※この作品はR-18です。

オレ様っ娘な相棒(ドラゴン)は、エロ本なんかに負けたくない!〜共に世界を救った二人が、人生のパートナーになるまで〜   作:APP3

3 / 22




第三話 多分、きっと、めいびー ☆

『ただいまダイチ! もう寝るのか?』

 

「どっ、どっ、どうしたんだよその格好!?」

 

 

 思わず両手を前に突き出し、後退りするダイチ。

 握り締めていた置き手紙が宙を舞う。

 

 

『どうだ? この完璧なボディは!』

 

 

 両腕を広げ、恥じらいもなく肌を晒すレッドラグーンの姿から目を離せない。

 

 本の中でしか見たことのない、破廉恥な姿。

 しかもそんな姿をしているのは親友であるレッドラグーン。

 

 先程の落ち込んだ気持ちはどこへやら。

 よく分からないこの状況を飲み込めず、後ずさりしている最中、足を滑らせ尻餅をついてしまう。

 

「いててっ……」

 

『おいおいダイチ。大丈夫か?』

 

 ぺたぺた、と素足がフローリングを叩く音を立てて、レッドラグーンが歩み寄ってくる。

 

 

『ほらっ、立てるか?』

 

 

 心配そうな声色と共に、鱗に覆われた小さな手ではなく、真っ白で華奢な手が差し出された。

 

 レッドラグーンの顔と手に視線を行ったり来たりさせながらも、手を置くダイチ。

 

 

『よっと!』

 

「うわぁっ!?」

 

 

 思ったよりも強い力で引っ張られた為か、よろけてしまい、そのままレッドラグーンの方へと倒れてしまう。

 

 ダイチの顔が、レッドラグーンの控えめだがはっきりと分かる胸に当たる。

 

 腕に伝わる、吸い付くような肌の熱。マシュマロのように柔らかく、けれど確かな弾力を持ったその感触に、心臓の奥が跳ねた。

 

 

  

『ダイチ? さっきからそんなに慌ててどうしたのだ』

 

「どうしたって、そんなの当たり前だろ!? なんだよその姿!!」

 

 

 思考がショート寸前だったダイチだったが、何とか正気を取り戻し、レッドラグーンから離れる。

 

 

『ん? どうだどうだこの身体は! これでもう、こんな効率の悪いモノで満たす必要はなくなったな?』

 

 

 そう言ってレッドラグーンは勉強机の上から何かを手に取り、ダイチに見せ付けた。

 

 "例のアレ"。そう、エロ本だ。

 

 

「なっ、なんで! なんで持ってんだよ! 確かそれは──」

 

 

 ──片付けたはずだろう?

 そう続けようと口を開いた瞬間、思い出す。

 昨日、勉強机の上に置いたまま寝落ちしてしまった為、置きっぱなしになっていたことに。

 

 

「あ、あっ……」

 

 

 声にならない声が、ダイチの開いたままの口から流れる。

 

 

『ダイチ…………オレ様たちは親友。そうだよな?』

 

「あっ、当たり前だろ?」

 

『なら、どうして一言言ってくれなかったんだ?』

 

「はぁ?」

 

『隠れてこんな物を読んで。まるでオレ様が"邪魔者"みたいじゃないか……』

 

「──へっ?」

 

 

 "邪魔者"。

 

 沸騰しかけていた脳が、冷水をかけられたかのように急速に冷めていくのが分かった。

 

 

『……って、オレ様らしくないな。すまないダイチ、今のは忘れてくれ』

 

 

 なんでそんな顔するんだよ。

 なんでそんな目でみるんだよ。

 

 何故その本を持っているのだとか、何故女の子の姿になってしまったのか。

 

 今はどうでもいい。

 

 目の前で、こんなにも弱々しく笑う友達の姿が答えじゃないのか。

 

 

「ドラグーン。俺は、その……ごめん」

 

『なんで謝るんだ? 別に怒ってなんかいないぞ。ただ、まぁなんだ? ちょっと仲間ハズレにされたように思っただけだ』

 

 

 頬をポリポリと掻くレッドラグーン。

 

 ──確かに、レッドラグーンの言う通り、邪魔者だと思ってしまったこともある。 

 でもそれは、なんだろう、こう、仕方ないじゃないか。

 

 こんなこと、普通言えないだろう?

