―――香織とあすかの部屋にいる数日間、朝から晩までしまくった。ふたりの性欲も凄かったが俺のスタミナは底なしだった。何しろ1年と数か月もの間してなかったから当然なのかもしれない。ふたりがやがて許しを請うまでしまくった。満足したようで嬉しかった。ジムから連絡が来たので俺は戻ることにした。駅でふたりに見送ってもらった。手を振って分かれた。会長から次の4団体統一戦は3か月後に決まった。会場は東京ドーム。久しぶりの日本での試合だった。少しは戦い甲斐のある挑戦者が来ることを祈った。後から会長から聞いたが世界戦最短K.O記録と連続1ラウンドK.O記録はギネスで俺に認定されたらしい。丁度前回の世界戦、20戦目にして記録を更新したと聞いた。特に何の感慨も湧かなかった。
次のタイトル戦を楽しみに待ちながら練習に明け暮れていると有名Youtuberやら軽量級のうだつの上がらないプロボクサーがアポなしで挑戦しに来た。俺は快諾した。相手にヘッドギアと胴体にプロテクターを付けさせてリングに上がってもらった。俺の心境は動くサンドバッグを手に入れてテンションが上がりまくった。ゴングが鳴って早々に素早く踏み込んで右ストレートをブチ込みロープに追い詰めて左右のフックを叩き込み続けた。ヘッドギアの隙間から怯えた表情と鼻血を流しているのが見える。それでも止めなかった。ヘッドギアを破壊するつもりで殴り続けた。有名Youtuberとやらが倒れた。
珂織「立て。」
「もう…許してください…⁉」
珂織「許してくださいって何だよ。てめえ俺を倒しに来たんじゃねえのかよ。早く立て。」
「お願いします…⁉ 許してください…⁉」
土下座した。興ざめだった。
珂織「てめえら俺を利用しての売名が目的なんだろうがな。1億年早ぇよ。生まれ変わって出直してこい。 わ か っ た か ‼」
逃げるように去って行った。素人相手に何をやっているのか俺も不思議だった。名も知らぬ軽量級ボクサーの時もそうだった。
「1ラウンドでK.Oしてやるわ。」
珂織「ふーん、どうやって?」
「バチバチに殴り合おうや。」
ヘッドギアとプロテクターを付けさせてリングに上がらせる。ゴングが鳴る。相手が下がる。ため息をつきたくなった。大方、カウンター狙いなのだろうがそもそもリーチで大負けしている相手に下がって待つ姿勢がムカついた。ひたすら俺の間合いで殴り続けた。ヘッドギアの隙間から相手の顔が腫れて鼻血を流しているのが見える。それでも殴りまくった。前のめりに倒れた。後頭部に踵を踏み下ろしたい衝動に駆られたが我慢した。
珂織「立て。」
「……。」
珂織「立てよ。『1ラウンドでK.Oしてやるわ』だの『バチバチに殴り合おうや』だの好き勝手言ってたけどアレ何だったの? 何でゴングが鳴って後ろに下がるの? 殴り合うんじゃなかったの? 1発でも手ぇ出した? 早く立てよ。まだ1ラウンド終わってねぇぞ。」
「…みませんでした。」
珂織「何? 聞こえねぇよ。」
「すみませんでした⁉」
土下座した。デカいため息をついた。
珂織「二度とツラ見せんな。殺すぞ。」
逃げるように走り去っていった。案の定というか当然というか映像がネットに出回って批判が俺に集中した。大勢の記者がジムに殺到した。会長やトレーナーが対応したが俺が名乗り出た。
珂織「質問のある方どうぞ。」
「素人相手に大人気ないと思わないんですか⁉」
珂織「本人に聞いてくださいよ。何で挑戦したんですか?って。」
「階級差を考えなかったんですか⁉」
珂織「本人に聞いてくださいよ。階級差を考えなかったんですか⁉って」
記者たちは黙ってしまった。ひとりひとり睨む。目を逸らす。
珂織「以上ですか? ではお引き取りください。練習の邪魔になりますので。」
記者たちが去って行く。言い残したことがあった。
珂織「あ、それから本人たちに取材する機会があったら伝えておいてください。『売名行為も程々にしねえと命に関わるぞ。命があるだけ俺に感謝しろ』って。お願いします。」
