※この作品はR-18です。

厄災の魔窟 ―魔界の皇太子誕生―   作:裏の影

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 最後の帝国騎士を倒した碧眼の青年。

 宿営地では姿を消した彼を探すため、二つの捜索隊が出発した……。


桃色の獲り籠

うら若き女神官の持つランタン。

 

それが危うい先を照らし、鎧の乙女たちを導く。

 

突然影より魔物が姿を現し、女神官へと襲いかかった。

 

鎧の乙女は剣を抜いて、それを切り伏せる。

 

『カラーン』という金属音。

 

乙女は、折れた剣の先を見つめる。

 

――こんな頼りない剣では、私は輝けない……。

 

焦る思い……。

 

皇女は栗色の髪の青年を、脳裏に思い浮かべていた。

 

その背後で白き聖衣の長髪の男が、先を燻した細い紙筒を喫いながら、それを眺めていた……。

 

神聖教会の宿営地より出立して幾日。

 

青年の足取りは掴めなかった。

 

平静を装う鎧の乙女。

しかしその背では、『聖剣』を腰に持つ男の鋭い視線を、常に意識していた。

 

――クーザー……。

 

皇女が焦燥感を募らせる中、女神官が食事後に粛々と、横穴へと幕を張り始めた。

 

――何をしているのかしら?

それを座りながら眺める乙女。

 

慣れた手際で、簡易的な宿営所が造られた。

 

中から桃色の明かりが灯される。

 

女神官は瓶の蓋を開け、指を入れる。

そして明かりを映し出すその隔たりへと、聖水を散布した。

 

「皇女さま、こちらへ……」

幕の前で頭を下げる、うら若き女神官。

 

乙女は立ち上がると、翼が描かれた帳の方へと吸い込まれるように近づき、それを開けた。

 

「いい匂い……」

中には柔らかそうな敷布が敷かれている。

その枕元では、お香が細い煙を昇らせていた。

 

乙女はその休憩所の入口を潜ると、身に纏う無骨な鎧を脱いで、薄絹の肌着姿となった。

 

鼻を通る花の香りが、彼女の『イライラ』を和らげる。

 

敷布へと躰を転がす乙女。

鎧に隠されていた美しい曲線がその緊張を解いた時、彼女は帳を侵す姿を見た。

 

「クーザー!」

乙女は腕で素早く胸を覆うと、長髪の男を睨みつけた。

 

彼の腰に見える聖剣。

 

――ソリッドペネトレイター……。

彼女は、それに釘付けにされていた……。

 

その頃、もう一つの捜索隊。

 

壮年の男が、地にあぐらをかいて言った。

「ところでその、ソリッドペ(ニ)トレイターって何だ?」

 

「ねぇっ!ソリッドペ(ネ)トレイターよ!間違えないで」

黒衣の少女が訂正する。

 

熟れた年頃の女神官が言った。

「それって、神話に出て来る聖剣の事よね?」

 

「そう……創世の時代に現れて、時の王者へと代々受け継がれてきたとされる剣……」

黒衣の少女は目を据えて、女神官の方を向いた。

 

「学の無い俺には、分からねぇ話だな!」

男が口を尖らせて横を向く。

 

「いいわ……あなたに子供でも知ってる、お伽話をしてあげる……」

そう言って黒衣の少女は目を細め、静かにその幼い声色を紡ぎ始めた……。

 

場所は戻り、桃色に照らされた部屋。

 

中では細い煙が激しく揺れている。

純白の肌着が、敷布の上に散乱していた……。

 

「止めなさい無礼者!」

乙女は、胸の双房を腕で覆っていた。

 

隠す腕を素早く掴む手。

長髪の男は、目を鋭く光らせる。

 

「こんな事をすればあなたは、間違いなく……んんっ!」

乙女の口の中に、燻した煙の苦みが広がる。

 

目を見開く乙女。

彼女は、太腿の内側がゆっくりと湿っていくのを感じた……。

 

魔手が腰の両側へと伸びる。

 

「クーザー!止めなさい!……ステラ!ステラ!そこにいるのでしょ‼」

女神官を呼ぶ皇女。

 

しかし、返事は無かった……。

 

未踏の躰を隠す最後の布が、股より糸を粘らせてその太腿を抜けていく。

 

晒された無毛の恥部。

乙女の顔が瞬時に熱を帯びる。

 

長髪の男はそれを一瞥して、「フッ」と嘲笑するような笑みを浮かべた……。




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