―――全国大会が終わって翌日、黄檗駅。始発の電車に乗るためにここへ来た。
珂織「それじゃ行ってくる。すぐ帰ってくると思うけど。」
「「いってらっしゃい。」」
今月のプロテストには間に合いそうにないので見送りも必要ないと言ったのにあすかと香織には態々来てもらった。そして手を振ってふたりと分かれた。目的地は横浜にある大手ボクシングジム。京都駅で新幹線に乗り換えて東京駅へ向かい、また乗り換えて横浜駅へ向かう。降りて地図を確認しながら走って向かった。どうにか着いたのはいいが早く来すぎた。通行人の邪魔にならないように端に寄って準備体操と柔軟体操を黙々とやった。それでもジムが開くには時間がある。周辺の地理を覚えるために走り回った。そろそろ頃合いと見てジムに戻った。ひたすら待った。関係者らしき人がこちらへ向かってくる。
「おはようございます。入会希望者ですか?」
珂織「プロボクサーになりたいのですがどうすればいいですか?」
「年齢を聞いてもいいですか?」
珂織「18歳と少し、まだ高校生です。」
「部活は何をやってたの?」
珂織「昨日まで吹奏楽部でした。」
「そういえば名前を聞いてなかったね。」
珂織「中世古珂織と申します。」
「そのガタイで吹奏楽部…あっ⁉ これって君じゃない⁉」
スマホを取り出して何やら操作している画面を見せられる。駅ビルコンサートで俺が演奏している姿が映っていた。
珂織「はい、確かに俺ですね。」
「素人が聴いても物凄く上手いと思うんだけど、そっちの道に進もうと思わなかったの?」
珂織「音大は金銭面で厳しいですしプロを目指すといってもコネクションもなくて興味のない曲を吹き続けるにはモチベーションが保てないと思って考えませんでした。」
「どうしてプロボクサーになりたいと思ったの?」
珂織「かつて『モンスター』と呼ばれた偉大な選手の試合の数々を見て憧れました。」
「あ、それ、俺ね。」
珂織「あっ⁉ 失礼しました⁉ 申し訳ございません⁉」
「いいよいいよ。それにしても…凄いガタイだね。トレーニングしてたの?」
珂織「はい、昼休みに筋トレ。部活が終わって帰ってから走り込みとシャドーボクシングの真似事と筋トレしてました。」
「『シャドーボクシングの真似事』…今できる?」
珂織「はい。」
バッグを置いてジャブ、ストレート、フック、アッパー、スウェー、ステップ、バックステップ、自分のやれることは全て披露した。
「……どれくらいシャドーボクシングしてたの?」
珂織「半年前くらいからです。」
「……いや、凄いよ。ビックリした。とても昨日まで吹奏楽部やってたとは思えないよ。本当に半年前くらいから?」
珂織「はい。」
「……もうすぐ会長が来ると思うからその時に改めて紹介するよ。ようこそ我がジムへ。」
珂織「よろしくお願いいたします。」
その後ジムに入って色々案内されて会長がいらっしゃって紹介された。その時に鬱病と不眠症のことも話した。
「え⁉ そうなの⁉ それでそんなに凄いガタイ維持してるの⁉ 大丈夫⁉」
珂織「はい、処方された薬を毎日飲んでいるので眠れていますし大丈夫です。」
「そうか…ならいいか。バンテージの巻き方とかわかる?」
珂織「はい。ネットの動画を観て勉強しました。」
バンテージをお借りして会長とトレーナーの前で巻いて見せた。
「……本当に初心者? 凄い慣れた手つきであっさり巻いちゃったけど。」
珂織「はい。初心者です。」
「筆記試験対策は後でやるとして、トレーナーと一緒に病院へ行って健康診断受けてきて。後、歯医者にも行ってマウスピース作ってもらうように。」
珂織「はい、わかりました。よろしくお願いいたします。」
「そんなに畏まらなくっていいって。これからは同じジムの仲間なんだから。」
珂織「はい。よろしくお願いします。」
「……君、礼儀正しいって言われない?」
珂織「同級生や後輩の皆さんには度々言われました。」
「いつもそんな感じなの?」
珂織「たぶんそうだと思います。」
「……まあいいや。それじゃ行こうか。」
珂織「はい。」
