※この作品はR-18です。

厄災の魔窟 ―魔界の皇太子誕生―   作:裏の影

63 / 94
 己の体の異変に気付く皇女。

 彼女の必死な叫びが、閉じこもる青年を立ち上がらせた……。


放たれる恐怖

『カラン……』

 

静かに鳴る、地に落ちた木剣の音……。

 

「痛たた……」

白い衣を纏う女は腫れた手を押さえる。

 

「拾って……」

栗色の髪の青年は木剣の先で落ちたものを指し、冷たく言った。

 

剣を拾い上げる女……。

 

彼女は剣を構え直し、思いをめぐらす。

――トロルとの戦闘の時に何かは感じていたけど、この技のキレ……。

 

女は地を蹴った。

 

青年は凄まじい速さで手首を返し、女の腕を容赦なく打った。

「ぐっ……!」

 

女は悲鳴を噛み殺す。

 

素早く放たれる青年の次の手。

女は防ぐ事が出来ず、その猛襲を食らいながら後ろへと下がる。

 

彼女は跪くと、その頭上に迫る剣を一瞥した。

 

――俺は勝つためには、何でもして来た……。

瞬時に思い出されるクーザーの言葉。

 

女は襲いかかる木剣を掴むため、その手を前へと出した。

 

『バチン……』と鳴り響く乾いた音。

青年の木剣は、彼女の浅はかな考えを叩き落とした……。

 

皇女が青年に圧倒されている頃、黒衣の少女は暗い岩肌の道を一人進んでいた。

 

黒衣の胸元から汗を漂わせながら突き進む少女。

 

道に潜む物陰が動いた……。

 

「誰……?」

少女は落ち着いた声色を放つ。

 

するとそこには、うら若き女神官がいた……。

 

「私……何か取り返しのつかない事をしてしまったのかもしれないのです……」

声を震わせる女神官。

 

黒衣の少女は顔を伏せる。

 

女神官は言った。

「私もあなたについて行っていいですか?」

 

少女は顔を『スッ』と上げ、静かに返した。

「死ぬのは、痛いぞ……。」

 

うら若き女神官は「フフッ」と笑い、曲げた指で口を隠す。

 

「では、お供させていただきます……」

彼女はそう言うと、手に持つランタンで道の先を照らした。

 

黒と白の二つの姿が、闇の中を歩き出した……。

 

躰を押さえうずくまる白い衣の女……。

 

栗色の髪の青年は、背を向けたまま言い放つ。

「ふぅん……本当に剣技を失っちゃったんだ……」

 

はだけられている、青年の艶やかな背中が女を打ちのめす。

 

その全身は紫色に腫れ上がっていた。

――小指が折れてる……。

女は『クッ』と唇を噛む。

 

「――もう一度お願いします……」

落とした剣を拾い、立ち上がる白い衣の女。

 

「そう……」

青年は静かに吐いた。

 

女の胸元には汗が粒となって、ほのかな女の匂いを漂わせていた……。

 

青年は振り返ると、目を細め、剣で空を斬った。

 

――私には、時間が無いの……。

女はそう心へと響かせながら、毎日研鑽していた基本の振りを青年へと打ち込んだ。

 

躰へと染み付いているはずの、無駄のない剣撃。

 

『カラーン……』

しかし、女の剣は弾かれた……。

 

「そんな……」

膝から折れる女。

 

青年はそれを見下ろして言った。

 

「俺は毎日毎晩あなたを想って、一人で剣を磨いて来た……」

 

彼はそう言うと、ベルトのバックルを外しながら女に近づいた……。

 

「はぁっ、はぁっ……」

荒くなっていく青年の息。

 

『シュルッ……』

彼は女の目の前で、ズボンを膝まで降ろした。

 

現れた青年の凶暴を表す部分。

 

「なっ、何を……」

地に片手を突いて声を震わせる女。

白い衣の胸元は汗ではり付いている……。

 

青年は股の猛る部分を握る。

 

女の中で徐々に広がる怯えの感覚。

彼女は、青年の股で素早く前後される手筒をただ眺めていた……。

 

「くっ……!」

清めたばかりの美しい顔へと、青年の濃ゆい汁が放たれる。

 

「はぁっ、はぁっ……これが負けると言う事だよ……」

白液まみれの女の顔面を、顔を紅潮させる青年が見降ろした……。




評価をぜひっ、お願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。