よう実 ~ギフテッドとN.I.N.J.Aと……~ IF SRORIES 作:山上真
「で、その後、帆波ちゃん以外の子とはセックスしたんですか?」
唐突に、千尋はそんなことを言ってきた。
その視線はドアの方向を向いている。つい先ほどまでは池たちがいたのだから無理もない。
「いや。変わらず教導はやっているが……。――と言うより、セックスをしたの自体、あの時の一回こっきりだ」
「はぁ……」
オレの言葉を受け、千尋はあからさまに溜息を吐いた。
一体なんだ……? オレは、そんな溜息を吐かれるようなことをしているか……?
「いやまあ、『セックスに溺れろ』とは言いませんし、溺れていないだけマシと見ることも出来ますけどね。
でも、清隆くんは『ハーレムの主』なんですよ? そりゃあ女の子たちの意思を尊重するのも必要ですけど、時には有無を言わさぬ行動だって必要になるでしょう。『倫理的にどうか?』ってのは否定しませんが、アレだけ『ペナルティ』と称してエロいことやってて、今更それもないでしょう。
だいたい、私たちと致してからどんだけ経ってると思ってるんですか?
実際に私たちとヤった以上、清隆くんが『次を求める』と彼女たちが考えるのはおかしなことじゃありません。
清隆くんはハーレムメンバーを苦しめて楽しいんですか? いやまあ、『オレと本番したいなら、ご褒美溜めてそれを望め』ってんなら否定はできませんけど……」
戸惑うオレに、千尋はドンドンと突き付けてきた。
なるほど、言われてみれば然りである。『女子は告白
確かに、『ハーレム』だものな。メンバーの方が主を求める以上に、主の方が求めないことには正常に機能しないだろう。
「その意見はありがたいが、わざわざ直言する辺り、千尋もオレとヤりたくなったか?」
「……そう言ったらどうします?」
揶揄い気味に問いかけたら、思いもよらぬ言葉が返ってきた。流石に困惑せずにはいられない。
「え、いや、あの、マジで?」
「以前に帆波ちゃんも言ってましたが、女子にも性欲はあるんですよ。特に私の場合、初めてが激烈体験っていうのもありますが、前じゃなくて後ろですからね。生でやろうと妊娠の心配はありませんし」
澄まし顔で淡々と千尋は言う。
本気か、冗談か、どっちだ……? 言ってることは尤もではあるんだが、その割に表情の変化がない。恥ずかしがってる様子もない。言葉も淡々としている。だから判断が付けられない。
「……なるほど。頑張って清隆くんを真似てみましたが、どうやら効果はあったようです。
私たちが清隆くんの『もっともらしい言葉』をイマイチ信じきれないのは、声の抑揚や表情といった『言葉を後押しする要素』が少ないからです。――逆説、こちらも同じことをすれば、清隆くんも真偽感知が難しくなる道理です」
そう言って、千尋は微かな笑みを浮かべた。オレをやり込めたのが嬉しいらしい。
「さあ、私の本音はどっちだと思います?」
クスクスと嗤いながら、千尋は更に挑発をする。
オレは僅かに考え、答えを出した。――どっちでもいい。
オレは嗤われてムカついた。だから怒りのままに千尋を襲うのだ。そこに千尋の本心など関係ない。兄をバカにする妹にはお仕置きしなければならないのだ!
