※―――が――になりました。――が(略
「横になってください」
「う……うん……」
言われるがままにベッドに寝転がり、服をはだけて無防備な姿を晒す。
あーしはこの男が、あーしに何をしてくれるのか、期待しているのかもしれない。
アルフはその股間に雄々しい男性器を聳え立たせながら、あーしを犯す……と思っていた。しかし、アルフはあーしの頭の上に陣取ると、ずいっ、とその男性器の裏側をあーしの顔の上に来るように突き出し、両手で優しく胸を揉み始める。
胸を揉まれている事に本来なら驚いて跳ね起きるのかもしれないが、あーしはこの見せつけられた男性器から目が離せなかった。それだけではなくて、頭頂部のすぐそこに感じる凄い熱を放つ睾丸も存在感があるし、この男性器の根元から漂ってくる生の雄の臭いも不思議と嫌じゃない。
「どうですか?」
「ど、どうって……なんていうか、凄い熱い感じっていうか……これ痛いの?」
「痛いというより、ムズムズする感じです。目の前の女を犯したいっていう気持ちで勃起するわけですから」
「あ、あーしを……犯したい……男性器って正直なやつだな」
「アーチェさん、男性器はやめませんか」
アルフが急にそんなことを言いだす。
びくびくと震える男性器から目を離せないまま、あーしは素直にそれを聴いた。
「ち、チンポ……チンポって、いうのが普通なのか?」
「逆に男性器なんて初めて聞きました。アーチェさんは学者さんの家とかの出身なんですか?」
「いや……あーしは……まぁ、教わった相手は学者っていうか医者だったな……堅苦しい医者の……」
冒険者になる前のことを思い出す。
まだあの森の国で、動物たちと共に生きていたあの頃を。
ディーネと出会う前の、お飾りのわたしを。
でも、そんな嫌な記憶もすぐに消え去った。目の前には強いチンポがあって、チンポの先にはあーしに欲情した強い男がいる。
ディーネの事を忘れたりはしてない。今も、一瞬顔を思い出した。けれど、あーしはどうしても、これを味わってみたいんだ。ディーネが避け続けたこれを。ディーネほどの女が怖がったこれを。だって、それはディーネより強いってことじゃないか。
分かっている。全ての男が、全てのチンポがそうじゃないことは。あーしだってもうB級冒険者だ。ここまで数年間、色々な男を見て来た。あーしらのクランは世にも珍しい女性のみのクランだけど、冒険者界隈はほとんどが男。見慣れないわけがない。
男なんてどいつもこいつもディーネ以下だ。でも、この目の前の男だけは、どうしてもそう思えない。
感じるんだ。遺伝子が、あーしの細胞が、忘れたいわたしの根源が。求めるんだ。強い男の子種を。強い男の庇護下に入り、守られる幸せを。
――そういや、リーナが言ってたな。強い雄の群れに入って、家族を作るのが夢だって。
――コユキは……そういう話をしたことは無かったな。でも、あの子純情だし、案外アルフみたいな年の近い男の子で、こんな雄らしいの見たら好きになっちゃうんじゃないかな。
――エレクシアはどうなんだろう。普段住んでる家の侍女に随分歪んだ教育を受けてそうだったけど……でも確か、自分より強い男とじゃなきゃ結婚したくなくて実家を飛び出したんだよな。
思えば、リーナもエレクシアも強い男を求めていた。自分が強すぎて、皆で王都にいた時もまともに超えて来るような男はいなかった。
あーしも求めていいんだろうか。強い男を。仲間たちもまだ手に入れていないような……
妙な感情が沸いてくる。
あの自慢の仲間たち。
馬鹿げた狙撃距離を誇り、最速でA級冒険者になったリーナ。
恐ろしい剣技で、あーしには無いテクニックを振るい魔物を斬り捨て続けたコユキ。
巨人と殴り合っても勝てる、肉体がピカイチの元聖女エレクシア。
そして、最強の氷魔術師にして、氷心の名を持つ恋人ディーネ。
誰も彼もがまだ手に入れられていないであろう強い男を、あーしが最初に手に入れる。
あーしが、雌として、一番最初に幸せになる。
