【本編完結】アズールレーン寝取られ二次創作世界の終末の後に 作:リンパック
こんな小説書いてますが、自分はアズールレーンの寝取られものはめっちゃ好きなんですよ。
だからこそ寝取られが起こった後も書きたくなるんです。
彼は新聞の一面をスタイルズに見せた。
「ここに、ジェームス・クロフォード教授と、デニス・オズワルドがいる。貴官も今日の新聞は見ただろう?」
紙面には、連日ユニオン東海岸を騒がせていた連続強盗殺人犯のデニス・オズワルドがボルチモア市街を逃走中に現地警察との銃撃戦に発展し最終的に逮捕された記事があった。すぐ下には、その銃撃戦で通行人の女性が流れ弾を受け、入院先のジョンズ・ホプキンズ病院にて手術が成功し一命を取り留めた記事が掲載されていた。その中で、黒人の名外科医であるジェームス・クロフォード教授が、女性の体内の奥に入り込んでいた複数の弾片を、動静脈や臓器を傷つけることなく摘出する難しい手術を、無事に成功させたと書かれていた。
「もしガンの大きさがクロフォード教授よりオズワルドの方が大きければ、もしくは生殖能力で上であれば、人間としての値打ちは教授よりオズワルドの方が高いことになる」
「…いや、それは…」
「自分で自分の主張を翻してどうするのだね。貴官が言ってることだぞ」
語るに落ちたとばかりに、ホーランドの口から大きなため息が漏れる。そして指を折りながら人間の値打ちになりえる要素を列挙していった。
「人格、職業、経験、技能、年収、資格、趣味、宗教、住所、学歴、人間関係…そう言った他の要素を無視、あるいは軽視して、生殖能力の大小に全てを関連させて考えている。だが、こうした主語が大きすぎる主張は往々にして一個の反例で効力を失うものだ」
「ほかに例を挙げるなら、長年ユニオン軍に勤めた貴官と、アナポリスを卒業したばかりの先住民出身の新米少尉が、ガンの大きさが同じであるがゆえに、同じ人事評価を受け同列の待遇や給料を貰っても良いことになるな」
スタイルズの形の良い眉が僅かにぴくぴくと震える。その様を見て彼の内心を悟ったホーランドはため息もそこそこに話を進める。
「先ほど挙げた要素は、生殖能力とは関係ないが、社会や組織の中で生きていく上では重視すべき要素だ。それとも、それらが生殖器の大小にかかわるとでも言うのかね?科学的な裏付けも、因果相関関係も無いというのに?それこそ全く荒唐無稽でくだらない。ユニオン南部でいまだに燻っている白人至上主義や、BNWO国家群のテーゼだった黒人至上主義と同じだ。偏見や差別以外の何物でもない」
「スタイルズ准将、馬鹿げた話だと思わないか?経歴や経験、技能や資格、性格適性などを完全に無視して、器官の大小と言う、社会や組織の運営に関係ない要素で勝負が決まるということに。貴官が先ほど躊躇したように、この主張は偏見だ」
「…閣下、小官が…申し上げているのは…男女関係であります」
「男女関係に限定しても同じことが言えるよ。生殖能力の大小だけで関係を規定できる訳が無い。様々な要素が絡み合うものだ」
「もっとも、激しい性行為は脳を溶かすような激しい高揚感や恍惚を生みだすようで、それに魅了される女性も少なくないとは私も聞いている。それに男性に男らしくリードされたいという被支配欲求を持つ女性も少なくない割合でいるともね。三か月前にワシントンポスターズに掲載されたアンケート調査でもその傾向が見られた」
「…したがって君達が堕落させたKANSENもその快楽の虜になったと容易に想像がつく」
