※この作品はR-18です。

にじさんじエロ短編集   作:SGF

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[あらすじ]
アン◯ュ・カトリーナは立ち上がった。もはや形振り構ってはいられないと。
最強と名高い伝説の装備「童貞を殺すセーター」を身にまとい、ギロッポンのナイトクラブへ。
今宵こそはイケメンの彼氏を作る。強い決意が彼女の足を前に進ませる。
──これは、そんな彼女がクラブのトイレでハチャメチャに犯されるお話。

イラストのアンちゃんの胸がやや大きいのは仕様です。AIが小さくしてくれなかったので。アンちゃんが可哀想なお話なので、その手の話が嫌いな方はブラバ推奨。個人的に、大きな胸もいいけど小さい胸もそれはそれで大好きです。

※本作品はpixivにも投稿しています(要ログイン)。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=26979503

●SGFのお題箱
https://odaibako.net/u/SGF333


アンちゃんと童貞を殺すセーター

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【第1章】焦燥

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 深夜二時。配信を終えたアンジュ・カトリーナは、ベッドに寝転がってスマートフォンの画面を眺めていた。

 

 SNSのタイムラインでは、とある人気女性配信者の匂わせ投稿がバズっていた。高級ディナーの写真、「今日も楽しかった♡」というコメント、男物の腕時計がさりげなく写り込んだツーショット。半日も経たないうちにトレンド入りし、「配信者 恋愛」「匂わせ」といったワードが瞬く間に検索上位を独占していく。

 

「……また匂わせかよ。気分悪いで、ほんま」

 

 溜め息をついて画面をスクロールする。本来、自分とは何の関係もない話題のはずだ。その配信者とは面識すらない。

 

 ──なのに。

 

 通知欄を確認すると、案の定だった。今夜の配信とは全く脈絡のないリプライが、便乗するように並んでいる。

 

『配信者の恋愛がトレンドだけどさ、アンジュはいつ彼氏できるの~?』

『今日の配信も独身トークで草 時代に完全に乗り遅れてる』

『推しが売れ残りすぎて泣けてきた』

 

「……なんで私が巻き込まれてるんや」

 

 アンジュは苛立ちを隠しきれず、スマホをベッドに投げ出す。柔らかなシーツの上で、端末がバウンドして転がった。

 

 部屋は静まり返っている。配信中はリスナーたちとあんなに騒がしく盛り上がっていたのに、回線を切った途端、この静寂だ。まるで自分だけが世界から切り離されたような。

 

「……くっ、皆好き勝手弄りおってからに……!」

 

 先程見たリプライがチクチクと胸を刺す。

 

 二十代も後半。世間一般で言えば、恋愛真っ盛りの年齢だ。なのに──

 

(私、彼氏どころか好きな人すらいないんやけど)

 

 そう。アンジュ・カトリーナは恋愛弱者で、処女だった。

 

 配信者として人気を集め、ファンからは「公式美少女」などと持て囃されている。容姿だって、客観的に見て悪くないはずだ。赤い髪はツヤツヤで、蒼い瞳は宝石のように輝いている。スタイルだって──胸は小ぶりだが形は良いし、くびれもある。太ももは程よく肉付きが良く、割と男受けする身体のはずだ。

 

 なのに、なぜこうも縁がないのか。

 

 ベッドから起き上がり、部屋の姿見の前に立つ。パジャマ代わりの大きめのTシャツとショートパンツ。裾からすらりと伸びた脚は白く、太ももの内側には産毛すら見えない滑らかな肌。

 

 Tシャツの裾をたくし上げてみる。引き締まったお腹、その下の可愛らしいおへそ。さらに上げると、小ぶりだが形の良い乳房が姿を現す。ノーブラだった。淡い桜色の乳首が、室温の低さにツンと勃っている。

 

「……悪くない、よな」

 

 鏡の中の自分に問いかけるように呟く。

 

 手のひらで乳房を持ち上げてみる。柔らかな弾力。親指で乳首を擦ると、それだけで腰がぞくりと疼いた。

 

「っ……」

 

 慌てて手を離す。一人でこんなことをしていても虚しいだけだ。

 

 ──でも。

 

 SNSを開くたびに流れてくる、誰かの幸せ報告。匂わせ投稿。熱愛スクープ。

 

 みんな、経験しているのだ。恋人との甘い時間も、身体を重ねる快楽も。自分だけが、いつまでも取り残されている。

 

「……なんで、私だけ」

 

 顔も悪くない。スタイルも悪くない。トークだって得意だし、人見知りも……しないことはないが、それを補って余りある体当たりには自身がある。

 

 なのに──どうして私には彼氏ができないのか。どうして処女のままなのか。

 

 焦燥感が胸の奥から湧き上がってくる。気づけば二十代も半ばに差し掛かろうとしている。このまま三十路を迎えたら? 一生このままだったら?

 

「……やだ。絶対、やだ」

 

 スマホを握りしめ、衝動的に検索窓をタップする。

 

『彼氏 作り方 社会人』

『モテる 服装 女』

『逆ナン 成功率』

 

 検索結果をスクロールしていくうちに、ある記事が目に留まった。

 

『【保存版】逆ナンの成功率が高い服装ランキング! 1位はまさかの……』

 

 タップして開く。スクロールしていくと、1位の写真に目が釘付けになった。

 

『1位:童貞を殺すセーター』

 

 画像には、信じられないほど露出度の高いニットを着たモデルが映っている。タートルネックのニットミニワンピ──だが、袖がなく脇は全開。背中に至っては布地がほとんどなく、腰のくびれからヒップの始まりまで丸見えだ。極めつけは胸元中央に空いた大きなひし形の穴。谷間どころか、乳房の内側まで露わになるデザイン。

 

「なにこれ……服?」

 

 呆れ半分、興味半分で記事を読み進める。

 

『この「童貞を殺すセーター」を着用した場合、声をかけられる確率は通常の五倍以上という調査結果が! チラリズムの究極形とも言えるこのアイテム、勇気のある女性はぜひチャレンジを』

 

「五倍……」

 

 ごくり、と唾を飲み込む。

 

 こんなもの、着て外を歩けるわけがない。下品すぎる。服とすら言えない。

 

 でも──。

 

(もう、なりふり構ってられないんだよなぁ)

 

 四六時中、恋人の話を聞かされる。幸せ報告を見せつけられる。「アンジュはいつ?」と茶化される。

 

 そんな生活に、アンちゃんはもう耐えられない。

 

 気づけば、指は通販サイトを開いていた。検索ワードに「童貞を殺すセーター」と入力する。ヒットした商品の中から、画像で見たものと同じデザインを選ぶ。

 

 色はグレー。サイズはM。お届け予定日は三日後。

 

「……ポチッ」

 

 自分で効果音を呟きながら、購入ボタンを押した。

 

 胸がドキドキする。これが届いたら、これを着て──

 

「私だって、本気出せばイケるっしょ!」

 

 誰に言い訳するでもなく、アンジュは鏡の中の自分に向かってそう呟いた。頬が上気している。それが期待なのか羞恥なのか、自分でも分からなかった。

 

 

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【第2章】出陣

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 三日後。届いた段ボール箱を開封したアンジュは、中身を手に取って固まった。

 

「……マジで、これ?」

 

 グレーのニット生地。手触りは悪くない。だが、広げてみると──やはり、服と呼んでいいのか分からない代物だった。

 

