TS転生橘ありす 作:湯けむり桶
プロデューサーとの仕事と衣装に関する打ち合わせのため、私は事務所へと足を運んでいた。
すっかり慣れた手つきで事務所の扉を開けると、そこには先客がいた。
ゴスロリ調の私服をばっちりと着こなし、独特のオーラを放ちながら佇んでいる少女――。
「おはようございます、蘭子さん」
私が声をかけると、彼女――神崎蘭子は、ハッとこちらを振り返り、ふわりとスカートの裾を持ち上げて見せた。
「煩わしい太陽ね、闇の奔流に導かれし我が同胞よ!(おはようございます、ありすちゃん!)」
(出た、蘭子さん独特のフレーズ……前世のネット界隈じゃ『熊本弁』なんて呼ばれて愛されてたっけ。生で聞くとやっぱりイントネーションも含めて完成度が高すぎる……)
前世の記憶と目の前の本来の優しく気恥ずかしそうな笑顔のギャップに、私は内心で深く感動しつつ改めて挨拶を返す。
「ええ、おはようございます」
私は橘ありすとしてのクールな微笑みを崩さないよう意識しながら、大感激の内心を押し殺して大人の対応(12歳)で返事をした。
デスクにいたちひろさんの元へと向かうと、申し訳なさそうな顔で書類と衣装ケースを差し出してきた。
「はい、ありすちゃん。今、プロデューサーさんが急な用件で外出しちゃっていて……。これが今度のステージの衣装一式です。確認しておいてね」
「ありがとうございます、ちひろさん。……むぅ、さすがプロデューサーさんですね、見事な仕上がりです。これなら私が目指すクールタチバナへとまた一歩近づけます。……ん?」
衣装ケースを両手で受け取り、中身を軽く確認していると、カチャリと事務所のドアが開いた。
「皆様、神の御加護がありますように。おはようございます」
穏やかで、包み込むような慈愛に満ちた声。
振り返ると、そこに立っていたのは、本物のシスター服に身を包んだクラリスさんだった。これから何かの撮影か、あるいはボランティアの帰りなのだろうか。そのあまりにも神聖な佇まいに、事務所の空気が一瞬にして教会のように厳かになる。
「我が魂の渇きを癒やす、聖なる光の使者……っ!その聖衣、眩き光に満ち溢れている……っ!(わぁ、本物のシスター様……!凄く綺麗で素敵です……!)」
隣で、蘭子さんの瞳がこれ以上ないほどキラキラと輝いた。
完全に目が釘付けになっている。本物のシスター姿、そしてクラリスさんが纏う本物の聖職者としての神秘的なオーラに、蘭子さんは羨望と興奮の眼差しを隠しきれない様子で、胸の前で両手を握りしめていた。
(……うん。蘭子さんの中二病っぷりは本当に筋金入りですね、尊敬に値します)
それを横目で冷静に見つめながら、私は改めてこの世界の本物たちの凄みを感じていた。ゲームの設定を遥かに超えた、リアルな個性のぶつかり合い。
「あら、蘭子ちゃん、ありすちゃん。ふふ、おはようございます。今日も素敵な一日になりそうですね」
クラリスは蘭子の難解な言葉のシャワーを、いつもの慈愛に満ちた微笑みで全肯定して受け流している。この事務所の包容力の高さもまた異常である。
私は手元の資料に視線を戻しながら、目の前でクラリスのシスター服の袖を恐る恐る触らせてもらって「くぅ、聖なる波動が……!」と悶絶している蘭子さんの姿を、温かい瞳で見守りつつ、サイズ確認と本番のイメージを掴むため、事務所の奥にある更衣室へと向かった。
ガチャリと扉を閉め、完全に一人になった空間で、私はケースから衣装を取り出す。
(……ふふ。中々良いじゃないですか。本番が楽しみですね……)
鏡の前に衣装を当てがいながら、思わず顔がにやけてしまう。前世で画面の向こう側のイラストとして見ていたデザインが、今、確かな質感を持った布地として私の手の中にある。これに袖を通してステージに立つ自分を想像するだけで、胸が小刻みに高鳴った。
そんな風に一人で悦に入っていると、トントン、と控えめなノックの音が更衣室のドアに響いた。
「――光の理(ことわり)に集いし者よ、此処なる聖域の帳(とばり)を開かれんことを……(ありすちゃん、入っても大丈夫ですか?)」
「あ、はい。どうぞ」
鍵を開けると、両手に大きな衣装ケースを抱えた蘭子さんが、少し緊張した面持ちで入ってきた。
「おっと……蘭子さんも、その衣装を試着するんですか?」
「ええ……! 我がグリモワールに深淵の眷属と共に紡ぎし、魂の衣が今ここに顕現した!(そうなの、先ほど私がデザインした衣装が届いたから、これから試着するの!)」
「えっ……その衣装、蘭子さんがご自分でデザインしたんですか!? すごいですね……!」
私が素直に感嘆の声を上げると、蘭子さんは嬉しそうに、けれど少し照れくさそうに頬を染めた。
「えへへ……どうですか、ありすちゃん……?(我が魔力の結晶、その目に焼き付けるが良いわ!)」
そう言って、ケースから取り出したゴシック調のドレスを自分の身体に当てて見せてくれる。黒と紫を基調にした精緻なレース、計算されたシルエット。
(ふぉぉお……! 前世のゲームの知識で、蘭子さんが衣装デザインを手がけていたのは知っていたけれど、実際に見るそのクオリティは見事という他ないですね……!)