それから大きな病院に連れていかれてたらい回しにされて色々な検査を受けた。処方されてる薬がドーピング検査に引っかからないかも調べてもらいようやく病院を出たら歯医者に連れていかれ歯型を取ってもらいマウスピースは完成するまで2週間程かかるというのでそれまではきちんと学校へ行くように言われた。ボクシングの教本を渡され筆記試験に備えるように言われた。
珂織「お疲れさまでした。お世話になりました。では一旦京都へ戻ります。」
「うん、お疲れ。マウスピースが出来たら連絡するからね。」
珂織「ありがとうございました。それではまた。」
日が沈みかけた時間帯になり走って横浜駅へ向かった。
「……何ていうか、凄いのが来ましたね。」
「間違いなく日本の、いや世界のボクシング史上に残る逸材だよ彼は。」
どうにか終電までには俺のアパートの最寄り駅でついた。運動らしい運動もしていないが病院内を行ったり来たりで精神的に疲れた。さっさと薬飲んで寝た。会長とトレーナーの姿を思い浮かべた。すぐに眠れた。
目が覚める。朝6時、急いで歯磨き洗顔して制服に着替えたところでもう引退したのだと思い出した。だが習慣なのでいつも通り部屋を出て走って学校へ向かった。体育館倉庫へ入る。筋トレしてからひたすらシャドーボクシングで時間を潰した。教室へ入る。香織は…いた。
珂織「おはよう香織」
香織「えっ⁉ 早っ⁉」
珂織「だからいったじゃん。すぐ帰ってくると思うって。」
香織「で⁉ どうだったの⁉ ジムの人たちの反応は⁉」
珂織「シャドーボクシング見せたら『いや、凄いよ。ビックリした。とても昨日まで吹奏楽部やってたとは思えないよ』って言われた。」
香織「合宿の時、素人目で見て凄かったもん。プロの人も同じ反応したんだね…。」
珂織「あすかにも挨拶してくる。」
香織「いってらっしゃい。」
進学クラスへ向かう。あすかは…いた。
珂織「おーい! あすか! おはよう!」
あすか「えっ⁉ 早っ⁉」
珂織「だからいったじゃん。すぐ帰ってくると思うって。」
あすか「で⁉ どうだったの⁉ ジムの人たちの反応は⁉」
珂織「シャドーボクシング見せたら『いや、凄いよ。ビックリした。とても昨日まで吹奏楽部やってたとは思えないよ』って言われた。」
あすか「そりゃあそうだよ…。ネットでプロの試合観たけど珂織と比べて体つきがだらしないし動き遅いくらいだもん。」
珂織「マウスピースが出来るまで2週間くらいかかるって言われたからそれまでは学校に通うからよろしくね。」
あすか「うん! よろしく!」
それから部活に充てていた時間を走り込みとシャドーボクシングと筋トレに費やした。汗だくで戻ってくると香織が待っていた。
香織「遅い⁉」
珂織「だって部活がない分自由に運動できると思って張り切っちゃったんだよ。ごめんね待たせて。」
一緒に部屋に入って体を貪り合った。部活からの開放感故か香織が失神して眠っても、起きて許しを請われても俺は止まらなかった。
香織「はあぁ…⁉ 凄かった…⁉ こんなにイッたの初めてかも…⁉ 死ぬかと思った…⁉」
珂織「何だか元気が有り余って止まれなかった。嫌だった?」
香織「ううん、気持ちよすぎて幸せだよ…。珂織の好きにしていいんだよ…。」
ホッとした。香織をもっと気持ちよくしようと思った。翌週もあすかを香織と同じように抱いた。文句どころか香織と同じような事を言われた。相手に恵まれてるなぁと思った。そしてそのまた翌週、ついにジムから連絡が来た。マウスピースが出来たのと、基本的な練習方法から教えるからジムに来てほしいと言われた。ついでにプロテストの申請もするから必要な書類諸々を伝えられた。それなら既に用意してある。確認してから電話を切った。それから香織とあすかに電話した。次は少し長くなるかもと伝えた。見送りは遠慮しとくと伝えた。
翌日、再度横浜に来た。今度は開業時間に合わせて来た。ドアを開ける。
珂織「おはようございます! 中世古珂織です!」
「おはよう。元気いいね。」
珂織「本日から本格的に練習を教えていただけると聞いて張り切って参りました。」
「……相変わらずだね君は。じゃあ順番に教えるよ。」
珂織「よろしくお願いいたします。」
準備体操と柔軟体操をした後にサンドバッグ打ちやミット打ち、早速スパーリングもさせていただいた。面白いようにパンチが当たり、避けられた。スパーリングパートナーがいなくなるまで叩きのめし続けた。
