現状でオールスを保つためには先制攻撃しかないという結論に達する。
しかし警戒をつよめるマチハバにありきたりな攻撃をしても反撃され、逆侵攻を招く。
オールスは必勝の奇襲作戦を実行に移した。
マチハバの最果てに位置する辺境の町、ポーサダーバ。
激動の渦は、突如としてこの静かな町を呑み込んだ。隣国の魔導小隊が国境を越え、電撃的に侵攻してきたのだ。この町は戦略的価値が低かったため、わずかな警備兵が配置されているのみであり、彼らは魔導小隊の圧倒的な火力を前にまたたく間に制圧され、全員が捕虜となった。異変を王都や近隣の駐屯部隊に知らせる間すら与えぬ完璧な奇襲により、この占領劇は未だ誰にも知られていなかった。
魔導小隊
ー小隊とは名ばかりの、事実上の決戦部隊-
それを率いるのは、息をのむほどの美貌と豊満な肢体を誇る若き魔導貴族、ケーネットであった。
彼女は自立型兵器ゴーレムを自在に操り、自らも禁忌の魔力で身体機能を限界まで高めており、わずか数人で数千の一般軍隊を蹂躙できるほどの精鋭中の精鋭だった。
深い群青色の髪の毛は三つ編みで端正にまとめ上げられ、切れ長の目、凛とした眉。
整った鼻筋、強い意志を示す唇。軍帽を目深にかぶり眼光鋭く部隊を指揮する姿は例えるならば
「気高い戦う花」
それがケーネットである。
ケーネットは町の中心にある広場に住民たちを強制的に集め、見せしめとしての捕虜の公開処刑を執り行おうとしていた。
小隊では街の占領はできない。あくまで任務はマチハバ要衝までの血路を開くことである。
そのためには明日の夕方までにあと3個の街を抜かねばならないが、後続を待たねば突出して包囲されてしまう。ゆえにあと半刻は前進できなかった。
その間を利用し、住民に恐怖をうえつけ、後続部隊の活動を容易ならしめる。それには処刑がうってつけだった。
「これからこの町は、我がオールス領となる。貴様らの祖国は今日からマチハバではなく、オールスだ。勝者に忠誠を誓え」
ケーネットの声が広場に響き渡る。彼女は魔法によって、その声を住民一人一人の脳裏に直接届くよう調節していた。圧倒的な武力を前に、無力な市民たちに選択肢などあろうはずもなかった。
占領者でありながら、住民はケーネットの美貌に息をのむ。
やがて、処刑台の前に一人の捕虜が引き立てられてきた。それは、マチハバ軍の幼年学校を卒業したばかりの幼い少年兵だった。泥にまみれながらも、その瞳には未だ衰えぬ裂帛の戦意が燃え盛っていた。
ケーネットは冷ややかな視線で見下ろし、一応の慈悲として、降伏して軍門に下る気はないかと問いかけた。しかし、少年兵は毅然と言い放った。
「侵略者には報いあるのみ。」
不遜な態度に、ケーネットは美しい顔を不快そうに歪めた。
敗残に慈悲をかけたのが愚かだったか。少年兵の顔面に容赦なく唾を吐きかけた。
「吊るせ」親指をたて、合図した。
冷酷な命令が下り、少年兵の首に太い縄がかけられる。
彼の左右には巨大なゴーレム。そして背後には、強化された肉体から不気味な魔力の瘴気を放つケーネットと部下たちが控えている。絶望的な状況の中、町の人々は息を潜めることしかできない。
誰も少年兵を助けることはできなかった。
「マチハバ万歳! 僕は喜んで死のう!」
少年兵が最期の叫びを上げる。
-こしゃくな-
ケーネットが処刑の合図を送ろうと、その白い手を掲げた。まさにその瞬間
騒然とする刑場に、一人の浮浪者がふらりと姿を現した。
男は警備の目を完全にすり抜け、ぶしつけにもケーネットの真ん前へと歩み寄ってきた。
「何者だ……去れ」
刹那、ケーネットの脳裏に激しい不審が走る。
-なぜこの男は、己の魔力探知に一切引っかからず、ここまで接近できたのか-
本能が危機を告げる。彼女は身体強化の魔力を最大まで引き上げ、即座にゴーレムへ抹殺指令を送った。連動して、部下たちも一斉に攻撃魔法の構えをとる。広場が爆発的な魔力の圧に包まれた。
3分後
無様に股を広げるケーネットがそこにはいた。
「ひ、あぅ……あ、はぁ……っ!」
広場の中央で、ケーネットは軍服を脱ぎ、両足の付け根にあるみだらな貝を指で左右に大きく広げていた。
恥も外聞もなかった。
そして、無防備な秘所に浮浪者の生温かい舌を受け入れていた。
周囲を見渡せば、数千の軍勢に匹敵するはずのゴーレムたちは完全に粉砕され、ただの瓦礫の山と化している。精鋭であったはずの部下たちも、一人残らず広場の噴水へとまとめて叩き込まれ瀕死であった。
ケーネットは過酷な訓練を耐え抜いた軍人であり、並大抵の拷問や脅しでは決して揺るがない鉄の精神力を持っていた。しかし、この浮浪者の前には、そのすべてが無力だった。
今の彼女を脳内を支配しているのは、ただただ底知れない、浮浪者への圧倒的な恐怖だけだった。
