その頃、手薄になった施設の中では、女の熟れた体へとお仕置きが行われていた……。
「はっ、はっ、はっ……」
息を上げる、うら若き女神官。
その前を、蒼き小さな体が駆ける。
彼女はその腰裏に装備した戦棍を揺らしながら、身を急がせていた……。
少し広い空洞では、地に両手を突く栗色の髪の少年が、その膝元に『ポタ、ポタ』と赤い雫の跡を作っていた。
「くぅぅぅっ……」
歯を噛みしめる少年。
上位悪魔は、その白面を鎧の乙女へと向け、言った。
「お前たちが隠している『叡智の果実』を出せば、彼を救う事が出来るであろう……」
鎧の乙女は胸に手を当て、身をよろめかせながら悪魔へと返した。
「叡智の果実?そんなものは知らない……」
「ぐあ゙あ゙ぁぁぁっ!」
響く少年の絶叫。
「ほらほら……果実の力があれば、このような傷なんぞ、たちまち癒えようものを……」
悪魔はそう言いながら少年に突き刺した剣先を、更に深く埋めていった。
「このままでは、勇者さまが事切れてしまう……」
黒衣の少女は戦棍の先へと意識を集中するようにして、呪文の詠唱を始めた……。
一方、密室の寝台の上では、依然としてお仕置きが続けられていた。
「はぁぁぁん♡」
響き渡る女の声。
壮年の男は臀部を浮き沈みさせて、呻くように声を出した。
「動く度に、絞まる……コイツからは簡単に抜け出せないぜ……」
「やぁぁぁっ……」
熟れた年頃の女はその身を捩らせる。
縛る縄が『ギチッ』と音を立てる度に、淫らにその躰を締めた。
「くっ……いっちまいそうだ……」
男は動きを止めて、突き出された女の胸を撫でる。
「中は……らめえぇぇぇ……」
女は、力無く訴えた。
その言葉に眉を寄せる壮年の男。
「駄目だ、これはお仕置きだぜ……」
彼はそう言うと腰の動きをムチのように変化させて、女の躰を『パンパンパン』と容赦なく打った……。
その頃、悪魔と対峙する空洞。
鎧の乙女は足を踏ん張り、剣を強く握った。
「聖剣よ、私に力を……」
彼女はそう呟いて、上位悪魔へと斬撃を浴びせた。
「何っ……」
表情をこわばらせる悪魔。
突き刺された長剣が素早く抜き去られる。
「くっ……」
少年は上体を伏せた。
――いける!
乙女の中で芽生えた、確かな手応え。
しかし。
『カラーン……』
その刀身が黒い衣に触れると、彼女の剣は無情にも折れた……。
「ふっ……」
表情を緩める悪魔。
「そんな……」
白銀の鎧の姿が膝から崩れる。
その時、教会施設の出入口から声がした。
「ミュウ!ミュウ!」
悪魔は鳴き声のする方へと言った。
「ここにいたのか、ルシェイル……」
「ルシェイル?」
その名を繰り返す乙女。
すると、彼女の意識が『スッ』と途切れた……。
寝台の上。
腰上で交差される女の生脚。
「あぁぁぁっ♡」
女はその豊かな胸へと男を縛り付けていた。
いじめられ尽くした花弁は縮こまり、振り注ぐ慈雨を求めている様子を見せた。
「ああっ!」
男が女への鞭打ちを止め、叫びを上げる。
縄に巻かれた女は、全身で男を『キュッ』と縛った……。
空洞の中、小さな獣は鎧を崩す女へと頭から勢い良く飛び出していった。
「行っては駄目!危険よ!」
女神官が辺りへと声を響かせた。
浮遊するような感覚。
乙女が目を開けると、そこには真っ白な空間が広がっていた……。
何かが浮かんでいる。
「青い、種?」
乙女がその物体を目にすると、瞬く間に視線は折れた刀身へと戻された……。
その時、黒衣の少女が長い詠唱を終えた。
――負けた……。
乙女は敗北感を胸に、その意識を遠のかせて行った……。
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