※この作品はR-18です。

厄災の魔窟 ―魔界の皇太子誕生―   作:裏の影

10 / 94
巨根による蹂躙を娯しむ魔法少女。

しかし、その常軌を逸した行為の果て、少女は気を失ってしまった……。


碧眼の邂逅、始まる閉門への旅路……

女たちの下腹の中。

残された熱い感覚が、子を宿す宮で争って蠢いていた……。

 

鎧姿の女の腕の中で、髪を横に垂れる少女。

 

「うぅん……」

 

彼女は目を開けると、はだけられた胸を素早く起こし、声を上げた。

「わぁっ!?気を失って……!」

 

少女は地面に敷いた黒衣を掴み、『バサッ』と身に着けながら立ち上がる。

 

「さて、時間を戻してあげるわ……」

 

彼女は静かにそう言うと、地面に突き刺された杖を『サッ』と引き抜いた。

そして杖の頭に意識を込めるよう、目を閉じ首を下げた……。

 

抑揚のない詠唱が紡がれ始める……。

 

『ゴクリ』と喉を鳴らす鎧の女。

 

やがて魔物たちは去り、その幼い声が止まった。

 

少女は言った……。

「時間が……戻らない……」

 

――えっ、失敗したの!?

白銀の鎧の女の背筋に、冷たい感覚が走る。

 

少女は声を震わせた。

「魔法で戻せる時間は限られているの!」

 

女たちの躰の中では、大量に受けた魔物の種が、着く床を争って蠢いていた……。

 

「オークは成長期間が長い分、メスを孕ませる確率がとても高いの!」

少女は長い髪を振り乱し始める。

 

「おっ、落ち着きなさい……」

鎧の女は少女を諭すように言った。

 

女たちより漂う酸っぱい臭い。

 

「嫌ぁっ! 魔物の種で孕むだなんて、やぁぁぁっ!」

 

鎧の女は少女に身を寄せると、小さな躰を包み込んだ。

 

肌から肌へと伝わる温もり。

少女は少し、落ち着きを取り戻す。

 

しかしその時暗い回廊の向こうから、跳ねるような足音が聞こえてきた。

 

――まさか、この音……。

鎧姿の女は、脳裏に碧い瞳の少年の姿を浮かべた……。

 

「ねっ、もう一度やってみなさい」

声を震わせてそう言う彼女。

 

少女は息を飲むと、もう一度魔法の言葉を紡ぎ始める。

 

近づく足音。

鎧の女がその人影を目にした時、彼女の意識は遠のいていった……。

 

乙女は目を開ける。

そして、直ちに剣を翻した。

 

背後に迫る豚顔の頭部が『ドスッ』と地に音を立てる。

 

少女を組み敷く魔物の股が、そのつぼみに触れようとしていた。

 

乙女は地面を蹴って、剣を一閃させる。

生気を失った大きな体が、少女の躰へと覆い被さった……。

 

少女は涙を拭う。

「ありがとう……」

 

「安易に快楽を求めることの危なさが分かったでしょ!?」

乙女は剣を納め一喝。

 

少女は黒い衣を引き寄せて平らな胸を隠し、その場にへたり込んだ……。

 

黒衣の襟元を直す少女。

乙女は盛られた土へと静かに祈りを捧げる……。

 

すると通路の向こうから足音が聞こえてきた。

 

ランタンの灯りに映し出される少年の姿。

 

「えっ!?……皇女さま!」

少年は碧い瞳を潤ませる。

 

鎧の乙女は彼と距離を取ったまま、その姿を眺めた。

 

少年は腰に剣を帯び、胸に太陽の紋章の入った前掛けを纏っていた。

 

乙女は呟く。

「使命が始まったのね……」

 

少年は二人に近づくと、そのエメラルドの様な瞳で少女を見た。

彼女は顔を赤く染め、声を出す。

「わっ、わたっ……」

 

乙女は少女を覆うようにして少年との間に立ち

「霪影の魔法少女さんよ!」

と素早く答えた。

 

「まっ、魔窟を進むには……わっ、私の魔法が役に立つと思うわ……」

同行を申し出る黒衣の少女。

 

少年が少女へと手を差し出すと、彼女はその目線を背けた。

 

乙女は屈んで荷物を背に拾い上げると、斜め下から眩しそうに少年を見上げて言った。

「さて、勇者さまの『お供』をするとしましょうか……」

 

真っ赤な顔を見せる少年。

 

繰り返された輪廻の果てに、旅立ちの時がようやく訪れたのである……。




よろしければ評価をお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。