※この作品はR-18です。

厄災の魔窟 ―魔界の皇太子誕生―   作:裏の影

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 うら若き女神官によって作られた寝室。

 身を解き警戒を緩めた皇女の前に、クーザーが現れた……。


ソリッドペネトレイター

桃色に照らされた岩壁の小部屋……。

 

「嫌っ、止めなさい!」

硬い岩が乙女の叫びを吸収する。

 

彼女は胸を腕で隠すも、その躰を覆い隠す事は叶わなかった……。

 

長髪の男は、聖衣の上着をめくり上げながら言った。

「お前は前に、勝負を公平にしろみたいな事を言っていたな……」

 

はだけた肌より、彫られた絵の一辺を覗かせる。

 

――この男!?社会逸脱者……!

乙女の背に、冷ややかな物が走った。

 

衣服が敷布へと落ち、『バサリ』と音を立てる。

男はその雄々しい抜き身を見せ、冷たく言い放った。

「これで公平だな……」

 

「あっ……」

組み敷かれた乙女の躰。

――駄目!ワタシ、戻れなくなる……。

 

男は静かに言った……。

「俺のモノが欲しいんだろ?」

 

その、企みを見透かすような言葉。

 

乙女は胸の中を、『キュッ』と締め付けられる感覚を覚えた。

 

暫くの黙秘。

 

彼女は静かに頷いた……。

 

同じ頃。

 

黒衣の少女が静かに語り出した……。

 

「昔々、人間がまだ生き物の一つに過ぎなかった頃……」

 

壮年の男が固唾を飲む中、少女は続ける。

 

「天より舞い降りし鋭き塊、硬き不毛の丘を真っ直ぐに貫き通す……」

 

身を入れる男。

 

桃色の中に昇るお香の煙が『ユラッ』と揺れる。

女は胸を突き上げ、身をのけ反らせた……。

 

御伽語りは続く……。

 

「引き抜かれし初めての一撃、血でその身を染める……」

 

頬を流れ落ちる雫。

地を這うような雄々しい躍動に、二つの峰が激しく揺らされた。

 

「剣の形を仕込むが如く、打ち付けられる熱き塊……」

 

女は男の顎を見上げる。

――どうして、私を見てくれないのですか……。

 

突然身を伏せる男。

躰の往来が、速さを増した。

 

「ああっ!」

響く女の声……。

 

女は濡れる瞳を瞼で隠し、

――私を満たすことの出来る剣……これを得るためには仕方のない事……。

と聖剣を受け入れるため、自分にそう言い聞かせた。

 

「剣を納める女その力を受け入れし時、聖剣に秘められたるもの一気に放たれる……」

 

男の腰裏で交差させられる女の脚。

 

「最後の一突き、害をなす者は身を震わせ、裂け目の中へと生命の雫を降らせるなり……」

 

男は動きを止める。

お香の匂いが放たれる体臭と交ざり合い、事の終わりを示した。

 

「女はこうして、硬きを貫く剣、ソリッドペネトレイターを得た……」

 

語りを終え、黒衣の少女が顔を起こす。

すると目の前であぐらをかく壮年の男は、頭を上下に揺らしていた……。

 

「寝てるし……」

少女は膝を支えに、頬杖を付く。

 

皇女は敷布の上で半月状に身を寝かせ、その躰から男の臭いを強く漂わせていた……。

 

「雑に、しないで……」

感情を堪えるように放たれる泣き声。

涙の跡が、女の頬に映る……。

 

その目の前には一振りの剣が、添い寝をするように置かれていた。

 

男は言った。

「その剣は、俺のオンナになった証だ……」

 

彼は角を持つおどろおどろしい魔物が描かれた背中越しに、細い煙を昇らせて言った。

「お前が剣を抜き皆が俺のだと知った時、特にあの坊っちゃんはどんな顔をするのだろうな……」

 

女の脳裡へと瞬時にあの青年の姿が浮かんだ。

「うぅっ、うぅっ……」

胸の奥から込み上げる不快な感覚。

 

女は躰を転がして、男から背を向ける。

――私もこれで、彼と同じ逸脱者……。

言いしれぬ寂しさが彼女を襲った。

 

その時、女は男の体温を背中に感じた。

 

――あぁっ、彼を感じる……。

 

指を内へ折る女。

 

そっと太腿が上げられると、その心を満たすモノが深く深く埋め込まれて行った……。




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