※この作品はR-18です。

厄災の魔窟 ―魔界の皇太子誕生―   作:裏の影

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 遭遇した栗色の髪の青年とステラ。

 二人は互いに、その黒き力を纏い合った……。


紛れる雑音

薄暗い坑道で激しく拳を合わせる、二つの黒き姿。

 

兜の襟足より栗色の髪を見せる青年は、素肌を昆虫の脚で淫らに包ませた女の、その素早い体捌きに防戦を強いられていた……。

 

「ここが、お留守ね!」

女はそう言って、貫手で黒い革鎧の腹を襲う。

 

青年はその類稀なる体幹を活かすように、すんでの所でそれを受け止めた。

 

そのまま、女の腕を自分の方へと引く青年。

 

しかし女は半月状に背中を反らせ、踵で兜の頭頂部を急襲した。

 

『ガッ!』

青年の頭は硬い金属に守られるも、それは鈍い音を放つ。

 

「うくっ……」

素早く女の手を離す青年。

 

彼は片膝を突き、側頭を押さえ呻く……。

「くぅっ、雑音が……」

 

間合いを取って構える女は、その露出した胸の突起を突き上げた。

 

「その音は苦痛、快楽……どちらかしら?」

彼女はそう宣いながら、青年の体に影を被せた……。

 

『ブルブル』と兜を振る青年。

 

女の身を縛るものが『メリッ』と音を立て、その素肌への食い込みを見せる。

 

彼女の股より出る数本の虫の脚。

その本体が割れ目の奥に『ズズッ』と侵入すると、同時に躰への締め付けが行われる。

 

「はっはぁっ!気持ちいいぃぃぃっ!」

女は両頬を手で覆い太腿を閉める。

その股からは、透明の雫が止めどなく流れ出ていた。

 

女はご褒美をせびるように瞳を潤ませながら

「もっとぉ♡もっとぉぉぉっ♡♡♡」

と声を上げながら青年へと襲いかかった……。

 

その頃白銀の鎧の女は、作成途中の門の前へと立っていた。

 

「ここに、エルークたちがいるのですね……」

鎧の女はそう言いながら背嚢を降ろし、門の近くへと立てかけた。

 

同行する熟れた年頃の女神官も荷物を置き、主と覚悟を共にする。

 

二人の女性は、後ろの壮年の男の方へ顔を向けた。

 

男は身を引き

「ちょっ、こいつは俺の命なんだ……」

と言って背嚢の肩帯を『ギュッ』と掴んだ。

 

鎧の女は「ふふっ」と口元で笑い、

「そうね、好きになさい」

と珍しく、男へと笑顔を見せた……。

 

三人は門を潜り広間へと出る。

 

作業をする魔物たち。

その視線が三人へと一斉に集まった。

 

鎧の女は聖剣を構え、正面を見据える。

 

部屋の真ん中にある、なだらかな段の最上部。

 

そこには、白い衣を着た男児が玉座へと腰を下ろしていた。

 

「あれは……?」

そう声を出す鎧の女。

 

玉座の側に控える、司祭服を纏うふくよかな男が大きく宣った。

 

「皇女よ……この子こそが、新たなる『帝国』の主となるのだ……」

 

鎧の女は声を荒げた。

「エヴァルールー!全てはお前の仕業かっ!」

 

彼女は『聖剣』を前へと突き出し、司祭服の男を指す。

 

女神官も、戦棍を前に出して声を上げた。

「大司祭さま……いや、エヴァルールー!あなたが行ってきた罪の数々、神に代わって鉄槌を下します!」

 

女たちへと言葉を返す司祭服の男。

「私の作った発明、構造……それらがどれ程、傾きかけていた帝国の財政に貢献したか、お前は知らんのか!」

 

白銀の鎧の女は司祭服の男へと叫ぶ。

「帝国はあなたの手を借りずとも、その栄華をしっかりと保って来ました!」

 

ふくよかな男は身を引いて呟いた……。

「あの小娘は何も知らなくて当然か……」

 

そして……。

 

「まあよい……御子の心をかき乱す者はいなくなるのだから……」

エヴァルールーはそう言うと、両手を『パンパンッ』と打ち鳴らす。

 

すると、段の最下部に二つの黒い球体が現れた。

 

「ゴクリ……」

喉を鳴らす鎧の女……。

 

それは次第に大きくなっていき、輪の中から、二体の上位悪魔が姿を現した……。




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