ため息をついてジムの中に入る。電話での苦情の殺到も俺が対応した。記者たちに答えたのと大体同じように答えた。電話が鳴りやむまでひたすら対応した。夕方になっていた。
「済まなかった。俺たちが止めていれば…。」
珂織「謝らないでください。どれだけやるのか期待した俺が馬鹿でした。」
その件以降は売名目的の輩の相手はお断りした。どれだけ罵声を浴びせられようが
珂織「現金で20億円用意してこい。それが今の俺の試合の値段だよ。早く持ってこい。」
相手は悉く黙って去って行った。徹底的に対戦を拒否し続けた。
それからはタイトル戦に向けて練習する日々を過ごした。ある日香織から電話がかかってきた。
珂織「もしもし?」
香織「珂織…大丈夫?」
珂織「何が?」
香織「え、ネットで凄い叩かれて大丈夫かなって思って…。」
珂織「ネット見てないから全然知らないよ。」
香織「そっか…。その調子で頑張ってね。」
珂織「うん、頑張る。」
香織「それじゃあね。」
珂織「うん、バイバイ。」
余計なお世話だと言おうと思ったが八つ当たりみたいでみっともないので止めておいた。あすかからも同じような電話が来たが香織の時と同じように返答して通話を切った。フラフラになるまで練習してストレス解消に努めた。来たる初防衛戦。入場する。聞き覚えのある音。音源を探る。東京ドームの一角に照明が当たっている。これは…アルトサックスだ。そして『Still Alive』だ。その後重厚なダブルギター、間違いない、吉川さんと中川さんがエレキギターを弾いている。そしてその正面、指揮をしているのは滝先生だ。他の北宇治の制服を着ている皆さんは見覚えが無い。現役の吹奏楽部員だろうか。花道で夢中で手を振った。演奏に夢中で気づいていないようだった。何度もお辞儀する。ゆっくり歩いて合奏が終わるタイミングでリングに入る。再度舞台に向かってお辞儀した。
ゴングが鳴る。相手が間合いを詰めてジャブとストレートを出す。珍しく気合いの入った相手だった。スウェーでかわす。ジャブを出す。当たらない。素早く間合いを詰めて右ボディをブチ込む。動きが止まる。左ボディもブチ込む。そのままボディの連打を繰り返す。相手がマウスピースを吐き出す。とどめに右アッパーを叩きこんだ。ダウンする。ピクリとも動かない。カウントストップ。初防衛に成功した。控室へ行く。トレーナーからひと言。
「サプライズゲストのご登場だ。」
ひとりの男性が入ってくる。忘れるはずもない。
珂織「滝先生⁉ 俺のために来ていただいて嬉しいです⁉」
滝「私も嬉しいです。貴方と過ごした日々は約半年程度でしたが、貴方との真剣に吹奏楽に向き合い熱心に練習した日々は楽しかったです。学校を卒業してもこんなに楽しませてくれる生徒を持てて誇りに思います。」
珂織「それで…その…全国金賞は獲れました…?」
滝「黄前さんが部長、高坂さんがドラムメジャー、塚本くんが副部長になり3年生になった時にようやく叶いました。」
珂織「おめでとうございます!」
「中世古くん、久しぶりね。元気?」
「やっほー! ボクのこと覚えてる? 相変わらず凄い試合だったね!」
珂織「新山先生⁉ 相変わらず美人ですね⁉ お会いできて嬉しいです⁉ 橋本先生もお元気そうで何よりです⁉」
新山「まあ…⁉ 中世古くんったらお上手ね…⁉」
「有名Youtuberだか何だか知りませんがそいつとガラの悪いボクサーを叩きのめした動画観てスカッとしました!ネットでは叩かれてましたけど先輩は正しいことをしたと思います!こんなに凄い先輩を持てて誇りに思います!」
「その後の取材対応も淡々と答えて記者たちも言い返せなくてスッキリしました!先輩は相変わらずで嬉しくなりました!私も毎日が楽しくて嬉しいです!」
珂織「中川さん! 吉川さん! 見事なダブルギターでした! 俺のために…ありがとうございました!」