 

 ダイチの頭の中で、どうしようもない言い訳が湧いて出てくる。

 

 

『そこで名案が浮かんできたのだ!』

 

 

 ああでもないこうでもないと頭を抱えているダイチ。

 レッドラグーンは一歩踏み出し、ダイチの右手を両手で包んだ。

 

 レッドラグーンの両手は、いつもの小さい体だった時と同じように熱く、冷え切ったダイチの右手を暖める。

 

 

『その欲求、オレ様で発散すれば! ダイチは効率良く欲求を満たせて、オレ様もダイチの役に立てて今回の件も仲直り! 一石二鳥、いや一石三鳥という訳だ!』

 

 

 ずいっと顔をダイチへと近付けるレッドラグーン。

 

 

『……どうだ? ダメか?』

 

「…………」

 

 

 あぁ、駄目だ。

 

 

「……ダメじゃ、ない」

 

 

 そんな顔を向けられて、ダメだなんて、言えるわけがなかった。

 

 

◯───

 

 開け放たれていた窓を閉め、カーテンを閉め切る。

 

 自室の扉もちゃんと閉め、エアコンを操作し、いつもの温度より一度高めに設定した。

 

 ふぅ、と一度息を吐き、ダイチは振り向く。

 

 ベッドに腰掛け、足首をペタペタと動かすレッドラグーン。

 

 

『よし、じゃあ始めようか!』

 

「……おう」

 

 

 パンパンとレッドラグーンは自身の隣を叩き、ダイチはおそるおそるとレッドラグーンの隣に腰掛ける。

 

 

『と、自信満々に始めようと言ってみたはいいが、どうすればいいのかなんて分からないのだがな』

 

「どうすんだよ……俺も知らないぞ?」

 

『んー。ならば一度、これを二人で読もうではないか』

 

 

 そう言ってレッドラグーンは、雑誌をペラペラとめくる。

 

 気恥ずかしさを覚えたダイチは開かれた雑誌に目を向けられず、部屋の隅の勉強机に目を向ける。

 

 

『ダイチ? そんなに離れていては見えないだろう? もっとこっちに寄ったらどーだ?』

 

「……」

 

『オレ様が寄れば問題ないな!』

 

「ちょっ、おい!」

 

 

 肩と肩が触れ合う距離まで詰められ、何とか距離を取ろうと横にズレるも、壁にぶつかりこれ以上距離が取れない。

 

 そして、もっと近付いてきたレッドラグーンの肩と太腿がダイチの肩と太腿にくっつく。

 

 短パン越しに伝わる、柔らかい太腿の感触。

 いつも使う、柑橘系のボディソープの香り。

 

 そのどれもがダイチの心臓を跳ね上がらせる。

 

 

『ほーら、見るぞ?』

 

 

 レッドラグーンがダイチにも見えるように、密着した太ももと太ももの間に雑誌を置き、開く。

 

 視界の端から垂れる、赤く長い髪がダイチの頬を掠める。

 

 あれだけ待ち望んでいた筈の光景が目に映っているにも関わらず、全く持ってその情報を処理できない。

 

 

『ダイチ。どうだ、満たせているか?』

 

「わ……わかんねぇよ……」

 

 

 レッドラグーンのこちらの気を使う囁き声。

 そんなことだけで呼吸がいつの間にか荒くなり、心臓の鼓動が大きくなっていく。

 

 何とか抑えようと深呼吸するも、鼻腔をレッドラグーンの香りにくすぐられ、余計に苦しくなってしまう。

 

 

『こんなのが好きか?』

 

『こういうポーズ、オレ様がとってみようか?』

 

 

 ページをめくるたび、レッドラグーンはダイチに問う。

 

 その一言一言がダイチの心を掻き乱す。

 

 そして──

 

 

『ダイチ……それって』

 

 

 チラリとレッドラグーンへ目を向けると、レッドラグーンの視線は雑誌ではなく、ある一点を見つめていた。

 

 ダイチもレッドラグーンの視線を追うと、ダイチの下半身へと向かっており、下半身は大きく熱を帯び、短パンを裏から膨らませてしまっていた。

 

 雑誌を太ももの上に置いている為、レッドラグーンからも見えてしまったのだろう。

 

 ダイチは自身の顔に、熱が集まってくるのを感じる。

 

 

『なぁダイチ。これ、やってみようか?』

 

 

 そう言ってレッドラグーンは開かれたページを指差す。

 

 羞恥心によってぶっ倒れそうになる中、なんとか開かれたページに目をやると、女性が男性の大きく隆起した局部を触っている光景が目に入る。

 