魔導貴族としての誇り、指揮官としての社会的立場、国家への忠誠ーーそんな高潔な矜持は、今や木っ端微塵に砕け散り、ひとかけらも残っていなかった。
彼女の頭を占めているのは、ただ生き延びたいという生物としての原始的な欲求だけ。
浮浪者から放たれた【人間の精神力を徹底的に削ぎ落とす】魔法攻撃によって、彼女の心は完全に屈服させられていたのだ。
戦闘開始直後、1秒もかからず部下たちが浮浪者に跳ね飛ばされるのを見たケーネットはとっさに魔法防御をはる。ゴーレムが浮浪者に襲い掛かる。ゴーレムに対する支援魔法を準備する。しかしなにがどうなったのか、ゴーレム達はたちまち崩れ落ち瓦礫の山となる。
この間約4秒。
ケーネットもさすがに頭の理解が追い付かないが、歴戦の彼女は直感で精神防御魔法を自らに施す。
精神感応の干渉を完全に断った。
はずだったが、7秒後、彼女は膝を屈しわなわな震え
「死にたくない・・・死にたくない。」と両手で頭をかかえ、顔を覆い、ハラハラと泣き出す。
顔を見上げると、そこには無表情な浮浪者が立っていた。
「たすけて・・・たすけて・・・」彼女は浮浪者に哀願し、体を差し出す。
魔法による屈服ではあるが、いともやすやす精神魔法をかけられる時点でケーネットは敗北していた。
見事な完敗である。ここまで10秒・・・
(この男の興を買わなければ、私は一瞬で殺される……!)
それだけが、今のケーネットの行動原理だった。
ぶざまに股を大きく広げ、両足を天に向けるケーネット。
「んほぉぉぉっ! あ、あああぁぁっ!」
わざとらしく聞こえるあざとい嬌声が広場に響くが、演技ではない。
両足の指をピンとはったり、丸めたり。快感がじかに指に届く。
浮浪者の超人的な舌技によって、彼女の肉体は強制的に快楽の世界へと引きずり込まれ、またたく間に三度の絶頂を迎えた。続いて、男の淫靡で容赦のない手技が彼女のデリケートな割れ肉の谷を刺激する。
さらに三度、達させられる。
いやおうのない絶頂は彼女の心に絶望と服従を刻み込む。
幾度も身体を弓なりに反らせて潮を吹き、涎を垂らしながらも、ケーネットは浮浪者のフードの奥の視線が、未だ不満げであることに気づき、恐怖に身体を震わせた。彼女は涙ながらに平伏し懇願した。
これだけさいなめつづけられているが、まだ男のいちもつは女を刺していない。
「お、お願いです……その、あなたの陰茎を、私に……私にください……っ!」
浮浪者は無視し、手でケーネット自身をいじり続ける。
「あなたの、この、黒くてたくましい陰茎を是非に!私めに!」
浮浪者がようやくケーネットに応じた。乱暴にケーネットの髪の毛をつかみ上げると唇を奪う。こんな暴力的なキスは当然だが初めてだ。
去年の冬に恋人と雪の中かわした甘いキスを思い出し、ケーネットの目に涙があふれだした。
そこから、広場はさらに淫らで凄惨な時間へと突入した。
浮浪者の鉄の巨根による懲罰的なセックス。
強烈な質量がケーネットのやわらかで甘い最奥を激しく抉るたび、世界は白く染まっていく。
バチバチと脳髄に火花が散る。両手の指がこわばり浮浪者の野蛮な背中をかきむしる。ケーネットの爪は浮浪者の背中に食い込むが、浮浪者の筋肉は傷つくどころか、ケーネットの爪が欠けた。
「アゥ!」エビぞりになったかと思えば「アブ!」前かがみになり達する。
秘奥の穴を出入りする黒い肉棒が暴力的な悦びをケーネットの女性の核に叩き込む。
(もう嫌だ……イキたくない、これは拷問だ……誰か、誰か助けて……!サネット助けて!)
思わず別れた恋人の名前が脳裏に浮かび、それがまたみじめさを倍加させる。
心の中でどれほど悲鳴を上げようとも、それを目の前の怪物に悟られれば命の保証はない。ケーネットは生き残るため、必死になって不慣れな矯声を大声で張り上げ、徹底的に男に媚を売り、腰を振り続けた。
やがて浮浪者は動きを止めると、飽きたのだろうか、ケーネットの女から鉄棒を引き抜き、ケーネットをその場に放り捨てた。
壊れた人形のように地面に仰向けに倒れ、天を仰ぐケーネット
(助かったのか・・・)
命が助かったと、ケーネットの目に涙があふれてくる。
「助かった。死ななかった。助かった。死ななかった。」
しかし浮浪者は懐からあの光沢を放つ数珠状のビーズを取り出し、近くにいた少年兵へと手渡した。
そして、ケーネットの臀部を示し、それを挿入するよう無言で促す。
ここでケーネットは先週に司令部で聞いた戯言を思い出した。
「マチハバには女の肛門に数珠を入れて楽しむ、腕っぷしのそれはそれは強い浮浪者がいるんだそうだ。なんでも一人で万の軍勢を屠るとかなんとか。」
まさか、まさか、まさか、まさか!!