間近で見るプロ顔負けのこだわり抜かれたディテールに、私のオタク脳はまたしても大興奮だった。
と、そこで私はふと思いつき、自分の手にある新しい衣装を蘭子さんに向けて掲げてみた。
「どうですか?私の新しい衣装なんですが……中々クールじゃないですか?」
ちょっとドヤ顔をしつつ尋ねてみる。すると、蘭子さんは自分の衣装をハンガーにかけ、私の衣装を食い入るように見つめて、パッと表情を輝かせた。
「我が同胞よ、実に見事な装束! 深淵の姫君の身を包むに相応しき、至高の衣だわ……!(わぁ……! とっても素敵です! ありすちゃんにすっごく似合ってると思います!)とっても素敵です……!凛とした世界に咲く一輪の華のよう……ありすちゃんに、とってもよく似合っています!」
「……!ありがとうございます。蘭子さんにそう言っていただけると、とても心強いです」
蘭子さんの純粋で熱のこもった絶賛の言葉に、私は胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じていた。クールを気取ってはいるけれど、やっぱり褒められるのは素直に嬉しい。
目の前では、自分のデザインしたドレスを愛おしそうに見つめながら、いそいそと着替えの準備を始める蘭子さん。――けれど、私はこの閉ざされた空間で、自分の服の下にある男の証の存在を思い出し、蘭子さんの無防備な背中をほんの少しだけ、危険な視線で見つめてしまうのだった。
「では、早速着替えてみましょう」
「ええ……!新たなる覚醒の刻を迎えん……!(うん!早速着てみよー!)」
二人きりの更衣室で、私と蘭子さんはそれぞれ試着のために服を脱ぎ始めた。
ブラウスのボタンを上から一つずつ外していく。それと並行して、蘭子さんも少し気恥ずかしそうな面持ちで、お馴染みのゴスロリ服を丁寧に脱いでいった。
キャミソール姿になった蘭子さんを、私は何気なく横目で盗み見る。
(……待って。蘭子さん、14歳の割に結構おっぱい大きくありませんか……?)
ちらりとその膨らみを盗み見る。だが、脳裏に先日おもいっきり堪能した及川雫の規格外の質量がよぎり、すぐにハッと頭を振った。
(いやいやいや!流石に今は駄目です!落ち着きなさい私!今は衣装の方が大事です!)
