※この作品はR-18です。

『The Judas Hound -贖罪の牙-』   作:LCL Stuio R

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【SCENE 012:リングイン】

ゲートを潜ると、金網に囲まれた花道があり、その先にリングがあった。それは地続きに金網で囲われており、客席との往来が不可能になっていた。

一見、少女達の脱走を防ぐ為のようだが、ある意味これは彼女達を守っているものでもあった。金網に群がる、無数の男達の野獣の様な視線と熱狂。文字にするのも憚られるような卑猥なチャントの嵐。

 

―その時、カクテルライトが「鉄の檻」まばゆくを照らす。

 

「紳士淑女の皆様、こちらに並び立ちます6人は、本日デビュー戦となります『Puppys(パピーズ)』でございます。それぞれの宿命を背負いここに集う6人が、どのような結末を迎えるのか。大晦日の最終決戦までお客様の目で是非、お確かめ下さい!!」

 

客席を煽るのはクーガー。少女達は姿を見ただけで緊張が走る。

 

「本日の「THE PIT」は土曜興行『IGNITE(イグナイト)』!Puppys対Dogs(ドッグズ)3本勝負となっております!青コーナーPuppys、一番手は必殺のインファイター、かすみ! 」

 

唐突にコールがかかったが、興業主である「主催」とやらは少女達の事を「Puppys(子犬)」と呼んだ。「THE PIT」と呼ばれる巨大な檻に捕らわれた6匹の子犬。本当に良い趣味をしている、と{るり}は戦慄した。

 

しかし、コールを受けた当の{かすみ}本人は拳を2、3度手に撃ち付け、様子も冷静だった。入場直後からそうだったが、格闘技を長く続けてきた彼女はこの「大舞台」に多少の「憧れ」があり、少し楽しんでいるようだった。6人の中では一番、この状況をイメージできていたのかもしれない。

 

「対するは赤コーナーDogs、『BULLDOG(ブルドッグ)』選手の入場です!」

 

暗転したかと思うと、リングの対角線、赤コーナーのその向こう、スポットライトを浴びながら入場してきたのは、動物モチーフの黒い覆面に黒いショートタイツ姿の「男性」だった。

 

「ちょっと待ってよ、男と試合するなんて聞いてないよ!!」

 

真っ先に{つばさ}が声を荒げ、リングに上りかけたが、近くに待機していたリングサポート隊CLAWSに掴まれ、引きずり降ろされた。

―冗談じゃない。一般サイズとはいえ少女達の誰より体も大きく、しかも正体不明の「男性」である。金網の外のボルテージが上がる。

 

さも当たり前の事のように中年の男性レフェリーが出てきて両者のボディチェックを行う。そして…

唐突にゴングが鳴り響く。

 

金網の中に5、6台、外にも何台かのドローンが旋回している。BULLDOGと呼ばれたその男は、顔こそ覆面に覆われ素性等は分からないが、{かすみ}を舐めるように見回すその「視線」ははっきりと伝わっていた。それと同時に、{かすみ}は頭の中で戦い方について考えていた。

 

(せっかくタイガー先生に習ったプロレスの技術は試したいけど、自分より大きい、まして得体の知れない男と組み合って戦うのは分が悪い。先生には申し訳ないがいつものスタイルで決めよう。…)

 

そう考えた次の瞬間、相手が突っ込んできた。捨て身のタックルでテイクダウンを取りにきたのだ。咄嗟に膝で合わせたが、判断が一瞬遅れ、膝は肩口にヒットしたものの致命傷を与えられず、そのまま半身で組み伏せられた。

 

足を刈り取られ尻餅をついたが、両手が開いているので必死に反撃した。そのまま腰にクリンチする男の後頭部を数回撃ち付けると、徐々に手を緩めていく。

 

それを察知して{かすみ}は素早く近くのサードロープを手繰り寄せ、

 

「ロープブレイク!!」

 

脱出に成功した…かに思われた。だが、

 

「かすみちゃん!!お…お尻…!!」

 

相手の男は、手に破れた布切れをそよがせていた。それは、先程まで{かすみ}の臀部を守っていたものだった。

 

「い…いやっ…!///」

 

右手でファイティングポーズを維持しているが、左手は秘部を隠すのに費やす形になり、{かすみ}は途端に戦闘どころではなくなってしまった。

 

「ちょっと!さすがに試合止めてよ!!」

 

{つばさ}が食って掛かったが、CLAWSが割って入る。勿論試合は続行される。こうなっては、稀代の格闘少女もただの小娘である。

再び男がタックルを仕掛ける。今度はなす術なく懐深くに飛び込まれてしまった。

 

今度はみぞおちの上にマウントで乗られ、身動きが取れない。男は{かすみ}の上半身コスチュームの下辺に親指を滑り込ませると、一気に首筋まで一直線に引き裂いた。{かすみ}の、控えめなバストが公衆の面前に晒される。

 

「うおぉぉおぉーっ!!」

 

客席のボルテージが弾ける。

 

「おっぱいはハズレだが、味見してやるぜ!」

 

そういうと、男は一気に{かすみ}の乳房に吸い付いた。

 

「やっ…やめろ…はぅっ…///」

 

青春時代を格闘技ばかりに費やしてきた少女は、未体験の感覚に思わず仰け反った。その拍子に一瞬男の唇が離れたが、男は手を緩めず追撃してくる。ただ、格闘少女{かすみ}にとってその「一瞬」は充分すぎる時間だった。

 

{かすみ}のコスチュームを首筋まで裂いた右腕を取ると、浮足立ったマウントから抜け出し、その脚で右腕と頸動脈を同時に巻き取った。教科書に載せたいほど鮮やかな「三角締め」だ。男が力任せに持ち上げようと抵抗したが、上げる前に落ちた。レフェリーが試合を止め、終了のゴングが鳴り響く。

 

「只今の試合、失神KOで{かすみ}選手の勝利です!」

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