※この作品はR-18です。

3分後   作:すりーみにっつ

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オールスは国が割れ、いろいろな軍閥が割拠する内戦に突入していた。
国粋主義的な軍閥はたびたびマチハバの国境を侵した。
そのたび撃退するマチハバであったが、交渉相手にかき、対策に苦慮していた。


3秒後のオリグ

「見てよ、ケーネ。什長になったんだ。」

オリグはおろしたての軍服をケーネットに見せる。

「兵隊さんはかっこいいねえ。」

ケーネットはケラケラと笑った。

 

サラナスの街のあばら家にケーネットは住んでいた。療養院を出てからは、日雇いの家政婦などをして食いつないでいる。

彼女が絞首刑に処そうとした少年兵は今、18歳となり、こうしてたびたびケーネットの様子を見に来ている。

 

すっかり無力ないち女性、いや、少女になってしまったケーネットをオリグはいまだに慕っていた。

 

 

かつて曇天のポーサダーバで見た魔導貴族ケーネットは彼のあこがれだった。

 

敵の急襲に武器をとる間もなく屯所を制圧され、縛られ引き立てられた先に見たケーネット。

 

紫色の霧、魔素を体から発し、軍帽から覗く冷たい目ははるかかなた先を見据えている。短くまとめられた群青の髪の毛がただただ美しかった。

一目で惚れてしまった。この世にこんな美しい女性がいるのかと、オリグは呼吸も忘れてケーネットを眺めていた。

それがケーネットには敵意の炎に思われたのかもしれない。

 

この女性のためなら死んでもいいとさえ思った。

絶対にこの女性に情けない姿は見せられない。

ケーネットは軍門に下れと言ってきたが、これは試練だと自分に言い聞かせた。拒否せねばならない。たとえ死ぬことになっても。

幼年学校や軍で習ったような定型文句をなぞり、返した。

 

「侵略者には報いあるのみ。」

 

唾を吐きかけられた。それさえうれしかった。敵と認められたのだ。

対等になれた気がした。

 

彼女の合図で首に縄がかけられる。

この女性の命令で死ぬのであれば本望だ。美しいものに死を賜ることにこれほど高揚できるとは。

16年の短い人生だったが、最期に外形的には誉を保ち、内面的には美しい女性への憧憬を胸に。

そうやって死ねることが心底うれしかった。

 

「マチハバ万歳! 僕は喜んで死のう!」

 

ケーネットに視線を合わせ続けた。最期の最期まで。死ぬまで彼女を見続けていたい。

ケーネットはそれを少年の裂帛の戦意と捉えた。よもや慕情とは思わなかった。

 

そしてあの男がやってきた。

ケーネットが身にまとう魔素は増幅し、密科的にありえないのだが、オリグは確かに肌に衝撃派を受けた。

あの男は瞬時にケーネットに葬られるのだろう。

 

しかし、そこからケーネットの酸鼻極まる凌辱劇が始まった。

 

オリグは愕然とした。あの美しい、凛とした、あの魔素をまとい、我らを池のメダカのようにとらえた、あの、あの、あの、あの女性が!

 

オリグは母親以外の女性の裸を生まれて初めて見た。

ましてや交合など!ましてや媚態など!

幼年学校時代に下品な冗談を級友と交わしたことはあるが、そういった想像をはるかに凌駕する事態が、あの女性に起きている。

 

やがて男は自分によくわからない器具を渡してきた。意味は分からないが、ともあれ、あの女性を辱める何かをしろというのだろう。

 

「僕は無力な敵兵にそのようなことはできない。あなたも即刻、あの女性に詫び、去るべきだ。」

 

学校や軍で習ったような定型文句で拒絶した。

しかし、持て余す。はちきれんばかりの股間。本当はあの女性に近寄りたかった。においをかぎたかった。

裸をじかに見たかった。肌を触りたかった。声をかけたかった。力になりたかった。

男がひたすら怖かったが、それよりも、女性に触りたい邪心を抑えることの方が大変だった。

 

そして訪れるケーネットの決定的な破滅。男はすでにいない。

かけより、ケーネットの肌をおそるおそる触った。男女の体液が手についた。髪の毛をなぜる。それよりも!胸もあらわに横たわるケーネットにボロの軍服をかけ、女の肌を隠した。

 

「大丈夫です、大丈夫です。」童貞の少年にはそれ以上のことはできなかった。大人の裸の女性を前に、それ以上のことは・・・

 

「ごめんね・・・ごめんね。」

彼女の弱弱しい声を聞き、張り詰めた緊張はいっきにほどけ、目から涙が出てきた。

 

それっきり大人の女性ケーネットはいずこへか。少女ケーネットが現れた。

それでも!

