※この作品はR-18です。

【本編完結】アズールレーン寝取られ二次創作世界の終末の後に   作:リンパック

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このネタは「アズールレーンの寝取られ譚の後日談」でも考えていたもので、再構成後版でも出そうと思っているネタです。

そして舞台は南米ですが、南米の船が出るのはもっと先だろうと作者は油断していたため、実在する南米国家を普通に「後日談」に出すつもりでいました。先日ゲーム本編にて「リガ・デ・ペドレリーア」と言う名前で南米を一纏めにしたような国家が登場していたため、こうすることにしました。本文中の「リガ・デ・ペドレリーア」に関する設定は本作独自の設定です。

7/30 ブレマートンの台詞追加


ブラッドダイヤモンド

赤道直下のカンカン照りの中で、ボルチモア級重巡洋艦の親友はお互いに砲を向け合いにらみ合っていた。周りでは指揮官が率いる正気のKANSENと麻薬取締実行部隊が、マフィアとその手先と化した堕落KANSENを一方的に屠る戦闘が繰り広げられていた。勝敗は目に見えていた。

 

「もうやめてボルチモア…恥の上塗りだよ…!」

 

ブレマートンが先に沈黙を破り、彼女の両頬を筋が通る。親友であり尊敬もしていたボルチモアのこんな姿をブレマートンは見たくなかった。自らの腕や手にかつて刻まれて今は除去手術もあってだいぶ薄まっているタトゥーを見て、自らの過去を思い返す。ブレマートンは自らも間男達に堕ちていたが指揮官やノースカロライナ達の説得もあって危機感を覚えて抜けだしたのだ。その後はひたすら指揮官に謝罪し、指揮官の部下として軍務に励んでいた。ブレマートンのように、堕ちたが正気に戻ったKANSENは何名かおり、全員が今回の作戦に参加している。

 

「もう止まれないさ…私は…!」

 

相対するボルチモアはブレマートンのそれよりも濃いタトゥーを入れており服の合間から覗かせていた。彼女の虚ろな目は、現実直視の絶望と現実逃避の夢想を色濃くにじませていた。ガラが悪く良い噂を聞かないが指揮官よりも気持ちよい性的快楽を提供できる少将とのセックスにのめり込み、正気に戻ったブレマートンやマインツと共に矯正を試みた指揮官を追い出した。その後はただ快楽に耽って淫蕩の限りを尽くして堕落し、尽くすオスは違えど()()()()()リシュリュー達エウロラ大陸のKANSENによる新国家建設の企みを聞いた時は、少将と共に参加した。しかしセイレーンの攻撃であっさりと新国家が滅亡し、少将もピュリファイアー達の砲撃でゴミのように消し飛ばされた。全てがご破算になった後に突き付けられた無情な現実を、生き残ったボルチモア達は飲み込みきれなかった。

 

「ここまで…来てしまったからにはね!」

 

ボルチモアが展開する8インチ砲が撃たれる気配を察知したブレマートンは先に自らの主砲を撃つ。ブレマートンの読みは当たり、同じタイミングで放たれた砲弾は正面衝突して爆発した。ボルチモアとブレマートンを爆風が襲い、受け身の体勢を取ったブレマートンと、大して動けなかったボルチモアで明暗が分かれた。

 

「っ!自分達で選んだんじゃん!!」

 

起き上がろうとしたボルチモアに追撃を浴びせた。

 

「ぐっ!!」

 

ブレマートンの8インチ砲はボルチモアの体に直撃し、彼女は再び倒れ込んだ。チャンスと見たブレマートンは追撃に移る。

 

「神妙な顔してっ!何を言ってるのかな!?」

 

「自分で転げ落ちてさ!なに不可抗力みたいに言ってるのさ!?」

 

ブレマートンはボルチモアの体に8インチ砲弾を、艤装には副兵装の弾を容赦なく打ち込んでいく。

 

「さんざん指揮官を罵倒してさ!」

 

砲撃のスパンは短くなり言葉に熱が入る。

 

「ねえ!彼らにそんなに魅力あったとでもいうの?」

 

「性欲で頭おかしくなってたのよ!アタシがそうだったんだから!!」

 

断続的な砲撃にボルチモアの艤装が耐え切れず爆発する。

 

「太くておっきなおちんちん入れられてさ!思い切り突かれてたらキュンキュンだってするよ!」

 

「たしかに気持ちよかったし!指導する指揮官が煩わしく思いたくもなるよ!」

 