 

「……ドラグーン、大丈夫、だから……」

 

『遠慮するなダイチ! 大丈夫、優しく触るからな』 

 

  

 ダイチの制止も虚しく、レッドラグーンのダイチの熱を吸い取ってしまいそうなほど白い指が、短パン越しの膨らみへと伸ばされる。

 

 ぴとり。

 人差し指が膨らみに優しく当たる。

 

 

「うぅっ」

 

 

 短パン越し、されど短パン越し。

 

 大きく膨らんだダイチのソレは、その一撫でで敏感に反応してしまう。

 

 

『ふふっ、変な感触だな?』

 

 

 突いては揺らし、突いては揺らす。

 人差し指で、何度も何度も、優しく突く。 

 

 火傷しそうな程の熱を帯びた猛りが、指先で揺らされる度に下着と擦れ、下着の下で糸を引いてしまっているのが分かる。

 

 

「ダメだ……うぅ……ドラグーン」

 

 

 一突き一突きに翻弄されるダイチだったが、ちらりとレッドラグーンの顔を伺う。

 

 

『──ん? どーしたダイチ?』

 

 

 いつもと変わらない声色に、いつもと変わらない笑み。

 

 目と目が合ってしまったダイチはすぐに顔を逸らした。

 

 

『どうして顔を逸らすんだ? ほらっ、もっと見てもよいのだぞ?』

 

「うわっ」

 

 

 空いた手で、ダイチの顎に触れ、逸らした顔を自分の方へと向けさせるレッドラグーン。

 

 

『ダイチの為に色んな所を飛び回って、精霊界にまで戻って創ったんだぞ?』

 

「ドラグーン……」

 

 

『いわばこの身体はダイチのモノなんだ。だから、逸らさず、真っ直ぐ見ていいんだ』

 

 

 可愛らしくも美しい顔。

 染み一つないシーツのように真っ白な肌。

 そんな肌を彩る夕日のような赤髪。

 ダイチの顔へ伸ばした腕によって寄せられ、触らずとも質感が伝わってくる二つの膨らみ。

 

 そのどれもが今もなお、与えられ続ける快感に上乗せされる。

 

 

『こんなのはどうだ?』

 

 

 人差し指が離れ、今度は掌で膨らみを上から包み込む。

 全体に広がる、優しくも先程以上にかかる絶妙な圧力。

 

『よーしよーし。こんな感じか?』

 

 それをまるで、赤ん坊でもあやすかのように何度も、何度も繰り返される。

 

  

「だめだ……待ってドラグーン…………」

 

 

 レッドラグーンの掌が往復するたびに、自然と腰が浮いてしまう。

 

 絶え間なく続く快感の波に耐えるべく目を瞑る。

 

 しかし、腰の後ろから立ち登る感覚が、この行為の終わりを予感させる。

 

 

「待って、待って……! ……ドラグーン!」

 

 

 ダイチは何度もレッドラグーンに呼び掛ける。

 もう限界だと、やめて欲しいと懇願する。

 

 それでも手の動きは止まらない。

 

 目を開き、レッドラグーンの顔を見る。

 

 

『ハァ……ハァ……ダイチ、ダイチ……』

 

 

 ──その顔を直視できなかった。

 頬を赤らめ、潤んだ瞳で膨らみを見つめながら、今まで見たこともない笑みを浮かべていたのだから。

 

 それこそ太ももから落ちてしまった、本の中でしか見ることのないような笑み。

 そんな顔を見て、心臓を鷲掴みにされたような、そんな激しい衝撃がダイチを襲う。

 

 

 あぁ……もう、ダメだ。

 

 

 その瞬間、激しい波がダイチを狂わす。

 

 頭の芯が真っ白になるような感覚。

 

 

「うぅ…………」

 

 

 ダイチは思わず目の前のレッドラグーンにしがみつく。

 

 止まることなく溢れ出る欲の波。

 その波がダイチの履く短パンに染みを作り出す。

 

 波が収まると、辺りの音がどんどん遠ざかり、呼吸が変に落ち着き始める。

 

 

『だっ、ダイチ! すまない、夢中になってしまった! ──ってダイチ? ダイチ!』

 

 

 遠ざかっていく音の中、レッドラグーンの焦る声と共に、ダイチの視界がチカチカし始め────最後に視界に焼き付いたのは、狼狽えながらも、どこか恍惚とした彼女の赤い瞳だった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。