これは昏い感情だ。昏い優越感だ。でも、ずっと感じていた仲間たちへの劣等感は、あーしの鎖を壊していく。
そうだ。アルフはあーしの剣をモロに受けて打撲で済んだ。第一、こんな強い男に誘われたから逃げられなくて当然だ。なら、生き延びるために媚びても仕方ない。
裏切りじゃない。ディーネに謝らなくていい。あーしは間違ってない。
「――アルフ、チンポ、どうすりゃいい?」
「アーチェさんはどうしたいんですか」
「ん……それが、ディーネとはいつも触り合って、その後は……あそこを擦り合わせてただけだから……わかんないんだ」
「大丈夫です。難しく考えず、チンポでどうしたいのか言ってくれれば、後はいくらでもヤってあげますよ」
「……あ、あーしを……チンポで……チンポでディーネより気持ちよくして欲しぃ……です」
無理やり裏切らせてくれ。臆病なあーしを、無理やり裏切らせて、アルフの女にしてくれ。
急に、ぎゅぅっ、と乳首をこねられ、びくり、と電流のように走った快楽に身を悶える。
いつの間にか、じっとり全身が汗をかいていて、それ以上に愛液が流れ、股が濡れていた。
大変だ。
あーしがこのチンポを気持ちよくしないと、男が怒って見放されてしまう。
あーしは乳首から与えられた軽い痛みと、それ以上の快楽に、そういうメッセージを受け取った気がした。そうだ。チンポはずっと目の前にあるんだ。あーしの顔に。ディーネとやってきた経験を、ディーネに可愛い女だと言わせ続けた経験を、ここで活かすんだ。
「ん――れろぉ♡ ごめん、ごめんなさい……あーし、頑張るから。んちゅっ……怒らないで」
キスをした。ディーネとしかしたことのないキスを、男のチンポに。
この男とはまだ口と口でのキスもしたことが無いのに、どういう訳か、これが正しい手順な気がした。口でのキスは恋人の証。なら、あーしは男の恋人に昇格するために、女を魅せないといけない。認められないと、恋人にはなれない。
「アーチェさん」
「んぇ?」
「難しく考えてませんか」
「ど、どういうこと?」
「さっきから、多分、アーチェさんの顔を見てると、誰かに言い訳したり、ボクの様子を伺ったり、凄く怯えてるみたいに見えます」
「それは……男を悦ばせようとするのなんて初めてだから……だろ」
「アーチェさん……可哀そうに。今まで色々あったんですね……そんなに健気なのに、努力したのに……」
アルフが腰を引いて、あーしと一緒のベッドに上って来て、一緒に横になって、そのまま抱き締められた。
このままエッチする流れかと思ったのに、どうしてそんなことをするのかと思い、でも、それより先に、なぜか涙が出て来た。
なんでだろう。でも、アルフの、この自分より小さな男の胸に顔を埋めていると、言い様の無い安心感のようなものが湧いてくる。
「アーチェさん、アーチェさんはボクが犯して孕ませたいと思った雌なんです」
「あ、あぁ……」
「それ以上何でもないんです。アーチェさんはそんな雄のモノになりたいと思った。色々そこに至る理由はあっても、至ったらもう、どうでもいいんです」
「よくわかんねぇよ……わかんないよ……アルフ……あーしは、そんな、突っ走れる女じゃ……」
「そうなんでしょうね、突っ走れない程に、色々あったんでしょう……でも歩き続けた……だから、後はボクが抱き締めて、そのまま走ってあげます。だから、アーチェさんはボクに抱き締められていてください。それだけでいいんです。何も考えなくていいんです……」
アルフは何も知らないはずだ。
あーしも、アルフの言っている事を全部分かっているわけじゃない。
ただ、なんだろうな。
予感がした。
全てが……無くなる予感が。
「もっと、分かりやすくいいましょう」
ぎゅぅっ、と抱き締めるチカラから、抱き潰すようなチカラになって、濡れた股にチンポがあてがわれる。
「ボクが犯したいんだから、何も考えず肉便器になれ」
とんでもない言葉だ。とんでもない宣言だ。
ここまでまるであーしの事を理解してくれたかのような優しく甘い事を言っておいて、こんなの。
悩むな?
考えるな?
怖がるな?
