筋肉だるま(41)、異世界で神の遣わした大英雄と勘違いされる〜頭脳戦は嫁に丸投げして棒一本で天下無双をキメてみた〜 作:シンギョウ ガク
「はーい。デック様の大事なところ綺麗綺麗にしましょうね♡しーこ、しーこ、しこしこ♡」
あー、アイリスさん。普通に洗って下さい。普通にね。
いちいち、言葉がエロいですからっ!
たしかに大事ではありますけども。
そういうふうに洗われると、ムラムラいたすというか、なんというか。
あと、薄手の服が水に濡れて透けてるのが鏡に映って、えっちいですっ! わざと見せてますよねっ!
乳首も下の毛も丸見えで視界に困るんですけどっ!
「デック様、ちゃんと裏側も綺麗にしときましょうね♡ほら、しこしこ♡はぁ、はぁ♡」
吐息かけないでくださいっ! 敏感なところなんだからっ!
「動いてはダメですよぉ♡しっかりと綺麗に汚れを落としませんんと♡匂いがきつくなっちゃいますぅ♡あ、でもデック様の匂いなら5度イケますよぉ♡」
そういうことは今は聞いてないですっ! まだ、お天道様が高い時間ですよっ!
アイリスさんは、最近性癖解放しすぎですって!
自分、アイリスさんの特殊性癖についていけるか不安っすっ!
「あぁん♡そろそろイキますよぉ♡我慢してくださいね♡」
うん、早くしてほしい。とりあえず急いでますんでっ!
「あぁ♡はぁ♡イク♡イキマス♡イグううううううっ♡」
アイリスの絶叫とともに、頭上から冷たい水が流れ落ちてきた。
別にえっちをしてたわけじゃない。
切らずに放置してて伸びてきた髪を綺麗に洗ってもらっていただけだ。
自分で適当に洗っていたのをアイリスに発見され、しっかりと奧まで汚れを落とす洗髪をされていた。
「はぁ♡はぁ♡はぁ♡これで綺麗になりましたぁ♡」
うーん、レベルが高いよっ! 俺は未だにそこまでの境地に達していないんだが……。
あと、興奮してるのは分かるけど、濡れ透け衣装から乳首立ってるのが、鏡越しに見えて気になりすぎて困るっ!
「と、父ちゃん! 大変だ! 大変! ヴォイドとイリア様から緊急の連絡が来たー!」
浴室に駆け込んできたのはヴェノだった。
「ヴェノ、目を閉じろー!」
「へ? はーい!」
思春期の子供に、今のアイリスのえっちな格好は目に毒すぎる。
俺は前を隠す布をアイリスから受け取ると、ちゃんと目を瞑っているヴェノを連れて浴室から出た。
「よし、いいぞ。報告はなんだ?」
「は! そう! そうだ! ハゲタカの盗賊団がバストール城から出てきたってさ! さっきイリア様の協力者のおじさんが手紙を持ってきた! ミリアム様が父ちゃん連れて来いって言われたから呼びに来た!」
「ハゲタカの盗賊団が城から出てきただって? なんだそれ?」
「分かんないけど、ミリアム様が呼んでる!」
「おぅ、分かった。アイリスー、すまんが俺はミリアムのところに行く。あとで着替えを持ってきてくれ」
浴室の中からアイリスの返事が返って来たので、俺はヴェノと一緒にミリアムのいるホールに向かった。
向かった先のホールには、すでに近隣の農村の村長たちが集められ、ミリアムが矢継ぎ早に指示を出し、忙しそうに人が行き来をしていた。
おっと、こんなほぼ全裸みたいな格好で来てはマズかったな……。
みんな困った顔をしているぞ。
「入浴中でしたか……申し訳ありません」
「いや、こっちこそこんな格好ですまん。ヴェノが緊急だって言うから急いできたから許せ。それで状況は?」
「はい、バストール城に籠っていた250名が全て武器を手に出撃したとのこと。総大将はイグナシオです」
ついに敵が痺れを切らして城から出てきたのか。
イリアが言ってた通り、投降者たちの首を並べたメッセージが功を奏したらしいな。
ようやく、俺の出番のようだ。
「ヴェノ、鎧だ。鎧。手すきの連中集めて、俺の鎧を持って来てくれ」
「はーい! 持ってくる!」
「重いから気を付けろよー!」
「分かってるー!」
ヴェノが俺の鎧を取りに駆け去って行くのを見送ると、ミリアムが言葉を続けた。
「まだ、早いですよ。兵が集まっておりません」
「集まる前に、事前偵察くらいは出来るだろ」
顎に手を当てたミリアムの視線が、何かを考え込むように天井を向く。
