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その後、俺は姉貴によってベッドの上に裸で寝かされるような形になる。
「……横になる必要ってあるの?」
自身のベッドの上で裸でいる状況。それを姉貴にまじまじと観察されているような、そんな状況。それに違和感を覚えながら疑問を呟くと「こっちのほうがやりやすそうだから」と彼女は返す。
それから姉貴は俺の腰あたりに、下半身を裸のままで座っていく。少々の重みに苦しい声を出しながらも、それでも精液というものが知りたい気持ちはあったから、特に痛いとかは口に出さないまま、適当に姉貴がしてくれることの続きを待った。
「クラスの男子に聞いたんだけどね、精液って、なんかおちんちんずっと触ってたら出るんだって。……あんたは触ったことある?」
「……ない」
「そっか」
そうだよね、と姉貴は相槌を打ちながら、そうして俺のそれへと手を触れていく。
「──っ」
「なんか、皮を上下に動かすって言ってたの。だから、春樹のもの上下に動かしていたら、精液が出るんじゃないかな」
「そ、そうなのかなっ。よく、わかんないけど」
「ね、よくわかんないよね」
──こし、こし。
皮を上下に引っ張られて、亀頭がめくれて、カリ首をこすっていく。
「それでね、精液を出すときってすっごい感覚がするんだって」
「す、すっごい感覚?」
「なんか、気持ちいいってそいつは言ってたかな。毎日やってるんだって」
「へ、へぇ──、──っ」
すごく暇な男子なんだね、と返したかったけれど、そう返す余裕はなかった。
ぐにぐに、こしこし。
ゆっくりと皮がめくられていき、亀頭が外気に触れていく。
姉貴の指が適切に陰茎の前頭へ触れていき、それがひとつずつ刺激になっていく。
最初こそはその刺激を痛いと思っていたかもしれない。でも、その刺激にもだんだんとなれていて、どこかマッサージをされるような感覚で、心地いいっぽいものを感じ始めていた。
「……出ないね」
それでも数分間ほどやり続けて、少し残念そうな声を姉貴は出す。
「おっかしいなぁ。あいつはすぐ出せたって言ってたのに」
「そう、なんだ、──んっ……」
適当な雑談とも言えない会話をしながら、そのまま姉貴は手でしごき続けている。
漠然と、気持ちがいい、という感覚。でも、精液というものが出る前兆のようなものはまるでなかった。
「……あれなのかな、ゆっくりやってるからなのかな」
「どう、なんだろう」
──こし、こし。しこ、しこ。ぐに、ぐに。
「ちょっと試しにはやめにやってみてもいい?」
「別に、いい、けど……」
──ぐに、ぐに。
「というか、痛くない? 本当に大丈夫?」
「だ、大丈夫。なんか、マッサージされてる、みた、い……」
──しこ、しこ。
「そっか……、じゃあ、ちょっと早くするね」
──こしっ、こしっ。
そんな声を合図にしたように、姉貴の手は一気に早くなっていく。
「あっ、あっ、あっ──」
早くなるリズム。リズムが変わっただけなのに、なぜか感触が直接的になっているような錯覚。
「だ、大丈夫?」と心配をしているらしい姉の声。それでも手が止まることはない。
「だい、じょうぶ、だいじょぶ、だから」
「わ、わかった」
──しこ、しこっしこっしこっ。
手が勢いよく動いて、アソコだけではなく俺の肌にもぶつかる。でも、痛くはない。
そうして、自分のソレを覗こうとするけれど、姉貴がのっかっているから見えはしない。
でも、姉貴の下半身が裸で俺の体にのっかっている。
あまり凝視をしたことがない場所だからか、心臓がいつになく早くなっていく感覚。
「な、なんかびくびくしてるけど、本当に大丈夫?」
「だいじょぶ、だいじょぶっ」
うわごとのように返す。なぜかなくなってきている余裕に、俺はそう返すことしかできないでいる──。
「あっ、ちょ、ちょっと待ってっ!」
「えっ?!」
そうして、ふわっとやってきた予感のようなものに、俺は制止する声をかけた。
ぱっ、と手は止まる。手は止まって、無防備になった自分のソレが、びくん、びくんと上下に波打つのがわかる。
「えっ、あ、えっ」
姉貴は何かに驚いているような声を返してくる。
「な、なんか出てきてるよっ?」
「え、そ、そうなの? せ、精液?」
「え、えっと、……いや、透明だから、……おしっこ?」
「え?! でも、出してないよっ!」
「ほ、本当だって!」
姉貴は一度立ち上がって、それから俺が出したらしい液体を、指先で見せつけるようにした。
「ほら、透明の──、……でも、おしっこじゃない、かも」
指に絡まっている透明のそれを、つんつん、と弾くようにすると、それは粘って一筋の糸を作る。
「ねばねばしてる」
「それが、精液ってやつ、じゃないの?」
「……どうだろ」
俺の疑問に姉貴は曖昧に返事をしながら「精液って白いやつらしいんだよね」と付け足していく。
「というか、なんで止めたの? 痛かった?」
「え、あ、痛いわけじゃないんだけど、な、なんか、すっごく、何かが出そうになって──」
「──えっ、それって絶対精液じゃん!」
先ほどまであった戸惑いは、俺の言葉によって上書きされる。
