3分後のファセナの前日譚です。
ファセナは大学士を得たばかりの司祭であった。
教会権力の腐敗は周知のことで、ファセナもまた月並みな権力志向を持つ女性である。
日々の聖職者の務めをこなす一方、先輩たちの汚れ仕事も徐々に覚えていく。なるほど、こうやって社会は教会を必要とし、また教会も表裏の活動でその需要を満たしているのか。
ファセナの社会性は良くも悪くもそれらを飲み下した。
そのうち、ファセナはとある利権に関することで老貴族を頼むことがあり、邸宅を訪れた際に遠回しな打診の末に、その夕方、老貴族に抱かれた。
最初は激しいショックでしばらく食事ものどを通らなかったが、数日後に利権は彼女の手のもとに回ってきた。
これで自分の教会運営はさらにはかどる。
これがファセナの成功体験となる。
その後、自らの「女」の価値が高いということを学習したファセナは、政治的手腕の中に色香をまぜ、のし上がっていく。
しかしそんなファセナは高位の若い貴族ダスランに惚れてしまった。
ダスランと会食をすることがあった。
紳士ダスランの優雅な所作がとにかく美しかった。
社会的地位にあぐらをかいているわけではない。優秀で実績もあった。どんな女性もため息をつくような美貌。そして数年前の戦に出た際に受けたという額の傷。
ファセナは完全な美は美ではない。美にまぎれこむひとつの傷が、陰りがその美を完成させるのだとダスランをみて学んだ。
そしてファセナは、ダスランもまた自分に好意を寄せていることを察した。
初めて進んで男性に抱かれたいと望んだ。
会食を終え、去り際にダスランがファセナの耳にそっとつぶやいた。
あなたと夜を共にしたい。
ファセナはうるんだ目で、赤く染まった頬で、うつむいてダスランの手を握りしめることで回答した。
3日後
ファセナの肛門にはダスランの一物がおさまっていた。
しばしさかのぼる
会食の夜からファセナは激しい下痢に見舞われた。ダスランは心配してたびたび使いをよこすほか、自らも訪問し、ファセナをいたわった。
そしてようやく下痢がおさまり、やや痩せてしまったファセナのもとにあらためてダスランがやってきた。
ダスランは顔を赤らめ、もじもじしながらファセナのベッドに腰かけて頼み込んだ。
「その、お体がよろしければ、その、ぜひ先日の約束を・・・」
ファセナは満開の笑顔で快諾した。
ダスランが用意した一室に招かれたファセナはダスランのなすがままになろうとベッドに腰かけた。
ダスランは優しく丁寧にファセナの顔をなぜ、体をなぜ、ファセナの下衣を脱がせた。
違和感を感じた。上衣はよいのだろうか。
着衣のままことに及ぶのが好きな殿方もいる。ダスランはそうなのだろうか。自分を納得させるが、違和感は終始付きまとった。
ダスランは膣ではなく菊座をまじまじ観察するのだ。
ファセナ「ダスラン様。その・・・場所が、違うようですが。」
刹那ダスランは野獣の手つきでファセナの腰をつかみ、男性自身をファセナの菊座にねじこんだ。
「・・・・・!」
絶句の跡に悲鳴がつづいた。
かくしてファセナの肛門にダスランの一物がおさまった。
ダスランは突如饒舌になる。
「ファセナ殿、僕はねえ、幼いころから親戚に尻をかわるがわる犯されてそだったんだよ。なんせかわいかったからねえ。
でも、お小遣いはたんまりもらったよ。だから僕もね、お尻をくれた子にお小遣いを上げるんだ。
でも僕はあいにく男色ではないから、女の子にね。」
ファセナはなんと反応すればよいのか戸惑う。
「おっとファセナ殿は光るような青だね。きれいだ。」
「なんの、ことでしょうか。」
「僕には色が見えるんだ。僕のペニスは女の子のお尻の中で色をみることができる。あと感情も。青はね、困惑の色だ。そのうちファセナ殿も緑色になっていくよ。」
ダスランの興奮の度が高まっていく。声はうわずり早口に。
「気持ちが色に見えるのですか。緑、とは。」
「相手を殺したいっていう怒りかな。」
ダスランはニカっと笑顔を見せた。
ファセナは何も返せなかった。冗談なのか、本気なのかさえわからなかった。ただ、まだファセナはダスランへの恋慕の情が強かった。信じたかった。肛門愛の男性も世の中にはいるのだろう。自分の体がダスランを慰められるのであれば、それでいいではないか。
ファセナは甘い声でダスランに語り掛けた。
「ではダスラン様、私もダスラン様を求めとうございます・・・」
そういうとファセナは腰を前後にふり始めた。
「動くな!」
ダスランの怒鳴り声がファセナに浴びせられた。
「肛門が、しゃべるな!動くな!」
絶句
そしてダスランは甘い紳士の声に戻りファセナに語り掛けた。
「君を一目見たときから、僕の心は高鳴ったよ。
これはいい肛門だ、ってね・・・
おさめたい。なんとしてもこの肛門にペニスをおさめたい。
そう願ったんだ。
そうそう、おさめるにはね、君の茶色い可愛いかぐわしいあれがね、邪魔だったから、そう。あの時君が飲んだスープにね、茶色い子がでていくような薬を混ぜさせてもらったのさ。」
「そんな・・・」