私は必死に頭を振って雑念を払い、念仏を唱えるような心境で無心に着替えに専念しようとした。
対する蘭子さんも、私が服を脱いでいく様子を、着替えの手を休めてじっと見つめていた。
「わあ……ありすちゃんの肌、とっても白くて綺麗……」
そんな風に純粋な感嘆を漏らしながら、ちらちらと私の身体に視線を巡らせていた蘭子さんだったが――ふいに、彼女の動きがピタリと止まり、その両目がある部分に釘付けになった。
(……あっ)
内心で(観自在菩薩行深般若波羅蜜多時……)と、必死に邪念を払うための念仏を心の中で唱えながら無心になろうとすればするほど、前世の男としての本能が逆効果を生んでいた。目の前には一糸まとわぬ美少女・神崎蘭子、私の下着の膨らみは、明らかに女の子にはあり得ない形状で、ぐんぐんと大きくなってしまっていたのだ。
それを見た蘭子さんは、限界まで目を見開き、信じられないものを見たというように戦慄した。
「堕天使……!」
「……っはい?蘭子さん、今なんと……?」
あまりにも不穏な単語が聞こえてきて、私は思わず蘭子さんの方を二度見した。
「我が魔眼に狂いはなかった……!貴女から常々感じていた、現世の理を超越せし禍々しき波動……!その真実の姿は、うら若き乙女が宿すはずのない、禁断の『漆黒の魔槍』を隠し持つ、天界より追放されし禁忌の堕天使だったとは……っ!!(ありすちゃんから感じていた、只ならぬ力……!その正体は……女の子にはないはずの、雄々しき魔力を宿した堕天使だったからなんだぁ!」
蘭子さんは恐怖するどころか、むしろ頬を紅潮させ、大いなる世界の真理に到達したかのような羨望の声を上げた。
「……えっ、魔槍!?堕天使!?えええっ!?」
私は衣装を抱えたまま、完全に素っ頓狂な声を上げてしまった。
本来であれば、私には世界を書き換える【常識改変能力】がかかっているはずだ。
だが、神崎蘭子という少女の「筋金入りの中二病世界観」は、私のチート能力の想定を遥かに超えていた。
(うそでしょ……!?私の常識改変が効かないんじゃなくて、蘭子さんの中二病の常識が強すぎて、私のふたなりを『堕天使の証』として都合よく取り込んじゃったんですか……!?)
能力の補正によって「女の子にアレがついている不自然さ」への疑問は無効化されている。しかし、彼女の脳内はそれを『一般的な常識』として消化するのではなく、『この世の理を超えた、特別な力を持つ堕天使の証』として、彼女自身の世界観に100%合致する形で解釈し、大興奮で受け入れてしまったのだ。
「我が魂を震わせる、この大いなる奇跡……!古の神話に謳われし、禁忌の異分子は……絵空事などではなかった……!!(す、すごいです……! 堕天使さんって、本当に、本当に実在したんですね……っ!)」
目をキラキラと輝かせ、更衣室の床に蘭子さんが跪づいている。
その視線の先にあるのは、下着を押し退けて完全にその凶暴な全貌を露わにしてしまった、私の男の証。
(落ち着け……落ち着きなさい橘ありす!これは更衣室でのただの試着イベントです!)
脳内で必死に警報を鳴らすものの、前世の男としての本能は、可憐な14歳の少女が目の前で跪いているというシチュエーションに、これ以上ないほどダイレクトに反応していた。蘭子さんがその大きな瞳をキラキラと輝かせて見つめれば見つめるほど、私のモノはドクドクと脈打ち、文字通り天を突くように猛り狂っていく。
「……あの、ありすちゃん……。この漆黒の魔槍、触れても……良いですか……?」
「へ、へぁあっ!?」
上目遣いで、上気した顔の蘭子さんから繰り出されたあまりにもストレートな申し出に、私の思考回路は完全にショートした。
だめだ、断らなきゃいけない。ここは事務所の更衣室だ。
けれど、チート能力のせいで、蘭子さんの中ではこれが「偉大なる堕天使の神秘に触れる、聖なる儀式」として完全に正当化されている。その迷いのない、純粋すぎる熱視線に気圧され、私の口からは情けない肯定の言葉が漏れてしまった。
「ぁっ……、はぃ……っ」
「っ!じゃあ……っ」
蘭子さんはごくりと唾を飲み込むと、意を決したように両手を伸ばし、私の熱り立つソレへとそっと指先を触れさせた。
