激しい嵐が吹き荒れる夜、険しい山岳地帯にポツンと佇む古びた山小屋。
その中には、命からがら避難してきた二人の女がいた。若き貴族の娘アルザリと、その従者であるエリケだ。
アルザリは今年で22歳、ひと月後には華やかな結婚を控えている身であったが、高慢ちきな彼女は、28歳になる従者のエリケを同じ人間だとは露ほども思っていなかった。奴隷身分ではないものの、解放奴隷の娘という出自を持つエリケを、アルザリは日頃から奴隷同然に扱い、顎で使っていた。
二人は隣町へ向かう道中、運悪く獰猛な熊の襲撃に遭った。護衛の男たちは我先にと散り散りに逃げ惑い、アルザリとエリケだけが夜の山を彷徨った末、嵐の中で偶然この山小屋を見つけ、ほうほうの体で中に入ったのだった。
極限の恐怖と疲労でアルザリは、理不尽な怒りをすべてエリケにぶつけた。エリケの頬を平手で延々と折檻し続けた。パチン、パチンと乾いた音が狭い小屋に響き渡る。
「あなたが不甲斐ないから! 私がこのような目に遭うのよ! あなたがなすべきはなに!?」
鼻血を出しながらエリケは抵抗するどころか、ただひたすらに床に膝をつき、謝り続けた。
「申し訳ありません、アルザリ様……申し訳ありません……」
「いい? もしあの熊がここまで追ってきたら、あなたは真っ先にその汚い体を差し出すのよ。私が逃げるための肉壁になりなさい!」
エリケはただうずくまるばかりだった。アルザリは自分より年上の女を容赦なく叩き、従わせる背徳的な行為に暗い悦びを感じていた。弱者を支配する全能感が、彼女の恐怖を一時的に忘れさせていたのだ。
しかし、その折檻の時間は切り裂かれ中断した。
山小屋の古びた扉が凄まじい音を立てて破壊され、そこに現れたのは、先ほどの巨大な熊だった。
咆哮を上げ、狂暴な眼光で獲物を睨みつける。
「ひっ……ああああああっ!」
アルザリが腰を抜かして絶叫したその瞬間、エリケは咄嗟にアルザリの前に飛び出し、彼女をかばった。
そして熊に向けて自分を指さし叫んだ。
「食べるなら私を!! 私を食べて!!」
背後に隠れたアルザリは激しく狼狽し、ガタガタと震えながらエリケの背中にしがみついた。そして、エリケを催促した。
「さあ、早く! 早くその化け物に食べられなさい! ぐずぐずしないで!」
「熊よ、その餌を食べなさい! 餌よ! それを食べれば満足するでしょう!?」
エリケは、ガクガクと震える身体を必死に制御しながら、一歩、また一歩と熊ににじり寄った。
死の恐怖で心臓が破裂しそうだったが、貧しい自分の一家を雇ってくれたアルザリの一族への大恩を返すため、その身を犠牲にする覚悟は本物だった。
熊の生臭い息が、エリケの肌を直に打つ。
熊が巨体を立ち上げ、エリケに向けて鋭い爪の一撃を振り下ろしたーー。
3分後
「ん、ぐ……はーっ、ん、んぅ……」
床に膝をつき、涙目で浮浪者の陰茎を必死に吸い上げているのは、他ならぬ高貴な貴族の娘、アルザリだった。しかし、男を知らぬ彼女の要領の悪い口淫では、一向に浮浪者が射精に至る気配はない。
熊は無残に八つ裂きにされ小屋の外に転がり雨にうたれている。あの巨獣を瞬時に屠ったのは、言葉を一言も発しない、浮浪者だった。
エリケは小屋の片隅で、壁に背を預けてガタガタと震えていた。勇敢にも熊に立ち向かった彼女だったが、この浮浪者から感じる圧倒的原始的な力の前では生物的恐怖が先立ち、指一本動かすこともできない。
ただ本能的にすくみ上がっていた。
ようやく、浮浪者の身体がかすかに震え、アルザリの口内へと射精がなされた。熱い液体が口にあふれた。
アルザリは溢れた精液を必死に飲み干すと、これで命だけは助かったという、卑屈な媚びた目で浮浪者を見上げた。しかし、フードの奥の浮浪者の表情は、遅すぎる奉仕にひどく不満げであった。
アルザリは内から湧き出る恐怖に怯えながらも、貴族としてのプライドがこの期に及んで高圧的な物言いをさせてしまう。