「しゃべるな!貴様は肛門だ!動くな!」
怒鳴り声に驚き、ファセナはびくんと体をふるわせた。悔しかった。
「それでね、ファセナ殿、気づいたかな。君を見舞いに来たとき、僕のペニスがはちきれんばかりになっていたことを。」
ファセナは何も言えなかった。四つん這いでただ、枕をながめていた。
ダスランのいちもつが肛門にささったまま。
枕に涙が落ちる。
「ファセナ殿、青がだんだん色あせてきた。絶望、ってところかな。
まだまだ緑色にはならないね。
時に僕が一番好きな色は何か知っているかな?」
ファセナは問われ、しばし考え「紫、でしょうか。」と口に出すやいなや「しゃべるな肛門!肛門はしゃべらないのだ!何度言えばわかる!」と怒鳴りつけられた。
ファセナは心折れ、完全にダスランの奴隷となっていた。
「おっと、青みがすっかり薄まって絶望の色だね。
そうだ、さっきの答えは赤だよ、赤。
何の色だかわかる?」
ファセナは答えなかった。ただうつむいていた。
「赤はね、命乞いの色さ!赤は最高だよ、怒りの緑よりもなによりも最高だ!」
まさか、ダスランは私の命をもてあそぼうとしているのでは。
ファセナの体が震え始めた。
「下人に命じてね、街を歩く女の子を誘拐するんだ。それでその子の肛門をねちょっと「借りる」んだよ。借りるだけ。返す。だけど、命乞いをするんだ。誰一人例外なくね。
この赤はどこまで赤くなるんだろうって思うだろ、普通。
だから、娘の首筋にちょっと切れ目を入れる。どんどん赤くなる。
おもしろいだろう。シーツも真っ赤に染まるんだ。
最高さ。そうなるともう俄然、僕は腰を振ってね、達するんだ。
泣きわめく娘の背中にね、刃物を突き立てる。
最後は最高の赤を感じて二人とも果てるのさ。」
ファセナは戦慄する。合点した。2~3年前から時々、凌辱され体中をめった刺しにされて殺される女性がいたが、下手人は捕まっていない。
すべてがダスランとは限らないが、おそらくダスランの手によるものが多く含まれるのだろう。
ファセナの恋慕の情は完全に消え去る。
「いいね!絶望じゃない。怒りの臙脂色だ!
でも安心して、道行く小娘と違ってファセナ殿に危害は加えられないよ。
本当は最高の赤を見たいんだけどさ。」
自分の命が地位によってしか守られていないことにファセナは恐怖した。
人間の命がいかに軽いのか痛感する。
「でもね、考えたんだ。ファセナ殿に危害を加えずにファセナ殿から最高の赤を引き出す方法をさ。」
そういうとダスランはメモをすらすら書いた紙をよこした。
そこには住所と女性の名前が二つ書かれていた。
ファセナの幼馴染の女性とその1歳の子供の名前だ。
ファセナの肛門は深紅をダスランに伝えた。
「ダ、ダスラン様、まさか」
「しゃべるなといっただろうが肛門!」
ファセナは口をむりやりつぐんだ。
ダスランは恋人にささやく甘い声をファセナにむける。
官能的な声が耳に入ってくる。
「ファセナ殿、あなたの赤い色、確かにうけとりました。僕が喜べば、誰も不幸にならない。あなたのお知り合い。結婚式にも出席なされたと聞いた。出産のおりにはたびたび訪ね、赤子を抱いて心の底から笑いあったともきいています。僕も誰も不幸になってほしくない。
ファセナ殿のご協力があればこそ・・・」
ファセナの膝はがくがくと震えた。
一転ダスランが怒鳴り散らす。
「さあ、肛門、赤い色で腰を振れ!どうせ知っているんだろう、魔法で絶頂できる方法を。肛門じゃそうそう絶頂はしない。
俺が腰をふる、演技でいい、どうせ達者なんだろう。演技でよがれ、そして俺がイくのに合わせて肛門、お前も絶頂するんだ。
そうすりゃみんなが「幸せのまま」だ!
最高の赤い色をみせてくれよ!」
それからのファセナは狂ったように嬌声を上げつづけた。
「ああ、ダスラン様!」「神よ、神よ、お慈悲を」「激しゅうございます。」「もっと深く!」
ありとあらゆる淫らな声をあげた。演技とハッキリ知られているにもかかわらず。
幼馴染とその子の笑顔を脳裏に浮かべるたびに、ファセナの肛門はダスランのペニスに深紅を伝え、ダスランは怒張する。
「いいぞ肛門!その調子だ肛門!」ダスランの腰の動きは激しさの度を増す。
ダスランのペニスに異変を感じた。
来る!
ファセナは自慰の魔法を使う。
「ファセナ!」ダスランがファセナの腰をひときわ強く握り背をそらせる。
「あ!ダスラン様!」
二人は同時に絶頂に達した。
3か月後
ファセナの運営する教会で葬儀が執り行われた。
運河に浮かんでいた母子だ。公にはされていないが、二人とも肛門にはげしい裂傷があり、死因は体中にある刺し傷からの出血死だろうと言われている。
ファセナは無表情で教会の片隅にたたずんでいた。
一人の弔問客がファセナのそばにきた。
ダスランだ。喪服を着たダスランは棺を一瞥しささやいた。
「最高の赤だったよ。」
そういうとダスランは模範的な弔問をなし、涙をひとふき。
去って行った。
ファセナは計算した。ダスランを意のままに操れる教会権力は、そしてそこに上り詰めるにはなにをすればよいのか。