「姉ちゃん、ゴロンってして。仰向けに」
「ん……」
雄一は姉を寝転ばせ、その体躯を見下ろした。
彼女のほっそりした脚の付け根で、女性器の割れ目はさっきまでよりもいくらか緩んで広がっている。
充血して赤くなったクリトリスや小陰唇があらわだ。
「もうっ……!」
詩乃は視線に気づき、自分の手で股間を隠した。
「じっと見ないでって、言ってるのに……」
「ご、ごめん姉ちゃん。すごい綺麗だから」
雄一は慌てて弁解する。
偽らざる本音だ。
事前の心構えとして、姉の体をくまなく見れば1か所くらいは幻滅するような箇所があるものと覚悟していた。
しかし、姉の体は女神のそれのごとく完璧にしか思えない。
初恋の人に対する贔屓目があってのことなのか。
「もう。するなら早くしてよ……」
詩乃は手をどけて、再び秘所をさらけだした。
女性の体でもっとも繊細な、無遠慮に扱われれば妊娠さえしてしまう弱点を自分から差し出す仕草。
雄一の中の熱がさらに一段階高まる。
雄一は頷き、右手で詩乃の秘所の下側に優しく触れた。
垂れ落ちていた愛液を指先ですくいとり、もてあそぶ。
やがてぬらぬらと粘液にまみれた人差し指を、膣口へとあてがった。
「ここだよね、入るの」
「たぶん……」
詩乃は体を少し起こし、その様子を不安げに見た。
雄一の太い人差し指の先端が今、膣口にめりこむ。
肉ひだの隙間へと少しずつ入り込んでいく。
「うっ……う」
膣内を圧迫される未知の感覚に、詩乃の体は強張った。
下腹部に、排泄感にも似た鈍い圧迫感と少しの痛みがある。
雄一がその反応を見て取り、指を止めた。
「……大丈夫? 姉ちゃん」
「ん……ありがとう。ちょっと痛いけど、大丈夫」
「辛かったら止めるから、言ってくれ」
雄一は緊張しながらも、さらに指を差し入れていく。
狭い粘膜が雄一の太い指を拒絶するようにきゅっと締め付ける。
しかし最後には、たっぷりの愛液に助けられて、処女の肉壺は侵入者を奥深くまで招き入れた。
(((あっ……う、うそ……)))
詩乃は驚愕とともに自分の股間を見ろした。
いつしか、自分の膣は雄一の人差し指を根元まで飲みこんでしまっている。
自分の体がそういう形にできていることを思い知らされる。
「……じゃあ、ちょっと動かすね。どんな感じがするか教えて」
やがて、雄一は挿入した一本の指でゆっくりと詩乃の膣内を探り始めた。
粘液が卑猥な水音を立て、静かな部屋に響く。
右の壁、左の壁、そして奥深く。
「……ここはどう?」
「ん……あんまり……」
「背中側は良くないみたいだな。ここは?」
「あっ、痛っ……。そこ痛いかも」
「ごめん。奥すぎてもダメみたいだな」
雄一は慎重に指の角度を変えながら詩乃の反応を伺う。
指の腹で詩乃の膣内、その腹側の壁をなぞる。
「んっ……」
詩乃の口から甘いうめきが漏れた。
その箇所に触れられた瞬間、腰がうずうずして浮き上がるような妙な感覚が掠めていた。
雄一はその反応を見逃さない。
「……今のところ、よかった?」
「え……わかんないけど、ちょっと変な感じ」
「もうちょっと触るね」
雄一はその箇所に集中攻撃を始めた。
他の箇所と異なる、少しざらつく感触を確かめるように、指先で何度も擦る。
その効果は明らかだった。
「あっ……! ううっ……!」
詩乃の腰がびくっと動いた。
腹筋にぎゅっと力が入る。
かゆいところを思い切りかきむしるような、危険な予感のする快感が走っていた。
膣内のその箇所は、俗にGスポットと呼ばれる性感帯だった。
「ユ、ユウくんっ……」
「ん? どうしたの、姉ちゃん」
雄一が顔を上げる。
詩乃は足を開いたみっともない姿勢のまま、うつむき、消え入るような声で求める。
「あの……後ろから触って……」
「えっ?」
「だからっ……さっきみたいに後ろから、ぎゅって抱きしめながら、触ってほしいの」
その求めは、雄一に対する気遣いの要素をまったく含んでいなかった。
完全に詩乃のわがままだ。
もっと性的快感を得たいという以外に何の理由もない、みっともない要求。
「……ダメかな」
詩乃自身もそれを恥じているのか、おそるおそる上目遣いで見上げる。
淫らな懇願が雄一の劣情を煽った。
「ダメなわけないだろ」
雄一は低い声で言い、立ち上がって、詩乃の背後へ移動した。
小柄な姉を、後ろから抱きしめる。
太く逞しい両腕を前へと回す。
「ん……」
詩乃は背後の雄一に寄りかかった。
彼の分厚い胸板、たしかな体幹に体重を預ける。
姿勢を維持する努力さえ放棄して、ひたすら性感をむさぼることに備える。