「……君、凄いね。もしかして喧嘩馴れしてる?そんな風には見えないけど。」
珂織「喧嘩…ですか…。中学3年の時にイジメやってた不良気取り6人をブチのめしてその後に包丁やらカッターナイフ持った不良気取り15人に囲まれましたけどブチのめして、高校入学前に女の子を襲ってたナイフ持ってた不良6人をブチのめしたくらいですね。」
「『くらい』って……。15人も囲まれて刺されなかったの?」
珂織「腹に刺されましたけど既に腹筋鍛えてましたし相手も貧弱だったので腹筋に少し刺さった程度ですよ。カッターナイフで首も切られましたけど軽傷でした。」
「……無茶しないでね。ああそうだ。この調子なら来月のプロテストに申請していいかな?」
珂織「はい! よろしくお願いします!」
「……あれだけ動いてもまだまだ元気だね。」
珂織「運動しまくらないと睡眠に影響しますので。毎日フラフラになるまで運動しています。」
「どれくらいでフラフラになるの?」
珂織「そうですね…あと2時間くらい走ってシャドーボクシングして息が上がって腕も疲れて動けないってくらいになったらスクワット4000回、腹筋運動1000回、地面…コンクリートですね。そこで拳立て1000回、指立伏せ100回やればフラフラになると思います。」
「……それって毎日やってたの?」
珂織「はい。」
「……体力お化けって言われなかった?」
珂織「言われました。でも睡眠のためなのでしょうがないですね。」
「……経験したことないけど不眠症って大変だね。」
珂織「そうですね。2日も薬飲まないと自殺を考える程度の生き地獄を体験します。」
「そんな想いはさせないように俺たちがサポートするよ。」
珂織「はい、ありがとうございます。」
お辞儀した。
「……君は謙虚だね。これも言われなかった?」
珂織「言われました。そして『自信を持って』と何度も言われました。入部から引退間近までずっと。」
「そうだね、自信を持つのは大事だよ。でも謙虚さも必要だよ。君なら両方出来ると思うよ。」
珂織「ありがとうございます。」
「これからどうする? ミット打ちでもしようか?」
珂織「お願いします!」
「いい返事だ! こっちも元気になってくるよ! さあ来い!」
珂織「はい!」
こんな感じで会長やトレーナーに気に入られたようでみっちり練習を叩きこまれた。ジムの設備で筋トレもさせてもらった。プロテストにはあっさり合格した。対戦相手をK.Oしてしまいそのまま
試合終了となった。不安だったが翌日の練習中にジムに合格通知の連絡が届いた。
「おめでとう。早速なんだけど、ウチの興行が1月にやるんだけど出てみない? 君のデビュー戦になるね。相手の希望とかある?」
珂織「出来るだけ強い相手とやりたいです。これからもずっとです。」
「……わかった。会長に交渉してもらうよ。これからは冬休みに入るまでは学校に行ってていいよ。まだ出席日数危ないでしょ?」
珂織「そうかもしれません。」
「興行は1月の末だから1週間前くらいになったら来てもらうように連絡するよ。それまでは学校に行って。それで毎日フラフラになるまで運動すること。それでいい?」
珂織「はい! よろしくお願いします!」
会長に挨拶してからまた京都へ戻った。いつもと同じように朝早くに目が覚めたのでそのまま学校へ向かった。筋トレをして時間を潰して教室に入って香織に挨拶する。
珂織「おはよう香織。」
香織「おはよう! 何か進展はあった?」
珂織「プロテストに合格してたぶん…1月の末にデビュー戦が決まったのかな? 会長に後で連絡してみるけど、まあそういうこと。」
香織「おめでとう! とうとうプロボクサーになったね!」
珂織「香織の方はどうなの? 受験勉強は。」
香織「たぶん大丈夫だと思う!」
珂織「なら良かった。あすかにも知らせてくる。」
進学クラスへ向かう。あすかは…いた。
珂織「おーい! あすか! おはよう!」
あすか「あっ⁉ 珂織⁉ 帰ってきてたの⁉」
香織の時と同じように説明した。
あすか「凄いね⁉ どんどん遠い存在になっていく気がするよ⁉」
珂織「今までみたいに会うのは難しいと思うけど我慢できる?」
あすか「うん⁉ 我慢する⁉」
珂織「それじゃ1月の中旬辺りまでよろしく。」