オリグはケーネットを慕った。

 

 

あれ以来オリグはケーネット以外の女性で自慰をしたことはない。

夜な夜な、あの日のケーネットを思い、自らを慰め、重い重い、それは重い自己嫌悪とともに朝の目覚めを迎える。

オリグもまた、心の傷を負った一人なのかもしれない。

 

オリグはしかしケーネットを目の前にすると言葉に詰まる。

いつかこの女性を抱きしめたい。できれば・・・あれもしたいこれもしたい。

妄想と股間は膨らむが、ケーネットの心の傷を思えば、到底できない相談だと思っている。

きっと、あの男にされたことで、傷ついている。そしてそれは癒えていない。これから先ずっと癒えることはない。きっと、きっと。

 

ケーネットと雑談をしながらそんなことを考えていると通りから喚声が聞こえてきた。

何の騒ぎだろうか。オリグが窓から首を出して外を見ると、空を何かが飛んでいる。

 

「竜兵!」

みれば煙がところどころ上がっている。

 

サラナスの屯所は煙の上っている方向だ。小部隊ゆえ、やられてしまったのではないか。オリグは思った。

「ケーネ、行こう。ちょっと大変なことになってるんだ。」

「どこへ?」あどけない顔でケーネットが聞いてくる。

「どこかへ。とにかくここを離れよう。」

「なあぜ?私はここが好き。日が照るし、雨も降る。あなたも来てくれる。」

ケーネットはオリグの腕にしがみついて頬を寄せた。

「日はどこでも照るよ。雨も降る。ぼくも・・・」

オリグは「ケーネ、一緒に暮らそう。」と言いかけた。

「ぼくもいつもケーネといるよ。どこにでも。これからも。」

「だったら行く。」

ケーネットは立ち上がりオリグと外に出た。

 

 

オールスの古い貴族タラスバンには許せぬ女がいた。

その女は売国奴だった。それも軍の要職に在りながら国を売った。

さらに許しがたいのが、敵国の男の情婦になり、国を売ったことだ。

タラスバンは耐えがたい憎しみと怒りとをもって自領で兵を練った。

 

「ヤカルサ、お前にたくす。国賊の首を必ずや持ち帰れ。」

ヤカルサと呼ばれたのは、大柄な女だった。

いや、大柄では済まない巨体だった。彼女は魔術や密科の力で肉体を限界まで改造され、狼と熊の生物素を魂に混ぜられた怪人だ。

 

彼女は生まれつ鈍麻で、痛みをあまり感じない。

ゆえに、体中が傷だらけだ。戦においては敵の攻撃をものともしない。なんせ痛みはないのだ。命知らずに戦える。

魔力で強化された肉体は多少の傷ならばすぐに回復してしまう。

 

「タラスバン卿、かならずや。」ヤカルサは右腕を前にあげ、誓った。

 

タラスバン・ヤカルサ「ケーネットの首を。」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

オリグはケーネットと隣町まで走ることにしたが、避難者の群れに阻まれた。駆け続けたせいで疲れはて、やむを得ずいったん朽ちた公会堂へ避難した。

すぐに敵

 ーどうせ未練がましいオールスの残党だろうがー 

がやってくる。

 

少数ならばなんとかケーネットを守ることはできようが・・・

オリグは公会堂に飾られた鎧にあったレプリカの槍を手にし、何度か振ってみた。穂先がすっ飛んでいった。

 

「オリグ、なにか怖いことでもあるの?」

「ケーネ、なにもないよ。今晩は何を食べようかな。」

「私がね、何か作るよ。」

 

息も整えた。オリグはそろそろ公会堂をでて逃げようと、ケーネットの手をとった、その時。

公会堂の扉がけ破られた。

 

「ケーネットだな。その気配。間違いない。」

ヤカルサが二人の手勢とともに乱入してきた。

オリグはケーネットの前にでて背を預けた。

「ケーネ、僕があいつらとお話している間に、裏からにげるんだ。」

 

「ケーネット!その男が情夫か、国をいくらで売った。」

ヤカルサの荒々しい声が公会堂に響く。

ヤカルサの合図で手勢が押しかかる。オリグは槍の柄で防戦する。

多勢に無勢。

 

ヤカルサは平手を地面につけ、呪文を詠唱した。

周囲の椅子や瓦礫があつまり、人の形をつくる。ゴーレムが二体現れた。

 

