その頃、碧眼の勇者は『逢魔の扉』の正体を大司祭によって知らされ、その醜悪な姿に身を震わせていた……。
明るさを抑えられた薄暗い部屋。
その地面には、空の瓶や、さまざまな色をした筒状の物が散らばっていた。
筒に切れ込まれた筋からは、悪臭を放ちそうな粘液がこぼれ出していた……。
その股をしごく桃色の筒を、躰へと深く押し付けるふくよかな身を晒す男。
「くっ……」
彼は身を震わせると、手を縛って寝具に寝かせてある、栗色の髪の青年の方を向いた。
男は筒をその身から引き抜くと、割れ目から粘液を漏らすそれを青年の顔へと近づけた。
「うわっ、臭い!」
青年はその醜い物体から顔を背ける。
男は唸るように言った。
「この中には、『神の卵子』を宿してある……」
そして彼は、高らかに言い放った。
「これに『聖降の碧眼』を持つお前と、私の種を掛け合わせ、次世代の王を誕生させる!」
「やめっ……!」
男は青年の頭を押さえつけ、寝具に膝を付かせた。
降ろされる青年のズボン……。
『シュッ……』
その股を覆う、薄布の片紐が解かれる。
青年の股で力無い聖槍が、その身を垂らした……。
その頃、白銀の鎧の女は、大きな扉の前へとたどり着いていた。
「何、この扉……?」
彼女がそう呟いていると、扉の脇より白い長衣の姿が現れた。
長衣の背袋に覆われたその頭。
「ミィウ!」
蒼き小さな獣が、その姿へと鳴いた。
「あなたは……誰?」
女は眉を顰めて声を捻り出す。
白い長衣姿が頭の被りを跳ねるように脱ぐと、逆立てられた金色の髪が現れた。
目の回りに隈取りが描かれた、白い顔が言った。
「ワガハイは『アモン』……かつての主から、大元帥の職を仰せつかっておる」
「上位悪魔……」
女はそう呟いて、手に持つ聖剣を構えた。
――この剣があれば、奴に勝てる……。
「覚悟なさい!」
剣を振りかぶって叫ぶ鎧の女。
アモンは腰裏の戦棍を抜いて勝負に応じた……。
再び薄暗い部屋。
床の上に投げ出されて、紐を流す白い薄布。
ふくよかな男の指が、青年の股にぶら下がるモノを包み込んだ……。
「はぁっ……」
声を漏らす青年。
男は言った。
「私は知っておるぞ……毎日これを、自分で愛でていた事を……」
そして彼は、声を荒げ言った。
「皇女の事を叫びながらなっ!」
きつくしぼめられる男の指。
青年の顔が紅潮する。
男は青年を解放し、手の平を『ベロリ』と舐めた。
青年の穂先には血の巡りを表す管が、『クッキリ』と浮き出ていた……。
「フン!忌々しい、あの女め……!」
彼は鼻息を荒げながら、青年の尻へと身を覆いかぶせる。
そして自分の種を滴らせた桃色の筒を、青年の猛るものへと当てがった。
「やめて……そんな気持ち悪いモノにいれるな!」
叫びを上げる青年。
「私の温もりの残った愛の筒……その穢れなき先で受け止めてぇぇぇっ♡」
ふくよかな男はそう声を上げながら、青年の聖槍を逢魔の扉へと一気に刺した。
「はぁぁぁっ♡」
青年は悶絶の声を上げた……。
扉の前で行われている鍔迫り合い。
――おかしい……。
鎧の女は焦りを覚えていた。
何度か打ち合って感じるその違和感。
――この男、それ程でも無いのに、なぜ打ち負かせられないの?
繰り返される凡庸な突き。
変化の無い体技……。
女はかつて自分に挑んできた男たちの、剣の腕前を思い出していた。
――私は、最強の剣を得た筈なのに……。
なぜかアモンにその身を捻らされる女。
躰が示すその認めがたい真実を、彼女は心の中で抑え込む……。
「前のようなキレが無いね……」
身を隠し、戦いを見守っていたエルフが呟いた……。
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