今回ちょっと恋愛…というかキスシーン多めです。
書いてて楽しくなっちゃったので。すみません。
「……ごめん、なんか、安心して」
直樹はそう言って、照れ臭そうにはにかんだ。未だに心臓がばくばくと鳴っている私に反して、直樹はとてもリラックスしている..というか余裕そうにしている。なんだか悔しいが、キスをされて不快な気分になっていないのは事実だ。
私はやり返してやりたくなり、直樹の服のえりをぐいっと引っ張って、直樹の顔をこちらに近付ける。直樹はさっきの私と同じように戸惑っていたが、私は目をつむり、構わずキスをする。中学のときは運動部だったから、割と肺活量には自信がある。先ほどは準備ができていなくて戸惑っただけだ。
直樹の唇にはえりを引っ張っても背伸びしなければ届かなかったが、頑張って自分の唇を彼の唇に触れさせた。
すると直樹の手が私の後頭部にまわってきて、そっと触れるだけにしようと思っていた唇がぐいっと引き寄せられた。びっくりして目を開けてしまうが、直樹は目をつむったまま。
もう一方の手が、背伸びをしている私の腰に巻きついてくる。私から仕掛けたはずなのに、がっちりとホールドされてしまい、離れることができない。必死に息をしようと試みるも、どこで息をすればいいのかすらわからない。
角度を変えてキスしてくる彼に、私は戸惑いっぱなしだった。
またも息が苦しくなり、再び彼の胸板を叩く。自分で仕掛けておいて馬鹿だとは思うが、直樹は意外と肺活量がすごいのかもしれない。中学のとき運動部だったから、肺活量には自信がある、とか思ってた自分は本当に馬鹿だと思った。
直樹は私が胸板を叩くとパッと離れて、くすくすとわらった。
「やり返そうとか思ったんだろ? 無理だよ」
自分の考えてることが読まれていたとわかると、ものすごい羞恥心に襲われた。穴があったら入りたい気分だ。私はなぜか、自分から仕掛けたくせに意味のわからない抵抗をした。
「っそんなことより!! 話そう!!! いま何が起きてるのかっ」
たぶん、そう言った私の顔はゆでだこみたいだったと思う。
「自分から仕掛けたくせに?」
すると直樹はそう言って、再び楽しそうにくすくすとわらった。こいつ、わざと嫌味っぽく言ってるな。彼は嫌味や皮肉をよく言うけど、憎めない性格だから逆に悔しい。私が言葉を返すことができないでいると、直樹は小さくわらいながら自分の部屋に戻り、ベッドに座った。ギシッ、と音がする。
「まあいいや。いいよ、話そう。こっち来て」
直樹はちょいちょいと手招きをしてから、自分の隣をぽんぽんと軽く叩いた。こっちへ来て自分の隣に座れ、ということなのだろう。ペット扱いされてる気がして腑に落ちなかったが、私は歩いて彼の部屋に入り、ドアを閉めて直樹の隣に座った。
すると直樹がにこりと微笑み、話を始めた。
「まず、お互い朝起きたときのことを話そう」