それから出席日数を稼ぐために学校に通い週に1回香織とあすかを抱いて日々を過ごした。冬休みに入りジムへ通い続けた。その間会長の紹介で安宿に泊まり続けた。
「珂織くん、年末年始は予定ないの? ジムも休業に入るけど。」
珂織「え、そうなんですか。それでは京都に戻るとしますかね。」
練習が終わりバッグを漁る。ふと携帯電話を見る。着信反応がある。履歴を見る。香織とあすかばかりだった。早速電話する。
珂織「もしもし、電話した?」
香織「したわよ⁉ クリスマスも電話したけど全然かかってこないし…⁉ 年末年始はどうするの⁉」
珂織「ジムが休業に入るらしいんで京都に戻るつもり。」
香織「あーそう⁉ 戻ってきたら連絡するように⁉ わかった⁉」
電話が切れた。あすかにも連絡した。香織と同じような反応をして切られた。休業日前日に会長とトレーナーに挨拶して京都へ戻った。黄檗駅に着いて香織とあすかに連絡した。どちらもすぐに切れた。視界に見慣れたふたりが映る。しかめっ面をしている。
香織「戻るなら事前に連絡してもいいでしょ⁉ 急に『今黄檗駅にいる』って聞いてビックリしたわよ⁉」
珂織「えっ⁉ だって『戻ってきたら連絡するように⁉』って言われたからその通りにしたんだけど…?」
あすか「それに携帯電話の確認くらいマメにしなさいよ⁉ 何考えてるのよ⁉」
珂織「だって普段使わないしすっかり忘れてた。練習も毎日楽しくって。」
香織「あーもう…⁉ 未だにスマホも持ってないしこっちは不便でしょうがないわよ…⁉」
珂織「それで何か用?」
あすか「年越しイベントとか初詣とかあるでしょ⁉」
珂織「いいの? 受験生なんでしょ?」
あすか「それくらい平気よ⁉」
珂織「それでこれから何するの?」
香織「珂織の部屋でするに決まってるじゃない⁉ 文句ある⁉」
珂織「ないよ。」
3人で一緒に帰った。久しぶりな気がして燃え上がった。こうしてふたりを抱けるのももうすぐ終わりだろうという確信めいたものがあった。冬休みが明けてしばらく学校に通っているとジムから連絡が来た。無事デビュー戦が行われることが決まったのでジムに戻って来てほしいとのことだ。香織とあすかに連絡して横浜へ向かった。
葉月「それでは! 卒業生の入場でーす‼」
加藤さんの元気のいい呼びかけによって俺たちは音楽室へ入る。今日は卒部会。過去2年やった記憶がないが今年は俺も呼ばれた。在学生、卒業生共に出し物が行われる。思い出の映像の中に合宿での俺のシャドーボクシングする姿があった。懐かしい。あっという間の半年だった。そして卒業生側の合奏、経緯は不明だが『Still Alive』に決まったらしい。久しぶりに手にする我が相棒。指を動かす。脳と指はしっかり覚えていた。俺のタイミングに合わせると言われたのでゆっくりと繊細に吹く。そして大音量で間奏を吹く。みんなも俺に続いた。最後のエレキギターパートをゆっくりと吹き終える。
「「「「「おー‼」」」」」
と拍手と歓声をいただいた。
優子「先輩たちが残した時間はどれも掛け替えのないものでした。その全てを後輩たちに伝え北宇治吹奏楽部を作っていこうと思います。そして全国金をかならじゅ⁉」
あすかが吹きだす。
夏紀「大事なところで…。」
優子「うるさい⁉ それと…珂織先輩、デビュー戦、1ラウンドK.O勝利おめでとうございます。」
珂織「ありがとうございます。」
一礼した。拍手をいただく。俺は呆気なくデビュー戦を終えた。控室で「もっと強いのと戦いたいです。」と会長にお願いした。もうすぐ次の試合が決まる。
優子「それでは…私たちの決意を込めてこの曲を送ります!」
傘木さんが正面に立ちお辞儀する。そして演奏されたのは『三日月の舞』だった。香織とあすかを見る。懐かしむような表情で聴き入っている。演奏が終わった。素直に拍手した。言葉にはしなかったが皆さんに未来を託した。会長の許可を得て卒業式にも出席した。俺が証書授与した時、拍手と歓声が起こった。どうやら俺がプロボクサーになったことは知られているらしい。向き直って一礼して感謝の意を示した。
松本「中世古、頑張れよ。応援しているぞ。」
珂織「松本先生こそお元気で…3年間ありがとうございました。」
