いちゃいちゃ百合です。
アゼミ「思うにだな。」
アーチェラはアゼミの隣に座っている。
「アーチェラ、お前はまだ「女」を使っていない。」
と言ってアゼミは股間をそっと指さす。
「ええ!だって子供出来たらまずいじゃん!」
「そこでだ。房中八策の一つを伝授しようと思う。」
「房中八策?」
「そう。房中術の八つの技の一つ「無精転生」だ。これを使うと「ホンバン」をやっても妊娠することがない。」
「すご!・・・でもそれ怖くない?」
「いいたいことはわかるが、心配ご無用。これを私に伝授したデラノ師匠は10人子供を作っている。」
「男の人は大丈夫なの?」
「それも心配いらん。デラノ師匠の夫こそ、若いころにデラノ師匠から「無精転生」をかけられた御仁だ。」
「その関係めっちゃ気になるし。」
「・・・そこは割愛する。して、伝授の方法だが、口伝ならぬ体伝だ。」
「体伝?」
「肌を通じるというか。」
「握手とか?」
「もっと密接だ。」
「つまり?」
アゼミはアーチェラの目を見すえ、目を閉じ深呼吸し、一気に口を開いた。
「人体には幾重、無数の神経の束がその津々浦々に通じ、そこを微弱な電流が流れることで頭で考えたことをその神経を通じて体を動かす。これは人体の仕組の基本中の基本だが、この仕組みの問題点はその電流を外にだせぬため、自ら以外にその影響力を行使できぬ点にある。しかしわがアシハラでは人体に施す術があり、それを使えば、電流を肌を触れた者に流すことができ。」
ここでアゼミは息を吐きだしてまた吸った。
「動かすことができる。くわえて特殊の念を込めれば、肌を通じ、電流により経験や知識をも伝えることが可能なのだ。もちろん、それで伝えられるものはごくわずかであるが、それに体技をくわえることで、本来口伝不可能な技術を継承することをわがアシハラでは代々続けてきた。デラノ師匠が私に施したのもまさにそれで」
ここでアーチェラがアゼミに唐突なキスをした。
しばしアゼミは口をもごもごするが、観念する。
アーチェラが唇を離す。
「つまりこーゆーことね。」
「お前は先走りすぎだ。」アーチェラが服をぬぎ、アゼミの服も脱がす。
「お前、最近、悪徳貴族成敗が続いて性の解放が進んでおらぬか。」
「進んでおらぬ。」アーチェラがアゼミを押し倒してキスをする。
アゼミがアーチェラの両肩を押し戻し、キスから逃れる。
「まてまて、要はこういうことではあるが、もう少し説明を聞」
再びアーチェラがキスをする。
唇をわずかに離す。
「肌を重ねながら教えて。」
魅力的な甘いウィスパーボイスだ。
「お前も、ずいぶんと上手くなったものだ。」
「気持ちいいと、うまく伝わる?」
「別に気持ちよくなる必要は・・・ない。」
アゼミが目をそらす。
「でもどうせなら気持ちよくなった方がいいよね。」
「アッ!どこを触っておる!・・・うっ!・・・う」
「変な声出してないで、はやく教えて。」
「動くな、ああ!触るなといっておろ・・・あん!」
二人はふざけあいながらくんずほぐれつ触りあい、ふれあい、しだいに・・・
窓から差し込む月の光がだいぶ角度を変えたころ・・・
二人は足を組んで背中合わせに座っていた。
アーチェラ「ありがと・・・わかった。あとごめん。」
アゼミ「伝わったならそれで結構だ・・・あと・・・その。」
「・・・なに。」
「よかったぞ・・・」
アゼミは頬の紅潮が続いている。両のまなこはうるんでいる。
アーチェラ「ほかに体伝はないの。」
アゼミの顔が真っ赤になる。
「ある・・・が。」
ぎい。
扉が開く。
カギョーロルが入ってきた。
「うおっと!まだいたのか。なんだ夜食でも食べていくか。」
カギョーロルが全裸に上着を羽織っただけの二人を見て驚く。
「君たち!何をしていたか知らないが、若い娘がそんな格好で無防備にいるものじゃない。」
カギョーロルの口調がやけに怖い。
「あの、カギョーロルさん。」
「言い訳は聞かない!ベアリー君、君のご両親は今の君を見てなんと思うだろうか!アゼミ君、君はどうだ。いままで育ててくれた大切な人たちに顔向けできるのか!」
アゼミ「いや、カギョーロル殿、私はアシハラでは」
「アシハラもナニハラもない!!」
ピシャーーーン!!
カギョーロルの雷が落ちる。
30分後
アーチェラもアゼミもしくしく泣いていた。
カギョーロル「ごめんなさいは。」
アーチェラ・アゼミ「・・・ごめんなさい。」
二人とも、大人の男性に親目線でこんなに叱られたことがない。
人生で初の経験に面食らうとともに、親身な説教に、内心後ろめたいことをしてきた自分と向き合うことになり、涙腺が崩壊したのだ。
カギョーロルは最後に優しい口調で二人に言った。
「強く言い過ぎた。しかし、僕は間違ったことを言ってはいないつもりだ。
君たちはもっと自分自身と親御さん、そのほか、自分のことを心配してくれる優しい人たちを大事にするべきだ。」
アーチェラ・アゼミ「・・・はい。」
カギョーロル「今日はもう帰りなさい。そして、気が向いたらまた来るといい。今度はもっと良い子で頼むよ。」
アーチェラ・アゼミ「はい!」
帰路、二人は肩を寄せ合って歩いた。
「カギョーロルのおっちゃん・・・」
「なんだ、カギョーロル殿がどうした。」
「本当のパパみたいだった。」
「・・・」
アゼミが肩を強く押してくる。
「アゼミも泣いてたね。」
しばし間を置いてアゼミがぽつんと言った。
「私も、そう思った。
・・・父はおらぬからな。いたら、ああやって叱ってくれたのかもしれん。」
アーチェラが道の小石を蹴ってちょっと微笑んだ。
「そういやアゼミってどこに住んでるの。」
「特に住処はない。あえて言えばこの街全体だ。」
「ええええ!カギョーロルさんにまた叱られるよ。うちに来なよ!」
「余計なお世話だ。」
「もっと自分を大事にしなきゃ!」
アーチェラは両手でアゼミの両肩をつよく握り、真正面から見据えた。
アゼミは腕組みし、しばしうつむいて考える。
横を向き、見据えてくるアーチェラの視線から逃れた。
しばらくして横目でアーチェラを見る。
「お母さまに迷惑ではないか。」
「知らないの!?子供は親には迷惑をかけるもんなんだよ!」
あられもない格好で日々悪徳貴族を射精成敗している、もうすぐ18歳は豪語した。
「ところでデラノって人、師匠?とも気持ちよくなったりした?」
「デラノ師匠は私に体技を授ける間、止まることなく解説してくれた。わかりやすく、ありがたかったが、気持ちよくはならなかった。」