「千尋ぉっ!」
その身体を押さえ、唇を奪った。舌を差し込み唾液を送り込む。千尋が目を見開くが、そんなことは知ったことじゃない。今は、とにかくただ、この柔らかい唇を堪能する。
レロレロ、レロレロ。
舌と舌が絡み合う。オレの舌が千尋の舌を押し込めば、千尋の舌も負けじと押し返してきた。
性欲の昂りに身を任せ、片手は千尋の胸へ、もう片手は千尋の尻へと指を差し込む。
「女の胸は、男に揉まれると大きくなるらしいな。なら、オレが揉んで大きくしてやるよ。オレは千尋のお兄ちゃんだからな」
「んうっ……んくっ……そうしてくれると嬉しいな。私も、胸はおっきくなりたいし」
答える千尋も昂っているのだろう。片手はオレの胸を弄り始め、もう片手はTレックスを解放しようとしている。
その傍ら、再び唇を貪り合う。
オレが千尋に唾液を送れば、お返しとばかりに千尋からも唾液が送られてくる。
所詮は唾だ。味なんかない筈なのに、どうしてこんなに甘く、美味しく感じるのか。オレはプラシーボ効果を実感していた。
『はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……』
唇を離すと透明な橋が架かった。
吐く息が荒い。互いが互いに、もはや唇を貪るだけでは物足りなくなっていた。
どちらともなく、下半身を露出する。その時、オレの視界にある物が映り込んだ。それに伴い、邪な考えが思い浮かぶ。
「千尋、ちょっと待ってろ」
「んぇ……?」
言い捨て、俺はキッチンへと踵を返した。
このまま縺れ込むと思っていたのだろう。千尋の怪訝そうな呟きが背中に届く。
「確か、まだ残ってた筈だ……」
冷蔵庫を開け、オレは目当ての物を取り出した。そして、取り出したそれを水洗いする。
「待たせたな」
「そこまで待ってもないけど、あそこで放置は酷いと思うよ? ――って、何でキュウリなんか持ってるの? ッ……!? まさか……!?」
戻ったオレが声をかけると、僅かに不満げな表情で千尋が返した。
しかし、直後にオレの手に握られている物に気付いて疑問の声を上げたかと思いきや、ハッとした様子でお尻を押さえる。
「そのまさかだ。今日は、このキュウリを千尋の尻に挿入れてみようと思ってな」
「いや、そういうプレイがあるとは仕入れたことがあるけど……」
言葉は否定気に。だがその実、声音には深い興味が含まれている。
「さあ、ベッドに行こうか」
千尋の肩に手を置いてベッドに促す。ちなみに拒否権はない。今のオレは、尻穴にキュウリを突っ込まれた千尋がどんな反応を示すのかが気になって堪らないのだ!
そのことが分かったのだろう。千尋も足を進める。
ベッドに着いたら、早速横になり、オレの上に千尋を乗せた。ただし、互いの頭部は真逆。オレの頭の方には千尋の足があり、オレの足の方に千尋の頭がある。俗に言う『シックスナイン』だ。
「ということで、千尋はフェラを頼む。オレはクンニしつつ、このキュウリで尻をイジメてやる」
「じゅ、じゅるる、じゅぱ、じゅぽ……」
諦めたのか。それとも前向きに受け止めたのか。千尋は無言のまま、しかし行動で返してきた。
それを受け、オレもお返しとばかりに行動する。
「ペロッ、ちゅぷ、くちゅ、ぢゅるるる……」
舌で千尋の秘所を嬲る。処女は帆波に譲る約束だからTレックスを挿入することは出来ないが、クンニなら許容範囲だろう。
しかし、こうしてクンニしていると、挿入する時が待ち遠しくて堪らなくなる。本当に、帆波と千尋が本番をするのは一体いつになることか……。
相反する感情を振り払うべく、オレは千尋の尻穴へとキュウリを挿入した。
キュウリ自体が割と細身なこともあるだろうが、以前にオレのTレックスを受け入れたことも大きいだろう。キュウリは然程の抵抗を受けることもなく、千尋の尻穴へと沈んでいく。
「ああっ!? キュウリが、挿入って……!?」
千尋がフェラを中止して甲高い悲鳴を上げる。
ぱちん。
それを受け、オレは軽く千尋の尻を叩いた。
「ほら、フェラは止めない。お兄ちゃんは千尋を気持ち良くする。千尋はお兄ちゃんを気持ち良くする。千尋がフェラを止めたらお兄ちゃんが気持ちよくならないだろ」
「ゴメン! お兄ちゃん」
オレが千尋に注意すると、千尋は謝ってフェラを続行した。
どういうわけか、オレも千尋も昂ると『兄妹プレイ』に突入してしまう。普段はそうでもないし、やろうと思ってやっているわけではないんだが、自然とそうなってしまうのだ。
「ぢゅぱ、ぢゅろ、じゅるる、ぢゅぽ……」
ズッポ……ヌッポ……。
フェラの再開に合わせ、オレも攻撃を一極化した。