「っひゃんっ……!?」
「うわぁ……!すごい……!この感触、すごく熱くて、本当にここにあるんだぁ……!」
最初は恐る恐るだった蘭子さんの手つきが、確かな生命の拍動と熱を感知したことで、一気に好奇心に満ちたものへと変わる。
包み込むように、そして上下に確かめるように、小さな手で愛おしそうにしごき始めた。
「っふ!?ぅふぉおぉ……♡ちょっ、蘭子さ……っ、そこ、はっ……♡」
初々しくて、どこか危うい少女の愛撫。手のひらから伝わる蘭子さんの体温と、きつく握られる皮膚の摩擦が、私の脳髄をダイレクトに揺さぶる。
「あっ、ありすちゃん……!堕天使の力が、もっと、大きくなって……っ!」
私のモノは、蘭子さんの小さな手の中では収まりきらないほどに膨張し、先端からはまたしても先走る汁が溢れ出て、彼女の指先を濡らした。
「ぅふぁあぁっ……♡駄目、です、蘭子さん……っ、そんな風にされたら、私……、出ちゃい……っ!」
更衣室という密室、そして目の前で下着姿のまま私のモノに夢中になっている神崎蘭子。
私の理性の堤防は、今まさに決壊を迎えようとしていた。
「私の手の中で、堕天使の証がこんなに熱く脈打ってる……!すごい、すごいよ……!ありすちゃんがこんなすごいモノを持っていたなんて、やっぱり堕天使は本当にいたんだ……!」
跪いた下着姿のまま、蘭子さんは完全にトランス状態に陥っていた。
彼女にとって、この眼前にそびえ立つ凶暴な質量は、世界の真理そのもの。少女の小さな両手で交互に、夢中になってスピードを上げながら、私のモノを根元から先端までキツく扱き上げていく。
「ふぉっ……♡お゛ぉぉっ……♡駄目っ……♡ぉお゛っ……♡そんな、しごいちゃっ……っ♡」
12歳のありすの肉体にとって、蘭子さんの容赦のないピストンは刺激が強すぎた。私はまともに立っていられず、更衣室の壁に背中を預け、必死に腰を引きながら快感に耐える。
「はぁっ……♡すごいっ……♡どんどん固くなって……先端から、力が漏れ出してるっ……♡」
蘭子さんは口を半開きにしながら、自身の顔に先走り汁が飛び散りかねない距離で扱き続けている。彼女の指先が、私の最も敏感な鈴口を強擦するたび、脳裏に白い火花が散った。
(――っっ!もう、限界……っ、出ちゃいます……っ!!)
このまま更衣室の床や、蘭子さんの可愛い私服を汚すわけにはいかない。
前世の男としての本能が、私の口から不埒な命令を絞り出させた。
「くぅっ……♡ 蘭子さん……っ! 口っ、口を開けてください……っ♡」
「ふぇっ? く、口ですかぁっ……?」
夢中で手を動かしていた蘭子さんは、私の切迫した声で一瞬だけ我に返った。けれど、その純粋すぎる堕天使への信仰心ゆえに、何の疑いも持たずに小さな唇を割り、綺麗な歯並びを覗かせた。
「くぅっっ……!!」
私は蘭子さんの艶やかな髪の毛を上から鷲掴みにし、その頭を固定するようにして、猛り狂う先端を彼女の小さな口内へと強引に押し込んだ。
「んむぐっ……!?」
少女の口にはあまりにも過大な質量が、柔らかな舌を押し潰し、口腔の奥深くまで侵入する。肉壁に包まれた瞬間、私の堪忍袋は完全に弾け飛んだ。
限界を迎えた肉体から、濃密な精液が一気に、爆発的な勢いで放出される。
どぶゅぅぅうううっっーーーーっっ♡♡♡
「うぶぅっ!?――っ、んぐ、むぅ……っ!?」
蘭子さんの喉の奥に直接突き刺さるようにして、熱い液体が何度も何度も激しく迸る。
突然流れ込んできた大量の生暖かい衝撃に、蘭子さんは目を丸くし、鼻を鳴らして苦しそうに身悶えしつつも、彼女の中でこれは堕天使の聖なる力に他ならない。
蘭子さんは溢れ出そうとする精液を拒絶することなく、むしろ必死の形相で喉を鳴らしながら、私のすべてをその健気な喉の奥へと力強く飲み込んでいくのだった。
「っはぁーっ♡ふぅーっ♡これが禁忌の力……♡」
更衣室の床に跪いたまま、神崎蘭子は大きく肩を上下させ、熱い吐息を漏らしながら私を見上げていた。
彼女の口元からは、いま飲み込みきれなかった私の白濁した液が、一筋の糸を引いて顎へと伝い落ちていく。その視線は、ただただ純粋な崇拝と、未知の悦楽への昂ぶりで濡れていた。