お望み通りとばかりに、雄一の右手が再び彼女の下腹部へと這い下りていった。
「次、指2本でしてみるね」
濡れそぼった秘裂に指先が触れる。
ぬるりとした感触とともに、人差し指と中指が膣内を押し広げながら突き入れられた。
指先が迷いなくGスポットを捉える。
そのざらつく粘膜を、下から上へ、掬いあげるように擦る。
「ふぐっ……!? ううっ!」
詩乃の頭の中で光が弾ける。
体の力を抜いてリラックスした姿勢、腰を逃げないよう固定された状態でピンポイントに弱点を刺激されると、先ほどまでとは比べものにならない快感が突き抜けた。
体が痙攣し、反射的に雄一の手から逃れようと身をよじる。
「姉ちゃんの中、さっきよりきつくなってる。ドロドロだし」
雄一は左腕で詩乃の体を抱きしめ、その身動きを封じた。
右手指での責めが続く。
敏感な肉ひだを容赦なく、執拗になぶられる刺激に、詩乃は体を震わせて耐えるしかない。
思考力がみるみるうちに溶かされていくのを実感する。
性的絶頂の気配が、唐突に、おどろくほど近くに現れたのを感じた。
「ああっ! ユウくんっ、駄目……! これ駄目っ!」
詩乃は我を忘れ、ほとんど叫ぶようにして言う。
雄一は背徳的な喜びに目を輝かせた。
「姉ちゃん、本当エロいな。またイけそう?」
「イく、イっちゃうからやめてっ」
「もう1回イくとこ見せて」
「やだっ、駄目、駄目……!」
自制しようとすればするほど切なさが強まっていく。
Gスポットが執拗に擦られ続け、クールダウンできない。
自分の身体の奥底からおそろしいエネルギーが突き上げてくるのを感じる。
頭が真っ白になる。
イく。
イかされる。
「イきますっ……!」
詩乃はそのまま、弟に屈服させられた。
思わずぎゅっと目をつぶる。
全身の筋肉が硬直する。
抱きしめられたままで身をよじることもできず、自分の体の中で駆けめぐるエクスタシーの嵐をただ耐えるしかない。
拷問のように長い絶頂だった。
「――はっ、はあっ、はあっ、はあっ……!」
ようやく嵐が過ぎ去ると、詩乃は全力疾走の後のように荒い呼吸をした。
雄一は変わらずこちらを抱きしめている。
意識を飛ばされかけていたのは自分だけだ。
弟に自分でも知らなかった弱点を暴かれ、一方的にイかされた敗北経験が、詩乃の思考に深く刻み込まれる。
「俺こういうの初めてだし自信なかったけど……姉ちゃん、すぐイってくれるね。すげえ好き」
雄一は、膣内に埋め込んでいた二本の指をゆっくりと引き抜いた。
いやらしい粘着音が部屋に響く。
引き抜かれた指先から、透明な愛液がとろりと糸を引いて垂れ落ちた。
雄一は正面にある姿見を見た。
みっともなく脚を開いたままの詩乃の股間で、彼女の性器は愛液にまみれ過剰なほど潤っている。
長い快楽責めに耐えかねて泣いているかのようだ。
詩乃の性器の外側、大陰唇に指をさしこんで少し広げてみる。
膣口があらわになった。
柔らかく変形し、指を挿入する前よりも少し大きく口を開けている。
雄一は背筋に征服感が這い上がるのを感じた。
……姉の性器の形が変わっている。
ほぐれた、という程度の変化かもしれないが、今まで純潔で美しかった姉の体を変形させていることには変わりない。
「ひ、広げないでぇ……」
詩乃が性器を広げられていることを恥じて、弱々しい声で求めた。
しかし、脚は開いたままだ。
感じすぎて力が入らないのか。
雄一に対して負け癖がついて、逆らう気力が萎えたのか。
定かでないが、どちらの可能性も結局雄一の性欲を煽るだけだった。
「姉ちゃん……そろそろ、本番しようか」
雄一は耳元でささやく。
「姉ちゃんの初めて、もらうね」
「は、はい……よろしくお願いします……」
詩乃は我知らず敬語になっていた。
手での愛撫で躾けられ、セックスにおいてはもう雄一には敵わないと理解させられていた。
雄一はなけなしの理性を振り絞り、いったん詩乃を解放してベッドに寝かせると、傍らに置いてあった自分のカバンへと手を伸ばす。
取り出したのはコンドームの箱だ。
詩乃が用意していたものとは異なる銘柄で、パッケージには「LLサイズ」という表記がある。
それを視界に捉えた瞬間、詩乃の霞んだ脳裏に数日前の記憶がフラッシュバックする。
あの日、自分は「中」と「大」を買い、「特大」は避けた。
しかしそれは誤りだった。
雄一のペニスはとうに勃起状態を回復している。
雄一は、固く怒張し血管が浮き出たそれにゴムをあてがい、もどかしそうな手付きで装着する。
ゴムはたるみなくぴったりと密着しており、適切なサイズなのが明らかだ。