これってアウト?~アイテムボックスに女の子入れたら全員怒るのに誰も出ていかないんだが~ 作:塩味ななと
【観測記録:断片的な思考残渣の集積】
警告:これより展開される記述は、観測者による非公式なログである。
システムへの不適切な干渉、および情報の未処理による思考残渣の混入を検知した場合、即座に当該セクションの処理の破棄(スキップ)を推奨する。
ダンジョン創造者の視点において、この揺らぎは「予定調和」からの逸脱である。
◇ ◇ ◇
あらすじ
最強のパートナー候補・風奏が、まさかの「スライムボディ」化を提案!?
身体的な快感とダンジョンパワーによる進化が交差する、
予測不能な夜が始まる。主人公の欲望はどこへ向かうのか?次なる展開に期待せよ!
◇ ◇ ◇
帰り道――。
「風奏の声が聞こえる……イヤホン便利」
「これなら私を胸ポケットに入れながら会話できるね」
そう言って、風奏は得意げに、さっき戦ったモンスターの情報を次々と教えてくれた。
でも俺はマジで頭に入らなかった。学校の勉強も苦手だったんだよなー。ゲームも説明書読まないし。PTゲームなら誰か知ってればいいじゃん?みたいな?
◇ ◇ ◇
ワイヤレスイヤホンを耳に装着し、手元のスマホが放つ淡い光に胸元をほわーんと照らされながら、アパートへと歩を進める。夜空を見上げれば、静寂が街を包んでいた。
「ふんふん……」
理解したふりをして、適当に相槌を打つ。正直、話の内容は全く頭に入ってこない。(デリヘルお嬢様、呼びたいなぁ……)
「おにいちゃん(。´・ω・)?」
耳元から、少し不思議そうな声が響く。
「そうだ。六花から電話来てる?」ここは、ごまかしていこう。
平静を装いながら、思考の濁流を必死に抑え込む。
「六花ちゃん? 履歴がいっぱいあるよ。だけど、メッセ内容は急ぎではなさそうだね」
スマホの画面越しに、彼女の冷静な分析が届く。
「よろしくね。六花は寂しがり屋だからね、構わないとすねるんだよ」
苦笑い混じりに、いつものやり取りを思い出す。
「(´艸` )ウフフそうなんだ。じゃあ出れそうにない時は私が時間できたら連絡するからーとかメッセ入れておくね」
楽しげな吐息が耳に直接届く。高いだけあって上質(・ω・)(-ω-)(・ω・)(-ω-)ウンウン♪いい感じだよね。
「それがいいかな?」
指先が、少し落ち着かない動きを見せる。
「今電話する?」
「入れておくかな?」
◇ ◇ ◇
またねー、と六花との電話を切る。
新しいアパートが決まったことを伝えたら、受話器越しに彼女は弾けるような声を上げた。今度遊びに行く、と言って聞かない。来てもいいけど六花のベッドはないよ、と返せば、一緒でいい――なんて、そんな無邪気な回答が返ってくる。
ふむ、まずい。
このままじゃ父さんに殺される。回避方法はただ一つ。アマルダのベッドに、一刻も早く辿り着くことだ。
「何はともあれ、六花は今日も元気だった。良かったよかった」
安堵のため息とともに、手元のデバイスへと意識を向ける。
「あそうだそうだ。今日の日課の……ポチポチ」
指先が画面を叩く。液晶の光が瞳に反射する。
「だめー」
唐突な制止。画面越しに、風奏がむくれたような声を上げた。
「え?」
「おにいちゃん、今デリヘルお嬢様を呼ぼうとしたでしょ?」
「うん」
図星を突かれ、肯定の言葉が自然と口をついて出る。
「なんで私がいるのに! だめだめだめ、それは私の役目なの! そのためにおにいちゃんの大好きな見た目にしたの!」
画面の中で、風奏が激しく抗議している。その必死な様子に、俺の脳内には直球すぎる思考が駆け巡った。
「風奏の役目? 俺とエッチしたいってこと?」
「うん!」
迷いのない肯定。
視界の端で、デバイスの形状にある「穴」のような部分を凝視する。そこから何かが始まる予感、しかし俺は一応確認する。
「わかった、風奏とエッチする。ここに入れたらいいの?」
「そんなところはいらないよ」
不機嫌そうに言葉を撥ね退けられた。
……ジー、と無言で画面を見つめ続ける。沈黙が流れる中、デバイスの向こう側で、風奏の熱が伝わってくるような気がした。
ふと、彼女の頬が赤らんでいるのが見えた。
「よし! 俺考えた、これは天才アイデア」
「なーに? 教えて?」
少しだけ興味を惹かれた様子で、風奏が身を乗り出す。
「前に深夜放送でやってたの見たことあるんだ。『リアルドール』って検索してみて」
「わかった、これに入ればいいのね!」
即座に理解し、画面の中の彼女は納得したように頷いた。
「そう! ばっちりでしょー」
「私、動けないんだけど?」
……ああ、まいったな。
思考が追いつかない。どうにかしないと、俺のちんこが暴発しそうだ。
「やっぱりデリヘルお嬢様か。エッチは妥協できない」
迷いを捨てて結論を出す。すると風奏が慌てたように言葉を重ね始めた。
「ごめん、わかった、考える考えるからちょっと待って! アマルダさんでパーツを買って改造すれば動かせるようになると思う。私が生まれたみたいにダンジョンパワーでリアルになるかも? それでスライム眷属にして纏って命令すれば、見た目人間になれると思う……? なら最初からスライム纏えばいっか! いっか! おにいちゃん、スライム眷属にして試してみようよ! プルプルおっぱいが最高になるかもよ!」
「天才か! 風奏、天才か!! リアルドールより全然いいね! それで行こう」
「褒められるのうれしー、きもちー」
あ、褒められるのにめちゃくちゃ弱い。
そんな風奏の性質を、俺は今日発見してしまった。
「でも今日はムリそう……|д゜)チラッ、だから……私のスライムボディが出来上がるまでは、デリヘルお嬢様を呼んでもいいよ?」
上目遣いで視線を送ってくる。その誘惑的なニュアンスに、俺の決断は加速した。
「ありがとー! よしよし、じゃあ帰ってエアーベッド広げよう!」
興奮を抑えきれないまま、手慣れた動作で電話をかける。
指先がキーを叩くリズムが、どこまでも軽快だ。
「もしもし、デリヘルお嬢様一人お願いします。はいはい、はい、住所は……」
To Be Continued