(……ああ、もう、どうにでもなれ……)
頭の奥で、理性を繋ぎ止めていた最後の鎖が音を立てて弾け飛んだ。一度暴走を始めた欲望はもう誰にも止められない。この可憐なゴシック少女を、私のこの歪な身体で、完全に支配し、貪り尽くしたいという衝動が脳を支配する。
私は再び、彼女の世界観を極限まで利用した【常識改変能力】を発動させた。
――改変内容の上書き設定――
『堕天使の証を、その身の最奥で受け入れる行為は、神崎蘭子が真の「魔王」として覚醒するために必要不可欠な、最も神聖なる儀式である』
ぐにゃあ、と更衣室の空間が再び歪む。
蘭子さんの瞳の奥に、先ほど以上の禍々しくも艶やかな光が宿った。彼女の脳内で、今から行われる破廉恥な行為が、至高の聖戦へと昇華されていく。
「約束の刻は満ち、審判の瞬間が訪れた……っ!(はっ!?つ、ついに、この時が来たのね……!)」
蘭子さんは恍惚とした表情で声を震わせた。
「我が血脈に眠りし真の盟主たる力が、今こそ呼び覚まされる……。選ばれし同行者よ、今こそ一つに……!(はいっ、ありすちゃん。きてくださいっ。)」
すでに先ほどの口への奉仕だけで、彼女の身体は限界まで昂ぶっていたのだろう。蘭子さんは自ら下着を無造作にずらすと、愛らしくも未成熟な秘部を、自身の指で左右に大きく開き、私へと差し出してきた。そこはすでに、彼女自身の愛液でぬるぬると妖しく光を反射させている。
「ふぅーーっ……♡」
私は荒い息を吐きながら、彼女の前に歩み寄り、腰を落とした。
猛り狂う私の先端を、蘭子さんの裂け目へと押し当てる。溢れ出た互いの蜜が混ざり合い、淫らな音が狭い更衣室に響いた。
「……いきますよ、蘭子さん。この行為をもって、私たちは更なる高みへと舞い上がりましょう……」
ありすとしての、どこか冷徹で、けれど熱を帯びた声で告げ、私は腰にぐっと力を込めた。
「最早恐れるものなど何もない……共に、果てなき高みへと……っ!(ちょっと怖いけど、私がんばるっ!)」
蘭子さんが覚悟を決めたように目を閉じた、その瞬間。
私は彼女の腰を掴み、狭く、熱いその最奥へと、容赦なく一気に突き進んだ。
「あぁあ゛っ……!ありす、ちゃんっ……!私の、私の中でありすちゃんが、暴れてるっっ……!」
初めて肉体を裂かれる本物の痛みと、チート能力によって強引に快感へと書き換えられていく脳内のバグ。その凄まじい情報の濁流に耐えかねて、蘭子さんは私の背中に小さな両手を回し、必死になってしがみついてきた。背中に食い込む爪の痛みが、これが現実なのだと私の脳をさらに鋭く突き刺す。
「……くぅっ、蘭子さんの中……キツくて、ものすごく熱くて……それに、そんなに必死にしがみついてっ♡期待通り、可愛すぎますっ……♡」
間近で見る、完璧に乱れきった神崎蘭子の姿。
普段のクールなゴシック少女の面影はどこへやら、涙目で眉をひそめ、口元からは淫らな吐息を漏らしながら私を受け入れている。そのギャップが、前世のオタクとしての、そして今まさに彼女を蹂躙している橘ありすとしての精神を限界まで刺激した。
「蘭子さんの白い肌が、どんどん赤みがかって……より、いやらしさが増していってますよ……っ!私の『堕天使力』が、どんどん漲っていきます……っっ!」
私は彼女の細い腰を両手でガッチリと掴み、固定すると、更衣室の床の上で激しく腰を前後させ始めた。
肉と肉が激しく衝突する淫らな音が、室内の壁に反響する。狭く未成熟な彼女の膣内を、私の凶暴な質量が容赦なく、力任せに抉り開けていく。
「ぁっ……♡ふあぁっ……♡すっ、すごいの……っ、ありすちゃんが、動くたびにっ……♡私の中のっ……何かがぁっ……♡」
突き上げられる衝撃のたびに、蘭子さんの声が可愛らしく裏返る。
彼女の脳内では、この激しいピストンの一撃一撃が、自らを魔王へと引き上げるための神聖なエネルギーの充填として処理されていた。拒絶するどころか、もっと奥へ、もっと深くへと誘うように、彼女の熱い肉壁が私のモノをきゅうきゅうと締め付けては、離さないように絡みついてくる。
「はぁっ……♡ふぅーっ……♡蘭子さん、もっと声を上げて、私を、堕天使を狂わせてください……っ!」
