※この作品はR-18です。

厄災の魔窟 ―魔界の皇太子誕生―   作:裏の影

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 魔法で戻される時間。

 皇女たちはそれぞれの再開地点で、意識を取り戻した……。


絶望からのやり直し

黒衣の少女が発動させた魔法。

 

最悪の結末が巻き戻されていく……。

 

地下施設の一室……。

 

寝台の上で包みを解く、熟れた花。

 

それは本来の艶やかさを放ち、愉悦の表情を浮かべさせる。

 

「やぁぁぁん……」

熟れた年頃の女性はうねる突具で、股の蜜壺を丹念にかき混ぜていた……。

 

「くぅっ!」

突然、女はその身を振るわせる。

 

器具を引き抜き、呟く彼女。

「今のは何……?」

 

女は机に纏められた紙を『サッ』と掴む。

 

そして蜜壺の淵を拭うと、脱ぎ散らかされた聖衣を身に纏った。

 

テカリを帯びる玉虫色のくびれた棒……。

 

それは、開けられた机の引き出しへと雑に放り込まれる。

 

『パタン』と閉める音が鳴った時、男が幕を開いて寝室へと躍り込んで来た……。

 

女は襟元を正しながら、侵入者へと喝を投げる。

「何事ですか……騒々しい!」

 

「あれっ!?おっかしいなぁ……」

壮年の男は、顔のしわを深めながら首を傾けた。

 

男へと厳しい表情を見せる女。

 

彼女は「んっ、うん」と咳払いをする。

 

そして

「ここは私の寝室です……」

と冷淡に放った。

 

身を怯ませる壮年の男。

 

「いや、あれだ……ここをずらかる前に、べっぴんさんの顔を拝みに来たんだ……」

彼は歯切れの悪い調子で後ずさりする。

 

「穢らわしい……」

熟れた女は顔を真っ赤にして男へと吐いて捨てた。

 

「……じゃあっ!」

男はそう言い残すと、踵を返して部屋を飛び出していった……。

 

裾を『サッ』と正す熟れた年頃の女性。

 

その口元が微かに動く。

 

「意気地なし……」

 

部屋の片隅を『チラリ』と見る女……。

 

そこには彼女の下着が、これ見よがしに脱ぎ捨てられたままになっていた……。

 

その頃、監禁部屋では。

 

手足を自由にした黒衣の少女が、栗色の髪の少年を縛る縄を短剣の刃で挽いていた。

 

細い線を残す縄。

 

少女は声を上げる。

「よしっ、切れた……」

 

屈んだ状態の少年の腕から、縄が『スルリ』と落ちた。

 

黒衣の少女は立ち上がると、短剣の柄を少年に向けた。

 

少年はそれを見上げ呟く。

 

「俺は勇者、困難に立ち向かう者」

 

そして短剣の柄を、『ギュッ』と握った……。

 

部屋を出る二人。

 

通路の壁へと、壮年の男がもたれ掛かっていた。

 

彼は二人に気が付くと、荷物を『スッ』と差し出した。

「お前らの装備だ……取り返しておいたぜ」

 

黒衣の少女は、渡された木の杖を抱き締める。

 

少年も鞘を握り、腰へと差した。

 

黒衣の少女は呟く。

「上位悪魔に対抗するには、精霊魔法の力が必要……」

 

その時。

 

「ミュウ、ミュウ」という声が鳴った。

 

駆けて来た蒼き小さな獣が、少女たちの前で立ち止まる。

そしてそれを追うようにうら若き女神官が現れた……。

 

「あら、皆さんお揃いで」

白い聖衣を纏う彼女は、目を丸くして言った。

 

同じ頃、白銀の鎧の乙女も、反対側より通路を駆けて来ていた。

 

彼女は仲間たちを見つけ立ち止まる。

 

そして、小さな獣を見て呟いた。

「あなたは確か……」

 

「ミュウ!」

ひと鳴きする小さな獣。

 

そのつぶらな瞳が乙女を『じっ』と見上げる。

 

「付いていけば良いのですね……」

乙女がそう言うと、獣は軽やかに歩き出した……。

 

その頃、魔窟の入り口。

 

広がる白夜の中、白い集団がそれを臨んでいた……。

 

その中心で担がれる駕籠。

中で座するものが声を放つ。

「遂にこの日が……御子が、成人した!」

 

邪悪に口を開く大きな穴へと放たれたその言葉。

それを耳にする術の無い乙女たちは、小さな獣の蒼い尾をただ追った……。




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