※この作品はR-18です。

3分後   作:すりーみにっつ

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マチハバ国王は老齢のため、数年前から痴ほうが始まり、満足に政務が行えなくなっていた。
王妃はすでに隠れ、男盛りの40歳だった王子は不慮の事故で死んでしまっていた。
王位継承者は何人かいるがまだまだ幼い。
そこで摂政として、辣腕とうたわれた姪孫アラシェリーケが選ばれた。
アラシェリーケは30歳。
行政畑を渡り歩き、国政に明るい。
また、教会とも深いつながりがあり、聖俗の結合点としても期待された。
もっとも、アラシェリーケは教会の裏世界とも深く通じていたのだが。
彼女には有能な腹心が何人かいた。
その中にダスランが名を連ねていた。その悪趣味はともかくとして、彼は農政のプロフェッショナルであり、アラシェリーケが最も信を寄せる者の一人である。


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3分後のアゼミ

王政庁の鷲の間に重臣が並んでいる。そこをアラシェリーケがつかつかと歩いて進む。

アラシェリーケは事前に各部門の報告書には目を通し、それに基づいて各大臣その他の長の前で立ち止まり、あるいは歩みをゆるめて指示をするのだ。

扇子で口を隠しながら指示をするスタイルである。

「オールス情勢は引き続き任せる。」「はい。」

「ダッフラントの鉱物資源、あれは急がせろ。7の月が期限だ。」「かしこまりました。」

 

アラシェリーケはある大臣の前では立ち止まった。

「サネッカ。街道整備の優先順位は変更だ。貴様の報告に則りダーミャ街道を後回し。あとは好きにしろ。」

 

 

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指示をしたのちサネッカ大臣に耳打ちをする。

「貴様、最近人売りが少ないのではないか。大司教がさすがにもう少しは、ともみ手で苦笑いしておったわ。昨今の国民の意識はそういった非道に類することに厳しいが、気にするな。」

「承りました。時に摂政殿は最近、こちらの方もご趣味にくわえられたとか。」

サネッカは尻を右手でポンとたたいた。

「ふん、先日の奴隷、いや、今はもう奴隷ではないな。2級市民か。あいつからご教授いただいたのさ。」

「諸々承知いたしました。上納は弾ませていただきます。」

アラシェリーケは鼻を鳴らして次の男の前に進む。

 

次の大臣は専門家を連れてきていた。

「タンガン。今年の作況指数は上々だそうではないか。」

「は!私にはこの男がおりますれば。ダスランです。」

ダスランはよそ行きの顔ですまして立っていた。

「農政について私から言うことはない。計画通り、報告通り進めろ。」

そういうとアラシェリーケはダスランの耳に口を近づける。

「お前の士気が高まるのなら、そうだな。年に10人は良い。目立たぬようにな。」

「恐縮の至りであります。しかし、当方には来年以降に試してみたい妙案がございまして。私のやり方次第とはなりますが。」

ダスランも小声で返す。

しばしアラシェリーケは思案し「13人までだ。」

と言うと次に向かった。

 

「警視卿スルマリケ」

「は」

「運河の件、だいぶ私にたてつくではないか。」「滅相もございません。」

「コールマの屋敷が焼けたそうだな。」「下手人に目星がございます。」

スルマリケは上目遣いでアラシェリーケをねめつける。

 

「貴様の報告通り、治安機関の増設及び改変は認める。今年中に計画を出せ。あと、オールスとの捜査協定はダラン、ソルーダ、タラスバンの3軍閥とのみ締結を目指せ。残りはお前と同意だ。当てにならん。」

 

スルマリケはまだ言葉をまっていた。

アラシェリーケはスルマリケに耳打ちをする。

「庶民どもの中には貴族は人買いや殺しを楽しんでいる、などと根も葉もない風評を立てる者がいるそうだな。そういうのは治安紊乱のもとだ。徹底的に取り締まれ。そうだな、あと、あの犠牲者のことだが、運河の件だ。年に15~16人くらいならそれほど大したこともあるまいて。捜査に熱を入れることもあるまい。」

 

スルマリケが「心外!」と顔を上げた。

それを制しさらに付け加えた。

「コールマの屋敷は単なる火事と聞いている。」

スルマリケは小さく「かしこまりました。」とだけ答えた。

去りゆくアラシェリーケの背に向けて何か言おうとしたが口をつぐんだ。

 