「んぁっ♡ぁぐっ……っ、ありす、ちゃん……っ! 覚醒しちゃう……私、壊れて、覚醒しちゃうよぉっ……♡」
お互いの汗の匂いと、擦れ合う秘部から溢れ出る愛液の匂いが混ざり合い、更衣室の空気はどこまでも濃厚に、どろどろと濁っていく。私は理性のすべてを投げ打ち、ただ目の前の少女の奥を貫く快感だけに没頭し、さらにその速度を上げていった。
「あぁっ……♡くる……っ♡来ちゃうぅっ……♡目覚めの、鼓動が……っ!ひぁあっ……♡」
私の一突きごとに、蘭子さんの身体が大きく、激しく跳ね上がる。
彼女の瞳は完全に恍惚に染まり、初めての儀式の終わりが、自らの限界がすぐそこまで迫っていることを本能的に感じ取っていた。
「ふぅう゛っ……♡くぅ……っ、いきますよ、蘭子さんっ……♡」
私もまた、彼女の熱く、締め付けるような肉壁の愛撫に耐えかねて、限界を迎えていた。最後の手加減をすべて捨て去り、彼女の最奥、子宮口へと向かって、狂ったように何度も何度も激しく、勢いよく腰を打ち付けていく。
「ぁああぁあっ……♡ありす、ちゃんっ……♡ありすちゃんっ……♡ぅあぁぁっ……!!」
蘭子さんは私の首に細い両腕を必死に絡めつき、自らのすべてを委ねるように、ぎゅうっと私を抱きしめてきた。それと同時に、彼女の膣内が、私のモノをこれ以上ないほど強烈に、包み込むようにきゅうきゅうと締め上げていく。
「ぉお゛っっ……♡くぅぅっ!?す、吸われて……っ、う゛ふぅっ!? う゛うぅっっ……♡」
その、未成熟な肉体からは想像もつかないほどの極上の締め付けが、引き金となった。
耐えきれなくなった私は、彼女の最奥で爆発させるように激しく放出した。
びゅぶーーーーーーーっ!びゅうぅぅーーーーっ!ぶびゅぅーーーーーーーっ♡
何度も何度も熱い液体が蘭子さんの中へと溢れ出ていく。
それはただの射精ではなかった。チート能力の補正のせいか、あるいは蘭子さんの魔王の覚醒という強い妄想のせいか、まるで私の堕天使の力のすべてを、彼女の肉壁が文字通り吸い尽くそうとしているかのような、強烈な吸引の感覚だった。
「ひぁあ……っ♡んんん……っ、はぁぁ……っ……♡」
溢れ出る熱を受け止めるたび、蘭子さんはビクビクと身体を震わせ、私の背中に回した手にぎゅっと力を込める。
更衣室の床の上で、私たちは互いの汗と、溢れ出た愛液と精液にまみれながら、激しく重なり合ったまま、いつまでも荒い呼吸を重ねていた。
「ふっ、ふぅっ……♡」
最後の一滴、一絞りまで彼女の最奥へと吐き出そうと、私は自らのモノを蘭子さんの下腹部へと強く押し付けた。
全てを出し尽くした心地よい疲労感が全身を駆け巡る。私の胸に顔を埋めていた蘭子さんは、すっかりぐったりとしてしまい、先ほどまで私の背中に必死にしがみついていた両腕をだらりと床へたらしながら、小さく肩で息をしていた。
「……ふぅーっ……♡」
私は名残惜しさを感じつつも、ゆっくりと腰を引いた。密着していた肉体が離れる淫らな音が更衣室に響く。
引き抜かれた彼女の秘部からは、私のドロドロとした精液が、彼女自身の愛液と混ざり合って床へと滴り落ちていく。
(……うん。全てを吸い尽くされて、一瞬、本当に三途の川の光が見えるようでした……。またしても、やってしまいましたね……)
賢者タイムの訪れとともに、冷たい冷静さが頭を支配する。今度は蘭子さんまで手にかけてしまった。しかも今回は口と中、両方で。現役の12歳児の行動としては、あまりにもアウトが過ぎる。
しかし、私の腕の中で横たわる蘭子さんは、ひどく満足げな、どこか神聖さすら感じさせる恍惚とした表情を浮かべていた。
「……っはぁっ……♡……はぁっ……♡ありすちゃんの力……私の中に、あたたかく満たされてる……♡すごかったぁ……♡なんだか、本当に新しい力が内側から湧き上がってくるのみたい……♡」
「……えっ」
彼女の言葉に、私は思わず冷や汗を流した。
満足げに微笑む蘭子さんの瞳の奥に、冗談抜きで未知のオーラのようなものがギラリと輝いた気がしたからだ。
(……いや、ちょっと待ってください。本当に私のチート能力のせいで、彼女がガチの『魔王』に覚醒して世界を滅ぼしたりしませんよね……!?)