「ゴーレムか!」

オリグは手勢の攻撃を防ぐので精いっぱいだった。

ゴーレムが迫る。手勢はいったん間合いを取り、ゴーレムと連携する構えを見せた。

オリグがいちかばちか突きかかった。

ケーネットが行かないで!と手で追う。

 

ゴーレムの腕の一振りは避けたが、手勢の蹴りを受ける。よろめきながらもう一人の手勢の曲刀は避ける。

しかしさらに繰り出されてきたゴーレムの突きをまともにくらい、オリグは後ろに吹っ飛んだ。

 

ケーネットが悲鳴を上げ泣き出す。

「オリグー!オリグが死んじゃう!」

ケーネットが倒れたオリグに覆いかぶさる。

「だめー!だめなの!!オリグをぶたないで!」

 

鼻血を噴きながら、歯が欠け、血まみれの口でオリグは立ち上がり、再びケーネットの前に立つ。

「ケーネ逃げろ!」

と、叫んだ瞬間背中に衝撃波を受け、オリグは前につんのめった。振り向くとそこには

 

「オリグ什長、下がれ。」

そこには魔導貴族ケーネットがいた。

 

湧き上がる魔素を全身にまとい、悠然と歩を進めてオリグの前に出た。

青白く光る右手を一振りするとたちまち、周囲の床材、椅子、机が粉砕され集まり、ゴーレムが2体生成された。

 

オリグはみあげた。かつて見た女性。

神々しい美しさだ。僕らを蹂躙した魔導貴族だ。

 

ヤカルサは曲刀を構えながら叫んだ。

「ふん、そんなことだろうと思った。おおかた人格を変える魔術でも使って雲隠れしていたのだろう。本性を現したな。この売女め。」

 

オリグは立ち上がり柄を構える。

ケーネットは下がれという命令を聞かず進み出てきたオリグを一瞥して言う。

「什長、奴は強化種族だ。それも寿命を顧みない無限界強化人間だ。侮るな。」

 

ヤカルサたちが突進してきた。

ケーネットは左手から青白く光る棒状のものを召喚し、たちまちのうちに二人の手勢を屠った。ゴーレム同士がくんずほぐれつ戦っている。

ヤカルサの曲刀が、拳が、脚が、ケーネットとオリグを襲う。

あの巨体から繰り出されているとは思えない速度だ。

 

ケーネットがオリグを突き飛ばすや、ケーネットに曲刀の一閃が飛ぶ。

体をひねってよけるがケーネットの頬に切り傷ができる。

ケーネットは親指で頬の血をぬぐい、撥ねた。

 

「久しぶりだからな。だいぶ体がなまっている。什長、私を支援しろ。」

オリグはつよくうなづいた。あの魔導貴族ケーネットと肩を並べて戦っている。こんなにうれしいことはない。一人の戦士として認められたのだ。

 

ケーネットのゴーレムが相手の一体を倒す。

もう一体は右足を失い、片膝立ちをして食らいつこうとしているが、ケーネットのゴーレムはそれをはらいのけ、蹴り上げると、二体目も砕け散り、もとの瓦礫に戻った。

 

ケーネットとオリグ、そしてゴーレム2体

形勢は逆転した。4対1

オリグが「よっしゃ!」と拳を固める。

それをケーネットが一喝し、オリグがひるむ。

「オリグ什長。ここからが正念場だ。奴はあなどれん。」

 

そのとき、ふらりとどこからともなく

 

浮浪者がやってきた。

 

凛々しかったケーネットが「ひぃっ」と叫ぶやゴーレムはその場に崩れ落ち瓦礫と化した。

ケーネットは膝をがくがく震わせ、その場にうずくまる。

オリグが回り込んでケーネットを守護した。

オリグ「ケケ、ケーネット・・・さん!」

 

ヤカルサ「なんだい、お前は。」

 

ケーネットが叫んだ。「だめだ、だめだー!その男に触るな!だめだ!!」

 

ヤカルサ「ふん、こいつはお前の大切な人かい。」

ヤカルサが浮浪者に歩み寄る。

ヤカルサは身長差で見下しながら曲刀で浮浪者の頬をぺしぺしとたたいた。

「切り刻んでやろうかねえ。あの女の前で。腹を裂いてやろうかねえ。ま、3分ほどは遊んでやるよ。」

 

3分後

 

 ヤカルサは組みふされて浮浪者の陰茎を受け入れていた。

「なんつうやつだ!でもな、アタシは生まれつき感覚がないのさ。痛みも感じなきゃ女の悦びもないのさ。ははは、突きたいだけ突きな。」

 

3分後

 

 プシャアアアア

 あっあ、アアアアァー!

