという誰が悪いわけでもない事故だ。突然のことに遠野は驚いたが呆けている暇は無かった。葬儀や手続き等に奔走し講義の遅れも取り戻す。
そうして落ち着いた時にふと家に一人でいることに寂しさを感じたのだ。自分が意外と参っていることを自覚し気晴らしに出掛けた遠野は、近所でも普段足を運ばない所に居酒屋を見付けた。
(ここら辺全然来たことなかったけどこんなんあったのか)
最近忙しくて飲めていない。店の外にまで騒がしさが聞こえてくるがそれが却って気持ちを紛らわせてくれるだろう。
暖簾を潜った遠野の目に飛び込んだのは、極上の女が二人。
目が奪われるというのは初めてだった。視線を外せない。人生で初めての衝撃が体を駆け巡る。まるで一目惚れだ。
「いらっしゃいませ~。お兄さん一人ですか?」
「あ、うん。一人で」
「はーい。じゃあカウンターの空いてるとこどうぞ。ママ! カウンターに一人!」
「はいはーい。ご注文お決まりでしたらお声がけくださいね」
カウンター席に座るも衝撃から立ち直れないが、何も注文しないままだと不自然であるとメニューから適当に注文する。
それから品が運ばれるまでずっと彼女たちのことを考えていた。
(いやなんだこの美人達。レベル高すぎるだろ。つーかママって言ってたよな。母娘?嘘だろ?娘ちゃんが高校生くらいなのにママさん20代にしか見えねぇぞいつ産んだんだよというかママさん色気ヤバいのに何だよその服男ばっかの居酒屋でノースリニットセーターにピチピチズボンとかもう誘ってんの?娘も娘でなんだその格好谷間丸出しで脚出してお前も誘ってんじゃんというか薄っすら乳首の位置わかっけどまさかノーブラ?お母さんどんな教育してんのありがとうございます)
既に遠野の中から家族を失った悲しみや寂しさは消え去っていた。いま彼の中を占めるのはこの母娘のことのみ。どうやって近づくか、どうやって二人纏めて手中に収めるか。受験ですらこれほどに脳を働かせたことなどない。眩暈がしそうなほどに思考を回す。
「お待たせしましたー。お先に生ビールでーす。枝豆もすぐ持ってきますね」
「揚げ出しもすぐご用意しますね」
「どうも」
(落ち着け、冷静になれ。勢いで考えたとこで妙案は浮かばない)
ビールを流し込みながら気持ちを落ち着ける。そもそも旦那がいるだろうし手に入ったとして娘だけか?とはいえ諦めるには惜しすぎる。
家族経営でバイトがいる様子はないし募集の張り紙なんかもない。はてさてどうしたものか…と考えていたのだが
「おぅい!葵ちゃん生おかわり!」
「酒田さんまだ飲むの?いい加減帰ったら?」
「ツレないこと言うなよぉ。この店で飲むのが人生の楽しみなんだからさぁ」
「まぁ、いつもありがとうございますね♪」
聞こえてくる常連と思わしき中年男性との会話。何か情報が得られるかもしれないと聞き耳を立てる。
「そういやあれからもう10年か。旦那さんが亡くなってから。寂しくなったら言ってくださいよぉ渚さん♡」
「常連の皆さんが来てくださるおかげで寂しくありませんよ。お気遣いありがとうございます」
「はい!おかわり!」
「うお!そんな叩き付けたら零れちまうよ葵ちゃん」
「酒田さんが変なこと言いだすからでしょ。グレグレももういないし私がしっかりしないとね」
「あのおっかない猫のことは言わないでくれよ。まぁ10年も生きたんなら猫としちゃあ大往生じゃねぇか?」
「だからこそ安心させてあげるのよ」
「優しいなぁ葵ちゃんは♡」
サワ
「オイ、オッサン…」
凄まじい怒気のこもった声が聞こえたと思ったら男──酒田が葵に殴り飛ばされていた。
「何度もセクハラやめろって言ってるよな」
「す、すまねぇ葵ちゃん!今のはそう、あんなに強くジョッキを叩きつけたもんだから腰を痛めてないかって心配になってよぉ!?」
「それ前にも聞いた。とっくに出禁にされてもおかしくないのに毎回土下座してママの優しさに付け込んでさ」
「頼む!本当にここだけが心のオアシスなんだよ!ここ出禁にされちゃ大真面目に生きていけねぇよ俺!?」