「傷ついた悪姫と、気高き堕天使の力が、今、一つになって……大いなる運命の歯車が回りだす……!(体の奥からなんだかすごい力をかんじる……!)」
嬉々として目を輝かせ、自身の調律を紡ぎ始める蘭子さん。このままでは彼女が中二病の妄想の枠を超えて、本当に世界のパワーバランスを崩壊させる存在になりかねない。
(だ、だめですっ魔王の力は他の世界で発揮してください!これ以上の暴走はアイドル界の破滅を招きます!軌道修正しなくては!)
私は慌てて、脳内の【常識改変能力】をフル稼働させ、彼女の認識に強烈なストッパーをかける上書き設定を念じた。
――改変内容の緊急修正設定――
『この儀式のことは、世界を監視する光の機関に気付かれぬよう、橘ありすと神崎蘭子、二人だけの絶対の秘密とする。そして、変な異能力を現実世界で覚醒・暴発させることなく、その魔王としての強大な魔力はすべてアイドル活動へと昇華し、表舞台では普通にアイドルとして活動しなければならない』
ジリジリと脳が焦げるような感覚と共に、新しい「常識」が蘭子さんの精神へと深く楔のように打ち込まれていく。
「……はっ!そう、ですね……」
能力が定着した瞬間、蘭子さんはハッと我に返ったように表情を引き締めた。
「大いなる禁忌の力……光の眷属に知られれば、世界の均衡が崩れてしまう……。我が同胞よ、この魂の盟約。我はこの力を内に秘め、魂を揺さぶる調べを歌い、この身を焦がす聖戦へと邁進する!(この力がファンのみんなに知られたらたいへんなことになっちゃう!ありすちゃん、このことは二人だけのひみつにしようね!私アイドル活動をがんばる!)」
「ええ、それがいいと思います。蘭子さん」
なんとか現実に踏み留まらせることに成功し、私は心の底からホッと胸をなでおろした。
これで彼女が本当に魔王になって世界を滅ぼす心配はなくなった。……が、彼女の中に私の「堕天使の力」が文字通りどろどろに満たされたままであるという事実は、何一つ変わっていないのだった。
「……それじゃあ蘭子さん、ひとまず落ち着いたところで、改めて衣装合わせをする前にシャワーを浴びて、お互いの身体を綺麗にしましょう」
床に飛び散ったお互いの痕跡をティッシュでバタバタと拭き取りながら、私は上ずった声で提案した。このまま新しい衣装を着るわけにはいかないし、何より身体中が色んな意味でドロドロのままだ。
「 新たなる衣を纏う前に、聖なる泉で禊を執り行うのね……!(うん!そうしようありすちゃん!)」
蘭子さんは嬉しそうに頷き、私たちは並んで事務所のシャワー室へと向かった。
狭いシャワー室の中、温かいお湯が二人の身体を優しく洗い流していく。下着姿どころか完全な一糸纏わぬ姿の蘭子さんと密室でシャワーを浴びているという状況だけで、気を抜くと暴発しそうになる。お湯に濡れて肌に張り付いた黒髪や、水滴を弾く弾力のある白い肌、そして先ほど私が散々貪ったふくよかな胸。
(……はぁ、本当に目のやり場に困ります……。いや、横目でチラチラ見ちゃってますけど)
自制しようとしつつも視線が泳いでしまう私だったが、実は蘭子さんの方も、シャワーの合間に私の股間へと何度も熱い視線を送っていた。先ほど自分の最奥を貫き、大いなる力を注ぎ込んできた、女の子にはあるはずのない「堕天使の証」。お湯に洗われて大人しくなっているソレを見つめながら、蘭子さんは何かを閃いたようにパッと表情を輝かせた。
そして、シャワーのノズルを持ったまま、私の方を勢いよく振り返った。
「煌めく閃光が、我が魂に新たなる天啓を授けた……!我が同胞よ、我ら二人の魔力を重ね合わせ、深淵なる『血の誓約』を交わそうではないか……!?(そうだ……!ありすちゃん、私と二人でユニットを組みませんか……!?)」
「へぁっ!?ゆ、ユニット、ですか!?」
突然の提案に、横目で蘭子さんの瑞々しい生肌を盗み見ていた私は、盛大に声を裏返させて驚いた。
「深淵より目覚めし魔王と、気高き力を宿せし堕天使の共鳴……!これほど天の理を揺るがす美しき調べが他にあろうか……!?(私とありすちゃんのユニットならうまくいくと思うんです!)」