「しかしだな、性愛と結婚生活は全く違うものだ。円満かつ長期的な男女関係を築く上で、生殖器の大小は何らかかわりのない、多少関係があったとしても、それが全てを規定する理由にはならない」
「何を…女は大きなペニスが好きなんですよ?」
「女性が大きな男性器を好むと言う言説は、確かに巷でたびたび流れるものだ。そう言う女性が少なからずいることも、一定の説得力を与えてる」
「ならば…!」
「だが、それは認知の歪みにすぎん。大きな男性器に価値を置く女性の例を女性全体に当てはめた偏見にすぎんよ」
「性行為や性的快楽のみで関係が規定されるならば、その関係は酷く空虚なものだな。性行為が齎す快楽をどれだけ与えられるかにのみ価値が置かれる。そうなると、高揚するような快楽をどのように長期間与え続ける気でいるのかね?歳を取るにつれて性欲も体力も気力も、そして肝心の男性機能も落ちていくのだ。もっとも、貴官は長年、そのような好みを持つ女性と付き合っていたか、そのような場に居続けたから訂正の機会が無かったのだろうな」
「なぜそれを!」
「君はこの大カタストロフの当事者だからだよ。事件の調査において関係者の情報は往々にして洗われる。数々の浮名を流し、その中身も褒められたものではないことも把握している」
「深く付き合った者はほぼ皆無に等しく、その殆どが一夜限りか性行為目的の出会いでしかない。付き合った女性の総数だって2000人もおるまい。それを以て全体の傾向を掴むどころか、真実を知った気でいるのは早計だろうに」
「2000人って何の根拠があって…!」
「統計調査のサンプル母数の話だよ。統計学的には母集団が何であれ1500人ほど居れば十分な結果が得られるらしいじゃないか。知りたいのであれば統計学の教授に聞いてみると良い。出れたらの話だがね」
「確かに、生殖能力は生物としては重要ではある。未来に自らの子孫は残して国家社会を維持せねばならん」
「だが、「重要である」ことは「それだけで価値が決まる」ことを意味しないのだよ。過去の"成功"体験から、貴官達は結び付けているようだが、人生経験が思考回路と価値観を作り上げたのだろうね」
(ここは我々が陥りやすい思い込みだが、自分達で自明だと思っていたり無意識に正当だと考えていることは、外部から指摘を受けないとなかなか気づきにくいものだ)
ホーランドは自戒するように言葉を心で付け加えた。
「貴官もそうだがこの不祥事の加害者達には、いずれも派手な女性遍歴が目立つな。クイーンビーに相当するカリスマと美貌を持つ女性と真っ当に付き合うならまだしも、既存のカップルや家庭を破壊するような非倫理的なやり方も多数見受けられる。そして高い給与を背景に金で、もしくは買収したギャング達や新聞社などを使って黙らせたのだろう」
「これは何を根拠に!!」
「シルバーストーン大将がギャングや犯罪者、民間人の加害者を尋問した結果得られたのだよ。彼が尋問せずとも、これまでの調査で既に露見しているがね」
「っ!?」
スタイルズの脳裏に、日焼けした筋骨隆々の大男…ドウェイン・デンプシー・シルバーストーン大将の姿が思い浮かんだ。元アメリカンフットボール選手およびプロレスラーとして優秀な成績を残し、アナポリスを上位で卒業した彼は、堅実にキャリアを重ねて昇進を続けた将官である。最近ではセイレーンによる二大陸攻撃時にホーランド大将と共に指揮官を支援してセイレーンの一時撤退を成し、ペドレリーアでの麻薬戦争でも指揮官の上官としてカルテル殲滅に尽力した。
「奴等が!?」
