達也くんアフター(※充希がいないバージョン) 作:minnie_remon
のんびり気の向くままダラダラ書ければと思っています。
まずは原作を知らない方のために、原作のあらすじです。
(原作はこちら→https://syosetu.org/novel/256876/)
本作の主人公の名は小野達也。幼い頃から勉強・スポーツ何をやらせても断トツでデキる子だったが、そんな彼が最も才能を発揮したのが小学生の時に始めた空手である。並外れた運動神経と抜群のセンスで瞬く間に強くなり、試合では連戦連勝。高校生になる頃にはもはや同世代に敵はおらず、インターハイ3連覇という快挙を成し遂げた。
高校卒業後は日本でも一、二を争う名門国立大学と名高い西都大学へと進学。在学中にプロのキックボクサーとしてデビューするや否や、当然のように連戦連勝。しかも全試合1ラウンドKO勝利という驚異的な強さを見せ付けた。
そんな達也にとって大きな転機となったのは、日本最大の格闘技団体『REAL』でのデビュー戦、パク・チャンミン戦である。かつてオリンピックのテコンドー競技で金メダルを獲得した実績を持つ韓国人ファイターのパクはプロ格闘家転向後日本人選手に対して全勝という実績を誇り、しかも事あるごとに反日的な言動を繰り返してきたことから、日本人にとって憎むべき宿敵と認知されていた。
そんな宿敵との一戦で、達也はファンの心を打つ試合を見せる。下腹部への反則パンチを受け一時リングにうずくまるも不屈の闘志で立ち上がり、激しい打ち合いの末、見事にKO勝利。憎き韓国人ファイターを完膚無きまでに打ちのめしたその姿にファンは熱狂し、達也は一夜にしてヒーローへと成り上がった。
そして達也にとって更なる飛躍の舞台となったのが、同年の大晦日に行われた金田悠希との一戦である。金田は荒々しいファイトスタイルと相手を見下すようなビッグマウスが特徴の大悪役選手にして戦績もREALの舞台で無敗を誇るという、紛れもなく日本屈指の実力を持つMMAファイター(総合格闘技選手)だ。
彗星の如く現れた若きヒーローが再び大悪役と戦うとあって、世間の関心はこれ以上無く高まった。だが、ほぼ全てのファンは達也を応援こそするものの、金田に勝つのは無理だろうと予想していた。なぜなら、試合が総合格闘技ルールで行われるためである。達也は純粋なキックボクサーであり、これまで総合格闘技での試合を全く経験していない。純粋な立ち技の選手が日本人総合格闘家としてトップの地位に君臨する金田悠希に勝てる訳がない、誰もがそう予想していた。
しかし達也は瞬間最高視聴率67.2%を記録したこの大晦日決戦で、金田悠希を膝蹴り一撃で撃破。パク・チャンミンに続いての悪役退治で、彼の地位はヒーローからスーパーヒーローへと昇華したのだった。
以降、達也はREALを主戦場として戦うことになるのだが、日本格闘技界最高峰の舞台において彼の強さは傑出していた。連戦連勝、それも全て1ラウンドKO勝利。対戦相手のほとんどは格闘技ファンなら誰でも名前を知っているようなトップファイターばかりなのだが、そんな猛者共をもってしても誰一人して達也を前にしては1ラウンド立っていることすら不可能だった。
しかも達也は、当初は純粋なキックボクサーだったが次第に総合格闘技ルールにも順応し、ついにはどちらのルールも厭わなくなった。キックボクシングで相変わらずの強さを発揮したかと思えば、次の試合では総合格闘技ルールでも別格を強さを見せ付ける。また達也の場合は、その『勝ち方』も完璧だった。ほとんど全ての試合が、ハイキック一閃でのKO勝利。対戦相手を華麗に仕留める姿は格闘技が内在していた『残酷』というイメージを取り去って余りあるもので、完璧とも言うべき美しい勝利の連続にファンは酔いしれた。
また達也の場合は圧倒的な強さはもちろんのこと、試合前後のインタビュー等で見せる謙虚な姿勢や、更にはアイドル顔負けの爽やかなルックスも彼の爆発的人気に寄与した。特に女性からの人気は絶大で、各メディアが度々企画する「カッコいいと思う有名人」「付き合いたい有名人」といったアンケートではアイドルや俳優を抑えて常に達也が断トツ1位。バラエティ等のテレビ番組にはほとんど出演しない達也だが、たまに出演した際には視聴率が大幅に跳ね上がり、CMに起用された商品はグンと売り上げが伸びた。
達也が強さを改めて証明したのが、第1回REAL無差別級グランプリである。日本最強の男を決めると銘打って開催されたこのトーナメントを達也は順調に勝ち進み、大晦日に行われた決勝戦では2年ぶりの対戦となった因縁の相手・金田悠希を相手に1ラウンド終了間際、アームロックを極めて完勝。前回対戦での勝利がフロックではなかった事を証明し、名実共に日本格闘技界の頂点に立った。
そんな達也が、格闘技と並行してひそかに取り組んでいたことがある。
それは、女性への種付けである。
種付けと言うと何とも生々しくインパクトのある単語だが、どういうことかと言うと、選択的シングルマザーやパートナーの男性不妊など様々な理由で子どもを持つことができない女性に自らの精子を提供するという活動を大学時代の頃から継続的に行っているのだ。当活動を推進しているNPO団体にスカウトされたのがきっかけであり決して自ら進んで活動しようと思い至った訳ではなく、何なら最初は種付け活動への後ろめたさも感じていた達也だったが、自らの子どもを欲する多くの女性の思いに接する内に考えは変わっていき、いつしか女性への種付けは達也のライフワークと言うべきものになった。その結果、これまで達也が種付けして妊娠・出産に導いた女性の数は100人超。つまり達也は、まだ20代半ばという若さにして、遺伝上の子が100人を超えるというスーパー・ビッグパパなのだ。
とまあそんな側面を持つ達也だが、種付けに関してはごくごく一部の関係者が知るのみで、世間には全く知られていない。世間にとっての達也はあくまで「好感度抜群の最強イケメン格闘家」である。その達也、REAL無差別級グランプリを制して絶対王者となっても驕りは全く無く、強さには磨きがかかる一方だった。まずは年明け早々、道場破りを敢行してきた金田悠希をアッサリと撃退。この際、達也の怒りを買った金田は文字通り半殺しにされ、以降は一線級の舞台から姿を消すこととなる。その後も達也は強敵相手に当然のように1ラウンドKO勝利を重ねた。
そして、暑さがピークを越え夏が過ぎ去ろうとする頃。
この年の大晦日に、第2回REAL無差別級グランプリが行われる事が発表された。