「もう、奴が現れなくなり十何年になるか。

摂政殿は若く美しく・・・そして非道だ。貴女は。貴女はまさに。」

アラシェリーケの背中をじっと見つめる。

「ヤツの好物ですぞ・・・」

そう独り言ちるとスルマリケはうつむいた。

 

 

深夜、王都郊外。貴族私邸が連なるカラバーレ通り。

サネッカ大臣の屋敷では堂々たる人身売買が行われていた。

奴隷問屋や買い手が広間でくつろいでいた。

 

中央では美しい男女の奴隷がショーとして交合しており、その周りではダンサーたちが美しい舞を披露していた。

 

「摂政殿から上納が少ないとハッパをかけられましてなあ。」

サネッカは大笑いしながら果実酒をあおる。

サネッカの隣には王都教区大司教ツーランがいる。

「そうですな。最近のサネッカ殿の控えぶりには少々こちらもこまっておりましたもので、つい余計な具申を。申し訳ない。」

 

壇上には鎖につながれた若い男女が並んでいた。

奴隷制度はなくなったため、2級市民と呼ばれる者たちだ。

 

行政上の扱いは大変革し、以前よりはいわゆる人権というものが尊重される仕組みにはなった。しかしながらまだまだ社会に根付いているわけではない。人間への非道な扱いはそこまで変わるものではなかった。

 

とはいえ、鎖につないだ人間を堂々売り買いする行為は違法だった。

いや、これは奴隷制度があった十数年前でも違法である。

だが、裏でこそこそやられれば、それを糺せる者はこの国にはいない。

 

ここに並ぶ2級市民たちはだいたい国外に売り払われる。

最近はオールスの軍閥が労働者や慰安用に買っていく。

 

「こいつは街娼じゃないですからねえ。ちょいと値が張りますよ。」

奴隷問屋が2級市民の女の顎をくいとあげる。

口を開けさせ、歯並びを見せる。

「芝居であるじゃないか。ほら、女奴隷をここで「試す」ってのはアリかね。」

サネッカが下卑た質問をする。

「おたわむれを。こいつらは商品ですので、ここでお手付きというのは。」

ツーランが

「商店に並んだ売り物のりんごをかじるおつもりか、サネッカ殿」

一同がガハハハと笑う。

「すまん、すまん。ついわかりきったことを。その女の敵意に満ちた目がたまらんでな。」

 

酔ったツーランが奴隷問屋に提案した。

「皆様ご存じか。遠くいにしえのフバトに伝わる余興を。」

ツーランは東国産の伝統蒸留酒ユーシを掲げた。

 

一同は興味深そうにツーランを見た。

なにかいやな予感がするのか場の奴隷たちはみなツーランの言葉に戦々恐々としている。

 

「フバトでは生きたまま捕虜の腹を裂き、はらわたにユーシを注いで暴れるさまを眺めて盛り上がるという風習があったそうですぞ。」

脱兎のごとく逃げ出そうとする奴隷たちを警備兵がおさえた。

壇上の男女の奴隷たちはみな警備兵にしっかりと押さえ込まれた。

 

ツーランたちはそれをみて大笑いしていた。

「二人にユーシを注がせあうというのもフバトではやっていたそうだ。」

ツーランは動きを止めた交合奴隷に歩み寄る。

二人は平伏し、がたがたと震えている。

二人の眼前にナイフを放り投げる。「男、お前は女の腹を裂け。」

警備兵が女を羽交い絞めにする。男はナイフを持ち、がくがくと震えながら「お許しください。」を繰り返す。

 

サネッカ他、一同は大笑いしながら見物をし、そのうち一人は男に盃の酒をかけて面白がった。

ツーラン「どうした。ひょっとして逆がいいか?」

男は顔をぶんぶんと横に振り、「許せ。許せ。」とぶつぶつつぶやきながら泣いて暴れる女の腹にナイフを向けた。

 

 

「そこまでだ!」

 

広間に声が響いた。

皆があちこちを振り向く。

サネッカ「誰だ!!」

 

男の手からナイフが叩き落される。男は驚いて尻もちをついた。

 