 タートルネックのニットミニワンピース。丈は太ももの中間あたりまでしかない。袖は存在せず、脇は完全に開放されている。背面に至っては、首から腰までほぼ布地がなく、わずかに細いニットの紐が三本ほど横に渡っているだけ。正面の胸元には、一辺十五センチほどの大胆なひし形カットが施されている。

 

「いや、こんなんほぼ裸やん……」

 

 独り言ちながらも、アンジュの目は真剣だった。今夜、これを着てギロッポン(=六本木)のナイトクラブに行く。そう決めていた。

 

 パジャマを脱ぎ捨て、姿見の前に立つ。全裸になった自分の身体を確認する。

 

 白い肌。小ぶりだが形の良い乳房は、桜色の乳首をツンと立てている。くびれた腰から、丸みを帯びたヒップへと続くライン。太ももは適度に肉付きがあり、その間に覗く秘所は、赤毛の陰毛で薄く覆われている。

 

「……うん、イケる」

 

 自分を鼓舞するように頷いて、まずは下着を選ぶ。

 

 引き出しを漁り、取り出したのは黒の紐パン。極細の紐が腰で交差するだけの、布地がほとんどない代物。今まで一度も履いたことはないが、こういう日のために買っておいたものだ。

 

 脚を通し、腰まで引き上げる。鏡を見ると、股間を覆うわずかな黒い三角形と、腰骨の上で結ばれたリボンが見えた。後ろから見れば、紐が尻の割れ目に食い込んでいるだけで、ほぼ丸出しだ。

 

「ブラは……つけられないよな、これ」

 

 童貞を殺すセーターの構造上、ブラジャーは不可能だった。脇が完全に開いているし、背中もほぼ裸。胸元のひし形カットからはブラが丸見えになってしまう。

 

 覚悟を決めて、セーターに手を通す。

 

 頭からかぶり、身体にフィットさせていく。柔らかなニットが肌に触れる感触は心地良い。だが──

 

「うわ……」

 

 鏡に映った自分の姿に、アンジュは息を呑んだ。

 

 正面から見ると、胸元のひし形カットから谷間が覗いている。小ぶりな乳房の内側──乳輪のすぐ手前まで見えていた。少し身体を動かせば、淡い桜色の乳首がカットの縁からチラリと顔を出す。

 

 横を向いてみる。袖のない脇からは、乳房の側面が丸見えだった。腕を上げれば乳首まで完全に露出してしまう。いや、普通に立っているだけでも、角度によっては乳首の輪郭がはっきり見える。

 

「あかん……エロすぎる……」

 

 そして、後ろを向く。

 

 絶句した。

 

 背中は首の下から腰まで、殆ど何も覆われていない。細い紐が三本、肩甲骨・背中の中央・腰のあたりに渡っているだけ。白い背中が惜しげもなく晒され、腰のくびれから下──尻の膨らみの始まり、その割れ目の上端まで丸見えだった。紐パンのリボンが腰骨の上でちょこんと結ばれて、かろうじて「下着を履いている」ことを主張している。

 

 振り返って鏡を見る。お尻。丸い、白い、柔らかそうな双丘。紐パンの黒い紐が割れ目に食い込み、それ以外は何一つ隠していない。歩けば揺れる。座れば潰れる。誰の目にも、この尻は──

 

「い、いやいやいや……」

 

 頭を振る。今更怖気づいてどうする。これを着て行くと決めたのは自分なのだ。

 

 とは言え、丈も問題だった。太ももの中間までしかないミニスカート丈。少しかがめば、後ろから紐パンが丸見えになる。いや、立っているだけでも尻の上側は露出している。

 

「……上着、着たほうがいいかな」

 

 一瞬迷ったが、首を振った。それでは意味がない。この服の露出こそが武器なのだ。

 

 代わりに、白のニーハイソックスを履く。太ももの半ばまで覆う長さ。ニットワンピの裾との間には、十センチほどの絶対領域──素肌の太ももが覗く。

 

 最後に、黒のブーツを履く。ヒールは五センチほど。脚のラインが綺麗に見える高さだ。

 

 改めて、全身を鏡でチェックする。

 

 グレーのニットに包まれた身体。だが「包まれた」という表現は正しくない。露出しまくっている。胸元のひし形からは谷間と乳房の内側が覗き、脇からは乳房の側面と乳首の輪郭が見え、背中はほぼ全開でお尻の上まで丸出し。ミニスカート丈の裾からは、ニーハイとの間に覗く太ももが眩しい。

 

「……やばい。でも、イケてる」

 

 化粧も気合を入れる。いつもの配信用メイクより、少し濃いめに。アイラインをしっかり引いて、唇には深い赤のルージュ。

 

 赤い髪をふわりと整え、蒼い瞳を鏡越しに見つめる。

 

「……行くで、アンちゃん!」

 

 覚悟を決めて、部屋を出た。

 

 

   ◇ ◇ ◇

 

 

 タクシーで六本木に向かう。さすがにこの格好で電車には乗れなかった。

 

 後部座席に座ると、ミニスカートの裾がめくれ上がり、太ももが剥き出しになる。運転手がバックミラー越しにチラチラと視線を送ってくるのが分かった。

 

(見てる……見られてる……っ)

 

 恥ずかしい。だが、同時に奇妙な高揚感もあった。こんな格好の自分を、男が見ている。それだけで女としての自己肯定感が上がり、身体の奥がじんわりと熱くなる。

 

 六本木に到着。タクシーを降りると、夜風が背中を撫でた。

 

「さむっ……!」

 

 当然だ。背中がほぼ裸なのだから。だが、不思議と嫌な感覚ではなかった。むしろ、開放的な気分になる。

 

 目的のナイトクラブは、雑居ビルの地下にあった。重い扉を開けると、重低音の音楽が身体を揺さぶる。薄暗い照明、酒と香水の匂い、行き交う人々──

 

 入口でIDチェックを受ける。スタッフの男が、アンジュの格好をまじまじと見つめていた。視線が胸元のひし形に、脇から覗く乳房に、そして背中──お尻の上端に注がれるのを感じる。

 

「……どうぞ」

 

 少し上ずった声で通される。アンジュは内心でガッツポーズした。

 

(いや、いいぞ、ええやん。アンちゃん伝説、遂に始まっちゃう?)

 

 店内に足を踏み入れる。フロアは薄暗く、天井のミラーボールがキラキラと光を散らしている。ダンスフロアでは若い男女が身体を揺らし、カウンター席では大人たちがグラスを傾けていた。

 

 アンジュはバーカウンターに向かった。踊るのは得意じゃない。まずは酒を入れて、様子を見よう。

 

 カウンターの高い椅子に腰かける。その瞬間、ミニスカートの裾が更にめくれ上がった。太ももが付け根近くまで露出し、紐パンの黒い三角形がかろうじて見えない程度。背中は完全に開いているから、後ろから見れば尻の上半分は丸出しだろう。

 

 バーテンダーに声をかけ、カシスオレンジを注文する。甘くて飲みやすいカクテル。緊張をほぐすには丁度いい。

 

 グラスを受け取り、一口含む。甘酸っぱい液体が喉を滑り落ちていく。

 

 さて、と周囲を見回す。声をかけてくる男はいないだろうか。こんな格好をしているのだから、すぐにでも──

 

 と、左隣から声がかかった。

 

「ねえ、一人?」

 

 

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【第3章】誘惑

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 声のした方を振り向く。

 

 そこには、二人組の男が立っていた。

 

 一人は二十代後半くらいの、爽やかなイケメン。短めの黒髪、涼しげな目元、人懐っこそうな笑顔。カジュアルなジャケットに、インナーは白シャツ。いかにもモテそうなタイプだ。

 

 もう一人は、少し年上に見える大人の男。整った顔立ちだが、目つきに少し影がある。落ち着いた雰囲気で、ダークカラーのスーツを着こなしている。

 

「あー、うん。一人だけど」

 

 アンジュは努めて平静を装いながら答えた。内心は違う。

 

(来た来た来た! これこれこれ!)

