※この作品はR-18です。

天才幼馴染のヒモ生活   作:猫屋敷てん

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2.夜崎直哉について

 地方都市の一等地に建てられた一軒家。そこが琴葉の家だった。

 高校を卒業して一人暮らしをすると言って、ポンと一軒家に住めるのは琴葉が引くほど稼いでいるから。

 

 音楽で一発どころか何発も当てると、十代で生涯年収なんて軽く稼げるらしい。

 そんな家の二階は、全て曲を作るための部屋だ。

 

 琴葉の部屋は、遮光カーテンによってまるで夜のように暗い。

 明るいと集中できないと、いつも日の光を入れず真っ暗だ。

 

 一番大きな部屋には、様々な楽器とパソコンが置いてある。

 基本的にここで曲を作るという。

 

 俺から立ち入ることはないが、ヒモとして家主に呼ばれれば行かないといけない。

 出迎えてくれた琴葉はオーバーサイズのTシャツ一枚で、恐らく下はショーツだけという格好だった。

 

「あ、なお兄。ようこそ。ほら、座って座って」

「あ、ああ。一体何の用……なんて聞く必要ないか」

「以心伝心だ」

 

 真っ昼間からソファでダラダラしていた俺は、琴葉に呼び出されて真っ暗な部屋へと入る。

 あまり換気をしないから少し埃っぽくて、エッチな臭いがする。

 

 今まで琴葉が座っていた椅子に俺は言われるがままに腰掛けて、そうすれば目の前にパソコンの画面が目に入る

 確か音楽を作るためのDAWの画面だ。もう久しく見ていなかったが、こういうものだったか。

 

「俺を椅子に座らせたって、この続きは作れないぞ」

「私はなお兄の曲大好きだけどな」

 

 そう言いながら、琴葉は椅子に座った俺にまたがってくる。

 柔らかな太ももをこすりつけ、俺の膝に大きなお尻を乗せた。

 

「今日も、なお兄が好き」

「琴葉……」

 

 だから俺も、その体を抱きしめた。

 とても柔らかくて、抱き心地が良い。

 どこを触っても柔らかくて、特にひしゃげている大きな胸を感じればちんぽがムクムクと起き上がる。

 琴葉の匂いは吸い込むたびに心が落ち着くほど甘く、俺達は強く抱き合った。

 

「琴葉は抱き心地が良いな」

「でしょ。良い匂いするでしょ」

「……自分で言うか」

「気をつけてるもん。抱っこされた時、幻滅されないように」

 

 そう言ってはにかむ琴葉は、乙女の顔をしていた。

 天才アーティストではなく、等身大の琴葉がいる。その姿を見る度に、言いようのない快感が沸き上がった。

 

「ズボン、むくむくしてる。私のおまんこにこすりつけてるね」

「っ……すまん」

「良いよ。そのために呼んだんだもん」

 

 琴葉は器用にズボンのジッパーを下ろすと、ちんぽを取り出し己の秘部に押し当てる。

 琴葉のおまんこを包むショーツはすでに濡れていて、クロッチの部分をズラせばぬれぬれになったおまんこと亀頭がキスをした。

 

「さっき休憩ついでにオナニーしてたら、指じゃ物足りなくなっちゃった。なお兄のおっきいのが、欲しい」

 

 そう言う琴葉の蜜が、たらたらと亀頭に垂れた。

 どうやらかなり激しいオナニーをした後らしい。

 

「琴葉はえっちだな。いつの間にそんな子になっちゃったんだ?」

「ふひひ♡」

 

 クリトリスと亀頭を擦り合わせながら、本当にどうしてこうなったのだろうと思う。

 昔からいつも俺の後ろについてくる可愛い妹分だったが、少なくともこんなエッチな女の子じゃなかった。

 スキンシップは激しかったが、それも性的なものでなかった。

 

 それが再会してヒモになったらこれである。男子三日会わざれば刮目してみよと言うが、これは女子にも当てはまるのかもしれない。

 そんなことを考えていれば、にちゃっと琴葉は笑う。

 

「なお兄が私の前からいなくなってからだよ」

「っ……!」

 

 そう言った琴葉の目には、どこか暗い色が垣間見えた。

 

「高校卒業して、大学に行くと思ってたのに、急に私の前からいなくなっちゃうじゃん」

「そ、そりゃ大人になったら独り立ちして働かないといけないだろ?」

「ほんとかな? まあ、それでね。寂しくて、寂しくて、そしたらこうなりました。えいっ」

「うおっ……!」

 

 琴葉は会話の途中で、急に腰を落としてちんぽを一気に奥まで挿入した。

 不意打ちのようにトロトロきつきつおまんこに包まれた俺は、ビクッと全身を震わすほどの快楽がやってくる。

 