広間中央、なにもない空間から二人の人物が現れた。

一人は深緑色の髪の毛、端正な顔立ち、非常にバランスの取れた美しく豊満な美女。きわどい服を着ていた。

もう一人は東国人女性。可愛らしい顔を身にまとう黒装束から覗かせていた。

 

豊満美女はサネッカとツーランをそれぞれ指さした。

「アンタら、悪いやつだね!それにそこのデブ。」

サネッカもツーランも肥満だが、ツーランの方が少し腹が出ていた。

二人はどちらのことかわからず顔を見合わせる。

「アンタだよ!大司教。なにが大司教さ。つまんないやつだね。こんなのに憧れてたのバッカみたい。」

 

サネッカ「なんだ貴様らは。突然出てきて言いたい放題。警備兵、つまみ出せ。」

 

東国人女性が豊満美女を向いた。

「3分ってところだな。」

 

3分後

 

がりがりに痩せたサネッカが床に転がり、ツーランは豊満美女に体中を舐められていた。

 

警備兵はみな恍惚の顔で床に大の字で寝ている。

その他の者たちは壁に張り付いて震えている。

 

ツーラン「あおおおお!!」

豊満美女「はい、20回目ー!アンタはやいね!」

ツーランの陰茎からは20回目とは思えない量の精子が飛び出ていた。

 

ツーラン「言う。言う。何でも言う。言うことも聞くからもうやあああああああああ!」

豊満美女「はい21回目ー!!」

性感帯をなめられ、こすられ、開発され、ツーランは極限の快楽地獄にいた。

 

ツーラン「頼む、頼む、もうやめてくれ。そもそも、何が目的なのだ。要求をまず言ってkあああああああ!!」

豊満美女「あ、ごめん・・・今のマジごめん。つい面白くて勢いで出しちゃった。」

 

東国人女性「そのへんでよかろう。ベイリー殿。」

「あ、あたし?そうだったベイリーだった。」

 

すっかり静まり返った広間に二人の声が響く。

「自己紹介が遅れましたー!ベイリーでーす。あ、これペンネームです。

 こちらがアシハラから来たアゼミさんです。」

ベイリーがツーランに愛想を振りまきながら紹介する。

ツーラン「そ、そうか。」

ベイリー「よろしくー」

ツーラン「よ、よろしく・・・。して要求はなんだ。」

 

ベイリー「まずここの奴隷さん、全部解放してあげて。」

ツーラン「え、なんでだ。」

「だってかわいそうじゃん。」

「いや、仮に解放したとして、その後こいつらはどうなるんだ。一文無しの逃走奴隷扱いとなるぞ。いや、今は非合法2級市民か。」

ベイリー「そこ、アンタ金持ちで権力者なんでしょ。なんかうまいことパパっとやってよ。どうせ法律とか、なんとかかんとかやっちゃったりできるっしょ。」

ツーラン「そもそもなんでお前そんなことを。知り合いでもいるのか。」

「めんど」ベイリーがツーランの陰茎に手を伸ばす。

「まてまてまて!解放する!その後のこともなんとかする!だからやめてくれ!!」

「お、話わかるー!」ベイリーはツーランの頬にキスをした。

 

ツーランは執事に奴隷の処置を指示した。

 

アゼミが広間を見渡す。

「だ、そうだ。解放しろ。」

奴隷問屋や買い手たちが奴隷を解放する。

ツーラン「ベイリー殿。ここの奴隷は解放した。あとはワシがなんとか面倒も見よう。しかし、この国にはおよそ20万人の2級市民がいるのだ。全員ひとりずつ訪ねては解放していくのか。」

 

ベイリー「うーん。考えるなあ。そーゆーのはまたあとで。とりあえず目の前のヤなことだけ。」

 

アゼミ「マガツヒを出せ。」

ツーラン「はぇ?なんだそれは。」

ベイリー「マガッヒのこと。」

広間はがやがやとなった。「そういや大昔にそんなのいたなあ。」

「都市伝説だろ・・・」

 

ツーラン「し、しらん。あいつは消えてもう10何年かたっておろうが。行方を知る者はだれもおらんのではないか。」

「我らはマガツヒを探している。」

ツーラン「なんでまた、あんな強姦魔を探してるんだ。あいつは誰の言うことも聞かないし、決して殺せない、我々には制御不可能な存在だぞ。・・・と、記録を読む限りはだが。」

 

