『The Judas Hound -贖罪の牙-』 作:LCL Stuio R
[記録日時:1月4日 14:30 / 対象:Puppys全個体]
無機質な建物に入ると、中はトレーニング機材や練習用のリング等がある「道場」のような場所であった。
男は振り返ると口を開いた。
「皆さん申し遅れました私、クーガーと申します。じきにお目に掛かると思いますが、この施設には我々が『主催』と呼ぶ人物がいまして、私はその主催の言伝をする、言わば連絡役です。普段は別の場所にいますが、よく顔を出すことになりますので、宜しくお願いします。併せて、皆さんの身の回りのお世話をするスタッフ達を紹介しますね。」
そういうと、先程の気になる3人の人物を私達の前に立たせた。先程までいた警備らしき人達は、建物の前で待機しているようだ。
「私は…えーっと、パンサーと言います。皆さんの健康や体調の管理、もしケガをした時は治療も行います。あんまり治療する事にはなってほしくないけど、カラダの不安があったら、素直に言ってね。」
続いて、「性別不明の人」が話し始めた。
「こんにちはー。初めまして♡あたしのコードネームはチーターよ。ちーちゃんって呼んでね。パッと見ちょーっと物騒っぽいトコだけど、すぐ慣れるよーにサポートするね。因みにあたしの担当はスタイリスト。みんなの好みも教えてねっ♡」
オネェだ…。性別の結論は出なかったが。最後に、一番雰囲気のある人物が口を開く。
「君達のレスリング指導を担当することになった、ここではタイガーと呼ばれてる。昔は少し名の知れたレスラーだったんだけど、女の子達じゃきっと知らない…」と言いかけた所で、小柄な少女が興奮気味に口を挟む。
「神崎さんですよね。知ってます!」
「…ハハっ、ありがと。後でゆっくり話そうね。とにかく、1週間後に試合が始まるらしいんで、すぐに出来なきゃいけない事から、順番にやっていくんで。やらないとケガするから。よろしく。」
そういうと、再びクーガーが少女達の前に立つ。
「それでは、今度は君達の自己紹介を始めましょうか。まずは君からどうぞ。」
そういうと、彼は目の前にいた少女を指名する。今回連れて来られた6人の中でも、ひと際「平凡」な印象を受ける。
「はいっ。…え、私ですか?私は{ひなた}…」
そこまで言いかけた所で、隣にいた、一番背の高い少女が彼女の口を物理的に塞いでこう言った。
「待って下さい。そちらは皆さん名前を伏せてるのに、私達だけ本名を明かすのは変じゃないですか?」
続いて、気品のある少女が発言する。正直、借金がある人の雰囲気とは、とてもじゃないけど思えない。
「私も賛同します。状況が掴めるまで、我々も名前を伏せさせて貰えませんか?」
「それはできないです。関係各所への…」
何か言いかけた所で、クーガーは左耳を押さえながら数秒黙った。その後、
「主催からのお達しで、明日の朝一番に間に合えば問題無いそうです。今日は一旦失礼致します。この後は3人のサポートスタッフの指示に従って下さい。」
そういうと、クーガーは警備らしき男達を連れて帰っていった。