蘭子さんはフンスと鼻息を荒くしながら、湯気の中で熱弁を振るう。
常識改変のチート能力によって、私の「アレ」は彼女の中で「トップアイドルを目指すための最高の魔力」へと変換されている。だからこそ、この最強の二人が組めば、アイドル界の頂点を掴めるに違いないと、純粋にワクワクしているのだ。
(堕天使と魔王のユニット……。前世のゲームの知識にはない、完全オリジナルの展開です。確かに私のこのチートな身体と、蘭子さんのゴシックな世界観の相性は最高かもしれません。ちょっと、面白いかも……)
一瞬、オタクとしての欲望が頭をもたげ、そんな未来を肯定しかけてしまう。しかし、すぐに冷や汗が背中を伝った。
(――いやいやいや! さすがにまずいでしょ! これ以上、下手に彼女とプライベートでも仕事でも距離を縮めすぎたら、どうなるかわかりません!蘭子さんには未来の『ダークイルミネイト』とか、小梅さんとか、他に相応しいパートナーが原作の歴史にいるはずですし……!橘ありすとも確かに前世でも多人数でユニットを組んだことはありましたけど、二人ユニットはまずいです!)
ここで歴史を大きく歪めすぎるのは、程々に生きたい自分としては色んな意味でハイリスクだ。私はシャワーの湯気の中で、精一杯クールな表情を取り繕い、ゆっくりと首を振った。
「……いえ。その申し出は大変ありがたいのですが、蘭子さん。今はまだ、その時ではありません」
ありすらしい、どこか含みを持たせたトーンで、丁重にお断りを入れる。
「ふむ……確かに、大いなる運命の歯車を急に動かしすぎるのは、早計過ぎるかもしれないわね。光の監視者の目を欺くためにも、今はそれぞれ牙を研ぐべきね……(今はまだ駄目なのー?仕方ないですねありすちゃん……)」
私の言葉の裏を中二病解釈で読み取ってくれたのか、蘭子さんは納得したように「むう」と唇を尖らせつつも、素直に引き下がってくれた。
(ふぅ……危なかったです。本当に色んな意味で命が縮まりました……)
私は心の底からホッと胸をなでおろした。
その後、私たちはシャワーを終えて身体を拭き、更衣室に戻って改めて新衣装の試着を行った。
先ほどまでのドロドロとした情事の空気はどこへやら、鏡の前でお互いの衣装の完成度を褒め合い、細かなサイズ感を確かめ合う、実に和やかで健全なアイドル同士の時間を過ごすことができた。
「じゃあ、お疲れ様でした、蘭子さん。私はこれで、失礼しますね」
着替えを終え、荷物をまとめた私は、これ以上のトラブルが起きないうちに早々に撤退しようと、更衣室の扉に手をかけた。
「闇に飲まれよ!我が同胞!(お疲れ様です、ありすちゃん!)」
いつも通りの笑顔で手を振ってくれる蘭子さん。しかし、私がドアを開けて一歩外に出ようとした、その刹那。
「――またね、ありすちゃん♡」
背後から、いつもの「蘭子語」でもなければ、普段の照れ隠しの声でもない、酷く艶っぽく、すべてを理解して悦に浸っているような女の微笑みが混ざった声が、鼓膜を揺さぶった。
「は、はい……。またね、蘭子さん……」
私は心臓を激しく鷲掴みにされたような衝撃を覚えつつ、辛うじてそれだけを返し、逃げるように事務所を後にした。
夕暮れに染まる街路樹の道を、私は早足で歩いていた。
先ほど更衣室の去り際にかけられた、蘭子さんのあの声と視線が、頭の奥から離れない。
(……本物の蘭子さんの中二病っぷりは筋金入りだなんて、さっきは呑気に感心していましたけど……。私の考えが、あまりにも甘かったかもしれないですね……)
チート能力で常識を改変し、彼女を制御下に置いたつもりでいた。しかし、彼女は私の注ぎ込んだ堕天使の力をその身に宿したまま、私の存在そのものを、自らの底知れない世界観の核へと完全に取り込んでしまったのだ。
夕方の冷たい風に吹かれながら、私は自分の身体が小さく身震いするのを止められなかった。私のアイドル生活は、すでに引き返せない深淵へと片足を踏み入れているようだった。