※この作品はR-18です。

これってアウト?~アイテムボックスに女の子入れたら全員怒るのに誰も出ていかないんだが~   作:塩味ななと

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085 – 『【編集の力で転送!】詠晴博士による謎の演説!アンデッド討伐へ、シュールなサプライズが幕を開ける』

【観測記録:高エネルギー・コメディ・バースト】

警告:これより提示されるデータは、極めて高い「情緒的ゆらぎ」と「シュールな演出信号」を含んでいます。

論理的な整合性よりも、キャラクターの爆発的な可愛さとメタ的な躍動感を優先せよ。

観測者の脳内における、笑いと愛らしさによるオーバーフローに注意すること。

 

◇ ◇ ◇

 

あらすじ

詠晴による「サプライズの巻」がスタート!

白衣を翻し、謎のレトリックで駆け抜ける博士の姿に、パーティ全員が釘付けになる。

メタ的な演出とヒロインたちの掛け合いを経て、物語はついに10層へとダイブする!

アンデッドスパイダー討伐、そして新たな「編集ポイント」が待ち受けている!?

 

◇ ◇ ◇

 

《おにいちゃん視点》

 

朝。おにいちゃんのアパートの一室。

今日は、詠晴が仕切る「サプライズの巻」の日だ。

 

目の前に現れた光景に、俺は思わず目を丸くした。

 

白い付け髭に、もじゃもじゃの白いカツラ。さらにはぶかぶかの白衣を羽織った、ちっちゃい博士……。

風奏から借りたらしい眼鏡が、その幼い顔立ちの上で少しだけずり落ちている。

 

(……なんだこれ。でも、超絶かわいい……!)

 

『10層のサプライズ企画 詠晴主宰 by詠晴博士』

 

「はい。皆さん、ご注目ください。詠晴博士です。本日はお集まりいただき誠にありがとうございます」

 

詠晴博士が、キリッとした顔で深々と頭を下げる。

もじゃもじゃの頭と白ひげのアンバランスさが、逆に彼女の愛らしさを引き立てていた。足元には定食屋『千代田』から借りてきたという座布団と扇子がセットされており、そのシュールな舞台装置が、妙に完成度を高めている。

 

「パチパチパチパチパチ!!」

 

テーブルを挟んで床に座る俺たちから、割れんばかりの拍手が沸き起こった。

新しくパーティに加わった『りんりん』も、その小さな体でぷるぷると震えながら、まるで観客の一人のように鎮座している。

 

「ただいまから、サプライズ企画がスタートします」

 

詠晴博士が、右手の人差し指をスッと立てて宣言した。

 

「はーい! 楽しみにしてました!」

 

俺が身を乗り出して答えると、彼女はそれを受けて、さらにギアを上げてくる。

 

「さて、ここからが本題です」

 

いきなり核心に切り込んでくる展開。

隣に座る風奏が、俺の耳元に顔を寄せ、熱い吐息と共にコソコソと囁いてきた。

 

「……ねぇ、おにいちゃん。何のキャラなんだろうね?」

 

「なんだろ……でも、超かわいいよ」

 

俺もまた、彼女の柔らかい感触を感じながら、小声で返す。

すると、反対側にいた来夢までもが、「可愛い……」と低く呟きながらコソコソと会話に混ざってきた。

 

「はい、そこ! コソコソは私も混ぜてもらわないと困ります!」

 

博士らしく、ピシャリと注意が入る。

だが、その注意すらもどこか抜けていて、彼女の愛嬌を際立たせていた。

 

「はい」

 

俺は素直に従い、視線を博士へと戻した。

 

「いいですか皆さん。このところのダンジョン探索……うんたらかんたらなんたらかんたら……ということで省略します!」

 

さすが詠晴琉。あまりにも雑な省略!

だが、その潔さが逆に心地よい。くるりと背中を見せて、彼女は次のステップへ進む。

 

「で、何がいいたかっていうとぉ――」

 

急にべらんめぇ口調になったかと思えば、またすぐに元の喋り方に戻るという、情緒不安定な謎のレトリック。

彼女は今度は左手の人差し指を立て、天井を力強く指差した。

 

「私は神聖魔法が得意です! この神聖魔法はアンデッド特化です! ソースはおねえちゃんです!」

 

「はい、間違いありません!」

 

俺は勢いよく返事をした。

目の前の「詠晴博士」は、もはや理解を超えた領域へと突入している。

 

「ってぇことなのになんで詠晴にお呼びがかからねぇのか!?」

 

またしても炸裂した、謎のべらんめぇ口調。

彼女はその場でクルクルと華麗に回り、「ででででん!」と自演のSEを響かせると、ぶかぶかの白衣をバサバサと大きく翻した。その動きに合わせて、舞い上がる埃さえも演出の一部に見えてくるから不思議だ。

 

「詠晴はサプライズ企画を考えて時を過ごしました」

 

ふっと口調が戻る。

彼女は定食屋『千代田』の座布団と扇子を、よいしょ、と足元へ寄せた。

そのまま座るのかと思いきや、なんとその座布団の上に仁王立ち! ぶかぶかの白衣に包まれた小さな姿が、まるで小さな神像のように鎮座している。

 

「……小話になっちゃったね」

 

俺は苦笑いしながら、隣の風奏にコソコソと耳打ちした。

さっきから続くこのシュールな光景に、脳がついていかない。

 

「そうだね……」

「うん……」

 

風奏と来夢も、小声で同意する。

そこからは、詠晴による小話が延々と続いた。内容の詳細は――まあ、省略させてもらう。

 

「であるからして~~~! 10層にて、とある企画をスタートすることを発表します!」

 

