※この作品はR-18です。

オレ様っ娘な相棒(ドラゴン)は、エロ本なんかに負けたくない!〜共に世界を救った二人が、人生のパートナーになるまで〜   作:APP3

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謝罪。
一瞬一話飛ばして投稿してしまいました。
申し訳ありません_(._.)_









第十四話 共に世界を救った二人が、人生のパートナーになるまで

「ただいま」

 

『おかえりダイチ! 今からご飯作るからちょっと待ってろよ──って、ダイチ?』

 

 

 玄関を開け、靴を脱ぎ、リビングへと入ると、いつも通りレッドラグーンが出迎えてくれる。

 

 首を傾げながら声を掛けてくるレッドラグーン。

 いつも通りにしていたはずなのに、レッドラグーンにはバレてしまったようだ。

 

 

「……………あのさ……俺、今日告白されたんだよ」

 

 

 ピタリと、レッドラグーンの動きが止まった。

 目を見開き、こちらをじっと見つめてくる。

 

 

「でも、俺……好きな人がいるって言って、断ってきた」

 

『……そう、か』

 

「でさ。俺、考えたんだよ」

 

 

 見つめてくるレッドラグーンの瞳を見つめ返す。

 

  

「この気持ちを伝えるべきなのか、そうじゃないのか」

 

「多分この気持ちは、別に秘めていても問題のない気持ちなんだと、思う」

 

「正直な話、怖い。これを言ったら、今までみたいに戻れなくなるかもしれないって、今も体が震えてる。でも、それでも、言わなかったら多分、いや、絶対後悔する」

 

「それに、ああやって断ったんだ。けじめはつけないといけないって思うんだ」

 

 

 レッドラグーンは口を閉ざす。

 その瞳は揺らぐことも無く、こちらの瞳と絡み合う。

 

 

「俺は────レッドラグーンが好きだ」

 

 

 絡み合った赤い瞳に、一筋の星が瞬いた。

 

 

「俺は、ドラグーンが好きだ。笑った顔も、怒った顔も。一緒にお風呂に入る時間も、一緒にご飯を食べて、眠る時間も。全部全部好きなんだ」

 

「恥ずかしいけど、ドラグーンとそういうことをするのだって、本当は、その……もっと触りたい、とか……って、これはこんな時に言ったらダメだよな……!」

 

 

 手持ち無沙汰になった、震えた手で頬を掻く。

 

 怖い、怖い怖い。

 

 なんて返されるのか。

 拒絶されたらどうしよう。

 興味が無いなんて言われたらどうしよう。

 

 でも、ありのまま全てを受け入れないといけない。

 じゃないと、雅ちゃんにあまりにも失礼だ。

 

 これは俺が選んだ道なんだ。

 だったら、怯えてる場合じゃない。前に進むんだ。

 

 目を逸らさず、返答を待つダイチ。

 

 すると、真っ赤な瞳が揺れた。

 目を細め、少し俯く。

 

 

『……オレ様は、わからないのだ。この、胸に渦巻く気持ちが』

 

『だって、オレ様の気持ちは、ダイチみたいに綺麗じゃないのだ』

 

『ダイチが告白を受けたと聞いた時、何故か胸が苦しかった。その告白をしたという人間が誰なのか、真っ先に気になってしまった』

 

『そして────その人間を消してやりたいと、思ってしまったのだ』

 

『オレ様は、いくら人間界で過ごしても本質は変わらない、どうしようもない凶暴な竜なのだと、今更気付いてしまった……』

 

 

 人間の姿だったレッドラグーンに炎が纏わりつく。

 

 その体はみるみる縮み、やがて見慣れた小さな竜の姿へと戻った。

 

 

『どうだ? 結局オレ様は人間ではない。これがオレ様の姿だ。いくら術で姿を変えても、オレ様は竜のままなのだ』

 

『ごめんなダイチ…………オレ様が、人間だったら…………』

 

 

 見慣れた小さな竜の姿で、弱々しく尻尾が揺れた。

 

 その姿がどんどんと小さくなっていくように思えてしまう。

 このまま、消えてなくなるのではないかと錯覚してしまうほどに。

 

 

 ──なんだよ、それ。

 

 

「……そこに、お前の気持ちはあんのかよ」

 

 

『……え?』

 

「そこにドラグーンの本心があるのかって聞いたんだよ!!」

 

 

 ダイチの、腹の底からひねり出した叫び。

 

 

「ふざけんなよ! だったら俺の事が嫌いだって! そういう関係にはなれないって拒絶したらいいじゃんか!!」

 

『だって、それは──』

 

「なに、種族がなんだとまどろっこしい理由で断ろうとしてんだよ!!」

 

「そもそも、こうやって告白してる時点で! 俺は種族だとか、どうのこうの関係なく、ドラグーンのことが大好きなんだって! 気づいてくれよ!!!」

 

 

 叫ぶ度、視界が夕日に染まっていく。

 

 ──だから言っておいてやる。これから先、誰の指図も受けない! それこそ、キサマの指図もな! オレ様がやること全てオレ様が決める! 今更後悔しても遅いぞ?