 

 ヤカルサは絶頂とともに激しい潮を噴き出していた。

「こんな、傷だらけの、ごつい、ウン・・・ アタシに アっ・・・ なんで・・・あぅん!」

 ヤカルサの右しかない乳房を転がしながら、浮浪者はヤカルサを四つん這いにして突いていた。

 いや、左の破損した乳房跡すら愛撫している。乳房跡はヤカルサの性感帯であったらしい。「そこ!そこを、もっと!」

 気づけばヤカルサは浮浪者を求めていた。

 

野獣のような嬌声が公会堂に響きわたる。

 

オリグは必死にケーネットを抱きしめていた。

「怖い、怖いよオリグ。」

「怖くないよ、ケーネ。明日は日も照るし、雨も降る。僕もいるよ。」

「ねぇオリグ」

「ケーネ、なんだい。」

ケーネットが突如オリグを突き放した。

「オリグ什長、私を置いて逃げろ。」

「ええ、いったい。」

少女に戻ったはずのケーネットは再び魔導貴族に戻っていた。しかし先ほどまでに満ちていた自信は消え失せ、がくがくと体の震えを隠せていない。

声も恐怖で震えている。

「あの強化人間も奴にはかなわん。もう私は恐怖で動けない。私を背負っては逃げ切れない。オリグ什長は、その、私のことを大切に思っている。奴は次に私を蹂躙するだろう。そこに・・・その・・・オリグ什長は立ちはだかる・・・だろう。」

オリグは言った。「もちろん!」

 

ケーネットは赤面して俯き、言葉を続けた。

「もちろん、奴はオリグ什長などひと弾きだ。きっと殺される。」

「言いたいことはわかるよ、ケーネ。いや、ケーネット・・・さん。」

「きっとオリグ什長は逃げないのだろうな。」

「死ぬなら一緒だよ、ケーネットさん。」

 

ケーネットはオリグの両肩をつかんだ。

「抱け、オリグ什長!私を抱け!」

唐突さにオリグは戸惑った。

「いや、なんでです。よりによってここで??」

 

ヤカルサの獣のような叫び声が連続している。

 

「今だからこそだ。逆に言うと今ここが一番安全なのだ。外はそこかしこで戦闘が起きている。今なら!ここなら!」

ケーネットが胸をはだけた。下着があらわになった。

オリグとまっすぐに目が合い、ケーネットは顔をそらした。赤面している。

 

オリグは拒んだ。

「だめです。ケーネットさん。僕はあなたを大切にしたいんだ。」

魔導貴族ケーネットが目に涙を浮かべて叫んだ。

「いま、ここで大切にしてくれオリグ什長!女は抱ける時に抱け!

・・・素直に言う。私はあの男に辱められた。

 そのいまわしい記憶を、オリグ什長とむつみあうことで、塗り替えたいのだ。

 いつまでもあの記憶をひきずりたくない。頼む、この通りだ。

 抱いてくれオリグ什長。」

 

オリグはどうしてよいかわからなかった。

 

ヤカルサの獣のような声は、いつしか甘い女の声にかわっていた。

 

魔導貴族ケーネットはさらに続けた。

「すまない・・・いや、

 ごめんね、オリグ

 抱いてほしいの。記憶がどう、安全だから、そんなのどうでもいい。

 私は好きな、好きなオリグと体を重ねたいの、いま、ここで。

 大好きなの。昔から。尊敬している。首に縄をつけたときから。

 もうたえられない。愛してる。オリグと、オリグと・・・」

 ケーネットが両手で顔をおおい、泣き崩れた。

 

オリグはどうしてよいかわかった。

 

3秒後

 

オリグはケーネットの両手をどけ、顔をよせて口づけをした。




ヤカルサは体液まみれの体をうつぶせにし、肛門から数珠といろいろなものをこぼしていた。
口から精液をたらしながら、抱き合って果てたケーネットとオリグをみた。

「ケーネット、お前もこいつに出くわしたんだな。」
性感帯は肉がもりあがり、美しい形になっていた。
ヤカルサは自分の体からいろんな魔術が抜け出て、ただの女の体になっていることに気づいた。
自分の両乳房をもんで確かめた。

街の騒乱は到着した治安兵がおさめた。
浮浪者の姿は街にはなかった。
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