『The Judas Hound -贖罪の牙-』 作:LCL Stuio R
[記録日時:1月5日 09:00 / 対象:Puppys全個体]
翌朝、目覚めた6人は、用意されていた着替えを前にして、複雑なため息をついていた。 昨晩、シャワーの前にチーターから
「とりあえずの支給品よ♪」
と渡された下着。それは、ただの味気ない無地のものではなく、驚くほどそれぞれの個性に合致したデザインだった。
{れいな}には、大人の色気を引き立てるパステルパープルのレース。{るり}には、気品漂うシルクのような光沢を持ったスカイブルー。{かすみ}には、太めのロゴ入りアンダーバストゴムが特徴的な、エメラルドグリーンのスポーティなブラレット。{つばさ}には、動きやすさを重視したレモンイエローのレーサーバック。{ひなた}には、清楚さを際立たせる飾りのない純白のコットン生地。そして{こはく}には、可愛らしいピンクと白の縞模様の上下セット。
「…悔しいけど、サイズまで完璧ね。いつ測ったんだか」
{かすみ}が少し頬を赤らめながら呟く。自分たちの身体の隅々まで、見えない相手に把握されているという不気味さ。しかし同時に、そのあまりにも的確な「プロデュース」に、抗えない説得力を感じていた。
午前9時。1階のメディカルルームに集められた6人を待っていたのは、白衣姿のパンサーと、首からメジャーを下げてウキウキしているチーターだった。
「はーい、それじゃあまずは細かく採寸していくわよぉ! 次にメディカルチェックね」
チーターが一歩前に出た瞬間、少女たちの間に緊張が走った。オネェ言葉で親しみやすいとはいえ、チーターの骨格や喉仏はどう見ても生物学的には「男性」だ。これから下着姿になって隅々まで測られるのだと思うと、全員の顔が強張る。
代表するように、最年長の{れいな}が気まずそうに、しかし毅然と口を開いた。
「あの……ごめんなさい。チーターさんがスタイリストなのは分かるんですけど、採寸は、パンサーさんにお願いできませんか?」
その言葉に、チーターの動きがピタリと止まる。 数秒の沈黙。しかし、チーターは気分を害するどころか、とても優しく、少しだけ悲しそうな微笑みを浮かべた。
「……そうよねぇ。ごめんね、配慮が足りなかったわ。アタシ、こういう時はついつい前のめりになっちゃって。パンちゃん、採寸お願いしていい? アタシ、お昼の準備の続きしてくるわ」
「ええ、任せて」
チーターがそっと部屋を出ていく背中を見て、{れいな}は少しだけ胸が痛んだ。彼(彼女)は心底、自分たちを可愛がろうとしてくれているのが伝わってきたからだ。
パンサーによる厳密な採寸とメディカルチェック(それは外の世界のアスリートと同等か、それ以上に精密なものだった)を終えた後、彼女たちは昨日渡された「トレーニングウェア」に着替えるよう指示された。 ロッカールームでそれを見た瞬間、再び全員が絶句した。
「……これ、本気で言ってるの?」
{つばさ}が顔を引きつらせる。それは、真っ白なシャツに、紺色の「ブルマ体操服」だったのだ。普段から軽装には慣れている陸上部の{つばさ}だったが、この際どさにはゾッとした。時代錯誤なほど脚の付け根が露出するそのウェアは、明らかに「機能性」よりも「見られること(あるいは羞恥心)」を目的として用意されたものだった。