 

 こういう展開を待っていたのだ。この格好で来た甲斐があった。

 

「隣、いい?」

 

 爽やかイケメンが聞いてくる。アンジュは肩をすくめた。

 

「どうぞどうぞ。一人で飲んでても暇だったとこ」

 

 二人がアンジュの両隣に座る。左側に爽やかイケメン、右側に落ち着いた大人。自然とアンジュを挟む形になった。

 

「俺、ケン。こっちはタク」

 

「アンジュ、よろしくね」

 

 乾杯の音頭とともに、グラスを合わせる。カクテルを一口。甘い液体が喉を潤す。

 

 会話が始まる。二人とも話し上手で、アンジュを飽きさせない。仕事の話、趣味の話、最近ハマっているものの話。時折ジョークを挟み、アンジュを笑わせる。

 

「ていうか、その服すごいね。大胆っていうか」

 

 ケンが胸元のひし形カットを見ながら言う。露骨に視線を送ってくるが、嫌味はない。むしろ素直な反応だ。

 

「でしょ? 勝負服ってやつ」

 

「勝負……何の勝負?」

 

 タクが低い声で問いかける。アンジュは酔いに任せて、少し挑発的に答えた。

 

「んー、男を捕まえる勝負?」

 

「へえ……俺たち、捕まっちゃったわけ?」

 

「さあね。まだ分かんない」

 

 ふふ、と笑ってグラスを傾ける。いい感じだ。会話は弾んでいるし、二人とも自分に興味を持っている。

 

 ──だが、アンジュは気付いていなかった。

 

 二人の視線が、会話の合間にどこを見ているか。

 

 

   ◇ ◇ ◇

 

 

 ケンがアンジュに話しかけるたび、彼女は左を向く。

 

 その瞬間──袖のない脇から、乳房の側面が丸見えになる。

 

 ノーブラの白い膨らみ。柔らかそうな曲線。そして、角度によっては──淡い桜色の乳首が、ひょっこりと顔を覗かせる。

 

 ケンはそれを見逃さなかった。会話しながら、チラチラと視線を送る。アンジュは気付いていない。いや、気付いていたとしても、酔いのせいで気にならないのかもしれない。

 

「アンジュさんって、普段何してるの?」

 

「んー、配信者? ネットで」

 

「えっ、マジ? じゃあ有名人じゃん」

 

 大袈裟に驚いて見せながら、ケンは身を乗り出す。その動きに合わせて、彼の腕がアンジュの胸に触れた。

 

「あっ、ごめん」

 

 謝りながらも、腕はすぐには離れない。ニット越しに押し潰される乳房の感触。柔らかくて、弾力があって──明らかにブラをつけていない。

 

「んっ……べ、別にいいけど」

 

 アンジュは少し身を引くが、カウンターの椅子では逃げ場がない。ケンの腕は「偶然」のふりをして、乳房の側面に触れ続けている。

 

(あれ……今、胸……?)

 

 酔いで鈍くなった思考。でも、不思議と嫌な感じはしない。むしろ──男に触られているという事実が、身体の奥をじんわりと疼かせる。

 

 

   ◇ ◇ ◇

 

 

 反対側では、タクが別のアプローチを仕掛けていた。

 

 カウンターの高い椅子に座ったアンジュの背中は、完全に無防備だった。童貞を殺すセーターの背面──首から腰まで、布地はほとんどない。白い背中が惜しげもなく晒され、細い紐が三本渡っているだけ。そして腰のくびれから下──尻の膨らみの始まり、その割れ目の上端まで丸見えだ。

 

 タクは自然な動きでアンジュの背中に手を添えた。

 

「ちょっと姿勢、崩れてない?」

 

 気遣うような言葉とともに、手のひらが背中の素肌に触れる。温かい手。直接、肌を撫でられる感触。

 

「えっ……あ、ありがと」

 

 アンジュは戸惑いながらも、悪い気はしなかった。むしろ、守られているような安心感。

 

 だが──タクの手は、「姿勢を直す」という目的をとっくに逸脱していた。

 

 背骨に沿って指が滑る。肩甲骨のあたりを撫で、腰へと下りていく。細い紐の間を縫うように、白い背中を這い回る。

 

 そして──腰のくびれを越え、尻の上端へ。

 

「っ……!」

 

 アンジュが息を呑む。タクの指先が、紐パンの黒いリボンに触れた。結び目を弄るように、くるくると撫でる。

 

「ドレスの紐が緩んでた。直しといてあげるよ」

「そ、そう……ありがと……」

 

 嘘だ。リボンは緩んでなんかいない。でも、アンジュには言い返す言葉が出てこない。酒のせいで頭がぼんやりしているし、それに──。

 

(これ……男に触られてるってこと……?)

 

 初めての経験。男の手が、自分の身体に触れている。背中を撫でられる感触。尻の上を這う指先。紐パンのリボンを弄られる刺激。

 

 認めたくないけれど──身体は、正直に反応していた。

 

 太ももの奥がじんわりと熱くなる。秘所がひくひくと疼き始める。まだ何もされていないのに、下着が湿り始めているのが分かる。

 

 

   ◇ ◇ ◇

 

 

 二杯目、三杯目とグラスを空けるうちに、アンジュの酔いは深まっていった。

 

 会話は楽しい。二人とも面白いし、自分を持ち上げてくれる。

 

「いやー、アンジュちゃんマジ可愛いわ」

 

「その服、似合いすぎでしょ。色気やばい」

 

 褒められるたびに、気分が良くなる。頬が火照り、笑い声が大きくなる。

 

 そして──二人の「偶然の接触」は、どんどんエスカレートしていた。

 

 ケンは会話するたびにアンジュの腕に触れ、肩を抱き、時には胸に手が当たる「事故」を繰り返す。

 

 タクは背中に手を置いたまま、指先で腰や尻の上端を撫で続ける。椅子に座っているアンジュの丸出しの太ももを、「偶然」触れることもあった。

 

「ねえねえ、この店のVIPルーム知ってる? 結構いいよ」

 

「えー、知らない。行ってみたいな」

 

「じゃあ後で案内してあげるよ」

 

 そんな会話をしながら、アンジュは幸福感に浸っていた。

 

(なんか……上手くいってる? これ、両手に花ってやつ?)

