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動くこと、息を吐くこと、ぬくもり。
じれったい熱の感触。汗が出てしまいそうな運動。部屋の湿度。
うっ、と動くたびに声を漏らしながら、それでも俺は──。
「──もっと、……もっと奥ついてよっ」
「……」
言葉は返さないでいた。返さないまま、聞いていることがわかるように、言われた通りに腰を押し付けるようにする。
ひらけていくような肉の感触。ゴムを通しているせいか、よく言うヒダとか言われる感触についてはよくわからないけれど、それでも自分のあそこを包んでくれる温もりと、収縮して生きている人間を相手にしていることをわからせてくる肉のうごめきに、やはり声が漏れ出てしまう。
「……ちーがーうっ。もっと、もっと上の方だから。それじゃあただ痛いだけだから」
「……」
返事をしないままで動いていると、ごつ、と頭を叩かれる。それに合わせて、ごめん、と一言返して、それから自分の陰茎が姉貴の望んでいる場所に届くように動いてみる。
……何度繰り返していても慣れない行為。
こういうのって繰り返すたびに相手の求めている場所だとか、ポイントだとかがわかるものだと、そんな話を聞いたことがある気がするのに、そういったものはいつまでも感じ取ることが出来ない。
ただ、あるのは自分の果てが近くなる感覚。
それは恐らく俺だけが迎えそうな感覚であり、姉貴の絶頂にはまだ遠い。
だから、なるべく自分はイかないようにと気を付けて、少しだけ速度を緩めるようにする。
「んっ、そう、そこっ……。ゆっくり、ゆっくりこすってね?」
「……わかった」
自分がイきそうだったから、ゆっくりして、と命令されたことに安心する。
俺が勝手にイったら、姉貴はすごく怒るから。勝手に自分だけで気持ちよくなるなと、何度も叩いてくるから。
だからゆっくりと、執拗に。奥の上側を擦るような意識で。
「ぁっ、ぁあっ、いい、いいかも──」
ただの運動。ただの作業。
もう何度も繰り返している行為。
ただ、作業であっても快楽は生まれるし、ゆっくりと動いていても、一度見出してしまった絶頂の予感は、そのまま果てへと導いてくる。
イってはいけない。わかっているけれど、それでも動きを続けていけば、自ずと。
「……姉ちゃんごめん、もう、出そうなんだけど」
焦って吐き出した言葉。でも、言ってすぐに、それは発言してはいけない台詞だったな、と思い出す。
「……は? まだ始めたばっかなんだけど」
「そう、だけど。……もうきついよ」
「だめだから」
姉は眉を顰めながら、睨みつけるようにこちらへと視線を向ける。
顔こそは整っているのに、姉が俺に向けてくる視線はいつだって尖り続けている。
それは日常で感じるストレスを、弟である俺で発散するように。
「お前はまだイっちゃだめ。私をイかせてからだから」
「……わかってる」
でも、このまま動き続けてしまえば、絶対にイってしまうことはよくわかっている。
自制できるものであればそうするけれど、それができないから難しい。
いっそのこと、止めてしまおうか。
そう思って、姉貴の中へと侵入する動きを、一度止めた──。
「──は? 動けよ」
──でも、それをやはり姉は許してくれない。
「あんたがイくとかどうでもいいけど、私をさっさと気持ちよくしなさいよ、ほら、ほらっ!」
正常位だから、体勢の主導権は俺にあるはずなのに、無理に腰を押し付けて、勢いよく俺のソレを飲み込んでいく。
「ほら、動け、動け、動けっ──」
「だ、だめ、まじで、出るから──」
「──うっさい、動け、動け──」
「────」
あっ、と声が漏れ出た。
自らが動いていなくても、勝手に始まってしまった姉貴の動きに、そのまま快楽を覚えてしまった。
別に感情なんて嫌気しか差していないのに、それでも股間のそれは反応をして、適切に快楽の証拠であるものを、コンドームの中で、……姉貴の膣内で、垂れ流していく。
「はあ? あんたなに出してんの? まだ私がイってないって言ってるでしょー?」
姉貴はそんな怒りをぶつけるような声音を吐き出しているのに、それでも俺を睨んでいた表情は、先ほどよりも豊かだった。
豊かだった、というか、単純に笑っている。
俺をおもちゃにして笑っている。
そんな嘲りが、そこにはある
「はー。これはもう、オシオキするしかないじゃん」
俺は姉貴のそんな言葉で、まだまだ続くであろうこの時間に、ただただため息をつきそうになる。
いつから、こうなってしまったんだろう。
そんなことを思い出しながら、俺は姉貴に身体を委ねることしかできなかった。
なんか女性優位のものが書きたくなったから、今日から書きたいときにのんびり書きます。
二万字くらいで終わる予定、……のつもりです。
よろしくお願いいたします。