 何度使っても変わらず温かくて、よく締まる膣だ。膣壁がうねうねと蠢いて、種を絞ろうとする求愛おまんこ。これが名器と言うのだろう。

 

「男の人はね、こうやって放さないようにするんだよ♡ ほら、離れられないでしょ」

「っ……たしかに、な」

 

 ぎゅっと琴葉は強く抱きついてきて、確かにこれは逃れられない。どれだけ強い意思を持とうとも、女体の魅力の前に男は無力だ。

 腰が勝手に動き出し、極上の膣で気持ちよくなろうと子宮目がけて亀頭がノックする。

 

「んっ♡ ふっ♡ はぁ、はぁ♡ なお兄の、音が聞こえる」

「気持ち、良すぎるっ」

 

 背徳的で非道徳的。そんなセックスほど気持ちいいのだ。

 年下の幼馴染のヒモになって、毎日性欲の赴くままにセックスをする。

 ああ、何と情けなくて気持ちいいのだろう。

 

「あっ♡♡ なお兄の、奥当たるっ♡♡ ねえ、気持ちい?」

「おまんこトロトロ、すぎる、だろ」

「ふふー。なお兄専用なのでとっても気持ちいでしょ♡」

 

 ぎゅっと柔らかな体を抱きしめて、おまんこを感じる。

 どこまでも琴葉は柔らかかった。良い匂いがして、抱き心地の良い女体。

 最高だ。これほどの天国はどこにもないだろう。

 

「なお兄、舌出して。ちゅーしよ♡」

 

 その上琴葉は、キスまでねだってくる。今でもタダでさえ気持ちいのに、これにベロチューまで組み合わせればどうなってしまうのだろう。

 

「こと、は」

「ん、ちゅぅ♡」

 

 俺が舌を出せば、琴葉は嬉しそうに舌を絡めて吸ってきた。

 トントンと軽いセックスをしながら舌と舌を絡めて、次第に唇も合わさり、ただ気持ちよくなるためのキスをする。

 

 琴葉の唾液は甘かった。

 柔らかい体を抱きしめながら名器に挿入し、キスをする。これほど幸せなことはないだろう。

 

「んちゅぅ♡ ちゅっ♡ ちゅっ♡ へへ。なお兄とのキス気持ちい♡」

 

 確かにただ舌を絡めているだけなのに、なぜこんなにも気持ちよいのだろう。

 潤滑油となる唾液は媚薬でも入っているのかというほど甘く、キスを極上のものにする。

 

 息を吸えば琴葉の香りしか入ってこない。脳を犯される甘い香りに支配され、キスをして対面座位でセックスだ。最高だろう。

 

「出る……」

「だひて♡」

 

 今を最大限楽しもうと限界まで我慢した後、俺は琴葉を強く抱きしめて、ドプドプ♡と一番奥に精液を注ぎ込んだ。

 

 コンドームなんてつけていない。必要ないと言ったから、避妊は薬だけだ。

 琴葉の匂いをめいいっぱい吸い込みながら、グリグリとポルチオに亀頭をこすりつけて一滴残らず精液を注ぐ。

 

「っ――こと、は」

「熱い……♡♡ お腹に太陽があるみたいに、温かいよぉ♡」

 

 琴葉もすりすりと甘える子猫のように全身をこすりつけてきた。

 体温が高くて、本当に温かい。膣もホカホカしていて、射精した後だというのに萎えたちんぽを温かく包み込んでいた。

 

 俺達は未だ、ただの幼馴染だ。

 流されるままに体を重ねて、未来なんて考えず快楽に従い今を生きる。

 琴葉に養われて性行為をする日々は、まるでぬるま湯のように心地よく抜け出せなかった。

 

「ほら、ずっと私と交尾して生きようね」

「ああ――そうだな」

 

 そしていつものやり取りをして、俺はまたぬるま湯に浸かる。

 

 

 ◇

 

 

 俺に仕事なんてない。ご飯を作ったり洗濯したり、家事をする以外はダラダラするか、琴葉と性行為をするかだ。

 

 先ほどの対面座位での中出しから性器を抜かず、そのまま俺は人間椅子になる。

 いわゆる背面座位と呼ばれる体勢で、おまんこに挿入したまま仕事をする琴葉の椅子になっていた。

 

「んー。難しいなー」

 

 そう言って画面と睨み合う琴葉は、ゆるゆると腰を動かして快楽を得ようとしている。

 手持ち無沙汰だった俺は先ほどまで背後から大きな胸を揉んで楽しんでいたが、二回ほど射精してからはもうボーっと天上を見つめてされるがままだ。

 グリグリと押しつけられる、筋肉のついてない柔らかお尻が心地よかった。

 

 そうやって部屋の景色を見ていれば、机の上にあった数枚のCDが目に入った。

 

「……琴葉、まだ、残してたのか?」

 