 

 強がりで覆い隠してきた寂しさが、少しずつ埋まっていく気がした。

 

 ──そんなとき。

 

「そうだ、乾杯しようよ。今日の出会いに」

 

 タクがカウンターに向かい、バーテンダーに何か注文した。

 

 戻ってきた彼の手には、三つのショットグラス。透明な液体が揺れている。

 

「これ、この店のおすすめ。奢りね」

 

「マジ? ありがとー!」

 

 アンジュは何の疑いもなくグラスを受け取った。

 

 三人で乾杯し、一気に煽る。

 

 アルコールの刺激が喉を焼く──けれど、その奥に、微かに苦い後味。

 

「んっ……結構、キツいね」

 

「そう? でも美味しいでしょ」

 

「うん……美味しい」

 

 何か、変な感じがする。頭がくらくらする。酔いが一気に回ったような。

 

「あれっ……」

 

 視界が揺れる。身体に力が入らない。まだ三杯しか飲んでないのに、こんなに酔うはずが──

 

「大丈夫? 顔色悪いよ」

 

 ケンが心配そうに覗き込んでくる。その目の奥に浮かぶ邪な光に、アンジュは気が付かない。

 

「ちょっと……休んだ方がいいかも……」

 

「じゃあ、どこか静かなとこ行こうか」

 

 タクが立ち上がり、アンジュの腕を取る。

 

「え……あ、うん……」

 

 抵抗しようにも、頭がぼんやりして、身体が言うことを聞かない。立ち上がろうとして、膝が笑う。

 

「おっと、危ない」

 

 ケンが反対側から支える。二人に両脇を抱えられ、アンジュはフロアを歩き始めた。足がふらつく。自分の身体なのに、自分の意思で動かせない。

 

(何……これ……? お酒……飲みすぎ……?)

 

 朦朧とした意識の中、アンジュは連れて行かれる。ダンスフロアを横切り、薄暗い通路を抜け──

 

 気がついたら、トイレの前に立っていた。

 

「え……なん、で……」

 

「シッ、静かにして」

 

 タクが唇に指を当てる。ケンが周囲を確認し、個室の扉を開ける。

 

「ちょっ……待っ……」

 

 抵抗しようとするが、身体が動かない。力が入らない。二人の腕に抱えられるまま、アンジュは個室の中に押し込まれた。

 

 がちゃり、と鍵がかかる音。

 

 狭い空間。白い壁、便器、そして──自分を見下ろす二人の男。

 

「さて」

 

 タクが低く笑う。

 

「逆ナンしてきたのそっちだろ? 望み通りにしてやるよ」

 

 アンジュの意識が、恐怖で一瞬だけクリアになった。

 

 ──これ、やばい。

 

 でも、もう遅かった。

 

 

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【第4章】侵食

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 トイレの個室は、思ったより広かった。

 

 多目的トイレ。車椅子でも入れるように設計された、ゆとりのある空間。だが今、そこは──アンジュにとって逃げ場のない檻だった。

 

「な、なに……する、気……」

 

 舌がもつれる。言葉がうまく出てこない。「おすすめの酒」を飲んだ直後から、思考も身体も自分のものではないように感じる。

 

「何って──お前が望んだことだろ?」

 

 ケンが顔を近づけてくる。爽やかだったはずの笑顔が、今は獣じみた光を帯びている。

 

「男を捕まえたいって言ったよな。俺たち、捕まったわけ」

 

「ちが……そういう、意味じゃ……」

 

「じゃあどういう意味? こんな格好で来といて」

 

 タクがアンジュの背後に回る。大きな手が、露出した背中を撫で上げた。

 

「背中丸出し、尻も見せて──誘ってるようにしか見えねぇよ」

 

 ぞくり、と背筋が震える。タクの指が、背骨に沿って這い上がる。肩甲骨を撫で、首筋へ。そして──耳の後ろを、舌先で舐められた。

 

「ひゃっ……!」

 

 アンジュの身体がびくんと跳ねる。耳の裏は、彼女の性感帯だった。

 

「お、いい反応」

 

「敏感なんだ。どこ触られたら気持ちいい?」

 

 ケンが正面から迫る。アンジュは壁に押し付けられ、前後から二人の男に挟まれた。逃げ場がない。

 

「やめ……離して……っ」

 

「やだね」

 

 ケンの手が、胸元のひし形カットに伸びる。指先が布地の縁をなぞり、そのまま中へ──

 

「あっ……」

 

 小ぶりな乳房が、男の手に包まれた。

 

 柔らかな感触。掌に収まる程よいサイズ。ノーブラの胸がケンの掌でいいように揉み潰さ釣れる。

 

「やわっけー……ブラしてないんだ」

 

「ははっ、最初から脱ぐ気マンマンじゃん」

 

 タクが嘲笑う。彼の手は背中から腰へ下り、尻の膨らみを鷲掴みにした。

 

「ひっ……!」

 

 丸出しの尻──紐パンしか履いていない双丘を、無遠慮に揉みしだかれる。

 

「いい尻してんじゃん。めちゃくちゃ柔らかい」

 

「これ完全に誘ってるわ。こんな格好で来て、俺らの前でチラチラ見せて」

 

 ケンが童貞を殺すセーターの裾を掴み、ぐいと持ち上げる。

 

「ちょっ、待っ……!」

 

 抵抗しようとするが、力が入らない。薬のせいで身体が言うことを聞かない。

 

 ニットが胸の上までめくり上げられる。小ぶりだが形の良い乳房が、白い蛍光灯の下に晒される。淡い桜色の乳首は、既にツンと勃っていた。

 

「あはは、もう立ってる。興奮してんの?」

 

「ちがっ……寒いから……っ」

 

「嘘つけよ」

 

 ケンの指が、乳首を摘まんだ。

 

「んぅっ……!」

 

 電流のような感覚が、胸から全身に走る。思わず声が漏れた。

 

「感じてんじゃん。ほら、もっと」

 

 親指と人差し指で乳首を転がす。ぐりぐりと捻り、引っ張り、弾く。

 

「あっ、あぁっ……やめ、そこ……っ」

 

 アンジュの腰がくねる。乳首への刺激で、身体が勝手に反応してしまう。感度が、明らかにおかしい。普段なら耐えられる程度の刺激なのに──

 

(薬……? 身体が、熱い……っ)

 

 「おすすめの酒」に混入されていたデートドラッグの効果だった。意識を朦朧とさせるだけでなく、身体の感度を極限まで高める作用。男たちはそれを知っていて、わざとゆっくり責めている。

 

「反対側も可愛がってやるよ」

 

 タクが背後から手を回し、もう片方の乳首を指先で弄り始めた。

 

「んんっ……! ふあっ……!」

 

 両方の乳首を同時に責められる。挟み込んで引っ張り、指の腹で転がし、爪で軽く引っ掻く。

 

「やあぁっ……だめ、乳首、弱い……っ!」

 

「だろうな。分かるよ。だからこうしてんだ」

 

 ケンがニヤリと笑い、顔を近付ける。そして──舌先で、乳首を舐め上げた。

 

「ひぃっ……!」

 

 アンジュの身体が大きく震える。温かく湿った舌が、敏感な突起を撫でる感触。

 

 れろ、れろ、と音を立てて舐められる。乳輪を舌先でくすぐり、乳首の先端を歯で軽く挟む。

 

「あっ、あっ、あっ……! やめ、舐めないで……っ!」

 

「嫌そうには見えねーけど?」

 

 タクが耳元で囁きながら、後ろから尻を揉み続ける。紐パンの細い紐を指でつまみ、ぱちん、と弾いた。

 

「ひゃんっ……!」

 

「こっちもびしょびしょだぜ、ケン」

 

 タクの指が、紐パンの布地の上から秘所をなぞる。

 

 ぐちゅ……と、明らかに濡れた音がした。

 

「あっ……そこ、触らないで……っ」

 

「うわ、マジだ。めちゃくちゃ濡れてる」

 

