※この作品はR-18です。

『The Judas Hound -贖罪の牙-』   作:LCL Stuio R

7 / 19
【SCENE 007:心理テスト】

[記録日時:1月5日 13:00 / 対象:Puppys全個体]

午後。お腹を満たしてリラックスした状態の6人の前に、お茶とクッキーを持ったチーターが合流した。午前中の気まずさを引きずっている{れいな}たちに対し、チーターは明るくウインクをする。

 

「午後は座学よ〜。これから一緒に生活していくんだから、お互いのこと、もっと知りたいでしょ? 心理テストをやりまーす!」

 

チーターがホワイトボードに5つの動物のイラストを描く。

 

【 ライオン・馬・牛・羊・猿 】

 

「いい? アナタたちは今、この5匹の動物と一緒に、果てしない砂漠を旅しています。でも、水も食料も尽きかけていて、このままでは全滅しちゃう。アナタは生き残るために、一匹ずつ動物を置いていかなければなりません」

 

チーターは6人の顔を見回した。

 

「さあ、どの動物から順番に捨てる? そして、最後まで手元に残す動物はどれ? 直感で選んでね」

 

少女たちは真剣に悩み始めた。

 

「うーん……私は足手まといになりそうな猿からかな。最後はやっぱり、強そうなライオンを残す」(かすみ)

「私は、乳が飲めそうな牛を最後まで残します。最初に捨てるのは……ライオン。食べられそうだから」(ひなた)

 

それぞれの回答が出揃ったところで、チーターがパンッと手を叩いた。

 

「はい、終了〜! これね、深層心理で『アナタが人生で何を大切にしているか』、そして『困難な時に何を最初に切り捨てるか』が分かるテストなの」

 

ホワイトボードの動物の横に、チーターが文字を書き込んでいく。

 

ライオン = 【プライド・誇り】 馬 = 【仕事・夢】 牛 = 【お金・生活】 羊 = 【恋人・愛】 猿 = 【友達・仲間】

 

その答えを見た瞬間、部屋の空気が少しだけ固まった。 最初にライオン(プライド)を捨て、最後まで牛(お金)を残した{ひなた}。 最後までライオン(プライド)を残した{かすみ}。 最初に猿(仲間)を捨てた自分に気づき、ハッとする{つばさ}。

 

普通の境遇の人達であれば、ちょっとした心理ゲームだが、特殊な環境を経てここに来た彼女達は深刻に受け止めてしまう。

 

「あはは、あくまでお遊びのテストだからね! 当たってた〜?」

 

チーターは明るく笑っていたが、その奥にある観察するような目は、少女たちの本性を正確に値踏みしているようだった。

 

(この人達は、優しい。でも、絶対に逆らえない『飼育員』なんだ……)

 

{ひなた}は、甘いクッキーをかじりながら、自分たちの置かれている残酷な立場を、ゆっくりと、だが確実に理解し始めていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。