滝「実は以前から中世古くんが日本で試合する時は入場曲を演奏させてほしいとジムの会長さんにお願いしていたんです。貴方の残した楽譜は今でも北宇治で合奏しているんですよ。」
珂織「ありがとうございます⁉ ありがとうございます…⁉ それに…後ろに控えている皆さんは現役の吹奏楽部員ですか?」
「は、はい⁉ 滝先生から3年ほど前に凄い奏者がいたとお話を度々聞いていまして…こうしてお会いできて光栄です⁉ 貴重な体験もさせていただいてありがとうございます⁉」
「「「「「ありがとうございます⁉」」」」」
珂織「こちらこそ東京までお越しいただいて、演奏までしていただいてありがとうございます!」
「あ、あの⁉ もしよろしければ写真を撮らせていただいてもよろしいでしょうか⁉」
珂織「はい! 会長! よろしいですか!」
「好きなだけしていいよ。」
珂織「ありがとうございます! それでは…喜んでお付き合いさせていただきます。」
そして4本のベルトを両肩に担いで滝先生と俺を真ん中に全体写真、皆さんとのツーショット写真を撮った。吉川さんと中川さんとも撮った。今の俺は上手く笑えているだろうか。それだけが気になった。
優子「相変わらずだったね珂織先輩。世間を賑わせる国民的英雄になっても北宇治の生徒相手にも礼儀正しくて腰が低くて私たちのことも覚えていてくれて…安心したし嬉しかった。」
夏紀「私もだよ。演奏してる時も歌ってる時も、試合してる時も別人に見えたけど『ああ珂織先輩は珂織先輩のままだった』って安心したし嬉しかったよ。笑顔のぎこちなさも。」
優子「でも先輩の感謝の言葉に嘘はないと思うの。たぶん先輩は心の底から満足したことがないんじゃないかな。試合も1ラウンド連続K.O更新中だし。香織先輩と上手くいってるといいけど。」
夏紀「そうだね…。」
タイトル戦を終えてまた数日の暇をいただいた。京都に戻って香織とあすかを抱く日々を過ごした。最高に気持ちよかった。ジムから連絡が来た。次のタイトル戦も3か月後に決まった 。それから年4回ペースで防衛戦を行った。香織とあすかに会うペースも年に1回と決めた。俺はどちらを本当に好きなのか考える猶予が欲しかった。
4年が経った。世界戦連続防衛記録は20回になり日本記録を超えた。その全てが1ラウンドK.O勝利だった。ハナから日本記録など興味が無かったので世界記録、25回を目指してヘビー級に君臨し続けるつもりだった。それから連続K.O勝利の世界記録の32回を超えて36回に更新したがまだまだ満足しなかった。防衛戦を終えて数日間の暇をいただいた。香織に連絡した。
香織「もしもし珂織! 防衛戦勝利おめでとう!」
珂織「ありがとう。それで…今から京都へ戻るつもりなんだけど、都合のつく時間でいいから会えないかな?」
香織「いいよ! 有給取って休み貰うから! 私の住むアパート、覚えてる?」
珂織「うん。じゃあ今から行くよ。」
香織「うん! 待ってる!」
もう夜だが構わなかった。トレーナーに車で東京駅まで送ってもらった。
珂織「では行ってきます。」
「いってらっしゃい。」
新幹線に乗って京都へ向かった。どうにか香織の住所の最寄り駅まで終電に乗っていけた。改めて香織に連絡してからアパートへ向かった。インターホンを鳴らす。すぐに香織が出てきた。
珂織「ごめんね、こんな夜遅くに。」
香織「いいの! 休み取れたから気にしないで! さあ入って!」
珂織「お邪魔します。」
座布団に正座して向かい合う。
珂織「俺、決めたよ。香織…俺と結婚を前提に付き合ってほしい。」
香織「えっ⁉ 本気なの…?」
珂織「うん、高校1年の時にひと目惚れした時から今までずっと美人のままで…大人になって益々美人になって俺は香織が大好きだよ。今まで支えてくれて本当に感謝してる。」
香織「あすかじゃなくて本当に私でいいの?」
珂織「うん、どうかお願いします。」
頭を下げた。
香織「嬉しい…⁉ 夢みたい…⁉ 珂織が私を選んでくれるなんて…⁉」