 ケンが乳首から口を離し、下へ視線を向ける。そして──アンジュの紐パンに手を伸ばした。

 

「やっ……!」

 

 腰骨で結ばれたリボンが、ほどかれる。

 

 ぱさ、と小さな布切れが床に落ちた。

 

「あ……」

 

 アンジュの秘所が、完全に露わになった。

 

 赤みがかった栗色の陰毛が、恥丘を薄く覆っている。無造作に整えられた逆三角形の茂み。その下から覗く、薄い花弁のような小陰唇。透明な愛液が、既にとろりと滴っていた。

 

「きれーなまんこ」

 

 ケンが無遠慮に言い放つ。

 

「やめ……見ないで……っ」

 

 恥ずかしさで顔が熱くなる。でも、脚を閉じる力がない。身体が言うことを聞かない。

 

「見るなって? こんなに濡らしといて?」

 

 タクが後ろから、アンジュの太ももを掴む。脚を開かせ、より秘所が見えるようにする。

 

「んっ……っ!」

 

 二人の男が、アンジュの剥き出しの秘所を凝視する。

 

 薄桃色の襞。その奥に覗く、小さな膣口。クリトリスの包皮から、ぷっくりと膨らんだ陰核が顔を出している。全体が透明な蜜で濡れそぼち、蛍光灯の光を反射してテラテラと光っている。

 

「処女?」

 

「……っ!」

 

 アンジュが息を呑む。

 

「当たりか。こりゃラッキーだな」

 

 ケンが指先を、ぬるりと秘所に這わせた。

 

「ひゃあっ……!」

 

 アンジュの身体がびくんと跳ねる。男の指が、自分の一番敏感な場所に触れている。

 

「熱っ……ここ、めちゃくちゃ熱いじゃん」

 

 指先が、ひだの間を滑る。愛液をすくい上げ、小陰唇を左右に開く。

 

「やあぁっ……開かないで……っ」

 

 膣口が露わになる。小さな穴──まだ誰も入ったことのない、処女の証。その周りをくるくると指先でなぞられる。

 

「ここにちんぽ入れてほしいんだろ?」

 

「ちがっ……!」

 

「嘘つけ。こんなにトロトロにして」

 

 ずぷ、と指が一本、膣口に潜り込んだ。

 

「んぁあっ……!」

 

 アンジュの全身が震える。初めて、自分以外の何かが中に入った感覚。

 

「うわ、きっつ……マジで処女だ」

 

 ケンが指を動かす。狭い膣内を押し広げながら、ゆっくりと奥へ。

 

「あっ、あっ、あぁっ……! 指、入ってるっ……!」

 

「気持ちいい?」

 

「わかん、ない……っ! でも、なんか……へん……っ!」

 

 薬のせいで、感度が異常に高まっている。指一本でこんなに感じるはずがない。なのに、膣内がひくひくと締まり、愛液が止めどなく溢れ出す。

 

 ぐちゅ、ぐちゅ、と卑猥な水音が個室に響く。

 

「二本目、いくぞ」

 

「まっ……!」

 

 中指が、人差し指に添えられて挿入される。

 

「ひぃっ……! きついっ、きついよぉ……!」

 

 処女の膣が、二本の指で押し広げられる。痛みと快感が入り混じり、アンジュの目に涙が滲む。

 

「泣いてる。可愛い」

 

 タクが耳元で囁きながら、首筋に口づける。そして──首筋を、ちゅう、と強く吸った。

 

「ふぁっ……!」

 

 キスマークをつけられているのだと、朦朧とした意識で理解する。

 

 前からはケンに秘所を指で犯され、後ろからはタクに首筋と耳たぶを舐められ吸われる。

 

 二人の男に挟まれ、好き放題に弄ばれる。

 

「やっ……やめ……もう、だめ……っ」

 

 腰がガクガクと震える。下腹部に、熱い塊が溜まっていく。このままじゃ──。

 

「なに? イきそうなの?」

 

 ケンが意地悪く問いかける。

 

「ちがっ……! 私、こんなの……っ!」

 

「指だけでイっちゃうんだ。アンジュちゃんは敏感だなー」

 

 指の動きが速くなる。膣内を掻き回し、Gスポットを的確に擦り上げる。

 

「あっ、あっ、あっ、あああっ……!」

 

 アンジュの喘ぎが甲高くなる。もう、自分の声を抑えることもできない。

 

「ほら、イけよ」

 

「やあぁっ……! イ、イクっ……! イっちゃう、イっちゃうよぉっ……!」

 

 ──びくんっ!

 

 アンジュの身体が大きく震え、膣がきゅうっと指を締めつけた。

 

「あああああっ……!!」

 

 絶頂。生まれて初めて、男の手で達する。

 

 尿道口から潮が噴き出し、ケンの手を濡らす。全身が痙攣し、トイレの壁に体を預けて崩れ落ちそうになる。

 

「おー、潮まで吹いた」

 

「処女なのに? 才能あるんじゃね」

 

 二人が笑う。アンジュは肩で息をしながら、ぼんやりとその顔を見上げた。

 

 ──終わった?

 

 そう思った瞬間。

 

 がちゃり、と金属音がした。

 

 ケンとタクが、ズボンのベルトを外している。

 

 チャックが下ろされ──二人の股間から、怒張した男根が姿を現した。

 

「え……」

 

「本番はこれからだよ、処女さん」

 

 タクが低く笑う。

 

 アンジュの目の前に突きつけられた、二本の肉棒。

 

 ケンのものは長く、そこそこ太い。タクのものはやや短いが、その分太く、亀頭が赤黒く膨張している。

 

 二本とも、既にビンビンに勃起し、先端から透明な先走りがとろりと垂れていた。

 

「ひぁ、ま、待って……こんなの、入らな……」

 

「入るって。まんこってのは伸びるんだよ」

 

 ケンがアンジュの身体を抱き上げる。

 

「っ……!」

 

 軽々と持ち上げられ、壁に押し付けられる。脚を開かされ、ケンの腰の上に乗せられる。

 

 秘所に、熱い肉棒の先端が触れた。

 

「やっ……待って……まだ……っ」

 

「もう十分濡れてんだろ。すぐ入る」

 

 ぐぐ、と亀頭が膣口を押し開く。

 

「あっ……あ……っ」

 

 処女膜が──

 

 アンジュの意識は、恐怖と快感で白く染まっていく。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

【第5章】堕落

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 ──ぶちっ。

 

 膣内で、何かが裂ける感触がした。

 

「っ……!!」

 

 アンジュの口から、声にならない悲鳴が漏れる。

 

 処女膜が破られた。生まれて初めて、男のちんぽが自分の中に入ってくる。

 

「いっ……痛い……っ!」

 

 ケンの肉棒が、ずぶずぶと膣内を押し開いていく。狭い処女穴を無理やり広げられ、内壁が悲鳴を上げる。

 

「うわ、きっつ……最高」

 

 ケンが獣じみた声を漏らす。アンジュの身体は壁に押し付けられ、脚を開いた状態で宙に浮いている。重力に従って、肉棒が奥へ奥へと沈んでいく。

 

「あぁっ……入って、くる……っ! 奥まで……っ!」

 

 ずん、と亀頭が子宮口を小突いた。

 

「ひぁっ……!」

 

 全部入った。ケンの肉棒が、根元まで埋まっている。自分の中を、男のちんぽでいっぱいに満たされている。

 

「は、ぁ……っ、ぁ……っ」

 

 息ができない。身体の中心を貫かれた感覚。痛みと──そして、得体の知れない熱。

 

「動くぞ」

 

「まっ──」

 

 待ってという言葉は、引き抜きの動作でかき消された。

 

 ずるり、と肉棒が引き抜かれる。膣壁を擦りながら、亀頭のカリ首が内壁を引っ掻く感触。

 

「んぅっ……!」

 

 そして──ずぶっ!