「男!つ、次は……何をすればよいのか……?」
その瞬間、浮浪者の眼光がアルザリを射抜いた。圧倒的な死の気配に、アルザリは心臓が止まった。真に止まったかもしれない。瞬時に這いつくばって敬語で言い直した。
「いえ……っ、次は、何を、何をいたしましょうか……っ!」
それでも、浮浪者の機嫌は直らない。そのあまりの恐ろしさとプレッシャーに、アルザリは膝を震わせ失禁してしまった。温かい液体が床を汚すなか、彼女は必死に言葉を探した。
そして王族に対する貴族言葉で命乞いをした。
そのとき。小屋の隅ですくんでいたエリケが、恐怖を克服し、二人の間に割って入った。
「お待ちください! 犯すなら、私を犯してください!!」
エリケは恐怖に歯をガタガタと鳴らしながらも、浮浪者の前に自らの衣服をはぎ取り、肉体を差し出した。
形の良い胸がぷるんとふるえた。
自分がこの怪物の獣欲をすべて吸い尽くせば、主であるアルザリは助かるはずだという、自己犠牲の精神だった。
胸を自ら揉みしだき、股間に手を当てまさぐり、浮浪者を誘った。必死の媚態である。
浮浪者にだきつき、陰茎をしごき、口を吸う。浮浪者の手を自らの胸にいざなう。
「イかせて・・・」
恐怖の中の三文芝居
しかし、床に這いつくばるアルザリは、エリケに向かって怒鳴り散らす。
「遅い! なにを暢気にしているのか! さっさとこのお方を満足させなさい、この役立たず!」
アルザリの罵倒を聞き浮浪者が動いた。エリケはじゅっと股間が濡れた。
しかし浮浪者はエリケではなく、アルザリの髪をつかみ、頬に往復の平手打ちを食らわせて押し倒した。
エリケは浮浪者が怒ったのだと解釈した。浮浪者は無表情だったが。
そこからの山小屋は、悲惨な性の地獄と化した。
浮浪者の天井のない獣欲がすべて、アルザリの細い肉体に注がれた。
「いやぁぁぁっ! もう、もうイキたくない、許してぇぇっ!」
浮浪者はアルザリの身体に【連続絶頂を迎える魔法】をかけた。肉体が限界を超えているにもかかわらず、鉄の巨根で奥深くを抉られる。どこも経由しない、減衰しない。強烈な電撃のごとき快楽が脳髄にじかに届く。脳に火花が散るたび両足が意思に反しピンと伸びる。体のあちこちが痙攣をする。
ぴゅっぴゅっと小刻みに潮を噴く。
アルザリは白目を剥いて何度も何度も絶頂を繰り返させられた。
脳裏にはいくつもの花が咲いては散った。
高貴な女はただの肉玩具として山小屋の中で体を跳ねさせていた。
その凄まじい光景を前に、エリケももうなにもできなかった。
凄惨な殺人を目の当たりにしてもこのような恐怖はなかろうとエリケは思った。
浮浪者はピタッと凌辱をやめ、ぬたん、と萎えた黒い陰茎をアルザリの女の中から抜いた。陰茎が女と糸を引いた。飽きたのだろうか。
懐からあの数珠状のビーズを取り出しエリケへと手渡した。
床でピクピクと痙攣し、あらゆる体液まみれになって横たわるアルザリは、これから自分の肛門に何がなされるのかを察したが、もう声を出す気力は残っていない。
しかし、エリケは違った。彼女は主の尊厳を守るため抗った。
彼女はビーズを受け取ると、アルザリではなく、自らの無防備な肛門へとその数珠を押し込んでいったのだ。みじめな格好だ。股を広げ、自ら肛門を広げ、数珠をあてがう。
「私が……私が代わりに受けます……っ!」
球が肛門を通過するたびにエリケは重い溜息をはいた。
全てが埋まりきってエリケは脂汗を流しながらひもを浮浪者に握らせた。
震えながらもエリケは屈していなかった。
-さあ、引きなさい-
目はそう言っていた。
浮浪者は不愉快そうに鼻を鳴らし、その紐を一気に引き抜いた。
エリケは声を出さなかった。
強烈な摩擦と衝撃に、エリケはのたうち回り、悶絶したのち失禁した。
それでも浮浪者の怒りは収まらない。浮浪者は力任せにアルザリの臀部を掴み、自らの手で数珠を肛門へねじ込もうとした。
(アルザリ様の身体が壊れてしまう……!)