珂織「俺は本気だよ。」
香織「私も…⁉ 高校の時から礼儀正しくて優しくて練習熱心で情熱的で勉強も運動も出来て正義感が強くて意志が強い珂織が大好きだよ⁉ 私を助けてくれたあの時から大好きだった…⁉」
珂織「御両親に挨拶したいんだけど、いつがいいかな?」
香織「その前にあすかには話したの?」
珂織「あ、まだだった。」
香織「もう…! 大事なことなんだから早く伝えてあげて。」
珂織「あすかを泣かせることになるかもしれないけど、そこは我慢してね。」
香織「今日はもう遅いから一緒に寝よう。」
珂織「裸で抱き合って添い寝してもらっていい?」
香織「いいよ。」
眠るつもりだったがお互い興奮して体を貪り合った。香織が動かなくなるまでしてから眠りについた。早朝、あすかに連絡する。北宇治で会おうということになった。最寄り駅まで電車で行き走って向かった。正門前で待つ。やがて見慣れた顔が映る。
あすか「何、話って?」
珂織「香織と結婚を前提に付き合うことになった。だからもうあすかとは会えない。勝手な話でごめん。」
あすか「そう…。おめでとう。じゃあ今日で最後だね。今までありがとう。」
珂織「こっちこそありがとう。今まで俺を支えてくれて本当に感謝してる。」
あすか「他に伝えたいことは?」
珂織「俺の事なんかさっさと忘れていい男掴まえて幸せになってほしい。以上。」
あすか「それが出来れば苦労しないわよ。珂織は変わってないね。高校の時からずっと。」
珂織「そう?」
あすか「そうよ。だからこそ香織も私も好きでいられ続けたのかもね。じゃあね、香織と幸せに。」
珂織「うん、幸せになる。」
立ち去っていくあすかの後姿をただ見送る。あすかとの思い出に耽った。どれくらいそうしていただろうか。あすかの姿はとっくに見えなくなっていた。走って駅に向かった。無性に香織に会いたくなった。香織に連絡する。電車を降りて走ってアパートへ向かった。ドアが開く。香織の姿が見えた瞬間に舌を絡めた。抱えてベッドまで運ぶ。服を脱がせる。俺も全裸になる。胸を揉みしだき乳首を舐めて舌で転がす。歯を立てる。ビクンと反応する。両脚を開いてあそこに顔をうずめる。舌で舐め回す。入口に舌を突っ込みかき回す。もう充分に濡れている。敢えて2本の指を入れてグチャグチャにかき回した。香織の全身を眺める。快感に歪む顔、揺れる豊満な胸、綺麗な太もも、新山先生の姿が重なる。すぐに消えた。甲高い声を上げて絶頂に達した。すっかり成熟した大人の体に成長した香織、眺めているだけで興奮する。正面から突き入れ腰を動かす。俺が動く度に揺れる胸、とてもいやらしかった。片手で乳首を、もう片手であそこの突起物をいじった。喘ぎ声が激しくなる。また絶頂に達した。四つん這いにさせる。形のいいお尻を両手で掴んで激しく腰を動かす。俺の股間にぶつかる度に揺れるお尻、興奮した。夢中で突きまくった。甲高い声を上げながら全身を痙攣させて体をのけ反らせる。俺も限界が近い。
珂織「香織…その…中に出していい?」
香織「はぁ…⁉ はぁ…⁉ いいよ⁉ 私も珂織の…欲しい⁉ いっぱいちょうだい⁉」
もう限界だ、放った。
香織「ああっ⁉ 凄い…⁉ 珂織ので…⁉ まんこの中がいっぱい…⁉ 私…幸せ…⁉」
初めて中に出した快感の余韻に浸る。物凄く気持ちいい。その後も香織が失神しても行為を続けて中に出した。ひと息ついてあそこを眺める。痙攣するあそこから俺の放ったものが溢れ出してお尻の穴を濡らし布団も濡らす。両脚を開いたまま眠る香織。とてもいやらしかった。目を覚ました香織が俺のにしゃぶりつく。放った。喉を鳴らして飲み込む。
香織「ん…⁉ やっぱり…⁉ 中に出されるのもいいけど…⁉ 飲まないと気が済まない…⁉」
妖艶な笑みを浮かべながら俺のを舌で舐めとる。唇で搾り取られる。すぐに元気になった。
香織「次は私がしていい? 寝て。」
珂織「いいよ。」
