宿営地では姿を消した彼を探すため、二つの捜索隊が出発した……。
うら若き女神官の持つランタン。
それが危うい先を照らし、鎧の乙女たちを導く。
突然影より魔物が姿を現し、女神官へと襲いかかった。
鎧の乙女は剣を抜いて、それを切り伏せる。
『カラーン』という金属音。
乙女は、折れた剣の先を見つめる。
――こんな頼りない剣では、私は輝けない……。
焦る思い……。
皇女は栗色の髪の青年を、脳裏に思い浮かべていた。
その背後で白き聖衣の長髪の男が、先を燻した細い紙筒を喫いながら、それを眺めていた……。
神聖教会の宿営地より出立して幾日。
青年の足取りは掴めなかった。
平静を装う鎧の乙女。
しかしその背では、『聖剣』を腰に持つ男の鋭い視線を、常に意識していた。
――クーザー……。
皇女が焦燥感を募らせる中、女神官が食事後に粛々と、横穴へと幕を張り始めた。
――何をしているのかしら?
それを座りながら眺める乙女。
慣れた手際で、簡易的な宿営所が造られた。
中から桃色の明かりが灯される。
女神官は瓶の蓋を開け、指を入れる。
そして明かりを映し出すその隔たりへと、聖水を散布した。
「皇女さま、こちらへ……」
幕の前で頭を下げる、うら若き女神官。
乙女は立ち上がると、翼が描かれた帳の方へと吸い込まれるように近づき、それを開けた。
「いい匂い……」
中には柔らかそうな敷布が敷かれている。
その枕元では、お香が細い煙を昇らせていた。
乙女はその休憩所の入口を潜ると、身に纏う無骨な鎧を脱いで、薄絹の肌着姿となった。
鼻を通る花の香りが、彼女の『イライラ』を和らげる。
敷布へと躰を転がす乙女。
鎧に隠されていた美しい曲線がその緊張を解いた時、彼女は帳を侵す姿を見た。
「クーザー!」
乙女は腕で素早く胸を覆うと、長髪の男を睨みつけた。
彼の腰に見える聖剣。
――ソリッドペネトレイター……。
彼女は、それに釘付けにされていた……。
その頃、もう一つの捜索隊。
壮年の男が、地にあぐらをかいて言った。
「ところでその、ソリッドペ(ニ)トレイターって何だ?」
「ねぇっ!ソリッドペ(ネ)トレイターよ!間違えないで」
黒衣の少女が訂正する。
熟れた年頃の女神官が言った。
「それって、神話に出て来る聖剣の事よね?」
「そう……創世の時代に現れて、時の王者へと代々受け継がれてきたとされる剣……」
黒衣の少女は目を据えて、女神官の方を向いた。
「学の無い俺には、分からねぇ話だな!」
男が口を尖らせて横を向く。
「いいわ……あなたに子供でも知ってる、お伽話をしてあげる……」
そう言って黒衣の少女は目を細め、静かにその幼い声色を紡ぎ始めた……。
場所は戻り、桃色に照らされた部屋。
中では細い煙が激しく揺れている。
純白の肌着が、敷布の上に散乱していた……。
「止めなさい無礼者!」
乙女は、胸の双房を腕で覆っていた。
隠す腕を素早く掴む手。
長髪の男は、目を鋭く光らせる。
「こんな事をすればあなたは、間違いなく……んんっ!」
乙女の口の中に、燻した煙の苦みが広がる。
目を見開く乙女。
彼女は、太腿の内側がゆっくりと湿っていくのを感じた……。
魔手が腰の両側へと伸びる。
「クーザー!止めなさい!……ステラ!ステラ!そこにいるのでしょ‼」
女神官を呼ぶ皇女。
しかし、返事は無かった……。
未踏の躰を隠す最後の布が、股より糸を粘らせてその太腿を抜けていく。
晒された無毛の恥部。
乙女の顔が瞬時に熱を帯びる。
長髪の男はそれを一瞥して、「フッ」と嘲笑するような笑みを浮かべた……。
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