「心当たりがあるようだな。まあ、あの連中に階級、社会的名声、そして腕力や体格においてシルバーストーン大将に叶う者は一人もいまい。今頃、大将による
スタイルズの脳裏にありありとそのような光景が思い浮かぶ。プロレスの技やフットボールのタックルを使って締め上げてる様子が鮮明に生成され、自分もその目に遭うのではないかと、戦慄が彼の背筋を走った。
「話を戻そう。そうして女性の奪取に幾度も成功し、彼女達を自分達の価値観に染め上げて利用してきた貴官らは自らを「野性的」で「男らしい」「生まれつきの強者」だと勝手に自己陶酔して、訂正する機会を得られぬままに今日に至ってしまった訳だ」
「閣下、強いオスがメスを囲うのは当然のことです。生存戦略の面でも合理的です!」
「いつから人類はゴリラやチンパンジーになったのかね?我々人類もまた動物ではあるし、生殖活動もまた国家と社会の維持のためには最優先課題ではある。しかしだ、女性の相手が必ずしも生殖能力や欲求が高い個体である必要はないのだよ」
「しかしそう考えなかった貴官達はKANSENにあのように接し、彼女達を性依存症あるいはドーパミン中毒に陥らせた。中には大掛かりな機械設備を用いて残酷に洗脳さえした例が何件もあった。その結果、貴官達に捕らわれたKANSENの殆どは底なしに退廃し続け、起床から就寝までの殆どの時間を性行為に耽るようになった訳だ」
「貴官達は自分達が何者か忘れたようだな。貴官等は国家を守る軍人であり、こんなことは万が一にも必要ないことだ」
「こんな状況で何を守るつもりだったのかね?日報記録も読ませてもらったが、異常極まりないルーティンだ。朝から晩まで性に関する活動ばかりで軍事教練が殆ど含まれていない。断片的に残っていたBNWO諸国の文書も読んだが、通常の軍隊とは思えぬことばかりだ。赤道の森林に住む部族でさえ、ここまで性に奔放ではあるまい」
「こんな状況では貴官等がセイレーンにあっけなく敗北したのも当然だな。自分で自分を弱くしているのだから。対照的に、貴官等が見下してきた准将と彼のKANSENは日々の鍛錬と演習をしっかりと行い、己を磨き上げ続けて来た。そうして彼の艦隊はセイレーンに一矢報いて、一時的には撃退すらしてみせたのだ。欲に目が眩んだ結果だ。たとえ准将の生殖能力が貴官等に負けていたとてだ、それ以外の面で貴官達は大敗しているのだよ」
スタイルズは黙ってホーランドの言葉を聞いていたが、途中から体をぶるぶると震わせ、目が血走っていた。
「閣下…!!!」
スタイルズの中で暴れる感情にホーランドも気付き、いつでも抜けるようにスーツの内ポケットから書類を出すふりをしながら腰に手を当てる。
「何だね?」
「あなたには男としての夢や誇りは無いのですか!?」
スタイルズの質問はホーランドにとって見当違いに思え、少しばかり意図を把握するのに時間を要した。そして彼は、スタイルズが自身に反論できなくなったので個人攻撃に切り替えたのだろうと踏み、その哀れさに侮蔑のない笑いがこみ上げて来た。
「ふふっ…」
「何がおかしいのです!」
「いや、貴官の問いかけが滑稽でな。だが答えてあげよう。夢は無いがプライドはあるさ。なぜなら夢はもう達成したからだ。愛すべき妻と出会い、愛する家族を持てたからな。今の仕事が私の誇りだ。祖国の安全を守るのは軍人としての、そして男としての誇りだ」
「違いますよ!!准将に嫉妬を抱かなかったのですか!?」
「無い」
スタイルズは今度こそ血走った目を見開いた。ホーランドの目線と表情が、その内面を雄弁に物語っていた。
"何を言っているのだこの男は?"