近いうちに手に入れるつもりである極上の女の尻を汚らしい中年が触った。その事実に怒りが沸き上がり思わず制裁を加えようと遠野は立ち上がりかけたがその前に葵により制裁が加えられた。どうやら思った以上に腕が立つらしい。酒田が何度もセクハラしているという事実には拳を握り締めて怒りを抑え一連の会話から判明したことを整理する。
(旦那が既にいないのは都合がいいが、あしらい方が手馴れている。まぁ言い寄られないわけがないな。娘の方もしっかりと手を出すことで変な気を起こさせないようにしているが、あのオッサンを出禁にしていない時点で母娘共に根底に甘さがある)
(あとおっかない猫だったか?グレゲレ?とか言う変な名前だが、以前まではそいつが守っていたと考えるべきか。いやどんな猫だよ)
"まぁもう死んでいるなら考えなくていいな"
そうしてどうやって近づくべきか考えているところ、すっかり忘れていた揚げ出し豆腐が運ばれてきた。
「お待たせしてごめんなさい。こちら揚げ出し豆腐です」
「いえいえ全然そんなことないですよ。いただきます」
からりと揚がった衣にたっぷりのつゆと大根おろし。久しぶりの温かい手料理に期待が高まる。箸で豆腐を切り分け少し冷まして口に運んだ。
"美味い"
同時に違和感が浮かぶ。
(ん? これって)
「すいません、追加で唐揚げとあと…」
それを明確にするためいくつか注文を重ねた。結果、遠野は驚きとと共に心から神に感謝したし自分の行動は神に祝福されているとすら思った。この違和感を元に母娘に近づく策を練るのだ。
(まさかお袋の味とそっくりとか一体どんな偶然だよ。でもおかげでいい考えが浮かんだ。この幸運を信じろ!正直これ以上思いつかん!大丈夫!アドリブでも行ける!)
この母娘は甘さが見受けられる。懐に入るのは難しいがそれさえ乗り越えればどうとでもできるだろう。異性への初めての執着を抱えながら、遠野は酒を楽しみ酔いの心地よさに浸りながら帰路に就いた。
そして──
──────────
遠野は無事新藤家に入り込むことに成功した。当初とは違い家庭教師というポジションだが、ただのバイトよりも距離が近い分良い。
(親父!お袋!たっぷり遺産残してくれてありがとう!頭よく生んでくれてありがとう!!かっこよく生んでくれてありがとう!!!)
生前ここまで感謝したことはないほどに亡き両親への感謝と尊敬を抱いた。申し訳なさが無いわけではないがそれ以上の期待と興奮が溢れてくる。
(俺、絶対に幸せになる。そっちで見ててくれ)
"まぁ怒ってそうだなぁ"とは思いつつ、遠野は意識を切り替えた。ここまで入り込んだのだからいくらでもやりようはある。楽勝といってもいいかもしれない。だが極上の獲物だからこそ油断は禁物だ。確実に手に入れる。
「じゃあ日程調整…の前に今日なんか課題出てる?あればサクッと終わらせちゃおっか」
「あるけどいいの?そういうの後回しにして」
「大学と高校なんて時間決まってるからすぐに済むよ。それよりも葵ちゃんがどの程度なのかの把握とかしときたいし」
"後でテストも見せてね"その言葉に葵は顔をしかめたが、諦めたように自室から道具を持ってきた。
「今日のは数学。一番苦手なの」
「はいはい。うわぁもう懐かしいな。俺もこの教科書だったわ。とりあえず一回解るとこやってみて」
「はーい」
葵の教科書を見て、二年前のことだというのに思いがけない懐かしさを感じながら遠野は家庭教師としての初仕事に臨んだ。
────────────
「めっちゃ早く終わった」
「それだけ葵ちゃんの出来がいいんだよ。理解力あるし、俺仕事早々にクビになっちゃうかも」
「なにそれ」
その言葉に思わず笑ってしまう。自分でも驚くほど課題が早く終わった。遠野は冗談めかしてこちらを煽てているが、その指導はとても解りやすい。苦手な数学でこれだ、ほかの教科ならどうなるのか。その身の上を聞いた時から下がっていたが今、葵の中で遠野への心理的な壁はさらに下がった。
(最初は抵抗あったけど意外とラッキー?)