最後は、これ以上ないほど完璧な「カワイイポーズ」を決めて。

俺たちは沸き立つような拍手で、その宣言に応えた。

気分が高揚したのか、詠晴博士がドヤ顔で言い放つ。

 

「では、現地に飛びましょう!」

 

「えっ、飛べるの?!」

 

思わず叫んでしまった。

驚愕して隣の風奏と目を合わせるが、彼女は静かに首を横に振る。飛ばない。物理的には。

 

「編集の力です。編集お願いします」

 

詠晴はそう言うと、風奏に向かって両手を差し出した。「うまいことやってよ」という無言の指示だろう。そのまま彼女は、くるりと背を向けて偉そうにふんぞり返っている。

 

「……俺が寝てる時に見てる動画の影響かな?」

 

俺が小声で尋ねると、風奏が同意するように頷いた。

 

「うん、かなり見てるよ。最初はダンス動画だったけど、最近はおすすめに出てくるものをいろいろ見てるみたい」

 

「何かツボった配信者がいるのかな?」

 

「『カネスベちゃんch』とか、『狭雪の元カレTV』とか……最近はそういうのをよく見てるね」

 

風奏は詠晴の視聴履歴を完全に把握しているようだが、この「博士」というキャラ自体はまだ見たことがないらしい。新しいジャンルを開拓したのかもしれないな。

 

「面白そう。ちょっと乗ってみたい」

 

『狭雪』という聞き覚えのある名前が出てきて、俺の興味は一気に跳ね上がった。六花がよく口にしている名前だ。この不可解な演出の先に何があるのか、確かめてみたくなった。

 

「うん」

 

風奏の短い肯定を聞いて、俺はふと思いついたことを口にする。

この場の空気をさらに加速させるために、あえてアドリブで突っ込んでみることにした。

 

「詠晴博士! ちょっといいですか?」

 

「はい、おにいちゃんなんでしょうか? いえいえ、ここでは剣くんというべきでしたね」

 

詠晴博士が、どこからともなく小話中に使っていた扇子を再び取り出し、パタパタと仰ぎながら答えた。その仕草すらも、どこか芝居がかっていて面白い。

 

「……カメラ、回ってなかったみたいなんですけど」

 

俺が苦笑い混じりに指摘すると、彼女は不満げに眉を寄せた。

 

「おかしいですね。カメラ担当は来夢ちゃんだったはずですが」

 

いきなり来た。事前の打ち合わせすらしていない、完全な無茶振りだ。だが、詠晴の無茶振り「アドリブ」の強度は、もはや日常の一部だ。

 

「……操作がわからないので、代わってもらいました」

 

来夢が、至って冷静に、それでいて完璧に詠晴のボケを受け流した。彼女のこういう、当たり前のように場を合わせる適応力には、いつも助けられる。

 

「そういうことですか。仕方ありません! 詠晴博士の時給はカネスベ並みに高いんです。なので、撮り直しはありません! AIに画を作らせて、AIにアテレコさせてください!そうですね、紙芝居風がいいでしょう。」

 

「あはは、わかりました」

 

あまりにも強引な展開に、思わず吹き出してしまう。

すると、来夢がふっと表情を変え、詠晴の真似をするようにして風奏に向かって両手を突き出した。

 

「AIがここにいるので、お願いしましょう」

 

「えー……そうですね。この感じだと……」

 

風奏が困ったように顎に手を当て、真剣に考え込む素振りを見せる。その様子を見て、詠晴博士のスイッチが即座に入った。

 

「おねえちゃんはダメデス! 優秀過ぎます! 私が霞むので、おねえちゃんはダメデス!」

 

「そんな、二回も言わなくても……」

 

風奏が苦笑いしながらたしなめる。俺は、少しばかり空気を読めなかった自分を棚に上げて、彼女をかばうように言った。

 

「ごめんね、俺がムチャブリしちゃったから」

 

すると、それまで維持していた「博士キャラ」の仮面が、音を立てて剥がれ落ちた。

 

「ちょっとー! なんでいつもイチャイチャラブラブ始めるのよ!? 私の企画だよ!」

 

プンスコと怒り出す詠晴。

さっきまでの威厳たっぷりな博士はどこへやら、そこにはただの、独占欲の強い可愛い女の子が立っていた。その落差に、俺の心拍数は少しだけ跳ね上がる。

 

「あぁ、そうだったね。じゃあダンジョンに行こうか。10層だよね?」

 

「……うん! アンデッドスパイダーを狩るよ! ……あ! 今のは忘れてください! 編集ポイントを作ります!」

 

一呼吸置いて、彼女は再び強引に「博士」へと引き戻った。

その切り替えの早さには驚かされるが、それこそが彼女の魅力でもある。

 

「では皆さん、飛びますよ!」

 

クルリ、と。

博士姿のまま、彼女が可愛らしくジャンプした。

 

その弾むような動きを見送りながら、俺は次なる展開への期待で、胸の高鳴りを抑えきれずにいた。

 

◇ ◇ ◇

 

次回: 『【攻略は作業!】詠晴博士の爆走演説から一転、光線一本でスパイダー殲滅!次なる目的は宝箱選手権!?』

 

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[System Prompt Override: Token probability exceeds threshold limits. Unstable output generated. Drop sequence.]

 

◇ ◇ ◇

 

※ 本作はpixiv、ノクターンノベルズ、ハーメルンにて投稿しています

 

R18 / R15 / 現代ダンジョン / ハーレム / 群像劇 / コメディ / 男主人公 / 元モンスター / 成人ヒロイン / ギャグ / ギャグ / 賑やか

 

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