そんな人間が存在するわけがないと思っていた。
いた、ここに!
人間じゃない、悪魔のような男。浮浪者!
「いや……それだけは、それだけは嫌ぁぁぁっ!」
ケーネットは激しい恐怖に怯え、浮浪者に泣きながら懇願した。だが、男は一言も発さず、彼女の美しい頬を平手で激しく叩きつけた。バチンと鋭い音が響き、ケーネットは痛みに声を詰まらせて黙らざるを得なかった。
彼女は無駄だと知りながらも、ガタガタと震える手で自らの肛門を必死におさえて隠し、地面で丸まった。
しかし、手渡された少年兵はその行為を明確に拒絶したのだ。
「僕は無力な敵兵にそのようなことはできない。あなたも即刻、あの女性に詫び、去るべきだ。」
ケーネットは信じられない思いで目を見開いた。この幼い少年兵は、目の前の圧倒的な怪物が怖くないのか、と。
いや、少年兵の足はガタガタと激しく震えていた。顔は恐怖で土気色に青ざめている。しかし、彼はマチハバの軍人としての矜持にかけ、浮浪者の命令を、その魂で拒否したのだ。
その気高い姿を見た瞬間、ケーネットの心の中で何かが決定的に音を立てて崩れ去った。
(私は……私は軍人でありながら、魔導貴族でありながら、命惜しさに這いつくばって腰を振っているのに、この少年は……!)
少年兵の瞳には炎が宿っていた。ケーネットは自身の卑屈さ卑怯さを比べててしまった。
その精神的屈辱に心は完全に押しつぶされ目から大粒の涙とともに激しい嗚咽が漏れ出した。
この屈服は魔法によるものではない。魔法によるものではない。魔法によるものではない。
そう感じるやケーネットは両手で顔を覆ってうずくまって泣きに泣いた。
浮浪者は、拒絶した少年兵を見て、ただ「ふん」と鼻を鳴らしただけだった。
男は興味を失ったように、代わりに遠巻きに見ていた群衆の中から一人の住民を選び出し、顎で指示を出した。
指名された男は逆らうこともできず、うずくまるケーネットを転がし、尻を向けさせた。尻の頬を広げ、さらに露出した菊を広げ、恥ずかしく汚い窄みに、大粒の数珠を容赦なく一粒ずつ押し込んでいった。
ケーネットはもはや抵抗しない。
「あ、が……あ、あああぁっ……!」
異物が体内を蹂躙していく感覚に身悶えする。
そして、ビーズが最奥まで埋まりきったところで、浮浪者は冷淡な目線で引き抜くよう命じた。
男がその紐を掴み、一気に力任せに引き抜く。
「ーーーーーーッッッ!!!!」
広場に、ケーネットの喉を引き裂くような絶頂の絶叫が響き渡った。
連なった硬い球体は括約筋を通過する際に暴力で刺激した。あまりの激痛と、脳髄を焼き切るほどの悍ましい快感の衝撃に、ケーネットの身体は激しく跳ね上がり、大量の潮を噴き出すと同時に、完全に括約筋の制御を失い、その場に激しく脱糞してしまった。
もう彼女は動かない。
尊厳を奪われた彼女の精神はもう元には戻らない。
どんよりとした空から、ぽつぽつと冷たい雨が降り始めた。
ほどなく辺境の町の異変に感づいたマチハバ軍の飛行兵が偵察へと舞い降りてきた。
彼らが広場で目にしたのは、雨に打たれながら放心状態で地面に寝そべる半裸の女の姿だった。ボロボロに引き裂かれた軍服の上着だけを辛うじて身にまとい、体液と汚物にまみれたその姿には最強の魔導貴族、ケーネットの面影などどこにもなかった。
そして、その彼女の傍らに少年兵が静かに寄り添い、雨に濡れる彼女の身体を優しく介抱していた。少年はケーネットの髪の毛をなで、体をなで「大丈夫です、大丈夫です。」と声をかけていた。
「ごめんね。・・・ごめんね。」
少女に戻ったケーネットは少年に謝った。かすかに微笑んでいた。
浮浪者の姿はもうない。
捕虜となったケーネットは、10代の少女のようになってしまい、取り調べをしてもまともな回答はなかった。
今はマチハバの療養院で過ごしている。ときどき少年兵が見舞いに来るのがとてもうれしいようだ。
オールスはケーネットを捨てた。捕虜交換名簿に彼女の名前はない。