今回は少し卑猥な表現があります。
苦手な方はお戻りください。
「よ」
直樹はタオルも巻かず、平然とお風呂場に入ってきた。……まあ私もひとりで入るつもりだったので巻いていないが。私が恥ずかしくて直視できないでいると、直樹は私の体の横に体を乗り出してボディーソープを手に取った。それを何回か押し出して自らの片手に乗せると、ボディーソープを元の場所に戻してそれを両手でこすり合わせ泡立てる。
_____と、その瞬間、突然背中に冷たいものがあたった。
「ひっ」
思わず声を上げると、直樹は こっちの手だよ、とわらった。
何をする気かと思えば、直樹は私の背中を丁寧に洗い始めた。
「ちょ、なにして..っ」
「背中届かないくせに」
食い気味に言い、くすっとわらう直樹。図星なのでなにも言い返せないが、なんだか自分の手が短いと言われたように感じてとても悔しい。直樹の手が長いから、余計に。
彼のごつごつした大きな手が背中をゆっくりと這う。その手につけられたボディーソープが、私の肌をそっとなぞる。
私は仕方なく自分で前を洗う。からだを隠すように、胸に泡をふんわりとつけた。そして腕や太腿、ふくらはぎや秘部、脛や二の腕なども丁寧に洗っていく。
前をすっかり洗い終わると、直樹が言葉を発した。
「立って」
言われるままに立ち上がる。なんだか恥ずかしくてうつむいたとき、足に洗い残しを見つけ、上半身を曲げてそこをこすろうとする。
その瞬間、おしりにぬるいものが当たった。驚いてばっと上半身を起こすと、左右のおしりが円を描くようになぞられていった。____また、直樹の手だ。
「ちょっ……と、おしりぐらい自分で洗えるからっ」
「え?今のポーズ完全に“洗ってください”って感じだったじゃん」
くすくす、とわらう直樹の声。その吐息が背中にかかる。確かにさっきのポーズはおしりを突き出してしまっていたし、洗ってください、というポーズに見えたかも……いや、見えない。
直樹は完全に私をからかっている。いまは背中越しで見えないが、普段友達に向けていた、ひとをからかうような目をしているに違いない。私はなんだか悔しくなって、もういい、というようにお湯でからだの泡を流した。そしてぱしゃん、と音を立てながら、直樹が沸かしてくれた湯船にゆっくりとつかる。
ちょうどいいお湯加減のなかでほっこりとしていると、今度は直樹が髪を洗い始めた。
先ほどお湯をかけてしまったので髪は既に少し濡れていて、水もしたたるいい男..なんて自分の彼氏に言っていいのかわからないけど、髪から水を滴らせた直樹はまさにいい男のそれだった。
それでも私は目のやり場に困り、唇までお湯に浸かっていると、直樹は何かに気付いたようにと口を開いた。
「今度はそらが洗ってね?」
人差し指を唇に当て、直樹はにたりとわらった。