 

 再び根元まで突き入れられる。

 

「あっ! あぁっ!」

 

 ぱん、ぱん、と肉と肉がぶつかる音。ケンが腰を振り始めた。

 

 最初はゆっくりと。だが、すぐに速度を上げていく。

 

「あっ、あっ、あっ、あっ……!」

 

 ピストンのたびに、アンジュの身体が揺れる。小ぶりな乳房がぶるんぶるんと跳ね、赤い髪が乱れ飛ぶ。

 

 壁に背中を押し付けられ、脚を大きく開かされ、犯される。

 

 ──初めてのセックスが、こんな形だなんて。

 

「痛い……っ? 気持ちいい……っ?」

 

「わかん、ない……っ! わかんないよぉっ……!」

 

 最初は痛かった。でも──薬のせいか、痛みがどんどん快感に変わっていく。膣内が熱くなり、肉棒を締め付けるように痙攣する。

 

「あ、れ……っ? なんか……変……っ」

 

「そろそろ気持ちよくなってきたか?」

 

 ケンがニヤリと笑い、腰の動きを更に激しくする。

 

 ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ!

 

「ひぁっ! あぁっ! そこっ、奥っ、突かないでぇっ……!」

 

 子宮口を何度も何度も小突かれる。脳髄を直接揺さぶられるような衝撃。

 

「やっ、やっ、やぁっ……! だめっ、壊れるっ……!」

 

 アンジュの目から涙が溢れる。でも、身体は。

 

 ぐちゅ、ぐちゅ、と卑猥な水音が響く。膣からは愛液が止めどなく溢れ、結合部が白く泡立っている。

 

「うわ、めちゃくちゃ濡れてきた。処女のくせにエロいな」

 

「ちがっ……これ、薬のせい……っ」

 

「言い訳すんなよ。身体は正直だぜ」

 

 ケンが角度を変え、膣内の上側を擦り上げるように突く。

 

「ひゃぁっ……!! そこっ、そこダメぇっ……!」

 

 Gスポットを的確に抉られる。アンジュの身体がびくびくと震え、膣がきゅうきゅうと締まる。

 

「あっ、あっ、あっ、あああっ……! またっ、イクっ……!」

 

「イけイけ。何回でもイけよ」

 

 ──びくんっ!

 

「イクぅっ……!!」

 

 二度目の絶頂。処女喪失からわずか数分で、肉棒で達してしまった。

 

 膣がぎゅうぎゅうとケンのちんぽを締め付け、愛液がじゅぷじゅぷと溢れ出す。

 

「おっ、締まった締まった。イってんの?」

 

「い、いって……るぅ……っ」

 

 朦朧とした意識で答える。全身が痙攣し、力が抜ける。

 

 でも──ケンは止まらない。

 

「まだまだ。俺、出してないし」

 

 ずぶっ、ずぶっ、と絶頂の余韻の中、容赦なくピストンを再開する。

 

「ひぃっ……! 待っ、今イッた、ばかり……っ!」

 

「だから? 関係ねーよ」

 

 イッたばかりの敏感な膣を、無慈悲に犯される。快感が痛みに近くなり、また痛みが快感に変わる。

 

「あぁっ、あぁっ、あぁっ……! やめっ、もう無理っ……!」

 

 何度もイきそうになる。イッてはまた犯され、また達する。

 

 処女だったはずの身体が、急速にちんぽに馴染んでいく。膣内は蕩けるように熱くなり、肉棒を歓迎するように締め付ける。

 

 

   ◇ ◇ ◇

 

 

「おい、俺にも使わせろ」

 

 タクが背後から声をかける。ケンがアンジュの身体を抱えたまま、後ろを向いた。

 

「まだ出してないんだけど」

 

「後ろがあるだろ」

 

 ──後ろ?

 

 アンジュの朦朧とした意識に、その言葉が引っかかる。

 

「あ……? 後ろって……」

 

 タクがアンジュの尻に手を伸ばす。丸出しの双丘を掴み、ぐいと左右に開いた。

 

 尻の割れ目が晒される。その中心に──小さな菊門が覗いていた。

 

「え……ちょっ、まさか……」

 

「安心しろ。ちゃんとほぐしてやるから」

 

 タクの指が、アンジュの肛門に触れた。

 

「ひっ……! そこ、違うっ……!」

 

「分かってる。だからいいんだろ」

 

 愛液で濡れた指先が、きゅっと閉じた肛門をくるくると撫でる。

 

「やっ……汚いっ……! そこはダメ……っ!」

 

「汚くねーよ。綺麗なもんだ」

 

 きゅぷ、と指先が肛門に潜り込む。

 

「んぁっ……!」

 

 アンジュの身体がびくんと跳ねる。前はケンのちんぽで埋まったまま、後ろの穴に指を入れられる。

 

「ひぁっ……変な感じ……っ」

 

「そのうち気持ちよくなる」

 

 タクが指を動かす。肛門をゆっくりと押し広げ、ほぐしていく。一本、二本──。

 

「あっ、あぁっ……お尻の穴、広げられてるぅ……っ」

 

 前と後ろを同時に弄られる。膣にはケンのちんぽ、肛門にはタクの指。

 

「よし、入りそうだな」

 

 タクが指を抜き、代わりに自分の肉棒を肛門に押し当てた。

 

「まっ……待って……! そんなの入らな──」

 

 ずぶり。

 

 反論は、肉棒の挿入でかき消された。

 

「あぁぁぁっ……!!」

 

 アンジュの背筋が仰け反る。肛門が無理やり押し広げられ、太い肉棒がずぶずぶと侵入してくる。

 

「いたっ、痛いっ、痛いよぉっ……!」

「最初だけだ。力を抜けよ、すぐ慣れる」

 

 タクがゆっくりと腰を進める。アンジュの肛門は、反射的に異物を押し出そうとするが──逆にその収縮が、肉棒を奥へと導いてしまう。

 

「ひぃっ……お尻の奥まで……っ」

 

 根元まで入った。

 

 前にケンのちんぽ。後ろにタクのちんぽ。

 

 二本の肉棒で、両穴を同時に貫かれている。

 

「す、すごい……っ……中、ぱんぱん……っ」

 

 膣と直腸を隔てる薄い壁越しに、二本の肉棒がお互いを押し合う。せめぎ合う。

 

「じゃあ──動くぞ」

 

「「っ!!」」

 

 二人が同時に腰を動かし始めた。

 

 ずぶっ、ずるっ、ずぶっ、ずるっ──。

 

 交互にピストン。ケンが奥まで突くと同時にタクが引き、タクが突き入れるとケンが引く。

 

「あひっ! あっ、あっ、あぁっ!!」

 

 アンジュの口から、甲高い悲鳴が漏れる。前後から同時に犯される感覚。一瞬たりとも、どちらかの穴が空くことがない。常にどちらかのちんぽで満たされ、抉られ、突かれ続ける。

 

「やっ、やっ、やぁぁっ! 無理っ、こんなの無理ぃっ!!」

 

「無理じゃねーよ。ちゃんと入ってんだろ」

 

 ぱん、ぱん、ぱん!