「遠野先生ってホントに頭いいんだ」
「いや俺疑われてたの?」
「まぁちょっと?いきなりだったしね」
「お眼鏡にかなってよかったよ。それと遠野先生じゃなくて別の呼び方してもらっていい?堅苦しいし、高校の時の嫌いな教師思い出す」
「んー、じゃあ、ショウ先生で。その話後で聞かせてよ」
そんな雑談をしながら、テストを見せ日程を打ち合わせしている時だ。
「お客さん、落ち着いてください!他のお客さんのご迷惑ですから!」
母の叫び声。開店間もない時間だというのに酔っぱらいのトラブルだ。以前までなら猫のグレグレが叩き出していたがいない今、それは自分の役目だろう。
だが、葵が階下の店に駆け付けるべく立ち上がった時には、既に遠野が階段を下りていた。
「あっ!?ちょっと先生!」
「任せといて」
「危ないよ!」
止める間もなく行ってしまった。だが酔っぱらいというのは面倒なのだから、何かある前に止めなければ。葵もすぐに店に向かった。
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(これはチャンスだ。神が与えたチャンスだ!)
渚の叫び声を聞いた瞬間、遠野は反射的に動き出していた。このトラブルを利用してさらに新藤家の中に食い込む。自分が主導権を握るために僅かな差といえど葵に先んじて動けたのは大きい。
「だからよぉ!?この前のは謝っただろうが!」
「それじゃなくて、あれのこと言ってんだよこのタコ!」
見ればそれなりに客のいる店内で男が二人、今にも互いに掴み掛らんとしていた。早い時間だというのに店に来る前から飲んでいたのか、相当出来上がっている。
渚も止めようとはしているが聞く耳を持っていない。遠野は迷わず男達に割って入った。
「遠野君!?」
「はいはい、オッサンたち騒ぐなら外でやりな。叩き出してもいいんだぜ」
「あ!?なんだてめぇ!関係無ぇだろうがすっこんでろ!?」
「関係ならあるんだよ。俺この店のバイトだし。んで?出るの出ないの?」
「やれるもんならやってみろ!?」
激昂して殴り掛かってくる男達に遠野は内心で笑い声をあげた。まさしく狙い通り。これで既成事実を作れるだろう。
(ありがとよ。オッサン)
────────────
返り討ちにされた男達は捨て台詞と共に代金を叩きつけて店を出て行った。騒ぎのせいで店内は少々ざわついているが、遠野にとってはどうでもいい。ここからが重要なのだ。
「遠野君大丈夫!?怪我は無い!?」
「ご心配なく。一発も殴られてませんよ。俺結構やるんです。それより渚さんの方こそ怪我とかないですか?」
「ええ、大丈夫だけど…」
「あのぉ、渚さん?」
渚に心配されていると店にいた客の一人が話しかけてきた。酒田とは別の常連だろうか。
「さっきその兄ちゃんが言ってたけど、バイト雇ったんですか?いや、今聞くことじゃないかもしれませんけど気になっちゃって」
「え?いや彼は…」
(ナイスアシスト常連!自分で言い包めようと思ってたけどやっぱツイてる!)
「そうなんすよ!ああいうの今までは猫が撃退してたらしいすけど、葵ちゃんも心配してて!見ての通り腕っぷしには自信あるんで!」
「え?私?」
遠野に続いて降りてきたものの瞬く間に騒ぎが収まり手持ち無沙汰にしていた葵は、突然自分の名前が出てきたことに驚いていた。
「私そんなこと…」
「葵ちゃんも腕に自信あるとはいえ女の子に荒事処理させるわけにもいかないですしね!」
言葉と共に葵に近づいた遠野は口裏を合わせるべく小声で話しかけた。葵さえ納得させれば作戦成功なのだ。
「実際ああいうのは危ないから男の俺が対処した方がいいし、君が何度言ってもセクハラ止めないオッサンもいるだろ?俺が睨みきかせてるだけでも効果あるだろうし」
「でもなぁ…」
「家庭教師の延長って言ったら可笑しいけど、元々バイトさせてもらいたくて来たんだし。報酬は一緒でいいからさ。葵ちゃんも援護頼むよ。渚さんに変に絡むやつも減るだろうし」
最後の一言が決め手になったのか、渚のそばに寄っていった葵は周囲に聞こえないよう耳元で説得を始めた。
「折角だから甘えたら?本人報酬一緒で良いって言ってるし。面倒なお客さんの相手してもらえるから正直私も安心だし」
「うーん、そうは言っても…」
尚も渋る渚を見た遠野は強引に話を終わらせることを決めた。注目を集めるように声を張り上げる。
「お騒がせしてすいませんねお客さん達!今後はお世話になります!俺の目が黒いうちはさっきみたいな騒ぎが起きてもサクッと止めてみせるんで!よろしくお願いしますね!」
常連も居る今、これだけ周囲にアピールしておけば大丈夫だろう。とはいえバイトの大学生のことなので渚が気にしなければ少し疑問に思われるだけだろうが、葵の援護もある。問題ないだろう。
(今後が楽しみだ)
これからのことを思い、遠野は心の中で舌舐めずりをした。