珂織「滝先生、僅か半年ほどですが俺にとっては夢のような時間でした。ありがとうございました。」
滝「私こそ、貴方のような部員を持てたことを誇りに思います。頑張ってください。」
先生への挨拶が終わると1,2年生の皆さんが群がってボタンをひとつ残らずちぎって持っていってしまった。
希美「先輩! ボタンは…あ、もうないですね…。」
遅れて鎧塚さんもやってくる。ふたりとも落ち込んでいる様子だ。
珂織「せっかくなので学ランとズボンいります?」
「「欲しいです‼」」
上下脱いで渡した。中川さんもやってくる。
珂織「シャツ欲しいですか?」
夏紀「はい!」
シャツを脱いで急いでバッグからシャツとスーツを取り出し着替える。ついでにネクタイも締める。高坂さんがやってきた。
麗奈「私にはないんですか?」
珂織「後は…靴下とスニーカーくらいですがどうします?」
麗奈「いただきます!」
脱いで高坂さんに渡す。新品の靴下と革靴に履き替える。
優子「先輩⁉」
後は…財布と携帯電話だけが入ったバッグだけだ。
珂織「コレ…いります?」
優子「はい!」
すっかり手ぶらになり学校を出ようとする。
「私を忘れてもらっては困るなぁ~。」
「私もね。」
珂織「ああ、そうだった。部屋に寄って行って。好きな物持っていって。」
3人で一緒に帰った。部屋に入ってパンツなり靴下なり運動用シャツなり好きなだけ詰め込んでもらった。荷造りの際に手間が省けて助かる。
珂織「気は済んだ?」
香織「まだ…。」
あすか「次にいつ会えるかわからないしスーツ姿で私たちとして。遠慮しないで。」
珂織「わかった。」
制服姿のふたりを犯すように何の前戯もせず突っ込んだ。濡れていた。構わず突きまくってイカせまくった。横たわるふたりが起き上がり同時に口でしてもらった。
珂織「あすかの眼鏡にかけていい?」
あすか「いいよ⁉ 思いっきりかけて⁉」
遠慮せずあすかの顔に放った。眼鏡が白濁液で汚れる。
あすか「珂織のってこんな風だったんだね…! 匂いも濃くて興奮する…⁉」
眼鏡に放った俺のを舌で舐めとる。とてもいやらしかった。
香織「ズルい⁉ 私にもちょうだい⁉」
香織の美しい顔にかける。妙に興奮した。
香織「ん…⁉ 凄い…⁉ 珂織の濃いので頭がクラクラする…⁉」
指で掬い取って舐めとる。とてもいやらしかった。その後も口でしてもらって交互に飲ませた。
あすか「ん…⁉ やっぱり珂織の飲まないと気が済まなくなっちゃった⁉ 元気出てくる⁉」
香織「私も⁉ もっと濃いの飲ませて⁉」
萎えるまでしてもらった。荷造りを手伝ってもらった。終える頃には俺の股間は元気になっていた。また犯すように激しくしまくった。横たわるふたりを立ち上がって眺める。どちらも美しい。体もいやらしく成長した。未だに俺は選べずにいた。
翌日、引っ越し業者に荷物を任せて部屋を出る。寂しくはなかった。携帯電話が振動する。香織からだった。
珂織「もしもし?」
香織「今どこ⁉」
珂織「部屋出て出発するところ。」
香織「もう⁉ そういうことは先に言って⁉」
珂織「ごめん、忘れてた。」
香織「あすかも呼ぶからいつもの所で待ってて⁉」
電話が切れる。黄檗駅まで走って向かった。ひたすら待つ。やがて視界に見慣れたふたり。
香織「もう⁉ 見送りくらいさせてよ⁉」
あすか「私たちを何だと思ってるのよ⁉」
珂織「とっても美人でとってもいやらしい体してて俺で気持ちよくなってくれて女性として最高だと思う。でも大学でいい男見つけたら付き合っていいんだよ。その時はきちんと報告してね。周囲の男たちが放っておくほど愚かではないと思ってるし。」
香織「あのねぇ…⁉ 私は珂織が大好きなの⁉ 1年生の頃から変わってない⁉ わかった⁉」
あすか「私だってそうよ⁉ 珂織以上の男はいないと思ってる⁉」
珂織「わかった、ありがとう。こんなに魅力的な女性ふたりに好かれて俺は恵まれてると思う。」
香織「なら良し!」
あすか「それじゃあ元気でね。」
ふたりは笑顔で見送ってくれている。俺は…笑えているだろうか。
香織「結局この3年間、珂織の笑顔は見られなかったね。」
あすか「うん…まだまだ私たちの魅力が足りないようね。もっと女を磨くわよ!」
香織「そうだね、私も頑張る! 珂織を横取りされる前に!」