 

 二人のピストンが加速する。アンジュの身体は二人に挟まれ、人形のように前後に揺すられる。

 

「あひぃっ! まんこもお尻も、ちんぽでいっぱいぃっ……!」

 

 頭が真っ白になる。痛みなのか快感なのか、もう分からない。ただ、とんでもない刺激が全身を貫いている。

 

「ほら、どっちがいい? 前か? 後ろか?」

 

「わかん、ないっ……! 両方、すごいっ……!」

 

「両方好きなんだ。淫乱だな」

 

 ケンが嘲笑い、腰の動きをさらに激しくする。

 

 ぐちゅぐちゅぐちゅ!

 

 膣からは止めどなく愛液が溢れ、肛門も腸液と潤滑剤で濡れそぼっている。二つの穴が、雄のちんぽを貪るように締め付ける。

 

「あっ、あっ、あっ、あっ……! またっ、イクっ……!」

 

「イけイけ。今日は何回イかせてやってもいいぞ」

 

 ──びくんっ!

 

「イグぅっ……!!!」

 

 三度目の絶頂。前後を犯されながらの初めてのオーガズム。

 

 全身が痙攣し、膣と肛門が同時にきゅうきゅうと収縮する。二本のちんぽを締め付け、搾り取ろうとする。

 

「おっ、すげー締まり」

 

「イきながら締めてやがる」

 

 男たちが笑う。でもアンジュにはもう、その声も遠くに聞こえる。

 

 意識がとろけていく。頭の中がピンク色に染まっていく。

 

 ──気持ちいい。

 

 認めたくない。でも──気持ちいい。

 

 こんな、見知らぬ男二人に、トイレで犯されて──なのに、気持ちいい。

 

「はぁ……っ、はぁ……っ」

 

 アンジュの瞳から、光が消えていく。代わりに──淫靡な熱が宿る。

 

 抵抗する気力が、もうない。

 

 いや──抵抗したくない。

 

「も……っと……」

 

 自分でも信じられない言葉が、唇から漏れた。

 

「ん? なんだって?」

 

 ケンが耳を寄せる。アンジュは涙と涎で汚れた顔で、うわ言のように呟いた。

 

「もっと……ちんぽ……ほしい……っ」

 

 二人の男が、顔を見合わせて笑った。

 

 

   ◇ ◇ ◇

 

 

 そこからは──地獄だった。いや、天国だったのかもしれない。

 

 アンジュには、もう区別がつかなかった。

 

「ほら、自分から腰振れよ」

 

「ん……っ、こう……? こうすれば、いい……っ?」

 

 トイレの閉じた蓋に手をつき、尻を背後に突き出す。後ろからタクに突かれながら、自分から腰を振る。

 

 ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ!

 

「そうそう。いい子だ」

 

「あっ、あっ……お尻、気持ちいい……っ」

 

 さっきまで痛がっていた肛門が、今では快感を求めて締め付けている。

 

 正面ではケンが勃起したちんぽを突き出していた。アンジュは自分から顔を寄せ、舌を伸ばす。

 

「んっ……ちんぽ、おいしい……ちゅぷ、れろ……っ」

 

 亀頭を舐め上げ、カリ首を舌先でくすぐる。そして口を大きく開け、根元まで咥え込んだ。

 

「おっ、喉まで入れてくる」

 

「ん゛っ、ん゛っ、ん゛……っ」

 

 喉奥を肉棒で突かれながら、後ろからも犯される。

 

 口と尻を同時に使われる──まさに肉便器。

 

 なのに、アンジュは悦んでいた。

 

「もっとぉ……もっと乱暴にしてぇ……っ」

 

 ちんぽを口から離して懇願する。顔は涙と涎と先走りでぐちゃぐちゃ。赤い髪は汗で張り付き、蒼い瞳はトロンと蕩けている。

 

「おいおい、処女だったくせにすげー淫乱に育ったな」

 

「だって……気持ちいいんやもん……っ」

 

 アンジュは恥ずかしげもなく答える。もう、強がりも恥じらいも、どこかへ消えてしまった。

 

「ちんぽないと、寂しい……っ まんこにも入れてほしい……っ」

 

「おう、入れてやる。全部使ってやるから」

 

 ケンとタクが位置を入れ替える。

 

 今度はアンジュが仰向けになり、ケンが上から覆いかぶさって膣に挿入。同時にタクが頭側に回り、口にちんぽを突っ込む。

 

「んぐっ……ふぐっ……ちゅるっ……」

 

「いい子だ。ちんぽ咥えながら犯されろ」

 

 ずぶっ、ずぶっ、とケンのピストン。アンジュの脚は大きく開かれ、結合部が丸見えだ。

 

 クリトリスの皮がめくれ上がり、ぷっくりと膨らんだ陰核が露出している。ケンの指がそこを弄る。

 

「ひぃんっ……!」

 

 口にちんぽを咥えたまま、甲高い声を上げる。クリトリスを弄られながら膣を突かれ、口も塞がれている。

 

 三つの穴のうち、二つを同時に使われる快感。

 

「私……っ、雌豚みたい……っ」

 

 一瞬、口からちんぽを離して呟く。自嘲の笑み。

 

「雌豚じゃねーよ。肉便器だろ」

 

「……うん……肉便器……私、おまえらの肉便器……っ」

 

 その言葉に、男たちの動きが更に激しくなる。

 

 ぱんぱんぱんぱんぱん!

 

「あひっ! あひぃっ! イイっ、すごいイイっ!!」

 

 アンジュは叫ぶ。もう、外に聞こえることなんて気にしない。

 

「まんこイイ! ちんぽ最高! もっとぉ、もっと犯してぇっ!!」

 

 淫乱に咲き狂う。処女だった女が、わずか数十分で完全に堕ちた。

 

「イク! またイクぅ! イッていい? イッていいのぉ?!」

 

「イけよ! 好きなだけイけ!」

 

 ──びくんびくんびくんっ!

 

「イグゥゥゥッ……!!!」

 

 何度目か分からない絶頂。全身が痙攣し、膣がケンのちんぽを締め付ける。

 

「くっ……俺も……!」

 

 ケンが腰を押し付け、奥で射精した。

 

 どくっ、どくっ、と熱い精液が子宮口を叩く。

 

「あっ、熱い……っ! 中に出されてるぅ……っ!」

 

 生まれて初めての膣内射精。処女を奪った男の精液が、子宮に注ぎ込まれる。

 

「はぁ……っ、はぁ……っ」

 

 ケンが抜くと、ずるり、と精液が膣から溢れ出した。

 

「あっ……出てく……」

 

 だらしなく股を開いたまま、精液を垂れ流すアンジュ。その姿は、もはや「公式美少女」の面影などない。

 

「次、俺な」

 

 タクが膣に肉棒を押し当てる。

 

「うん……っ タクのちんぽも、欲しい……っ」

 

 自分から腰を持ち上げ、迎え入れる。

 

 ずぶり、と挿入。ケンの精液がぐちゅぐちゅと音を立てる。

 

「あはっ……中、ぐちゃぐちゃ……っ」

 

「他の男の精液の上から犯されて、どんな気持ちだ?」

 

「最高……っ もっと汚して……っ」

 

 アンジュは笑う。壊れたように、幸せそうに。

 