 

 あの日、レッドラグーンと友達になったあの日、レッドラグーンが言い放った言葉と姿が目の前に鮮明に浮かび上がる。

 

 

「なんで俺に気を遣ってんだ!!」

 

「精霊界で恐れられてた、凶暴な竜なんだろ! だったら、そんな理屈全部燃やし尽くせよ!!」

 

「俺が好きになったのは! 自由で、傲慢で、誰よりも優しくてカッコいい、何者でもないお前なんだ!!」

 

 

 荒く、乱れた息を整えようと、息を吸う。

 レッドラグーンを見つめ、言葉を待つ。

 

 

『オレ様は、オレ様は…………オレ様も、ダイチのことが好きだ……』

 

『他の何よりも、比べるまでもなく、ダイチが好きだ…………だからこそ、怖いのだ』

 

『オレ様は、悠久の時を生きる精霊だ。それに比べ、ダイチは人間で、少しの間しか生きられない。死んだらどうなるか知っているか? 魂の記憶は全て洗い流されて、新たな人間に生まれ変わってしまうのだ。だから──』

 

「──だったらその時は、ドラグーンが"捕まえてくれよ"。洗い流される前にさ」

 

 

 ダイチのポロっと溢れてしまった言葉に、目を丸くしたレッドラグーン。しかし直ぐに、わなわなと身を震わせ始める。

 

 

『……今、自分が言った言葉の意味がわかっているのか?』

 

「分かってる。てかそもそも! そんな事は今、重要じゃないだろ?」

 

『…………ククッ、はははっ。なんだそれ。オレ様の気持ちも知らないで…………………でも、まぁ、そうだな。後のことは後で考えればいいか』

 

 

 無責任な発言に、きょとんとした顔を見せたレッドラグーンだったが、直ぐに口元を歪ませた。

 

 そして────いつもの、人懐っこく、自信たっぷりの笑顔を見せつける。

 

 

『ダイチ、改めて言うぞ』

 

 

 深く、息を吸う。

 

 

『オレ様もダイチが好きだ』

 

『だから、"ずっと"一緒にいよう!』

 

 

 ──胸一杯、レッドラグーンを抱き締めた。

 

 

◯────

 

 

『ダイチ…………そろそろ離してくれないか? 食器も洗わないといけないし、お風呂もまだ入ってないだろう?』

 

「いやだ」

 

『ダイチ…………ふふっ』

 

 

 あの後、ひとしきり抱き締め、ご飯を一緒に食べた。

 そして今、食器を洗おうとキッチンに飛ぼうとしたレッドラグーンの尻尾を引っ掴み、そのまま胸の中に押し込んでいた。

 

 薄く香るボディソープの匂いに、湯たんぽみたいに温かい体。

 その全部が愛おしかった。

 

 

「ドラグーン。好きだよ」

 

『オレ様も、ダイチのことが大好きだ』

 

 

 好きだと言い合う。それだけで胸が満たされた。

 

 

「はぁ……よかった」

 

『どーしたのだ?』

 

「告白した時、気持ちが届かなかったらどうしてたのかなって。想像するだけで寒気がするし、想像したくもないや」

 

『ククッ。オレ様がダイチの気持ちを無碍にする訳がないだろう? それに、オレ様も同じだ』

 

「?」

 

『ありがとな。ただのオレ様を好きになってくれて』

 

 

 穏やかな顔を見せたレッドラグーン。

 その顔を見たら、急に今の状況が小っ恥ずかしくなってきてしまい、腕を解く。

 

 

「よし、風呂入ってくる」

 

 

 誤魔化すように立ち上がるダイチ。 

 

『ダイチ』

 

 そのまま風呂場へと向かおうとすると、レッドラグーンから声を掛けられ、足を止めて振り返る。

 

 

『お風呂上がったら、ダイチの時間をオレ様にくれないか?』

 

「いっ、いいけど」 

 

『そうか。じゃあ、オレ様の家事が終わるまでの間、寝ないでベッドで待っててくれ!』

 

 

 そう言い残し、レッドラグーンはキッチンへと飛んで行く。

 

 パタパタとはためかせた小さな翼が目に映り、ダイチは自分の胸に手を当てる。

 

 心臓がやけに大きく脈打っていた。

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