同日中にもう一話投稿があるってことだよなぁ!
聖女教会。
それは、世界中に蔓延る魔物の中でも、特に専門的な知識や技術が必要な怪異型と呼ばれる存在に対処する専門機関であり、一部の国ではその功績から最大の実践機関として国教にも指定されている強大な軍事宗教だ。
その教えは単純、人に仇為す魔物を滅せよ。
人を救う宗教というより、魔物を殲滅して救世を齎そうというパワーオブパワーなこの宗教団体は、魔物が溢れる危険な世の中だからこそリーダーシップを発揮しているというわけだ。
そんな聖女教会の中で、聖女と呼ばれる階級の女達がいる。
聖女を端的に表すのなら―――対怪異における、最強。
冒険者であればA級の上澄みに位置する実力者たちが、この女達なのだ。
そのうちの一人がこの私、セラフィエットである。
「少年、落ち着いて。落ち着くんだ。私の目をよく見て、私の声に集中するんだ―――君は人間だ。君は人間なんだ、少年......」
密室で対面しているのは、つい先ほど助けた少年だ。
強力な怪異の反応を感知した私は、街の教会から飛び出し、その異空間へ踏み込んで彼を救助した。怪異は退けただけだが、奴の危険は教会内部には絶対に及ばない。
―――それが、誰かに憑依していなければ。
ゆらり、と立ち上がった少年の全身から魔力が立ち昇る。この部屋の対魔力結界がそれを封じ込めるが、その分濃密に蔓延する強力な魔力が空間を支配し、私の魔力の影響範囲を潰す。
浄化部屋は僅か2メートル程度の小さな部屋。私の得物を振り回すには狭いし、少年の肉体を傷つけてしまう。素手で少年を制圧し、浄化部屋の儀式魔術を起動する必要がある。
「聖女......ククク、美味そうなカラダじゃないか......」
「影女、お前が誰かに憑依するタイプだとは知らなかったよ......いつもの神隠しはどうしたんだい?」
冷や汗が流れる。後ろ手に回そうとしたドアノブが回そうとしても反対側から逆に回されているかのように抵抗される。ならばと後ろ脚に蹴りつけて扉ごと破壊しようとするが、その足が扉に埋まった。
「っ!? なにっ!?」
『扉は既に妾の影が覆っておる。それはつまり、異空間への穴になっているということ。しかしすまんのぅ、その穴は一方通行じゃ』
少年の口が動いていない。少年のいる辺りから、女の悪意ある声が響いている。
少年が近寄って来る。今の少年に触れられるのは、間違いなくマズい。
「ギャンブルは好きじゃないんだけどねぇ!」
私はイチかバチか、一方通行だという背後の穴へ飛び込んだ。
瞬間、ぬるりとした生温い液体の感触。
粘膜の壁のようなものを通り抜けた私は、べちゃり、と薄気味悪いナニカの上に着地する。
周囲が真っ暗だ。立ち上がろうとして、ずるりと急激に足場に穴が開き、腰まで飲み込まれた。
「くそっ!」
『汚い言葉じゃのう。舞台女優のような美しい顔立ちが歪んでおるぞ』
「聖女を舐めるなよ化け物―――『聖光爆破』!!!」
光に物理的な衝撃を持たせて拡散させる力技、聖光爆破。自爆覚悟ならこれで抜け出せると踏んだ私の決意は、あっさりと砕かれる。
魔術が発動しない。そもそも、魔力を感じられない。
「な―――に......?」
『残念じゃなぁ、得意の魔術が使えず、聖女と言えどそれが無ければただの女じゃろ。さーて、その魔力はどこにいったんじゃろうなぁ』
落ち着け。落ち着けと自分に言い聞かせる。
魔力は必ずある。生物の体に同化し、構成している魔力を一気に吸い上げたらその肉体に明らかな異常が起きるはずだ。つまり、魔力はあるが感じられない、一時的に感覚を麻痺させられたという解釈が出来る。
であれば、その元凶なこの空間だろう。ここから浄化部屋へ戻る必要がある。既に敵の術中、罠の中でそれが出来れば苦労はしないが、希望はそこにしかない。
「魔力が感じられなくとも、あるのならば―――!」
