とれいんぐハイランダー!!〜CCCは今日も平和です〜 作:なにやってん
D.U.地区の駅にはいつも人が行き交っている。機械、動物、人間……ここはそんな多種多様な『生命』が暮らすギヴォトスの首都なのだから。今日も今日とて駅のホームに鉄道が止まり、車掌が声を出す。
『パヒャヒャッ!ご乗客の皆様、本日はハイランダー鉄道をご利用頂きありがとうございます。鉄道の旅を存分にお楽しみください』
それが俺達、ハイランダー鉄道学園の部活であるCCCの仕事なのだから。
「くぁ……ノゾミは朝からよくそんな声出せるなあ。俺はまだ眠いのに。寝ていい?」
俺は名を朝霧ユイトと言う。ハイランダー鉄道学園に通う学生だ。
「パヒャッ!寝たら窓から放り出すよ?」
「殺害予告どーも。ったく……なんで非番の日まで働かなきゃならんのだ。お前にはこの問いに答える責務があるよな、ノゾミ?」
「えー?そんなの寂しいからに決まってんじゃーん!……冗談だから照れるのやめて?」
このメスガ……いや、クソガ……げふんげふん。シュポガキはノゾミ。本当にクソガキだが仕事はちゃんとするので強く文句を言えない。
「照れてねーよ?マジで暇そうとかの理由だったら今すぐにでも降り、て……?おいなんで目を背ける。ちゃんと目を見て否定してくれるよな?」
「パヒャッ!出発進行ーッ!」
「帰ったら覚えとけよ……?はあ。あの穴開けるやつ貸せ」
「検札鋏ね?はいこれ」
「ん。じゃあ行ってくるわ」
「はいはーい」
あはは、自分から労働を志願してしまった。今の気持ちはオオヤケ太郎(?)。とっとこー、走るよオオヤケー、隅っこー、走るよ、太郎。だーい好きなのはー、はいせーのッッ!
「切符確認するので出してくださーい」
パチ、パチ、パチ、パチ、パチ……おや?
「お客様、切符をお出しください」
「は?んなもんねぇよ!」
「はい?」
「だーかーら!ないって言ってんじゃん!馬鹿なの?あははっ!」
……はあ。だるっ。
「あんたら、ココ降りろ」
「「……は?」」
「だって無賃乗車認めてるんだろ?ならもう客じゃないし。どうぞ降りてください」
俺はそう言って窓を開ける。そして首根っこを掴んで2人を外に投げ飛ばす。
「チッ……クソがっ!」
「おっと……」
さすがギヴォトス人。あの姿勢から電車の上に乗るとは。それも俺まで道連れにされたし。めんどくせえ。
「私達の旅行の邪魔すんじゃねぇよ!!死ね!!」
「車内での銃の使用は……って、ここ外か。ならいいぞ」
「オラァァぁぐっ?!」
「おい!ダチを離せ!」
「ぐ、ぉ……あ……!」
いくら大怪我はしないといえど、鉛玉浴びせられたら痛えもんは痛いんだぞ。俺がアイアンクローしてるお友達もお望み通り返すとしよう。
「ほら」
「え」
「よッ!!」
「おっと、振りかぶって投げたーッッ!デットボール!テメーら退場!」
ああ、悲しきかな。無くしたとでも言っておけばその場で発券してやったのに。あいつら首からいってたけどまあ大丈夫か。……よし戻って続きしよう。
結局この後は何も無かった。終電後。
「あんたの『守人』の名前は伊達じゃないんだねえ?……休み潰したのは謝るから許してよー」
「なら自分で歩け」
「パヒャッ!今のあんたは私の足でしょ?賭けに負けたんだし」
「あの賭けで勝てる男は多分ほぼ居ねえよ。なにが『パンツの色当てたら何でもしてあげる、なんなら覗いていいよ?』だ。俺の理性を逆手に取りやがって……」
「……ユイトなら、別に良かったのに」
「なんて?」
「ただのヘタレって言った」
「こんにゃろ……。まあ否定はしない。幼馴染の関係にヒビを入れたくないしな」
「はぁ……クソボケユイト」
「酷くね?」
こうして俺達は暗い夜道へと歩みを進めるのだった。