女神官は神に代わって男を楽園へと昇天させるため、その慈愛の支度を始めた……。
「うん……?」
栗色の髪の少年が声を出す。
彼のかざすランタンの灯りが、先の尖った何かの切れ端を照らした……。
手を伸ばす少年。
木の尖端が深緑のそれを弾く。
黒衣の少女は少年に言った。
「あなたはこんな物を拾っては駄目……」
その光景を見て、鎧の乙女はその目を見張った。
彼女は呟く……。
「あれはゴブリンの耳……」
黒衣の少女が目を細める。
「よくわかったわね……まあ、あれだけ見せつけられればね……」
少女の言葉に頬を染めて返す乙女。
「なっ……なぜ駄目なの?」
少女は彼女に耳打ちした。
すると乙女は眉を寄せながら、顔を真っ赤にしていった……。
その頃うら若き女神官は、浅い洞穴の入り口へと大きな帳(とばり)を取り付けていた。
作業を行う聖衣の隙間から、艷やかに蒸れた腋が覗く。
壮年の男はあぐらをかきながら、それをじっと眺めていた……。
ぽっかりと口を開ける横穴。
翼が描かれた広い垂れ幕が、暗いそれを全て覆い隠す。
その真ん中を捲って、聖衣の女性が半身を出した。
彼女は幕の前に立つと、ガラス瓶の蓋を開け指を浸した。
そして穴を覆うその幕に、湿らせた指先を数回弾いた……。
女神官は祈りを済ませると、幕を横に開いて言った。
「どうぞ、お入りくだ――キャッ!」
壮年の男は「ウヒャハハハッ!」と叫びながら、女を密室へと引っ張り込んだ……。
中で漂うお香の芳しい匂い。
褥の枕元に置かれたランタンが、敷布を桃色に妖しく照らしていた……。
「あれは……」
男は呟くと装備品を素早く解く。
そして肌の全てをさらけ出すと、毛羽立つ敷布へと寝転んだ。
彼は股間を床へと擦りつけ、無精髭の顔を厚い布にうずめる。
「はあぁぁぁっ、姉ちゃんの匂い……」
恍惚とした表情を見せる男。
うら若き女神官の眉間に、最大級の筋が寄った……。
彼女は男を見下ろしながら、聖衣を解いていった。
下着姿が桃色に照らされる。
包まれる胸に実った果実。
逆三角形の隙間を作る、瑞々しさをたたえた太腿。
そしてその下腹部は、大切そうに手で覆われていた……。
「すげぇ! 命を張った甲斐があったぜ」
男は飛び出すようにして女を抱きすくめる。
すっかり昂ぶって迫る男を、女は淡々と押し返した。
「恩賞を与える際には『保護具』を装着していただく事となってお・り・ま・す!」
「おっと!」
男がその場に尻もちを突く。
女は何かを口に含むと、男の股間の先に唇を当てた。
『チュッ』という音が鳴る。
彼女はすぼめた桜唇の隙間へと、吸い込むように獣を収監していった。
「うおぉぉぉっ!姉ちゃん、いきなり大胆だねぇ!」
男から上がる悶絶の遠吠え。
女の唇が根元を触れると、舌の上を這わせながら男を解放した。
天井へと突き上げられた彼のそれ。
そこには水色で透明な『保護具』が被せられていた。
「分かってるよ……」
男は不満気に声を出す。
「では、神に代わって私が祝福を施します……」
女は手を組み男へと告げる。
そして花の包みを解いていった……。
褥の上に落ちる白い薄布。
双峰の頂きは桜色に彩られ、聖花が天国への扉を飾っていた。
そして、下腹部を覆う手が解放される。
そこにはハートの形の刻印が、淫靡に肌へと焼き付けられていた……。
「これだから止められねえんだ!」
男は大声を上げ、ご褒美へと飛びつく。
彼は鼻息を荒く吹き、獣のような目を芳花へと光らせた。
ランタンの光に照らされた二つの躰が、洞穴を覆う垂れ幕へと、一つに絡み合う影を映し出していた……。
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