※この作品はR-18です。

last night. 【完結しました!!!】   作:夢喰

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今回、少しいやらしく見えるかもです。
R18とまではいきませんが、ご注意を。
そしてきっとたぶん必ず次回もいやらしく見える描写があるかもです。




第8話

 

「……それがそらだった」

 

 

それを聞き終えた頃、私の涙はもう止まっていた。直樹の身に、朝起きたこと。それは私に起きたことと酷く酷似していて、彼の気持ちは痛いほどわかった。直樹にも同じように、たくさんのメッセージが届いて、不安になって家族を探してもどこにもいない、っていう出来事が起きていたんだ。

儚げな表情でそう語る直樹を、私はただ見つめるしかなかった。直樹は終始私の頭を撫でてくれていたが、話すうちそのスピードは徐々に遅くなっていっていた。話し終わる頃にはもう、手を頭にそっと乗せてくれているだけだった。

 

 

「でもよかった、そらが生きてて。そらまでいなくなってたら……」

 

 

途中で言葉を終え、直樹はぎゅうっと強く私を抱きしめた。まるで私の存在を、確かめるみたいに。

直樹の手にはぬくもりがあって、なんだかとても安心した。与えられたぬくもりは消えることなく、直樹の生きている証をしっかりと感じられた。

 

 

「..直樹」

 

 

黙ってしまった彼の名前を呼んで、私にしてくれたのと同じように、彼の頭にぽんと手を置く。そして、よしよし、と赤ん坊をあやすかのように直樹の頭を撫でる。抱き締めてもらったままだから腕を出すのがすこし難しかったが、安心感を与えてくれた彼にもお返しをしたかった。

直樹は小さく声をあげ少し驚いた様子だったが、すぐに「ふ、へへっ」と力の抜けたわらいをもらした。なんだか照れくさそうだ。なぜか私も恥ずかしくなってきてしまったが、直樹が抱き締める強さを強めてくれたことで、ちょっと幸せになった。嬉しくて、ついたくさん撫でてしまう。

 

すると直樹が突然、私の耳元に顔を近付けた。

 

 

「ねえ そら」

 

 

そっと囁かれて、思わず心臓が跳ね上がりそうなほど反応する。それに、耳に吐息がかかってぞわぞわする感覚がまるで止まらない。直樹が囁くたびに、羞恥と快感が電撃のように身体中を駆け巡っていく。私はもしかしたら、いやもしかしなくても耳が弱いのかもしれない。

突然囁かれ返事もできずにいると、直樹はまたくすくすとわらって言葉を続けた。

 

 

「俺のことすき?」

 

 

そんなことを囁かれたうえ、「俺」とまで言うものだから驚きまで入り混じって変な感情だ。

基本直樹の一人称は統一されない。こっち、とか自分、とかそういう感じだ。感情が高ぶったときや相当怒ったときなどは俺、になることもあるが、この状況でそれは反則だ。ただでさえ直樹の部屋で、実は相当緊張してるうえに、ベッドの上に座って抱き締められているなんていまにも卒倒してしまいそうなのに。

 

恥ずかしくて返事ができず、なんと言えばいいのか迷っていたが、とりあえず何回もうなずいた。喋ろうとすれば恐らく、パクパクと口が開くだけで、鯉のようになってしまうだろう。直樹から私の顔は見えていないが、うなずけばその振動で伝わるだろう。

そう考えていた、私の考えが甘かった。

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