キラン!アゼミの目が輝いた。

「そこなんだ!そこ!悪鬼マガツヒは今を去ることおよそ20年前にアシハラの最高位術者二人をなんなく退けた。しかも二人目はマガツヒの事を研究し、取れる策という策をすべて講じ、当時最強の術者をぶつけた。それにも関わらずあっさりと敗れ去った。そこでアシハラは方針を変えた。奴と同盟を組む。奴は個人だが、もう一国の武力と同等だ。少なくともアシハラはそう捉えている。そして探し続けた。」

アゼミはここまで一気に言うと息を吸った。

 

「18年探し続けた。そしていままさに、そのマガツヒの娘がさなぎの時期を終えて能力を開花した!それこそがベイリー、この女だ。察知した我々は彼女と接触し、マガツヒの行方を尋ねたが、それでも行方不明だという。しかし政庁中央の人物なら知っているかもしれないと、あれこれを調べている最中にこの現場に出くわし、私は無視しようと申し出たが彼女はたいそう腹を立ててしまい、奴隷を助けるというので。」

アゼミは再び息を吸った。

 

ツーラン「まて、まだ話は続くのか!?」

アゼミ「続く。助けるというので、仕方なく助力したというわけだ。我としてもベイリーの機嫌を損ねては今後の活動に支障をきたすか」

ベイリー「はい、終わりー!」

アゼミは話を切られてぶすっとすねた顔をした。

「でもアゼっち、アシハラの事情とか一気にしゃべったけど大丈夫だった?」

 

アゼミは「ハッ」という顔をして口に手を当てた。

のち、スタスタとツーランに歩み寄り

「黙れ!」と平手打ちを食らわせた。

 

「黙るのはお前では?」と、広場の全員が思った。

 

ベイリー「じゃあさ、あのイケオジのこと教えてよ。」

ツーラン「イケオジ?つまり、その容姿端麗な中年男性ということか。」

ベイリー「そうともいう!確か名前はダスラン!」

 

ツーランは途端に顔をしかめてそっぽを向いた。

「あいつは、なあ。ちょっと問題児でな。」

アゼミが聞き耳をたてた。

ツーラン「わしらもまあ、法に触れることを。そうだないまさら隠し立てもせんが。奴隷売買やら高利貸しやら様々にやっているが、あいつはなんていうのか、ちょっとワシらの常識に照らしても感覚が違う。」

ベイリー「つまり、どーゆーこと?」

 

ツーラン「殺人が趣味とでもいおうか。ワシらもたまに面白半分に奴隷を殺したりはするが、まあ、それはたまにだ。いや、それが悪くないというわけでなくな。」ベイリーの機嫌を損ねかねなかったなとツーランはひやひやした。

「あいつは、殺し方がいつも衝動的で、同じで、薄気味が悪い。」

ベイリー「うーん。ハッキリ言って!」

 

ツーラン「ダスランはな、奴隷じゃなくて、街の女性、それも必ず年若い娘を狙う。たまに幼児だって選ぶ。ワシすら胸糞悪い。1歳の赤子を殺した自慢をされたときはな、そう思った。」

ベイリーが黙る。

アゼミ「殺し方とは?」

「お嬢さん二人を前に気後れするが、率直に言おう。肛門を強姦して、気分が昂るとナイフで背中をめった刺しにするのだ。」

 

「この間、ダスランに付きまとわれた。元司教の昔懇意だった女の事を最近思い出したから、そいつの事を教えろとしつこかった。教会の古い名簿をたぐって調べたら、今は王都を離れた学校の教務をしているらしかったのでな。教えてやったらすっ飛んでった。

おおかた楽しんで殺すんだろうと思ってはいたが、案の定だ。その女が教え子と一緒に運河に浮かんだとは聞いた。」

 

げろり

ベイリーが嘔吐した。

ぎょっとするツーランに顔を向ける。

「ツーランさん。突然キレてごめんけど、ほんとゴメン。でも、私、アンタむかつく。」

アゼミが目をそらし、窓の外を見た。

 

翌日、サネッカ大臣の屋敷からはカラッカラに干からびたようにやせ細った男たちがたくさん救出された。

その中にはサネッカ大臣とツーラン大司教もいた。






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アーチェラとアゼミのイメージ画でーす。
絵師じゃないから簡素ですけども!
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