 タクが腰を振り始める。今度はケンがアンジュの口にちんぽを押し込む。

 

 萎えかけていた肉棒が、アンジュの口内で再び硬くなっていく。

 

「ん゛っ、ん゛っ……ちゅる……おいひ……っ」

 

「さっき自分の膣で使ったちんぽ、美味いか?」

 

「んっ……おいひい……もっとちょうらい……っ」

 

 口でも膣でも尻でも、何でも受け入れる。

 

 アンジュ・カトリーナは、完全に雌に堕ちていた。

 

 

   ◇ ◇ ◇

 

 

 何度射精されたか、分からない。

 

 何度絶頂したか、数えていない。

 

 気がつけば、アンジュはトイレの床にへたり込んでいた。

 

 全身汗だく。髪は乱れ、化粧は崩れ、顔も身体も精液まみれ。

 

 膣からは白い液体がとろりと垂れ、肛門からも同様に精液が溢れている。

 

 二つの穴を何度も何度も使われ、雌として完全に躾けられた証拠。

 

「はぁ……っ、はぁ……っ」

 

 肩で息をしながら、アンジュはぼんやりと天井を見上げる。

 

 男たちは既にズボンを履き直し、身支度を整えていた。

 

「じゃあな、楽しかったぜ」

 

「また遊ぼうな、肉便器ちゃん」

 

 笑いながら、個室から出ていく。

 

 がちゃり、と扉が閉まる音。

 

 アンジュは一人、トイレの床に残された。

 

 全身が重い。指一本動かす気力もない。

 

 ──私、何したんだろ。

 

 朦朧とした意識で考える。

 

 処女を捨てて、知らない男二人に犯されて、自分から求めて、何度もイって。

 

 最低だ。最悪だ。

 

 なのに──

 

「……気持ち、よかった……」

 

 呟いた言葉は、誰にも届かない。

 

 身体の奥がまだ疼いている。もっと欲しいと訴えている。

 

 アンジュは、うっすらと微笑んだ。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

【第6章】終幕

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 小鳥のさえずりと、カーテンの隙間から差し込む朝日で目が覚めた。

 

「ん……」

 

 重い瞼を開ける。見慣れた天井。自分の部屋の、いつもの照明。

 

 ここは──自宅?

 

(私、昨日……クラブ行って……)

 

 記憶を辿ろうとするが、頭が割れるように痛い。二日酔いと、得体の知れない気怠さが全身を支配している。どうやって帰ってきたのか、まったく思い出せない。タクシーに乗ったような気もするし、気づいたらここにいたような気もする。

 

 身体を起こそうとして、激痛に襲われた。

 

「っ……! いっ……た……」

 

 特に下半身。腰が砕けそうに重く、股の間がヒリヒリと熱を持っている。

 

 シーツをめくると、自分が全裸であることに気づいた。

 

 そして──ベッドの脇を見て、息が止まった。

 

 そこには、昨日着ていったはずのグレーのニット──「童貞を殺すセーター」が、汚い雑巾のように丸まって落ちていた。その横には、片方だけの白いニーソと、無造作に放り出された黒いブーツ。

 

「うそ……でしょ……」

 

 夢じゃなかった。

 

 震える手で自分の身体を確認する。

 

 太ももの内側には、乾燥してパリパリになった白い糊のようなものが、べっとりとこびりついている。陰毛も精液で固まり、束になってガビガビだ。

 

 恐る恐る、秘所に指を触れる。

 

「ひっ……!」

 

 触れただけで痛い。膣口はぱっくりと開きっぱなしで、そこから白濁した粘液がとろりとあふれ出てきた。中に出された精液が、一晩経ってもまだ胎内に残っていたのだ。

 

「あ、あぁ……」

 

 フラッシュバックする記憶。

 

 トイレの個室。二人の男。かき回される指。貫く肉棒。

 

 ──気持ちいい。もっと! もっと犯して!

 

 自分の口から漏れた、信じられないほど淫らな声。

 

「私……ほんとに……あんなこと……」

 

 アンジュ・カトリーナは昨日、見知らぬ男二人に処女を捧げ、トイレの便器のように使われたのだ。一体どうやって家に帰り着いたのか、それすら思い出せないほど、精神も肉体も限界だった。

 

 お尻の方にも違和感がある。指を這わせると、肛門もまた、締まりなく緩んでいた。力を入れても完全には閉じない感覚。腸液と精液が混ざった汚い汁が、白いシーツに茶色いシミを作っていた。

 

「最悪……汚い……無理……」

 

 涙が込み上げてくる。

 

 レイプだ。あんなの、同意なんてしてない。薬を盛られて、無理やり連れ込まれて。

 

 警察に行くべきだ。被害届を出して、あいつらを──

 

 枕元で、スマートフォンが震えた。

 

 ビクッとして画面を見る。通知には、保存していない番号からのショートメッセージ。

 

『昨日は楽しかったよ。また遊ぼうね、アンジュちゃん』

『次はもっと激しくしてあげるから』

 

 文面と共に、一枚の写真が添付されていた。

 

 それは──トイレの床で、白目を剥いてアヘ顔を晒し、股を大きく開いてピースサインをしている自分の姿だった。膣と肛門から精液を垂れ流し、全身汁まみれで、どうしようもなく淫らな雌の顔。

 

「っ……!!」

 

 血の気が引く。心臓が早鐘を打つ。

 

 こんな写真、ばら撒かれたら終わりだ。配信者としての人生が終わる。全てを失う。

 

「消さなきゃ……早く……」

 

 指が震える。今すぐ削除して、この番号を着信拒否にして、記憶から抹消しなければならない。

 

 ──なのに。

 

 削除ボタンの上で、指がピタリと止まった。

 

 脳裏に蘇ったのは、恐怖だけではなかった。

 

 雄の匂い。肉棒の感触。子宮を叩く精液の熱さ。

 

 そして──あんなに酷いことをされているのに、「気持ちいい」と感じてしまった、自分自身の身体の記憶。

 

(なんで……?)

 

 あんなに酷いことをされたのに。無理やり処女を奪われたのに。

 

(なんで……濡れてんの……?)

 

 写真の自分を見ただけで、乾いたはずの秘所が、意思に反してじわりと湿り気を帯びてくる。膣の奥が、あの太い肉棒を求めて、きゅんきゅんと疼いている。

 

 アンジュは自分の身体が怖くなった。頭では拒絶しているのに、身体は完全に開発されてしまっている。

 

「……消せない……」

 

 震える声で呟く。

 

 アンジュはスマホを握りしめたまま、シーツに顔を埋めた。

 

 戻れない。昨日の自分には、もう二度と戻れない。

 

 窓の外には、今日も平和な日常が広がっている。配信をして、リスナーと笑い合って、公式美少女ライバーを演じる日々。

 

 でも、彼女は知ってしまった。自分が、ただの「雌」でしかないことを。快楽を与えられれば、尊厳もプライドも捨てて、喜んで股を開く生き物であることを。

 

「うぅ……っ」

 

 咽び泣く声が、静かな部屋に響く。

 

 それは恐怖の涙か、後悔の涙か。あるいは──自分の堕落を受け入れつつある、身体の喜びの涙なのか。

 

 アンジュ自身にも、もう分からなかった。

 

 こうして、アンジュ・カトリーナの処女卒業計画は幕を閉じた。

 

 彼女の本当の地獄──あるいは快楽の泥沼は、ここから始まるのかもしれない。

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