『The Judas Hound -贖罪の牙-』 作:LCL Stuio R
この興行の趣旨を察知してから、何となく嫌な予感はしていたが、どうせ碌な事はしないであろう運営の「罰ゲーム」とやらを阻止しようと、少女達は試合終了後すぐに{るり}の救出に向かおうとしたが、リングサポートのCLAWS達が恐らく全員というような人数で押し寄せ、リング下へ引き摺り降ろされた。
「CLAWSの皆さん、子犬の皆様を足止めして下さい。この時間だけはガッツリ触ってもお咎め無しですよぉ!」
下衆な男どもが職務を盾に、ここぞとばかりに少女達の色んな場所を掴む。皆怯んでしまったが、{れいな}だけはお構いなしに食い下がる。
「るり!るりぃ~っ!!」
ぐったり動かない{るり}の両脇にPRIDEが2名、そしてその背後に忌むべきこの試合の勝者が勝ち名乗りを受けている。
「皆様、リング上のモニターにご注目!敗者への罰ゲーム内容は、デジタル・ルーレットで決定いたします。因みにこちらのルーレット、フランスはパリから直輸入の逸品でございます!!では早速ルーレット、スタートぉ!!」
会場が緩い笑いに包まれる中、デジタルルーレットに記された、おぞましい罰ゲーム内容の羅列が次第に失速し、そして停止した。
「おぉっとこれは、…『ジャンボ搾乳機』だぁっ!!」
歓声と共にレフェリーがリング下から出してきたのは、コンプレッサーの付いた機械だった。2本のノズルの先には子供の拳程の大きさの吸盤の様な透明のラバーカップが付いており、背後から回り込んで、PRIDEによって両腕を拘束された{るり}の左右の乳房の
「先端」に吸い付けられた。グロッキー状態の{るり}も、一瞬「ビクっ!!」と体を震わせた。
「勝者であるグレイハウンド選手には、機械の電源を入れた後、搾乳をサポートすると共に、マッサージ施術をしていただきます!!」
するとグレイハウンドは、両膝立ちで両腕拘束の{るり}の背後に陣取りつつ、機械のスイッチに手をかけた。
「それでは、罰ゲーム・執行!!」
男が電源を入れると、短い轟音の後にコンプレッサーが真空となり、ノズルがグッと持ち上がった。
「ハァっ、…痛い/////、っ胸がぁっ…///!」
割れんばかりの薄汚い歓声、飛び散る汗と涙。
リングの上で、無惨に組み伏せられ、尊厳をへし折られていく少女の絶望的な叫び――。
なぜ、私達はこんな場所に立っているのだろう。
ここ数日の訓練もあって、自信をつけて臨んだはず…だったのに…。
1週間程の記憶が、走馬灯のように少女達の脳内を駆け巡る。
先端への強烈な刺激は、ほぼ気絶していた少女を覚醒させるのには充分すぎる程だった。かと言って、抵抗する力が残っているわけでもない。
「オラァっ!乳出しやがれ、このウシ女ぁ!!」
ただ、6人の中で1番豊満な胸を持っている彼女だが、正真正銘の「処女」であり、生物学的に乳はほとんど出ない。
「グレイハウンド選手、後ろからマッサージをして、もっと搾乳できるようサポートお願いします!」
その言葉を受けて、男は俄然やる気を出して後ろから乱暴に揉みしだく。{るり}も少しは身じろぐが、ほとんど抵抗する余力もない。
「おい!めんどくせぇからもう、このままヤらせろ!!」
上半身が盛大に破損した{るり}のコスチュームに、グレイハウンドのゴツゴツした指が掛かる。
「部分的に許可します。他の部位を攻めても良いですが、手や指のみとします!!」
男はよっしゃ、と気合いを入れて胴体から下に残るコスチュームを一気に太股まで下ろし、もはや{るり}の大事な部分を隠しているのは、皮肉にも搾乳機だけと言う状態になった。そのまま、男の魔の手が{るり}の秘部に迫る。遠退く意識の中、嫌な感触が{るり}のワレメに滑り込む…
その瞬間、ゴングが打ち鳴らされる。搾乳機の電源も落ちて、胸から剥がれ落ちる。グレイハウンドはPRIDEに引き剝がされる。
「はい、罰ゲームタイム終了でーす!美しいファイトを見せてくれた{るり}選手に皆様今一度、温かい拍手と声援をお願い致しまーす!」
グレイハウンドも最初は抵抗していたが、そのまま神輿のように担がれて花道を帰る流れに気を良くしたのか、まんざらでもない顔でゲートから会場を去った。
身体を支えていたPRIDE達が手を放したので、力付きてそのまま地面に突っ伏せる形になる{るり}。少女達が駆け寄る。
「これにて、「THE PIT」、土曜興行「IGNITE」の第1回大会を終了します!次回の興行も是非、ご注目下さい!!」
{れいな}と{つばさ}は、楽しげにアナウンスするクーガーをぶん殴ってやりたかったが、仲間の半数が深手を負っているので諦めた。観客が金網に群がる花道を、力尽きた{るり}を庇いながら帰る途中、{れいな}はゲート前でみんなと交わした約束を思い出していた。
「絶対に、6人揃って帰ろうね」
腕の中で眠る{るり}を見て、{れいな}は自分の無力さを憎悪するのだった。