仰向けに寝る。俺の股間に跨り腰を沈める。やがて激しく腰を動かす。揺れる胸がとてもいやらしかった。俺の放ったものと香織の体液で滑りが良くなったはずだが締め付けが強くなっている気がする。物凄く気持ちいい。
香織「この体勢…⁉ 珂織を犯してるみたいで…⁉ 奥まで届いて⁉ 気持ちいい⁉ イクッ⁉」
涎を垂らしながら絶頂の余韻に浸る香織。続きは俺が下から突き上げる。悲鳴のような喘ぎ声を上げながら俺にされるがままになっている。起き上がり対面座位の体位になる。片手でお尻の穴を擦る。ビクンと反応する。もう片手で乳首をつねる。
香織「もう…⁉ 私…限界⁉ ごめん…もう…イクッ⁉ ううんっ⁉ イクッ⁉」
俺も限界だった。香織の中に放った。ビクンと痙攣して俺にもたれかかる。優しく寝かせた。あそこを眺める。俺の放ったものがあそこから溢れ出ていた。ティッシュで拭きとったが中まではどうしようもない。香織に任せることにした。
珂織「う~…世界戦よりも緊張するよ…⁉」
香織「スーツもネクタイもピシッと決まってるし大丈夫よ! ほら、堂々として!」
香織と正式に付き合うことになって愛の営みをしてから翌日、香織の御両親に挨拶に伺うことにした。お父様が帰宅なさったと連絡が入って今は中世古邸の前にいる。香織が玄関のチャイムを鳴らす。対応してくださったのはお母様だった。
「いらっしゃい、さあどうぞ上がって。」
珂織「し、失礼します…。」
茶の間に案内された。入る。お父様が座っていた。香織の父上だけあってナイスミドルな男性だった。正座して向かい合う。手をついて頭を下げる。
珂織「初めまして、香織さんとお付き合いさせていただいております。中世古珂織と申します。本日はお願いがありまして伺いました。どうか香織さんとの結婚を認めていただけないでしょうか。お願いします。」
「君の話は娘から高校生時代から聞いているよ。中学3年生から鬱病と不眠症を患いながら理不尽な先輩たちに媚びず立ち向かい練習に励み自分を貫いた勇気ある男子だとね。そして刃物を持った不良6人から救ってくれたそうだね。お礼が遅れたがありがとう…。本当に感謝しているよ。それで…症状の方は大丈夫なのかね?」
珂織「はい、精神科の先生にも健康そのものだと診断されました。もう一切薬も飲んでいません。夜から朝までぐっすり眠れていて1日3食の生活を過ごしています。」
香織「えっ⁉ そうなの⁉」
珂織「あれ、言ってなかったけ?」
香織「初めて聞いたわよ⁉」
珂織「ごめん…。」
「まあ…健康になったようで何よりだ。ところで…いわゆるセレブ界とか芸能界からの誘惑はなかったのかね?」
珂織「その手の誘いはあったようですが会長やトレーナーの協力もあって練習と試合に集中することが出来ました。贅沢もしておりません。」
「こうして香織と一緒に挨拶に来てくれたんだ。信じよう。そして…君なら娘を幸せに出来ると信じている。こちらこそ娘を…よろしくお願いいたします。」
お父様が頭を下げた。
珂織「ありがとうございます⁉ ありがとうございます…⁉」
改めてお父様とお母様に頭を下げた。
「晩飯はまだだろう? 出前でも取ってお祝いをさせていただこう。」
香織「ありがとう…⁉ お父さん⁉ お母さん⁉」
正式に御両親から結婚の許可をいただいてホッとした。晩御飯をご馳走になり中世古邸に泊ることになった。ひとつのベッドで愛の営みをしてから一緒に眠りたかったが御両親に聞こえると気まずいので理性を総動員して眠った。
それから2年後、世界統一防衛戦も相変わらず成功し続け世界防衛記録も更新し慎ましやかながら結婚式も行った。心の底から幸せだと実感した。それから間もなくして香織が身籠っていることが判明した。どうやら男の子らしい。ふたりで相談して生まれてくる子には『夏雄龍』(かおる)と名付けた。香織に似たイケメンで俺みたいなガタイに育ってほしいと願った。早くも次は娘が欲しいなと相談中だ。
俺たちの幸せな人生はまだまだ続く ー完ー