 それはボロボロのCDだ。古びていて、琴葉には到底相応しくない。

 そんなものが大切そうに、琴葉の机に並べられている。

 

「もちろんでしょ」

 

 琴葉にとっては、大切なものらしい。

 だけどそれは、俺にとっては――

 

「――だってなお兄の曲が入ってるんだから」

「っ…………」

 

 琴葉の返答に、俺は言葉が詰まった。

 

「また作ろうよ、なお兄の曲また聞きたいな」

「…………はは。そう、だな」

 

 上手く、返事をすることができなかった。

 吐き出そうとした言葉は喉に引っかかって出てこなくて、俺は呑み込んで不格好に笑う。

 

 天才はそうやって、凡人の気持ちなんて考えない。

 琴葉は俺がどういう気持ちかなんて、知るよしもないのだろう。

 

「っ……いや、まあ、いつかな」

 

 己の内に暗いものがわいてきて、慌ててそれを振り払うようにそう言った。

 

「そっかー。じゃあ楽しみにしてるねっ――ひゃっ♡」

 

 そして俺は琴葉の胸を服の上から掴みながら、腰を子宮目がけて打ち付けた。

 そのまま立ち上がると、少し乱暴なセックスが始まる。

 

「んっ♡ まだしたいの? あっ♡ ちょ、ちょっと♡ なお兄っ♡ おちんぽさん♡ 激しいっ♡」

 

 机に手を置いた琴葉は、急に俺が立ち上がっておまんこを使い出したことに戸惑っている。

 しかしすぐに甘い声を出して、膣はきゅうきゅう♡と甘えるように絡みついてくる。

 

 背後から琴葉を鳴かせて種付けをしている時だけ、優越感のようなものがわいてくる。

 琴葉を支配したのだという醜い思いのままに、乱暴に胸を揉みながら柔らかな尻が波打つほど激しいセックスをした。

 

 そんな自分を俯瞰的に見つめるほどに、俺は惨めになる。

 

「琴葉っ、琴葉っ!」

「あんっ♡ あうっ♡ な、なお兄……」

 

 実を言えば、最初に曲を作っていたのは俺なのだ。

 中学生の頃、俺には〝ガリウス〟という大好きなバンドがいた。そんなガリウスに憧れて、俺は曲を作り始めた。

 その行動力は、多分厨二病故のことだろう。

 

 そしていつも俺の後ろをついてきた琴葉が、俺のマネをするのも自然なことだった。

 

 ――一瞬で追い抜かれた。

 これが天才なのかと愕然とするほど、一瞬で琴葉は俺を追い抜いていった。

 俺は琴葉という天才を世界に解き放つための、踏み台にしかなれなかった。

 

 嫉妬心。というのだろうか。ああ、あの時俺は嫉妬していた。

 夜崎(よざき)直哉(なおや)とはただの厨二病を拗らせた凡人でしかなく、曲を作るなんて中学生のお遊びでしかなかったと、そう年下の妹分に知らしめられた時の惨めさは語るまでもないだろう。

 

 それでも俺は頑張って兄でいようと取り繕って、その嫉妬心や惨めさを全て殺した。

 

 そして――耐えられなくなって、高校卒業と同時に家を出たのだ。

 琴葉の光が俺には眩しすぎた。俺だけが醜い嫉妬心を抱えていて、琴葉は変わらず俺を慕ってくれた。

 そんな状況に、己が凄く醜い人間に見えてきて、俺は逃げたんだ。

 

 逃げて、見ない振りをして、スターダムを駆け上がる琴葉の情報は遮断した。

 そして逃げた先に就職したブラック企業で二年間働き、精神をぶっ壊して今である。

 

「はぁ♡ はぁ♡ はげ、しいよ♡」

「こと、は……」

 

 一番奥で射精した俺は、数時間ぶりに琴葉のおまんこからちんぽを抜く。

 ボトボトと零れ落ちる精液が地面を汚し、この後掃除をしなければとボーっとする思考で考える。

 

「気持ちいね。ずっとこうしてよ?」

「そうだな……」

 

 精神的な病で休職した俺を、こうして琴葉は養ってくれる。

 そこには琴葉の愛しかない。ずっと慕ってくれたように、悪意なんてどこにもない。

 

 だから俺は自分が惨めになる。

 勝手に嫉妬して、勝手に逃げ出して、ロクに調べず入社した企業で精神をぶっ壊して最後は琴葉に養ってもらう。

 本当に惨めだろう。だから俺は俺が嫌いだ。

 

「……琴葉、そろそろ俺は、ご飯、作るよ」

「ご飯! 楽しみだな。よーしそれまで私も頑張ります。ありがとねなお兄」

 

 そう言って笑う琴葉と俺の対比が、また心に暗雲をもたらした。

 ズボンを履いて、俺は部屋を出る。

 

 天才と凡人。琴葉と俺。俺はどこまで落ちていくのだろう。

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