クンニは止めた。正直、クンニをしていると挿入を我慢しきれるか分からないのだ。
勝つために必要とあれば約束を破ることなんぞ何とも思わないオレだが、ここで千尋のヴァギナに挿入したところで勝利には繋がらない。一時的には満足感を得られ、千尋を支配することも叶うかもしれないが、まず間違いなく帆波も合わせて反感を買う。
ハーレムを形成する上でそれは良くない。多少の不平不満を買うのはどうやったって避けられないだろうが、ちょっとした努力で避けられる分まで無駄に買う必要はない。円滑な人間関係を形成する上で、それは絶対条件だ。
そもそも、篤臣を見てみろ。多方面から恨みを買いすぎて、常に護衛が手放せない。トイレにまで同行させる。
あの男は決して突出した頭脳や身体能力を持ち合わせているわけではない。そんな男に従う理由があるとするなら、第一に金だろう。金払いがいいから、護衛だってトイレにまで同行するのだ。
第二に恐怖があるのかもしれないが、それだって金に起因する。金が無ければ打てる手は極端に限られるからな。
である以上、あの男から金が無くなれば、誰も従うことはないだろう。
そんな、『外的要因』を主眼に置いた関係など長続きするものではないのだ。『たとえ自分が苦労をしてでも一緒にいたい』。周りにそう思わせるような、言わば『人間的魅力』にあふれた存在。真に恐ろしいのはそういう人物で、代表格は帆波や桔梗になるだろう。
ちょっとした綻びで離れていく人物だっているかもしれないが、関係が『内的要因』に起因する以上、離れない者はトコトンまで離れていかない筈だ。どんな手を使っても孤立化させられない存在など、厄介なことこの上ない。
であるならば、オレが目指すべきもそういう人物であるべきだろう。
「どうだ千尋、気持ちいいか? 千尋の尻がズッポリとキュウリを呑み込んでいるぞ。千尋は健啖家だな」
そんなことを考える一方で、オレは千尋へと声をかける。『言葉責め』というやつだな。
オレの言葉責めで羞恥心と反抗心が刺激されたのか、Tレックスへの攻撃も一層激しいものになる。緩やかな刺激もそれはそれで心地いいが、激しい刺激も乙なものだ。
さて。攻撃を尻へと集中させたのには、先に挙げた以外にも理由がある。それは経験不足によるものだ。
一切にやってみて分かったが、クンニと尻責めを同時並行して行うには、オレにはまだまだ技量が足りないのだ。技量を担保するだけの経験がない。積んでいない。
そんな状態では
だから、まずは一兎――尻責めの方に集中することを選んだわけだ。
実際に効果はあったようで、途中からクンニは止めたというのに、千尋の秘所からは次々と蜜が溢れてくる。キュウリによる尻責めで千尋が快感を得ている証拠だ。
いやまあ、実際には肉体の防衛反応なんだろうが、決して快感を覚えていないわけではないだろう。そして、より快感と結び付けるための言葉責めというわけだな。
そして千尋が昂れば昂るほど、オレのTレックスへの刺激も増す。まさしく、互いに高め合う好循環だ。
「ああ……。いいぞ、千尋。……射精る! 射精るぞ!」
言いながら、オレもまたキュウリの出し入れを一層激しいものとする。
プシュッ! プシャアアアァァ……ッ!
千尋のヴァギナから盛大に液が放たれる。『潮吹き』というやつだ。必然、下にいたオレの顔に降りかかる。
それと時を同じくして、オレもまた達した。視界が白く染まり、Tレックスから精液が放たれる。
射精直後の精神状態。俗に言う『賢者タイム』。この状態では、『普段気にならない些細な物音や光が気になったり、人生や行動について深く考えたりすることがある』という。
だからこそか、オレは非常に気になってしまった。今現在、千尋の尻にはキュウリがほぼ根元まで埋まっているわけだが、『コレを勢いよく引き抜いたらどうなるんだろう?』……と。
元々、多方面に対して興味関心が高いオレだ。普段はその度合いが釣り合っているが故に積極的な行動を起こさない方だが、状況次第で天秤は容易に傾く。
そして賢者タイム中は、『心身は落ち着いていても、決して冷静なわけではない』と言われている。だからそう、オレの理性が利かなくても仕方のないことなのだ。
などと言い訳を考えている辺り、本当に理性が働いていないのかは怪しい部分があるが、兎にも角にもオレは行動に移した。キュウリを勢いよく引き抜いたのだ。
「ちょ……ッ!?」
オレが何をしようとしているかを察したのだろう。千尋が口を開いたが、言葉は最後まで続かなかった。
プシュッ! プシャアアアァァ……ッ!
再び勢いよく潮が吹き放たれ――
チョロ……。チョロロロロ……。ヂョロロロロ……!