「でも!任務を怠るのは違うじゃん!!」

 

「セックスは何時だってできるけど任務は待ってくれないんだよ!?」

 

「だってのに現実からめをそむけてさ!最初は強制でも続けたのは自分の意志でしょう!?!!」

 

「救えた命を落としてさ!!カロライナさん達に押し付けてさ!!」

 

「気持ちよさに浸って自分が道踏み外したら!!元も子も無いじゃん!!」

 

「せめて指揮官とちゃんと話してから離婚や退役しなよ!!なんでそんなこともしなかったのよ!?」

 

最初はブレマートンに答えようとしていたボルチモアだったが、断続的に浴びせられる砲弾の嵐の中で気を失っていた。

 

「人々を守るアタシたちが生活を壊して殺すなんてやっちゃいけないじゃん!!オシオキどころか懲罰ものよ!!」

 

「そこまでにしな!」

 

気絶に気付かずに次弾を発射しようとした彼女を止めたのはペンシルベニアであった。

 

「もう気絶してる…あとはロープで縛ろう」

 

「あ…本当だ」

 

気付いたブレマートンは、ペンシルベニアに手伝ってもらいながら麻薬取締部隊から渡されたKANSEN拘束用のロープでボルチモアを縛っていく。

 

「アタシ達と一緒に逃げればよかったのに…!」

 

「ボルチモアがここに居るとはペン姉さんも思いたくなかったね…」

 

怒りややるせなさを滲ませたブレマートンとペンシルベニアは最後の仕上げに取り掛かる。

 

「うん、ここ…だな」

 

静脈を探し当てたペンシルベニアは、指で押さえて位置を示す。

 

「ありがとう。ペン姉さん。んじゃ…ボルチモア」

 

「しばらくさいなら!」

 

万が一ボルチモアが起きて暴れないように、ブレマートンが静脈にKANSEN用鎮静剤を打った。ボルチモアは一瞬首が動いたが、眠りについたのか体の力が抜けた。

 

「ブレマートン」

 

しばらく様子見した後、ブレマートンを呼ぶ声が後ろから聞こえて来た。

 

「あ、マインツ。そっちは終わった?」

 

「ああ。こちらもマフィアと敵KANSENを拘束した。指揮官とアークロイヤルの命令でここに来た。ボルチモアを運ぶのを手伝わせてくれ」

 

「ありがと!じゃあそっち持って」

 

「分かった」

 

「周囲の警戒は任せて。二人は先にボルチモアを収容しに行っといで」

 

ブレマートンはマインツとペンシルベニアに車輪付き担架に乗せてもらうのを手伝って貰い、終わるとペンシルベニアにその場を任せた。ブレマートンとマインツは担架に載せたボルチモアを仮設の捕虜収容施設にもっていく。

 

「あら、ブレマートンちゃん、マインツちゃん」

 

収容施設で捕虜の拘束と管理に従事しているノースカロライナが、三人の姿を確認する。

 

「ノースカロライナさん!」

 

「二人ともお疲れ~あとはこっちでやっておくわ」

 

「任せっぱなしですみませんカロライナさん。書類仕事や戦闘で忙しいでしょうね」

 

「良いの良いの。指揮官の力になりたくてやってるから」

 

ノースカロライナによって一層頑丈に固定されていくかつての親友を、ブレマートンは光も温かさも無い目で見ていた。

 

「…これで、終わりますかね?」

 

「終わると思いたいわね…」

 

ノースカロライナは淡々と作業を進めながら答えた。

 

「少なくともカルテルの暴力はこれで終わるわ。でも、この問題は根深いもの。きっと、第二第三のカルテルは現れる」

 

彼女の回答にブレマートンとマインツは少し顔を顰めた。

 

「…でも、次の組織が出来ても、今度はずっと対処しやすいと思いたいわね。少なくとも、指名手配を受けていたKANSENがこれで全員収容されるのだから、暴力の質と量ともに落ちるはず」

 

「とすると、次はユニオンの助けが無くても現地の軍や警察でどうにかなりそう…ってことですか?」

 

ノースカロライナの脳裏に、前にノーフォーク基地で指揮官から聞いた前世の血みどろのメキシコ麻薬戦争が思い浮かび、悲観的な将来が浮かびかける。しかしこれは別世界の出来事だと割り切り、希望を持つことにした。

 

「そうね。きっとそう思いたいわ。よし、これで拘束は完了。二人とも休んで良いわよ」

 