エリケは、激痛に震える身体を必死に動かし、再び浮浪者の足にすがりつくように組み付いた。
「その数珠は、私が、私が入れますから……っ!」
アルザリは恐怖の中、エリケを罵倒したかった。下女の分際で私の肛門に球を入れる気?
しかしそれは浮浪者の怒りを買うため、くやし涙を流して自らの肛門をエリケに差し出すしかなかった。
エリケは、涙で視界を滲ませながら、アルザリのデリケートな菊へと、細心の注意を払って優しく、優しく数珠を滑り込ませていった。
アルザリは不快感で卒倒したくなった。直腸を圧する球。どんどん増えていく。
球を入れ切るとエリケは浮浪者の視線を受けながら、アルザリの身体を労るように、ゆっくりと、優しく、優しくそれを引き抜いた。
「ん……ぁ……っ」
激痛を覚悟していたアルザリの口から、微かな喘ぎが漏れる。
エリケのおかげで、それは苦痛ではなく、どこか官能的な刺激として彼女の肉体に受け入れられた。
球がすべてでた。二人は脱力する。
しかしなおも浮浪者は不満げに、二人の女を冷たく見下ろしている。
エリケは、この怪物を納得させ、主の命を確実に救うための、最後の手段を思いついた。
肩で息をするアルザリの耳元に、そっと顔を寄せ、優しく耳打ちした。
「アルザリ様……女同士のまぐわいを見せれば、きっと助かります。やむを得ません……どうか、お許しください」
「え……?」
アルザリが目を見開いた瞬間、すでにエリケはアルザリの身体に重なっていた。
そこから、静まり返った山小屋で、二人の女による美しい交わりが始まった。
浮浪者は後頭部で手を組み、満足げに女性同士のなまめかしい絡み合いを特等席から眺めた。
エリケの行為には、先ほどまでの男の暴力的な蹂躙とは全く異なる、深い慈愛が満ちていた。
彼女は、浮浪者によって傷つけられたアルザリの秘所を、自らの指と舌による愛撫で慰め、癒していった。それまでの痛みが、心地よい温かさと快感へと上書きされていく。愛に包まれアルザリは達する。
互いの秘所がいやらしい汁ですべりあい絡み合い、顔を上に下に、股を上に下に、舐めあい、獣のように求めあった。
「あ……エリケ……ぁ、ん……」
アルザリは涙を流していた。さらに幾度か達する。アルザリは気が付いたらエリケの秘所を舐め慰めていた。必死に必死にエリケのいやらしいはずの秘所に舌をすべりこませ、両手で割り、そのすべてを舌であじわった。
なぜかはわからない。今はエリケを舌で歓ばせたかった。
エリケは顔を紅潮させ、アルザリの頭を両手で優しく抱きしめた。
エリケは達した瞬間、かいなをギュッとしめた。
こんこんと蜜のわきいでる肉の壺からは湿った愛がわいてくる。
浮浪者の凌辱の恐怖の中で流した、絶望の涙とは全く違う涙が頬を伝う。
いままで汚らわしい虫けらに等しかった従者の腕の中で、安心感と愛に包まれているという事実
歪んでいた彼女の心が、エリケの深い献身によって、ゆっくりと解きほぐされていく涙だった。
やがて、長い、長い嵐の夜が明けた。
嵐は去り、山小屋の窓から静かな朝の光が差し込んできた。
アルザリは、エリケの豊かな胸にしっかりと抱かれ、母親の温もりのなかで眠る赤子のようであった。朝日がエリケの白い頬を照らした。
浮浪者の姿はどこにもなかった。
浮浪者、次はどこに現れるやら。