出来たら苦労はしない。
そう、抗議しようとして――あーしは、頭が真っ白になった。
入った。
挿入された。チンポが、あーしの膣内に、入った。
玩具で何度も入れたことはある。奥を突いたこともある。
違う。ちがうちがうちがう。
これは違う♡ 違い過ぎる♡
膣内をギチギチに広げ、アルフの形にさせられる感覚。雄のために、あーしの胎内が蠢いて、雄を気持ちよくして精液を吐き出させようと歓喜しながら迎え入れる感覚。脳がチンポのことだけで染まって、その先にある絶頂と妊娠の事しか考えられなくなる感覚。
真っ白だ。雄に気に入られようとするとか、恋人を裏切ってしまうとか、仲間より優れた女になれるだとか。
そっか、そうだったんだ。あーしは間違ってたんだ。
抱かれてればいいんじゃないか。こんな気持ちいいの、そもそも何も考えられなくなるんだから。
なんて――なんて無駄な事をしていたんだろう。
「ア、アルフ♡ あーし、あーしの中♡ 犯して♡ もっと♡」
「凄いおまんこにゅるにゅるしててギッチギチで、しかも愛液の量すっご……アーチェさん……アーチェ、これ、凄いよ。こんなの名器すぎる……」
「嬉しい♡ アルフ♡ あーしの膣内で好きにしていいからな♡ だからあーしをずっと犯しててくれ♡ 今♡ すごいしあわせ♡ あたま、ぱーんって♡ とんでっちゃった♡ えへへへへ♡」
「ただ挿れただけなのにチンポ好きすぎでしょ……この……!」
ずぐっ、ずぐっ、ってアルフが奥を抉り、膣内を削るように前後して、どんどん膨らむチンポから精液を出そうとしているのが分かる。
あーしはただ、込み上げてくる甘い声を出しながら、抱き締めて来るアルフを抱き返して、この男がどこにもいかないように、あーしを男の腕の中に留めるだけだ。
それだけで、こんな、こんな幸せな事が。
本当に馬鹿だった。生きて来た今まで、ディーネに縋って来たのも、要らなかった。さっさとアルフに出会って、抱かれてればよかったんだ。
誰も、彼も、あーしに寄り添ってくれても、あーしを護ってくれても、不安は消してくれなかった。それが、こんな簡単な――
「あっ、あっ、あっ、あんっ♡」
「可愛い……アーチェ、ほんとに可愛い……!」
「えへへ♡ あーしの中、おまんこ? 気持ちいいか? へへ♡ あーしもアルフのチンポ……きもちいーよ♡♡♡」
「っ!」
瞬間、どちゅっ、と奥が突かれて、そのままチンポの先を押し付けられる。
そこから、どびゅるるるるるっ! と勢いよく精液が吐き出されたのが分かった。
ふわふわする。
凄い快楽で、背中が仰け反り、口から嬌声が止まらない。
今、あーしが考えられるのはアルフのあったかさと、チンポの熱さだけだ。精液が濃くて、重くて、これもまた凄く熱い。
これがいい。
これが凄く嬉しい。
嬉しい。嬉しいしかない。すごい、これはすごい。すごい!
満たされている。今、あーしは初めて、満たされている。
「はぁ……♡ はぁ……♡ はぁ……♡ アルフ♡」
アルフの背中を撫でながら、腰に脚を絡ませて、もっと奥に欲しいと足で腰を押す。ちょっと足癖が悪いかなと思ったけれど、アルフは膣内のチンポを嬉しそうにビクつかせてたから、これでいい。あーしが求めれば、アルフはもっと求めてくれる。アルフはあーしが、生きてるだけで認めてくれてる。
「いいの……? あーしの、おまんこだけで……口とか、使う?」
「最初はそのつもりだったけど、今日はずっと中出しだけしたい。アーチェの穴、すごい気持ちいい」
「へへへ♡ そっか♡ 何度でも使っていいからな♡ 何回でも、何日でも、一生好きに抱いていいから――たくさん抱いてね♡」
その後はもう、覚えていない。
いや、何も考えていなかったから、何も記憶していないんだ。
ただ、何度も何度も中出しされて、何度も何度も。
もうディーネとのエッチの快感が曖昧で思い出せない。どうでもいい。
キスもしてもらった。ディーネのとは違う、貪るようなキスで上書きされた。
ディーネを嫌いになったわけじゃない。ディーネが恋人ではなくなって、仲間になっただけだ。
最後の最後、覚えているのは、溢れかえる程精液を出したアルフが、息を荒げてチンポをびくつかせながら、少し小さくなったそれを抜いて、あーしの太ももに挟んで休憩しているその姿を愛おしく抱きしめて、頭を撫でながら眠りについた。それだけだった。
自然災害の影響を受けると流石に執筆が止まるのであった。
皆さんもご無事なら何よりです。