途端にうれしそうな顔を浮かべながら、姉貴は再び俺の体にまたがっていった。
「……っていうか、なんかだんだんちっちゃくなってるけど」
けれど、またすぐに残念そうな声を出す。
「え、……なんか、ごめん」
「あ、別に怒ってるとか、そういうのじゃないからっ」
気丈に振舞ってくれる姉の雰囲気。それでも、なんとなく後ろめたいというか、申し訳なくて少しだけ心が暗くなる、けれど。
「あ、あの。俺も、姉ちゃんのあそこ、ちょっと見たいかも」
精液についても気になるけれど、まじまじと見つめることのない割れ目も気になって仕方がなかった。だから、懇願するように呟いてみれば、割と軽い反応で「あっ、うん、いいよ!」と返事がくる。
「じゃあ、ちょっと顔の近くに座る、……というか、寝っ転がるね。……このまま、おちんちん触っててもいい?」
「い、いいよ。僕も、お姉ちゃんのここ、触ってみてもいい?」
「うん、いいよ。……でも、痛かったらやだからね」
「わかった……」
そうして眼前に来る姉貴の割れ目。
それと同時に、濡れた感触でやってくる姉貴の手のひら、俺の陰茎のそれ。
俺はとりあえず気になったままに、目の前にある割れ目の奥には何があるんだろう、とそれをゆっくり広げてみる。
「痛くない?」と聞けば「痛くない」と帰ってくる。そうして少し厚い肌を横にのけるようにすれば、そこにはピンク色が広がる。
「あっ、だんだんおっきくなってきた」
──しこっしこっしこっ。
「す、すげぇ、なんか、生き物の口みたい」
姉貴のアソコを視界に入れながら、俺は彼女の手に身を委ね続ける。
姉貴のソレは小さい口が二つあって、そのうちの一つが狭まったりしているのか、すぼすぼと穴を小さくしたり、大きくしたりしている。
でも、それ以上はしない。なんか、指とか入れたら痛そうだなって思ったから。
──しこっしこっしこっ。
「そ、そんなにすごい? 私はよくわからなかったけど」
「なんか、すごいよ。男の人に、こんなのついてないもん」
──しこっしこっしこっ。
「私だっておちんちんついてないもん」
「そ、そうだね」
──しこっしこっしこっ。
「指入れたら、痛い?」
「んー、おしっこの穴でしょ。……やったことないけど、痛いんじゃないかな」
「……そっか、じゃあ、やめとくね──、あっ──」
──しこっしこっしこっ。
──そうして感じる、果ての前兆。
「あっ、精液出そう? 出そうな感じ、かな?」
「わ、わかんないけど、ふわってする。なんかふわって感じがくるっ」
「お、おっけい、きっとそれが精液だよっ」
──しこっしこっしこっ。
──しこっしこっ、……しこしこしこしこ。
「──あっ、あっ、あぁっ、くる、なんか、くるっ」
「──いいよ、だして。見せて、精液っ」
「うんっ、うんっ! くるっ、くるっ──」
「──だして、だして、だしてっ」
「────くっ」
──頭が、暗くなるような衝動。
「あぁぁっ、ああぁっ!」
──よくわからない何か。下半身から異物が吐き出されているらしい衝撃。それでも、出したことのない何かが出ているような、脈が身体全体に打ち付けられるような──。
「────」
──これが、気持ちいいってやつ? わからない、でもなんか、まっしろっぽい。
背中と腰がひとつの線になったみたいに、びくっ、びくっ、ってなってる。それが、なんかわからないけれど、気持ちいいってやつなのかもしれ──。
「──えっ? ……出て、ないよ?」
──そんな頃合いで聞こえてくる、姉貴の訝しげな声。
「……えっ、なんか、今、出した、と、思うん、だけど」
「……いや、ぜんぜん出てない。さっきのねばねばも、精液も、おしっこも、なにも出てないよ」
「……へ?」
確かに何かを出した感覚はあるのに、それでも姉は何も出ていないと返してくる。
本当? と俺も訝し気に彼女に返すと「本当だって」と少し怒りを混じらせての返答。
「ちょ、ちょっと見せてよ」
「……はい」
のそっ、と姉貴は大股を広げるようにしてベッドから立ち上がる。
俺は力が入らなかったけれど、無理くり体を起こして、自分のソレを確認する。
「……本当だ」
「だから本当だって。本当に精液出てないもん」
そうして見てみた自分の下半身には、何もなかった。
少しだけ粘着質な液体は絡みついているけれど、それはさっき姉貴に止めてもらったときに出たやつで、それは精液じゃない。
そこには何もなくて、俺は自分の感覚がよくわからなくなる。
「なんか、出たって感じが、したのに……」
少し息が途切れ途切れになりながらつぶやく。姉貴はやはり訝し気に俺の顔を見ていて「でも、出てないもん」と不満そうな顔で呟いた。
それから姉貴は、その不満そうな顔を隠すように、再び俺の体へとまたがっていく。今度は俺の顔へと割れ目を近づけることはなく、ただ俺のあそこを刺激することに集中するためか、腰近くに座った。
「ま、まだやるの?」
「……だって、出てないもん」
俺はもう十分、という気持ちがあったけれど、それでも精液と言われているやつが出ていないのは事実なので、言葉を飲み込んでしまった。
「精液出るまでやるからね」
そんな姉貴の言葉にうなずいた俺は、それがどれだけ男にとって恐ろしいことなのかを、まったく理解できていなかった。
※ヒント:精通