「「ありがとうございます!」」

 

「ではでは、お言葉に甘えて~」

 

これから二人は短い休憩に入る。二人を見送りながら、ノースカロライナは次に来るマフィアの構成員やKANSENについて思いを馳せた。

 

 

 

ことの発端はBNWO宣言より前に遡る。ユニオンの南には「リガ・デ・ペドレリーア」と言う国家がある。指揮官の前世で言えば、この国は南米諸国が纏まって一つの国となったような連邦制国家であった。そのペドレリーアの北部には、コロンビア、エクアドル、ペルー、ベネズエラの四つの共和国がある。この四国は建国以来から慢性的な麻薬問題を抱えており、国内に巣食う麻薬カルテルを排除しきれずにいた。

 

そしてセイレーンが南大陸とエウロラ大陸を灰にしている間、特にその後半期にあたって、麻薬カルテルの勢力が急激に伸張し始めたのである。コロンビア内部の政治不安と腐敗、そしてエウロラ大陸と南大陸から流入した大量の難民による社会不安にかこつけ、現状に不満を抱く貧民層や農民を味方に付けたカルテルは、政府の支配を脅かしはじめたのだ。

 

コロンビアの大都市メデジンで発生した大規模な戦闘を皮切りに、構成員を逮捕した警察署や、判決を下した裁判所、収監された刑務所をカルテルは攻撃し始め、公僕や抵抗する市民を殺戮するようになった。桁違いの火力に晒された地元警察では全く太刀打ちできず、パトカーの残骸と警官の死者が増える一方であった。

 

近隣の基地から軍隊が緊急出動し、カルテルが猛威を振るう地域に急行したが、到着した部隊は大火力を浴びて物言わぬ死体の山となり、戦車や装甲車、空軍の攻撃機でさえも容易に破壊された。電撃戦を成功させたカルテルの支配は急速に広まり、複数の大都市を占領するまでになった。支配地域では暴力と犯罪が横行した。この現実を前に四国政府とペドレリーア中央政府は、堕落したKANSENがカルテルと合流しているのではないかと推測を立てた。

 

破壊された軍用車両とパトカーの残骸と廃墟となった街を調査し、撤退した将兵から証言を取った結果、大口径艦砲、魚雷、艦載機による攻撃の可能性が浮上したためである。その見立てが正しければ、現有戦力では太刀打ちが非常に難しくなる。ただならぬ事態に恐怖と焦燥を覚えたペドレリーア中央政府は、ユニオンに緊急の軍事支援を要請したのである。

 

エウロラ大陸の国々や南大陸の植民地が消滅した混乱が収まらない中での支援要請に、ホワイトハウスは良い顔をしなかったが、堕落したKANSENがいるとなれば話は別であった。ユニオン大統領の命令によって、指揮官が率いるKANSEN部隊が急行し、事態を重く見た重桜もKANSEN部隊を派遣した。現地のバルパライソと合流した後に、麻薬カルテル殲滅のための戦争が幕を開けた。

 

激しい麻薬戦争は一年以上続き、大勢の死者が出たことで「ブラッドダイヤモンド」と呼ばれた。しかし指揮官率いるKANSEN部隊と重桜からのKANSEN部隊が合流した後、ペドレリーアと四国の政府軍はカルテル相手に優位に立ち、次第にカルテルの領域は縮小していった。メデジン、カリ、バレンシアなどの大都市が陥落した後は、ペドレリーア側の優位が確定し、その後の戦闘は残党狩りの様相を呈した。そして今日、山岳地帯に設けていた基地やアサ畑が制圧され、主要メンバーが戦死もしくは拿捕された。事前の予想通り、ボルチモアを始め大勢の堕落KANSENが南大陸から逃げてカルテルに合流していたことが発覚したのだ。そうして掃討戦が終わると、ユニオンと重桜のKANSEN部隊は徐々に引き上げていった。最後に残ったのは指揮官と秘書のノースカロライナであった、

 

 

 

リガ・デ・ペドレリーア コロンビア共和国首都ボゴタ

 

「ありがとう!コマダンテ!!」

 

「カロリーナ!!ヌエストラスディオサス*1!!今度また来てくれよな!!」

 

「あいつ等やっつけてくれてありがとう!!!」

 