困惑を込めて、そう言われたように思えた。人間としての格の違いを見せつけられたように思えたのだ。
「私が現状に満足しているというのもあるが…それ以前に、他人の恋人や伴侶を躊躇なく強奪するほど、自分が倫理観に欠けた人間ではないからだ」
「しかしまあ、貴官もそうだが、この大カタストロフを引き起こした者たちは生殖能力こそ男の値打ちととらえ、他の要素がそこと関連すると思い込んでいるようだね。現状、生殖能力とそれ以外に明確な相関関係や因果関係は確認されていないのだが…」
「もっとも、いまの貴官は少なくとも、そんな社会では値打ちが無いことになる。他の間男達も同様に、生殖器を失っているか不能なのだからな」
「…っ!それは…それは再生治療でどうにでもなります!」
「弱肉強食を訴えていたわりに随分と自分に都合の良い仮定ではないか。現状とこれまでの主張で自己矛盾を起こしていると認識しているからこそ、再生医療に縋っているのかもしれんが…そうして弁を弄し、ゴールポストを変えて何になるのかね?」
「貴官達はスパイ容疑や敵対行為の監視と言うもっともらしい理屈で着飾り、征服欲と嫉妬、自己顕示欲が混ざった身勝手な願望で行動した。そして生殖器の能力という正気を疑うような理由を盾に准将から部下を奪って洗脳し、准将からの要求…それも命令に従って軍務に服せと言う、軍人なら真っ当な要求にさえ従わなかった。だというのに、いざ自分達が不利な立場に置かれたら、自己の立場を回復させることを当然のように要求するのだな」
「これまで私が見て来た弱肉強食を主張する人間は大概がそうなのだが…自分達に勢いがある強者の時は弱者への徹底的な無慈悲を謳い、文明社会を形成するルールや信頼、弱者保護を否定するが、自分達が不利になったり自分達が弱者と呼んできた立場になった途端、これまで否定してきたものに当然のように縋り始めるのだ」
「これまでののやりとりで貴官も分かっただろう。生殖器の大小や生殖能力の高低だけが、人間の価値を決める訳でもなく、その他の要素も関連しないと、そして貴官等の思想が甘えであることがね」
ダメ押しとばかりにホーランドは、どうすればまだマシになったのかを教えることにした。
「…仮に貴官達がKANSENの心をつかむために行動を起こすのであれば、まあほぼあり得ない仮定ではあるが、池田准将とKANSENとの関係や母港の環境が決定的に悪化してからにすべきだったのだ。その際もすぐに性行為に持ち込まず時間をかけてじっくりと関係を築くべきだった。そうすれば実情はどうであれ、対外的には真っ当な付き合いとして認識されただろうに」
「実際に、池田准将と真っ当に話し合い、手続きを踏んで円満に離婚した後に、愛する者と再婚したKANSENも少数ながらいる。貴官らもそれに倣えばよかったのだ。そうだった場合、セイレーンの攻撃も多少は穏便だったかもしれんのにな」
「…大将ともあろう方が…!あの化け物たちの戯言を信じるのですか!?」
「攻撃を加えた容疑者が自白したのだ。これ以上ない証拠だよ。話を戻すが、貴官等は真っ当な手段を取らずに横暴を働き、KANSENの人格を破壊し、全てを台無しどころか世界規模の害を与えた」
「将校にもなって、悪童レベルの嫌がらせしか行えん貴官等には見下げ果てたものだよ。一体いつまでハイスクールの空気を引きずっているのかね?」
「貴官等が抱いた野望は青春の1ページ…准将の言葉で言えば、ミドルスクール卒業*1までに決別すべきだったのだ。決別もせず折り合いを付けず最悪の形で行使してこの有様だ。結果、主要国が消滅して二つの大陸が瓦礫となり、推計で世界人口の20%が失われた」
「我が国と同盟国重桜が大した攻撃を受けず無傷で居れたのは、セイレーンの意向もあるだろうが、KANSENが一定数無事であり、池田准将の働きもあったからだ。もっとも、貴官等があの決定的な破廉恥行為をしなければ、大勢の人間が死なずに済んだであろうな」
「この大カタストロフについては、止めることが出来なかった本官も慙愧に堪えない。スタイルズ准将、せめて人間としての恥を知り給えよ」
「機会があればまた尋問することになるだろう。話は以上だ」
ホーランドはすっと席を立つと、来た時よりか若干重い足取りで尋問部屋を去った。後に残されたのは、全てを失い僅かに残ったプライドでさえも砕かれた哀れな男だけであった。この尋問の後、独房からはすすり泣く声が一日の終わりまで響いていた。
これで大将から元中将への尋問は終わりです。自分が書きたい間男へのざまぁを書けて良かったと思っています。またアイデアが浮かび、筆が乗ったら似たようなものを書くかもしれません。この作品を読んだ方の中で、自分も書いてみたいと思う方が出てくれば幸いです。
そして本文中には書いてませんが、寝取った間男の中には、腐った将官の子息や関連企業社長の子供など年端も行かぬ子供もいます。そして彼等もまたシルバーストーン大将によって強力に尋問されているという設定です。
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