今度はそれに加え、小便までが放たれたのだ。当然、下にいたオレもベッドも千尋の小便まみれになる。
「やぁん。だから止めようとしたのに……!」
千尋の顔は実に複雑な色に染まっていた。羞恥、快感、解放感……様々なものが混在しているのだろう。目には涙を浮かばせ、頬は赤くなり、それでいて笑みを浮かべている。
オレはそれを見て、非常に千尋が愛らしくなった。その一方で嗜虐心も刺激されるが、どうにか抑える。
「取り敢えず、風呂に行くか……」
オレは千尋を抱えて浴室に向かう。千尋の服も汚れてしまうが、どの道着替えなければならないのだ。構うまい。
軽くシャワーを浴びて潮やら尿やらを洗い流した後、オレはバスタオルを腰に巻いてすぐに浴室を出た。ベッドのシーツも変えなくてはならないからな。必然、再び汚れることになる。である以上、本格的に身体を洗うのは一通りの後片付けが終わった後で十分だ。
無論、千尋はその間シッカリと風呂に入れてある。
シーツを変えて、洗濯機を稼働させ、諸々を終えて風呂に戻れば千尋も落ち着きを取り戻していた。
「まったく……! この鬼畜!」
開口一番、飛んでくる罵詈雑言。全く以て返す言葉がない。
「でもまあ、やれたじゃないですか……」
かと思えば、千尋は優しい笑みを浮かべてそんなことを言った。
「今回は私が挑発した結果ですけど、それによって、清隆くんは後先を考えずに行動を起こしたでしょう? 感情のままに私を黙らせようとしたでしょう?」
言われてみればその通りだ。『本心はどっちだ?』という疑問も、『千尋に嫌われるかも?』という不安も、それら全てを蔑ろに、ただ怒りのままに行動に移していた。
「それを、ハーレムの他の女の子たちにもやればいいんですよ。起因する感情はともかく、『お前の感情は関係なく、俺はお前とシたいんだ!』って行動で表せばいいんですよ」
「千尋……」
「確かに私も清隆くんのハーレムの一員ですけど、主に処女も捧げないわけですからね。メンバーとしては、少なからずそのことに負い目を持たないわけにはいきませんよ。
その一方、個人としては帆波ちゃん以上に
なら、そういった部分でフォローを入れるのが、
そも、清隆くんがキチンとハーレムを形成して、将来的に法改正してくれないと、私も帆波ちゃんと結婚できなくなってしまいますからね。それは困ります。
だから、そのために必要とあれば、身体を張ることだって厭いませんよ。
だから、今回私を襲ったことに対し、清隆くんが必要以上に自分を責める必要はありません。そうなることも覚悟しての行動だったわけですからね。――ただし、反省は必要ですよ? 一切悪びれないようでは、それはそれで困りますから。
人脈づくりや何やかやは必要でしょうけど、それにかまける余り、肝心のハーレムが崩壊してしまったら元も子もないんですよ。普段の清隆くんは合理的に過ぎる余り、感情を蔑ろにしている面が見受けられますからね。
妹としては、兄の至らない部分をフォローせずにはいられませんよ」
紡がれた千尋の言葉は、確かにオレに響いた。
それを受け、オレは千尋を抱きしめた。抱擁することで、『言いたいことは分かった』と伝えたかったのだ。
千尋もまた、オレを抱きしめ返す。千尋の手が、ポン……ポン……と、オレの背を打った。
風呂の熱と、千尋の熱。異なる温かさに、オレは包まれるのだった。
まあ、こういう場面も必要かな……と。
こと感情部分に関しては、清隆はどうしたって受け身にならざるを得ません。
その上で、他にやることなすこと沢山あるなら、どうしたって優先順位は低くなると思います。
一方、帆波とヤったことを知っている女の子としては、『次は私かな?』とか思ったり、『いつになったら手を出してくるんだろう?』とか思ったりしても不思議はないと思います。
ただ、本作の清隆がそこまで機微を読み取れるとも思いませんので。
合理的に考えれば、千尋が言ったように『ご褒美スタンプ溜めて、ヤりたいと言えばいいだろう』という意見になるでしょうし、事実、清隆はその考えで行動していました。
で、同性愛者故に一歩引いた立ち位置だった千尋は、そこら辺を見て取れたわけですね。
この点において、帆波は『最初の相手』という優越感が生まれるのは当然ですし、そこに引きずられる部分が出てくるのは否めないと思います。
ハーレムの一員としてはそこら辺を清隆に指摘しないわけにはいかず、その上で帆波に配慮して指摘を遅らせていたのが本当のところです。指摘しようと思えば、もっと早くに指摘することも出来ました。
と、何やかや言ったところで、結局は『お話の都合』で片付けられるんですけどね。
必要な、或いは必要そうな場面を描くと、どうしたって優劣や順番が付きますから。
書き手としては、その上で『どうしてその順番にしたのか?』という点について、『尤もらしい理由』を用意して、読者に理解を求めなければなりません。
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