『ほほう、どんな訓練をしたんじゃ? 感覚無しに強化魔術を使うとは。妾の嘘も通じぬか、全くもって忌まわしい。しかしじゃ、感覚が無いのは、魔力だけか?』
「......何の話だい?」
『ふふふ......こういう趣向は中々新鮮じゃ。元々は別の目的で使う予定のものを持ってきたが―――精々、妾たちを楽しませてくれ、聖女セラフィエット』
気配が消える。
暗闇に取り残され、拘束されたままの私は、強化魔術を発動する感覚を、感覚が無いままにただ集中して、発動できていることを信じて腕に宿す。
狙うのは、思い切り腕で身体を持ち上げての脱出。その後、この暗闇から向こうへ戻る穴を探す。
魔力を、入れる。
チカラを、入れる。
「―――っ!!!」
ダメだ、持ち上がらない。
腰に張り付いた妙にぶよぶよした感触の床、いや、収縮した穴か? それが持ち上げようとする私の身体に張り付き、下へ引き戻してしまう。
ならば、逆に下へ潜るか? 流石にこの罠を受けてもう一度同じ愚行をする勇気は無い。
ただ、脚を使ってこの下の空間を探り、何か解決の糸口を探ることは出来るだろう。怪異型魔物の形成する異空間というのは独特なルールがあり、独特な弱点がある。そしてそれは、不思議な事に必ず獲物が対処できる場所に用意されているのだ。
それは知恵か、力か、観察眼か、気付けるか気付けないか、それだけのものが多く、そのために大事なのは探索のみ。
今回は動けないから探索と言うより肉体を使った探知だが......基本は同じだ。分かる限り、分かろうとする。行動することだ。
「......何か、おかしい」
そう思い、脚を動かそうとするが、そこで気付いた。
脚の感覚が―――いや、穴にハマった下半身の感覚が無い。
「なんだ、この穴は......私に何をした!」
返答はない。そもそも気配が消えてから、奴は恐らくここを見ていない。何をしているのか―――当然、少年に干渉して、支配を強めているか、あるいはもう浄化部屋を出て呪いを拡散しようと企んでいるだろう。
理解しているのは私だけだ。この辺境の街に滞在していたのが偶然、元々いた教会関係者は聖女には程遠い聖従事者だけ。彼らは良い人間だが、同時にこのレベル相手には力不足は否めない。
魔力を感じず、下半身を感じず。
不安と心配が煽られていく、だが、冷静でなければならない。怪異型魔物は人の感情や魂を喰らう悪質な存在。心の乱れはそれらを奪われやすくなる危険な行為だ。
「ふぅー......ふぅー......私の反応が現世から消えたなら、聖女機関の緊急網が気付く。最寄りの街からの救援は最速で2日。2日......耐える......んぉっ♡」
今、何か妙な声がした。
辺りを見渡しても、相変わらず真っ暗で何も見えない。まさか、奴は私を置いて現世で何かしているだけでなく、狡猾にも見張りを置いているのだろうか。
人間の声っぽくは無い、恐らくは眷属。魔物の類。襲ってこないところを見るに、見張る機能しかないか、徐々に私の魔力を吸い取る舞台装置のようなものなのだろうか。
これほどの危機は経験が無い。私は聖女の位まで駆け上がったエリートで無敗とはいかなかったが、命に手がかかる状況は経験が無いぐらいには強い聖女だった。経験のないレベルの恐怖は私の心を削る。
「......あ゛ぉ゛っ゛♡ っ! また声が―――雌の獣か......?」
警戒しながら手立てを探る。
身体能力による脱出は厳しい。であれば、まずこの暗闇をどうにかするか、せめて下半身のコントロールを奪取するしかない。
―――あまり、やったことはないが。
そう思いつつ、目に魔力を集中させる感覚を思い出す。
相変わらず何も感じないが、徐々にクリアになる視界。上手くいっているようだ。
『神通眼』。
神の視点を得るとされる、聖女の魔術―――聖術の1つ。聖術の奥義にして、身も蓋も無いことを言ってしまえば透視能力だ。
