彼女の必死な叫びが、閉じこもる青年を立ち上がらせた……。
『カラン……』
静かに鳴る、地に落ちた木剣の音……。
「痛たた……」
白い衣を纏う女は腫れた手を押さえる。
「拾って……」
栗色の髪の青年は木剣の先で落ちたものを指し、冷たく言った。
剣を拾い上げる女……。
彼女は剣を構え直し、思いをめぐらす。
――トロルとの戦闘の時に何かは感じていたけど、この技のキレ……。
女は地を蹴った。
青年は凄まじい速さで手首を返し、女の腕を容赦なく打った。
「ぐっ……!」
女は悲鳴を噛み殺す。
素早く放たれる青年の次の手。
女は防ぐ事が出来ず、その猛襲を食らいながら後ろへと下がる。
彼女は跪くと、その頭上に迫る剣を一瞥した。
――俺は勝つためには、何でもして来た……。
瞬時に思い出されるクーザーの言葉。
女は襲いかかる木剣を掴むため、その手を前へと出した。
『バチン……』と鳴り響く乾いた音。
青年の木剣は、彼女の浅はかな考えを叩き落とした……。
皇女が青年に圧倒されている頃、黒衣の少女は暗い岩肌の道を一人進んでいた。
黒衣の胸元から汗を漂わせながら突き進む少女。
道に潜む物陰が動いた……。
「誰……?」
少女は落ち着いた声色を放つ。
するとそこには、うら若き女神官がいた……。
「私……何か取り返しのつかない事をしてしまったのかもしれないのです……」
声を震わせる女神官。
黒衣の少女は顔を伏せる。
女神官は言った。
「私もあなたについて行っていいですか?」
少女は顔を『スッ』と上げ、静かに返した。
「死ぬのは、痛いぞ……。」
うら若き女神官は「フフッ」と笑い、曲げた指で口を隠す。
「では、お供させていただきます……」
彼女はそう言うと、手に持つランタンで道の先を照らした。
黒と白の二つの姿が、闇の中を歩き出した……。
躰を押さえうずくまる白い衣の女……。
栗色の髪の青年は、背を向けたまま言い放つ。
「ふぅん……本当に剣技を失っちゃったんだ……」
はだけられている、青年の艶やかな背中が女を打ちのめす。
その全身は紫色に腫れ上がっていた。
――小指が折れてる……。
女は『クッ』と唇を噛む。
「――もう一度お願いします……」
落とした剣を拾い、立ち上がる白い衣の女。
「そう……」
青年は静かに吐いた。
女の胸元には汗が粒となって、ほのかな女の匂いを漂わせていた……。
青年は振り返ると、目を細め、剣で空を斬った。
――私には、時間が無いの……。
女はそう心へと響かせながら、毎日研鑽していた基本の振りを青年へと打ち込んだ。
躰へと染み付いているはずの、無駄のない剣撃。
『カラーン……』
しかし、女の剣は弾かれた……。
「そんな……」
膝から折れる女。
青年はそれを見下ろして言った。
「俺は毎日毎晩あなたを想って、一人で剣を磨いて来た……」
彼はそう言うと、ベルトのバックルを外しながら女に近づいた……。
「はぁっ、はぁっ……」
荒くなっていく青年の息。
『シュルッ……』
彼は女の目の前で、ズボンを膝まで降ろした。
現れた青年の凶暴を表す部分。
「なっ、何を……」
地に片手を突いて声を震わせる女。
白い衣の胸元は汗ではり付いている……。
青年は股の猛る部分を握る。
女の中で徐々に広がる怯えの感覚。
彼女は、青年の股で素早く前後される手筒をただ眺めていた……。
「くっ……!」
清めたばかりの美しい顔へと、青年の濃ゆい汁が放たれる。
「はぁっ、はぁっ……これが負けると言う事だよ……」
白液まみれの女の顔面を、顔を紅潮させる青年が見降ろした……。
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