気づくと、フィーリウスの体にいくつもの赤い痕がついていた。どれくらいの時間キスをしていたのか分からないほど彼の体はそこかしこに印だらけになっていた。薄くなっていた首の痕も赤く発色している。
徒に胸の突起につんと触れると、フィーリウスの体が跳ね、追い詰めるようにエリックは指で突起を弄び始めた。
「あ、あ、あっ…」
甘い喘ぎ声が続く。
両手の指の腹で同時に2つの突起を撫でればフィーリウスは大きく体を仰け反らせた。
「やっ…変なの…くる…ぅっ!」
「イくって言ってごらん」
「うあ…!」
不意に耳元で優しく囁かれ、腹の下に熱が溜まっていく。
あの時と同じ、快楽を処理しきれない体が悲鳴を上げる。
「イ、く…ッ!」
仕上げと言わんばかりに、エリックの指が何度も突起を弾き、フィーリウスは耐えきれず小刻みに震えて果てた。
「…あ、ぁ…」
「指だけでイけたね。いい子だ」
全身を快楽が包み、下半身が意思に反して膨張しひくひくと動いている。
(嫌だ…!)
足を固く閉じ、何とかうつ伏せになると、熱を持った腰を優しく撫でられ、堪らず息を吐く。
「はあ…っ」
果てた体を落ち着かせるようにエリックは丁寧に華奢な体を撫でる。
やがて甘い怠さが薄れていくと、どうしてこんなことになってしまったんだろう、とフィーリウスは意識を背けた。
その隙を見逃さず、エリックはフィーリウスの下半身のそれに手を伸ばし、まるで子供の頭を撫でるように優しく触れた。
「だっ、駄目です!汚いから…!」
うつ伏せのまま背後のエリックの様子を伺うが、彼は構うことなく手を動かす。
「フィーリウスは綺麗だよ」
「そ⋯んな⋯」
半ば泣きじゃくりながら、エリックの手から逃れようと体を起き上がらせる。
しかしそれが裏目に出て、背中と腰に触れるエリックの軍服の感触が、いけないことをしているとフィーリウスを更に自覚させ、混乱させた。
エリックの人差し指と中指がフィーリウスの自身を挟み込み、するすると上下する。
その度に押し寄せる快感に腰も呼応して揺れ、羞恥心が爆発しそうになる。
「ひ、う、あ、あ…」
指の動きに合わせて声が漏れる。
今度は親指と人差し指で円を作り、その中でフィーリウスの自身をゆっくりと滑らせた。
初めての快感に目の前がチカチカし、飛びそうになる。
「いい?」
「…い、ぃ…」
エリックが耳に甘く囁きかけると、朦朧とする意識の中、何も考えられずに従うフィーリウスが、
「可愛い」
ゆるゆると上下するエリックの指を求めてフィーリウスの腰が揺れ、エリックは自分の与える快感に従順に支配されていくフィーリウスに微笑む。
「あ、あ…!」
絶頂が近くなり、細い腰が震えた。
その途端エリックは手を止め、快楽が途切れて戸惑うフィーリウスを仰向けに寝かせると、彼のひくついている下半身のそれに唾液を垂らした。
「ひッ!?や、やだ…!」
エリックを止めようと手を伸ばすフィーリウスを遮るように、それを口に含み、蹂躙する。
「っんあぁ…!!」
ちゅう、と卑しい音が部屋に響く度にフィーリウスの意識が飛びかける。
「中、佐…!」
「ん?」
「あんっ!」
口に含んだままエリックが声を出すと、悲鳴に似た嬌声が上がる。
エリックはまたフィーリウス自身を味わうように舌を這わせた。
「ふ…う…っ」
フィーリウスに抵抗する気力はとうになく、ただただ快楽を受け入れ限界に近づいていく。
腹の下の熱がぐつぐつと煮えたぎり、爆発するのではないかと恐くなる。
フィーリウスの絶頂が近づいていることに気づいたエリックは、更に強く彼を責め立てた。
舌で先を撫でると同時に手で上下に扱いたり、口に含んでわざと、ぢゅう、と音を立てて吸い上げたり、吸い上げてすぐに口を離し、ちゅぽっと陰らな音を立てる。
休むことなく与えられる快感や音に、フィーリウス自身から滲む先走りをエリックは見逃さなかった。
(そろそろか)
手や口の中でひくひくと動く彼自身が、絶頂を求めていることは明白だった。
「フィーリウス、ここに意識を向けて」
「ふ、う、う…?」
優しく腹の下に手を当て、ゆっくり撫でる。
フィーリウスは混乱しながらもエリックの言葉に従うと、ビクッと大きく体を震わせた。
「っうあ、あ゛っ!?」
途端、尿意に似た感覚に焦ると同時に、エリックは彼を口に含んで舌で蹂躙する。
「あんんっ!!」
次の瞬間。フィーリウスは精通を迎え、尿道をかき分けて通る精液の感覚に恍惚とした表情を浮かべ、息を切らして天井を仰ぐ。エリックに両足を抑えられているせいで快楽から逃れられず、下腹部の熱が陰部から放出される感覚に打ち震える。
エリックは口内に受け止めた精液をゆっくり舌で味わうと飲み込んで見せた。
「…うぅ…」
フィーリウスは驚き居た堪れず、目を強く閉じて顔を逸らす。
やがてフィーリウスの体は甘い怠さに包まれ、激しい睡魔に襲われた彼は、快楽の余韻に浸りながら深い眠りについた。