リムジンに乗る指揮官とノースカロライナは道行く人々から賞賛と歓喜の声を浴びていた。指揮官達は、リガ・デ・ペドレリーアの北部で乱暴狼藉を働いていた麻薬カルテルを壊滅させ、堕落してカルテルの構成員となっていたKANSENと間男達を全員捕縛して平和を取り戻したからである。急速に広まったカルテルの凄惨な暴力に怯えていた市民達は、恐怖から解放してくれた指揮官達を英雄と讃え、溢れんばかりの感謝の気持ちを伝えていた。

 

(本当に良かった…!俺達は彼らの命と人生を守ったんだな)

 

(この笑顔を見ていると、守って良かったと心の底から思えますね♪)

 

非常に温かいものを心に感じた二人は、彼らの称賛に最大限の敬礼で返しながら、ユニオン空軍の大型輸送機が駐機するエルドラド国際空港へ向かっていた。そして空港に到着してもなお二人に向けられる賞賛と歓喜の声は尽きることなく続いた。この日のボゴタは快晴であった。ノースカロライナの豊かな金髪が太陽光を綺麗に反射し、長身でスタイルの取れた体型、そして見るものを魅了する優しい微笑みが合わさり、伝説や神話の一幕のように見えていた。二人が乗り込んだ輸送機が空港を離陸して見えなくなるまで続いたのだった。

 

 

 

 

「ふー…長かったな…」

 

「お疲れ様です。指揮官」

 

肩の荷が一つ降りたような気がして、指揮官はやっと一息ついた。彼はこの麻薬戦争の間ずっと業務に忙殺され、地元の有力者や政治家と交渉したり、時には前線に出て指揮を執っていた。人外であるセイレーンとの戦いと異なり、同じ人間同士のカルテルとの戦いは、彼に別種のストレスを与えていた。

 

「カロもお疲れ。色々助けてくれて本当にありがとう」

 

「ふふふ。貴方の秘書艦(つま)ですから♪」

 

ノースカロライナはこの戦争の最中、指揮官の右手として前線でも後方でも行動を共にして働いていた。指揮官にとって彼女の力添えは、部隊の指揮官として、そして伴侶として大変ありがたかった。

 

「……ユニオンに着いたら彼女達に聞かないとな」

 

「そうですね~。あの子達にはい~~~~っぱいっ質問に答えて貰わないとですね」

 

「ああ。まさかセイレーンの後にこんな戦争が待ってるなんて思いもしなかったな…」

 

一大仕事を終えて後はユニオンに帰るのみとなった指揮官は、気が抜けたのか眠気が頭をもたげて来た。

 

「うとうとしてきましたか?」

 

「…うん。なあカロ」

 

「どうしました?」

 

「基地に戻ったら、二人だけの時間を作ろっか」

 

「良いですね♪最近ずっと戦いっぱなしでしたから。指揮官の行きたい所ややりたいことは何でもしますよ」

 

「ありがとう。…ちょっと寝るわ」

 

「ええ。ゆっくりと休んでください」

 

ノースカロライナが優しく微笑むと、すぐに隣から規則正しい寝息がし出した。

 

「うんしょっと」

 

ノースカロライナは指揮官が安眠できるように、二人の背もたれを後ろに倒した。

 

「おやすみなさい指揮官。貴方はと~~っても頑張りました。良い夢を見てくださいね~。兎ちゃんがぴょんぴょんとあなたの夢に現れますから♪」

 

ノースカロライナは指揮官の横で、静かに彼の寝顔を見守っていた。じっくりと眠れるように、時に彼の頭を撫で、時にお腹の上をぽんぽんとしたりさすった。ノースカロライナが女性にしては非常に長身であったこともあり、その姿はまるで子供の安眠を見守る母親のようであった。

 

(今度は任務ではなく、観光で行きたいわね~。これでペドレリーアが平和になってくれればいいのだけど…そうは簡単にはいかないか)

 

ノースカロライナの脳裏に、この戦争後のあまり楽観視できない未来が思い浮かぶ。それを現実にしないためにも、ユニオンに帰還した後に、元仲間だったユニオンKANSENに徹底的に尋問をしなければならないと彼女は改めて決意した。

 

*1
nuestras diosas スペイン語で我らが女神達




前に投稿していた「後日談」においては「終末の後に」と違い、エウロラ大陸と南大陸の代わりに、指揮官を追い出した後のアズールレーンの基地がセイレーンの攻撃で壊滅し、寝取った間男とKANSENの多くが死傷しています。「終末の後に」でこの話をどこに持ってくるか悩んだのですが、この話そのものはセイレーンによる全世界規模の攻撃が終結した後の出来事としています。

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