「偵察とは、まさかデック様が?」
「ああ、そうだ。なんなら俺だけで蹴散らしてこようか?」
焦った表情を浮かべたミリアムが俺の手を引く。
「お待ちください。さすがに1人では危険です。敵も今回は覚悟を決めておりますし、油断もしておりません。それに、領民たちには自分たちで守るという気持ちを持ってもらいたいと思っています」
「自分たちで守る?」
「ええ、この戦いに勝てば統治者はデック様になりますが、ノボー家は独自に戦力を持たないと村長や街の代表者たちには伝えてあります」
「兵を持たない? それだと守れないんじゃないか?」
「ええ、そうです。ですから、税を格安に設定して、その代わりに農村や街には自衛の戦力を拡充してもらうよう話がついております」
そ、そうだったのか……知らんかった。
内政に関してはミリアムに丸投げだったしな。
そういう話でまとまりつつあるのか。
「だけど、それだと戦力を持たない俺は排除されないか? お飾りだろ?」
「デック様の圧倒的な戦闘力をその目で見て知ってる村長たちが、排除に走るとでも?」
たぶん、いないだろうな。
誰だって命は惜しいだろうし。
それくらい普通に理解できるくらいの戦闘結果を積み上げてたな。
「いないか……」
「それにデック様が統治者であれば、税は激安です。今までの10分の1くらいになり、自衛戦力拡充に資金を割いても手元に残るものはかなり増えるので、それを捨ててまで排除する者はいないかと」
「なるほど、それなら排除されないな。でも、それでやっていけるのか?」
「ええ、問題ありません。なにせ、ノボー家には正室1人側室2人、子供5人と馬が20頭と諜報の協力者十数名なので十分に食べていけます」
さすがミリアム。すべて計算し尽くした結果の施策ということだ。
「ということで、今回の戦いは村長たちや街の代表者たちに頑張ってもらうのが主な目的となります。多少、被害は出るでしょうが自治という機運を高めるには必要な犠牲です。なので、デック様は味方を鼓舞し、被害が出そうなところを助けてあげてください」
「おぅ、承知した。ただ、なるべく味方に犠牲を出さないよう頑張らせもらうぞ」
「承知しました。わたくしも最善の指揮に努めます」
「勝つぞ」
「ええ、勝ちます」
勝利を確信しているミリアムの表情に見惚れていたら、腰を覆っていた布が解けハラリと地面に落ちた。
ミリアムの視線が下に注がれる。
顔がポッと赤く染まった。
「デック様、大事な決戦前ですので落ち着いてください。ええ、落ち着いてくださいね。終わりましたら、ゆっくりできるはずですので」
あー、違いますっ! そういうことじゃないっすっ!
大事な決戦前に、えっちしてーなとか思ってないすよっ!
俺はあの種馬とは違うんでっ! ちゃんと理性で押さえてますからっ!
「デック様、お着替えをお持ちしましたーっ!? お、お客様の前ですがっ! も、もしかしてミリアムお姉様に催されたんですか!?」
ア、アイリスさんっ! それは、盛大な勘違いですよっ!
ただ、布が落ちただけで、けっして催してるわけじゃっ!
「んんっ! 違うぞ、アイリス。ただ、布が落ちただけだ。とりあえず着替えを頼む」
「はぁー、よかった。デック様もついに昼間から致されるようになったのかと思いました。え、まぁ、ご要望あるのなら、ご対応するのが奴隷としての務めだと思っておりますので、ご遠慮なく申しつけください。しっかりとわたしが対応させてもらいます」
「わたくしも、アイリスが申している通り、どうしても我慢できないというなら、ご対応しますよ」
大丈夫、間に合ってます! 夜にしっかりこってりと搾り取られてるのでっ!
「そういうのは大丈夫だから、着替え手伝って」
「え、そ、そうですか?」
「そうなのですね」
はい、そこの2名様っ! 残念そうな顔しない!
村長さんたちが、困った顔してるでしょっ!
アイリスとミリアムに手伝ってもらい着替えを終えた。
その後、ヴェノたちが鎧を持ってきた頃には、ミリアムの招集命令を聞いて集まって来た武装兵たちが中庭に集まり始めていた。
招集に応じて農村から集まった兵は総勢500名だった。