それは、魔術的な妨害だけでなく、物理的な暗闇や遮蔽物も見通す。調整が難しいが、これを使えば周辺状況が良く見えるはずだ。ただ、これを最初からやらなかったのは私が『神通眼』を苦手としているが故に、消費魔力が多く、さらにはピントを合わせるために繊細なコントロールが必要なこの聖術は余計な魔力を使う可能性が高い。
それでもやるしかない。このままではヒントが無い。
「んっ♡ なっ、なんだ? 揺れるっ!」
揺れる。上下に、視界が映り始めるより早くに、揺らされている。
妨害にしては弱い。となれば、さらに身体を呑み込むために床が上下運動を開始したのだろうか。だとすれば、この床だと思っているものは口を開けたワームのような存在なのかもしれない。
「くっ、集中させないつもりか? だが、私は聖女、この程度はなんとも―――♡♡♡♡♡♡♡」
視界が一瞬明るくなりかけたと思ったが、暗くなる。
いや、違う、私の瞼が落ちたのだ。身体の揺れが止まり、代わりに凄まじい痙攣が襲っている。
マズい、確実に何かされている。痙攣の理由は分からないが、瞼が落ちかけたのは恐らく気絶しかけたのだ。魔力が底を尽きそうになっての失神というより、もっと純身体的な、疲労や衝撃での失神をする感覚だった。下半身の感覚が無いのをいい事に、何か毒のようなものを回されている可能性がある。
「くっ、なんだこれは―――あぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあ♡♡♡」
獣の声―――違う、これは私の声か!
口から意味の分からない嗚咽......? 悲鳴......? が漏れる。
急ぐ。紛れも無い緊急事態にして絶体絶命。再び『神通眼』の行使に集中し、魔力を振り絞ろうと意識する。
視界が戻る。周りが見える。
私がいるのは、グルグルとした渦巻のような不気味な紋様が描かれた部屋の中だ。蠢く壁は、見た目には石造りであるのに間違いなく生き物だと思わせる脈動をしていて、非常に気持ちが悪い。
渦巻模様を見ていると、目が回り、眠気が襲ってくる。即座に罠だと感じた私は、ピントをズラし、次は床を透視しようとした。床は率直に言えば肉塊で、私を呑み込んでいるのは肉塊に空いた生きた穴、やはり口のようなものだ。
さらに下だ。見えず、感覚も無いのでは流石に脚を動かすどころではない。
視ろ、視るんだ、この先を―――
「―――少年......?」
うっすら見えてきたのは、人の姿だった。
たくさんいる。仰向けに横たわり、力なく虚ろだ。
全て背格好からあの少年であろうことは分かる。しかし少年の顔の部分は、ベールのようなものが覆っていて良く見えない。
そして少年たちは全裸だった。その股間には、凶悪な形状をした大きなペニスが聳え立っている。
「ん......?」
下の空間は肉の部屋ではない。正確には、私が捕まっている床を形成している肉塊が天井ではあるが、それ以外は非常に天井の低い謎の空間。
足元を見る。
仰向けの少年が横たわっている。
私の脚はすぐ下の床に棒立ち出来るだけのスペースが無いために、力が無いままだらりと座るようにして広げられている。
「まさか......」
私の尻が、少年型のナニカの股間の上にある。
刺さっている。何が? ナニカのペニスが、私の膣に突き刺さって脈動している。
「まっ......そんなっ......この外道がっ!!!」
少年の姿をしているのは恐らく、怪異が少年を取り込んでいるからだろう。実際にあそこにいるのは怪異の創り上げた、いわば拷問道具。
そのペニスが私へ挿入されている理由、それは、感覚の無い下半身から、感覚が無いままに魔力の防御が崩れている私の胎内を通して邪悪なチカラを送り込み、肉体を支配しようとする試みか。
狙いは―――私だったか!
