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「ばっ……か」
きっと今の私の顔は真っ赤っかだろう。直樹からは顔が見えないはず。それが唯一の救いだ。
そう思った瞬間。
直樹が私の両足を離した。かと思えば思い切り、私の後頭部を持ち、ぐいっと上に引き上げた。
ザバッという音を立て、私の真っ赤な顔は直樹の前に晒し出される。思わず両手で顔を覆うが、直樹は私の後頭部を支えていない方の手で私の両手をがっしり掴み、上に持ち上げた。
顔を背けようとするも、直樹に後頭部を押さえられているため、背けられない。恥ずかしさで目をぎゅっと閉じていると、唇に生暖かい感触。
キスをされている。それがはっきりとわかった。
私の口内に侵入する、あたたかい舌。それは私の舌を探すかのようにうねうね動き回ったり、歯列をゆっくりとなぞっていったりする。
あたまが、くらくら、す、る、
甘い声の中、飛びそうな意識を引き戻すかのように、直樹が唇を離した。名残惜しそうに、銀色の糸が二人を繋ぐ。
「嗚呼、なあ、宙、」
渇いた声で直樹は言った。
「俺達、本当に、二人になっちまったんだな」
嬉しそうな、悲しそうな、寂しそうな。複雑な感情のこもったようなトーンで、直樹はゆったりと話した。そして軽く、はは、と笑う。
私は、先程とは打って変わってしまった直樹を慰めることもできず、ただ黙っていた。
すると、直樹がにこり、笑った。
「湯船、浸かろ」
きっと急な不安に襲われて、直樹はこわいのだろう。その提案に、私は乗ることにした。
直樹は湯船に浸かると、ふう、と一息ついた。
そして、「早く入りなよ」と言って自身の膝の上で両手をぽんぽんとした。
じゃあ遠慮なく、と、まだ充分あたたかい湯船に足先を入れる。ちゃぽん、と音がして、水の波紋がなめらかに円を描く。綺麗だ。
そこから一気に肩まで浸かる。
意外と広いバスタブだが、直樹が足を伸ばし気味にしてしまっているので、座るところがほとんどない。今は辛うじて座れているが、ずっとこのまま体育座りだと潰れそうだ。
わたしは直樹の上に座るしかないか、と思い、場所を探したが、困った。ココしか、ない。
「あの、直樹……座るとこ、ないんだけ、ど」
きっと私の顔は赤い。それに反し、直樹は余裕そうな顔で何かを言った。それが聞こえず、顔を近づけ、もう一度言うように促そうとしたその瞬間。
直樹は、自らの足元にいる私の腕をガッと掴んで思い切り引き、直樹の“そこ”より少し上に私を乗せた。
私は直樹の上に乗り、両足が直樹の太股に当たりそうな体制となった。表現が分かりづらいかもしれないけど、許してほしい。
反動、思わず直樹にもたれ掛かる。
直樹はにこにこと、満足げに笑っている。とても嬉しそうだ。私は胸を押し当ててしまっていることに気が付き、パッと上半身を離れさせる。
だが、直樹は離れた私の上半身を抱き寄せ、再び彼の胸板に私の胸を押し当てさせる。
すごく、恥ずかしい。
すると、私はあることに気が付いた。
お尻に“ナニか”が当たっている。首を曲げてその招待を明かそうとするも、お尻のところまで私の首は回らない。
でも、その熱さ、大きさで、ナニが当たっているのかはすぐにわかった。
「..あの、直樹」
「んー?」
いえいえ、僕、何にも知りません。とでもいうような顔で返事をする直樹。
「……えっと、その…。あ、たってる」
私がおずおずとそう言うと、直樹はあはは、と軽く笑みをこぼし、「それさ、」と続けた。
「当ててんの。わかる?」
そう言って、直樹は私の片腕を掴み、私のお尻あたりに回して、それを触らせた。
湯船の中でもわかるくらい熱くて、とてもかたい。ビンビンになって反り返っているのが、撫でていくとわかった。
「っ…ね、後ろ向いて?」
少し息を荒くしながら、直樹は私に告げ、抱き寄せていた手を離す。私は言われるままに後ろを向く。
そこには、まるで洗ったときのように、元気よく反り返り、ビクビクと軽く波打ったそれがあった。
「宙…それ、どうにかしてくれる?」
息の荒い、余裕ぶった直樹の声が聞こえた。