「こんの......私の膣内から出てい......なんだ......脈動......?」
そうだ、脈動している。
ペニスが、どくん、どくん、どくんと。
呻き声が聞こえた。なんだ? 少年型のナニカの呻き声だ。
ペニスが脈動。
呻き声。
怪異の目的―――そこまで思い至った私は、咄嗟に凄まじい悪寒と吐き気を覚えた。
「バカなっ! こんなっ! 私の中に何を出して―――なんだ、抜いて......まさかまた―――んぁぁぁぁああああ♡♡♡♡♡」
今分かった。
この悲鳴は嬌声。恐ろしい快楽を生む中に出されているナニカ。そして、出し終えた後に次の少年がペニスを突き込み、ピストンし、また吐き出すセックスの快楽。
それをずっと繰り返している。視てしまった脳が、感覚の無い下半身から、無事な上半身へ伝わってくる衝撃や、脳に直接届いている快楽を認識してしまって、先程までの無意識の嬌声ではなく強烈な意識しての快感に溺れそうになっている。
急にきた快楽なのも良くない。だが、耐えられる。今は頭がびっくりしているだけだ。一旦落ち着くまで待つんだ。怪異の吐き出しているものは浸食魔術を精の形にしているものだろう。汚染は免れないが、これは心を折ろうとする悪質な手法でもある。そうしなければ、私の肉体を奪えないんだ。
であれば、耐えて、耐え抜け。快楽は毒ではない。毒では無いなら死ぬことは無い。死ぬことは無いなら、私は―――聖女は耐えられる!
私は怪異なんかに敗けたりは―――しない!!!
「んっ―――くぅっ―――一発の射精量が多すぎる......なんだこの量は......私の......私の大事な膣内が、ぎゅうぎゅう詰めに......」
例え、胎内を精液のようなものが満たそうとも。
「思い通りにはさせないよ......私は......んぁっ♡ くそっ♡ 乳首が立っている......唾液が漏れる......耐えてくれ私のカラダ......」
敗けたくない。敗けられない。その一心で、この不快を直視する。
不意打ちだけは避けなければならない。どんなに辛くても、視ることを止めて、何かの拍子に不意を突かれれ覚悟の出来ていないことをされれば今度こそ耐えられないかもしれない。
『ふふふ、聖女様といってもこの空間で妾に抵抗するなど無駄な事よ......主様も気持ちよさそうで何よりじゃ。しかし、今生の聖女は弱い。神通眼など切ればよいのに、干渉されておかしな思考になっていることにも気付けぬとは―――その見た目だけの肉体など、主様の肉便器になったほうが幸福じゃな』
影女の声がする。
何を言っているのかよく分からないが、その声がまた私を奮い立たせる。
敗けられない。聖女なんだ。最後には常に勝ってきた。私が怪異に敗ける事など、有りはしない。
どびゅるるるるっ、とまた私に打ち付けられていたペニスの動きが止まり、脈動が始まり、膣内に既にみちみちに詰まっている精液を押し出す勢いで溢れさせながら新しい精液が詰め込まれる。
「あっ♡ あぁっ♡ はぁーっ♡ はぁーっ♡ はぁーっ......んぁっ♡」
これで、10発目。
抜かれた後、感じもしない精液の溜まった認識だけでカラダが悦んで絶頂している。
これではまるで精液狂いの淫乱女だ。
「―――そろそろちゃんと味わいたいじゃろ」
「! 影女! どこにいる!」
「ふふふ、まだそんな口を利く元気があるとは。精神力だけは流石聖女―――偉いのう。偉いから下半身の感覚を戻してやろうと思っての」
「感覚を.....もど......馬鹿なっ! や、やめ、やめぇぇぇえええええああっぁぁあっぁぁぁあぁあぁあぁあぁぁああああぁあぁあ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
これから作者の思う最強コンボをキメていきます。
ついてきてください。